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第28回社会保障審議会福祉部会 資料 [2025年10月07日(Tue)]
第28回社会保障審議会福祉部会 資料(令和7年8月18日)
議事 (1)「地域共生社会の在り方検討会議」中間とりまとめ(報告)(2)「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会とりまとめ(報告)(3)身寄りのない高齢者等への支援に係る関係者ヒアリング (4)今後のスケジュール(見込み)について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_61579.html
◎参考資料1 「地域共生社会の在り方検討会議」中間とりまとめ
0.はじめに
→○ 地域共生社会の理念・概念が提唱され、政府において、本格的な取組が開始されてから10年弱が経過する。この間、地域共生社会の実現に向けては、平成 29 年の社会福祉法改正により、全市町村に対して、包括的な支援体制の整備を努力義務化するほか、令和2年の法改正において、 重層的支援体制整備事業を創設するなどの取組が進められてきた。 ○ こうした制度改正等も踏まえ、市町村においては、多様な取組が展開され、包括的な支援体制の整備を通じた地域共生社会の実現に向けた実践が、各地で広がってきている。 既に一部の地域においては、地域性を活かした自治体独自の豊かな取組が見られるほか、福祉分野における連携・協働を図り、これまで制度の狭間に置かれ支援が行き届いていなかった事案への対応を進めていこうとする流れが 確実に生まれてきている。 ○ 他方、こうした流れは、一部の先駆的な地域における取組に限られていて未だ 全国に遍く広がっているわけではない。また、この間の制度改正を受けて、包括相談体制の構築を強化する流れができつつあるが、多くの地域においては、 包括的な支援体制をどのように整備すべきか戸惑いも見られ、明確な展望が切り拓かれているとは言いがたい。国と自治体にとって新たな挑戦であることを考えると試行錯誤が繰り返されるのは当然であるが、福祉分野を超えた 体制の構築や地域との連携・協働が不可避であるという意識・認識は十分に共有されるに至っていない。地域が直面している課題に照らした時、包括相談と一体で構築すべき地域づくりの取組は決して十分とは言えない現実も直視しなければならない。国や自治体、そして地域は、相互に課題を押しつけ合うのではなく、あくまで地域ごとの独自の取組を尊重しつつも、共に手を携え歩みをすすめるべきである。 ○ さらに、2040 年に向けてはこれまで地域における支え合いの基盤となっていた地縁・血縁・社縁と言った繋がりが弱くなること、単身世帯(特に、高齢者 単身世帯や生涯未婚世帯)の増加などの社会情勢の変化、法制審議会において、成年後見制度の見直しの議論が進められる等、地域福祉を取り巻く環境も 更なる変容が生じている。 ○ こうした中で、令和2年の改正法附則第2条3における施行後5年の検討規定 や、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」等も踏まえ、 厚生労働省において、昨年6月に「地域共生社会の在り方検討会議」が設置された。 検討会議においては、この検討規定等を踏まえ、 @地域共生社会の更なる展開に向けた対応 A身寄りのない高齢者等への対応 B成年後見制度の見直しに向けた司法と福祉との連携強化等の総合的な権利擁護支援策の充実の方向性 C社会福祉法人・社会福祉連携推進法人の在り方 D社会福祉における災害への対応 などを検討事項として掲げ、議論を進めてきた。 ○ これまで、各回の議題に沿って、有識者や先進自治体・事業者にもヒアリング等のご協力をいただく中で、検討会議を計 10 回開催し、議論を行ってきた。 本報告書は、この議論の成果を整理し、とりまとめるものである。

1.地域共生社会の更なる展開に向けた対応
(1)地域共生社会の理念・概念の再整理、更なる展開に向けた連携・協働
@ 地域共生社会の理念・概念の性格、行政責務
→【現状・課題等】【検討会議での意見等】
【対応の方向性】→○ このため、以下について、対応を進めるべき。⇒・地域共生社会の実現にあたっては、あらゆる地域住民が、排除されず地域社会に参画し、共に生活していくことや、地域住民同士で支え合う地域を形成 していくことが重要であることから、この趣旨を条文上反映させることに ついて、法令上の規定の整備の検討を進める必要がある。 今後、互助や住民主体の取組が不可欠となっていくといった、その趣旨や 背景を含めよりわかりやすく伝え、広く認識共有が図られるよう、対応して いく必要がある。 第4条(地域住民等の責務)と第6条(行政の責務)の関係性を整理し、行政には、上記のとおり、あらゆる地域住民が排除されず地域社会に参画し、 地域住民同士で支え合う関係づくりを支援する等の責務・役割があること を明確化することについて、法令上の規定の整備の検討を進める必要がある。
A 福祉サービス提供等における「意思決定支援」への配慮→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、福祉サービスの提供等に当たっては、意思決定支援への配慮の必要 性を明確化することについて、法令上の規定の整備の検討を進めるべきである。
B 福祉以外の分野との連携・協働→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、以下について、対応を進めるべきである。⇒まちづくり・農業・住まい・交通・消費者行政・防災・司法12等の他分野と のそれぞれの役割を踏まえた連携・協働を推進するため、法令上の規定の 整備の検討を進めていく必要がある。 さらに、福祉以外の分野との連携・協働について、具体的な取組を進めるため、都道府県による支援を強化することや、地域運営組織(RMO)や指定 地域共同活動団体との連携・協働などによる、福祉以外分野とも連携・協働した住民主体の地域づくりと包括的な支援体制の整備を繋げていく必要 がある。 ○ また、前提として、地域共生社会の推進に当たっては、前述のとおり、福祉以外の分野との連携・協働が不可欠な要素であることから、地方創生など政府全体として取り組む政策に位置づけ府省庁横断的に取り組むことが重要である。

(2)包括的な支援体制の整備・重層的支援体制整備事業の今後の在り方
@ 包括的な支援体制の整備・重層的支援体制整備事業
→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ 包括的な支援体制及び重層的支援体制整備事業については、こうした点を踏 まえ、次の(@)から(D)までの対応を進めるべき。⇒(@)市町村における包括的な支援体制の整備 (A) 過疎地域等の包括的な支援体制の整備に向けた柔軟な仕組み (B) 都道府県における包括的な支援体制の整備(C)重層的支援体制整備事業の質の向上に向けた取組(D)多機関協働事業等の役割・機能

A 若者支援 →【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ ライフステージを通じた支援を行う中で、特にこども期から若者に至る支援 が途切れがちであることは重要な課題であることを踏まえ、包括的な支援体 制において、こども期からの予防的な支援や、若者の特性に留意したアウト リーチや継続的な伴走支援などにより、困難を抱える若者への支援に取り組 むとともに、地域づくりや居場所づくり等を進める上では若者が抜け落ちないよう留意の上、取り組みを進めていく必要がある22。その際、包括的な支援 体制の整備に当たっては、生活困窮者自立支援制度が重要な役割を持つもの であることを踏まえれば、こども期からの予防的な支援の一層の充実のため、同制度における子どもの学習・生活支援事業の全国的な実施を更に推進する ための方策を検討する必要がある。

2.身寄りのない高齢者等への対応
(1)身寄りのない高齢者等の生活上の課題に関する相談窓口の在り方
→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】⇒○ このため、身寄りのない高齢者等の生活上の課題に関する相談窓口の在り方については、既に各領域(介護、障害、生活困窮等)で支援体制の枠組みがあることを踏まえ、新たな相談窓口の設置という方法ではなく、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援機関、介護保険法に基づく地域包括支援センターなど、 既存の支援体制の枠組みにおいて、その相談を受け止めることとし身寄りのない高齢者等の相談支援機能を強化していくべきである。その際、相談支援等に適切に対応できるよう人的配置を含めた体制の確保に努めるべきである。
(2)身寄りのない高齢者等の生活上の課題に対する支援策の在り方→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○このため、身寄りのない高齢者等が抱える生活上の課題に対する支援策の在り方については、以下について対応を進めるべき。⇒・民間事業者によるサービスに頼れない場合があることを踏まえて、日常生活 自立支援事業を拡充・発展させて、本人との契約に基づき、日常的な金銭管 理や福祉サービス等利用に関する日常生活支援、円滑な入院・入所の手続支 援、死後事務支援などを提供することができる新たな事業とし、第二種社会福祉事業として法に位置づけ、多様な主体が参画できるようにする必要がある。 ・ 新たな事業については、現場や当事者の意見等も踏まえつつ、家族代わりと 誤解されないよう、地域の実情に応じた地域福祉との役割分担及び支援内容 の専門性を考慮し、事業の守備範囲を整理する必要がある。また、民間サー ビスとの関係性、日常生活自立支援事業よりも対象者が広がることや制度の 持続性の観点から体制面・費用面・運営監視面を考慮する必要がある。併せて、資力が少ない方については、その利用に関し、特別な配慮が必要である。 ○ また、生活に困窮する者については、生活困窮者自立支援制度の他事業と一体 的な支援を行う観点から、既に民間において進んでいる互助会等のインフォー マルな取組とも連携しつつ、地域居住支援事業などの支援を拡大して対応して いく必要がある。
(3)身寄りのない高齢者等を地域で支える体制(関係機関とのネットワーク構築 等)の在り方→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ こうした点を踏まえ、地域において、身寄りのない高齢者等をネットワークで 支えていくため、市町村に既に存在する類似の協議会やプラットフォームを活用して、支援方策の議論を進めていくための具体的な実施方法を国において示すべきである。その際、身寄りのない高齢者等の支援を行う上で、法律の専門 家をはじめとする連携が必要となる主な関係機関を国において示し、参画を促す必要がある。

3.成年後見制度の見直しに向けた司法26と福祉との連携強化等の総合的な権利擁 護支援策の充実の方向性
(1)新たな連携・協力体制の構築による生活支援や意思決定支援の在り方
→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、総合的な権利擁護支援策の充実に向け、以下について対応を進めるべきである。⇒・身寄りのない人も含め、判断能力が不十分な人(本人)の地域生活を支える 支援策(日常的な金銭管理等の生活支援や社会生活上の福祉行政としての意 思決定支援など)について、日常生活自立支援事業を拡充・発展させた上で、 本人との契約に基づき、日常的な金銭管理や福祉サービス等利用に関する日 常生活支援、円滑な入院・入所の手続支援、死後事務支援などを提供することができる新たな事業とし、第二種社会福祉事業として法に位置づけ(再掲)、 全国で基軸となる事業として実施する体制を構築する必要がある。 ・ 福祉行政による意思決定支援の範囲としては、現行の日常生活自立支援事業 における支援と概ね同範囲、すなわち、預貯金の入出金を含めた日常生活費 の範囲における簡易な金銭管理、入院・入所手続支援等の生活支援サービス の利用に関する意思決定を基本とする必要がある。・ 意思決定支援の確保や市民参画の充実を図る観点から、事業化の検討も含めて、地域の実情に応じ、本人に対して、市民が本人目線で意思決定支援を行う取組を促進する必要がある。
(2)「中核機関」に求められる新たな役割及びその位置づけ→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、以下について法令上の規定の整備を検討すべきである。⇒ ・ 市町村は、@権利擁護支援や成年後見制度に関する相談を受け、必要に応じて専門的助言等を確保しつつ、権利擁護支援の内容の検討や支援を適切に実 施するためのコーディネートを行う業務、A協議会の運営等、専門職団体・ 関係機関の協力・連携強化のために関係者のコーディネートを行う業務、を 実施するよう努めることが必要である。・ 上記@Aの業務及び家庭裁判所からの意見照会への対応を実施する機関と して、市町村は「中核機関」を設置できるようにすることが必要。併せて、個人情報を扱う観点から、「中核機関」の職員に守秘義務を課すことが必要である。 市町村は、個別事案に関する支援方針の検討等を行うための会議体を設置で きるようにすることが必要である。併せて、個人情報を扱う観点から、会議 体の構成員に守秘義務を課すことが必要。 ○ なお、単独で「中核機関」を整備することが難しい小規模市町村については、 都道府県による支援も活用しながら、必要な支援体制を整備することができるようにする必要がある。 ○ また、「中核機関」の法律上の名称については、権利擁護支援推進センターとすることを提案する。

4.社会福祉法人・社会福祉連携推進法人の在り方
地域共生社会の担い手としての役割や経営の協働化・大規模化等の在り方→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、以下のことを可能にするための法令上・運用上の措置を行うことを 検討すべき。⇒・社会福祉法人による「地域における公益的な取組」を広げていくために、その目的や取組に関して、ポイントの周知や更なる明確化を行う必要がある。・ 社会福祉連携推進法人制度の活用を一層促進するため、社会福祉連携推進法 人の事業要件の緩和や事務負担の軽減を行う必要がある。・ 人口減少局面の地域において、単独の法人としてのサービス提供だけではなく、社会福祉法人の人材・資産等のリソースをいかした連携・協働を推進する必要がある。

5.社会福祉における災害への対応
災害時の被災者支援との連携の在り方→【現状・課題等】【検討会議での意見等】  【対応の方向性】→○ このため、以下のことを可能にするための法令上・運用上の措置を行うことを検討すべきである。⇒ ・包括的な支援体制の整備に当たっては、防災分野とも連携を図り、平時から 発災後に連携が必要となる関係者との連携体制の構築を自治体に促す必要が ある。・ DWAT の平時からの体制づくりや研修の実施、都道府県等と関係機関の連携等 を図る必要がある。

6.終わりに→○ 本検討会議においては、計 10 回にわたり幅広い観点から議論を行うとともに、今般、多くの実践者の方々にヒアリングや調査にご協力いただき、地域共生社会を取り巻く地域・自治体・福祉関係の事業者等が地域社会の変化のなかで直面している課題を明らかにし、その課題への対応について、上記のとおり、一定の方向性を提示した。 ○ 複雑な困難を抱えた方の支援、身寄りの問題や総合的な権利擁護支援策、被災者支援など、支援を必要とする対象者像やその場面は異なっていて、それぞれの課題については個々に対応策を検討する必要があることから、本検討会議においては、議題ごとに議論を進めてきた。けれども、地域で生活する上で、様々な課題を抱えるあらゆる者を包括的に支えるために何ができるのかという点で、諸課題は密接に連関している。 したがって、今回議論してきた事項は、誰も取り残されることのない地域共生社会の実現、そのための包括的な支援体制の整備の枠組みの中で、対応していくべきものであり、自治体等の現場において推進していく際にも、この点、留意すべきである。 ○ また、身寄りの問題に関して、日常生活自立支援事業を拡充・発展させた新たな 事業のみでの対応になりかねないことを懸念する意見もあったが、今回、検討した対応策は第一歩に過ぎない。今後の対象者の広がりの可能性を見込むと、頼れる身寄りがいないことに起因する生活上の課題に対応するセーフティネットの 整備については、更なる検討を期待する。 ○ 上記の事項のほかにも、例えば、 ・今回のとりまとめを受けた対応状況を踏まえ、いずれは生活困窮者自立支援制度の在り方そのものを検討することも考えるべき。 ・支援の在り方について、改めて伴走型の支援の重要性を認識する必要がある。 ・ソーシャルワーク機能を担う人材養成・確保も重要。 ・地域共生の推進に大きな役割を果たしている共同募金事業の在り方を見直すべき。 ・成年後見制度の見直しを受けた総合的な権利擁護支援策の検討に当たっては、 地方公共団体の権限の在り方も含め、法制審議会民法(成年後見等関係)部会の議論の状況を踏まえつつ、検討を継続すべき。 等の意見があった。○ 厚生労働省をはじめとする関係省庁においては、本とりまとめの内容・趣旨を十分に踏まえつつ、社会保障審議会福祉部会などの関係審議会等で議論の上、所要の制度改正を含めた必要な対応を行うべきである。 ○ 地域共生社会の実現に向けた取組はこれからが本番である。2040年に向け、社会構造が大きく変化していく中で、これまで社会において頼りとしてきた地縁・ 血縁・社縁といった繋がりはますます弱くなり、孤立化はさらに進んでいくこと が想定される。こうした流れの中で、全国の地域とそこに住む人々の暮らしを守っていくためにも、人と人が支え合う、新たな繋がりを生み出すことの価値と意義を提唱し続け、そして、実行に移していく必要がある。その際、単に制度を作り、それを実行していくだけでは、全ての人にとって包摂的な社会にはなり得な い。地域住民の主体性を基礎に、どのような地域にしたいかを自ら考え、今ある人や資源をつなぎあわせ、必要であれば新たに創り出す中で地域を創っていくことがこれからの社会には不可欠である。 地域共生社会を実現していくためには、福祉施策の範疇にとどまらず、地域と行政が一丸となり、政策のみならず、地域の資源を最大限活用し、地域住民、関係者が皆で共に地域を創り上げる次なるステージに進んでいかなければならない。そのためには、包括的支援の構築を地域に委ねるだけでなく、各府省庁・自治体の庁内連携の促進、庁内外における対話等を通じて協働・連携の輪を広げて いくことが重要である。 ○ さらには、今後の社会構造の変化を踏まえると、包括的な支援体制の整備を考える上では、将来的には今回提唱した「機能集約化アプローチ」の必要性と有用性が過疎地域等に留まらず広がっていくことを想定しなければならない。 ○ 本とりまとめが、地域共生社会の次なるステージへの第一歩となり、そして、全ての市町村において、それぞれの地域の独自で自由な発想の下で、誰も取り残されることのない包括的な支援体制の整備が実現し、地域に住む人々同士が支え合い、自分らしく自律的な生を生きることができる地域共生社会が、全国に生み出され発展していくことを強く祈念し、結びとする。


◎参考資料2 2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ
○目次
0.本とりまとめの構成
→○ 2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方について、まずは高齢者施策 を中心に議論し、 ・ 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築や支援 体制の方向性 ・ 介護人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営支援の方向性 ・ 地域包括ケアとその体制確保のための医療介護連携、介護予防・健康づ くり、認知症ケアの方向性 について検討を行い、令和7年4月10日に中間とりまとめを行った。 ○ その後、障害福祉サービス・保育を含む福祉サービスの共通課題等につい て議論し、 ・ 福祉サービスの共通課題(サービスモデル、人材確保と職場環境改善・ 生産性向上等) ・ 福祉サービスの共通課題(法人等の経営支援、連携推進法人) について検討を行い、中間とりまとめの記載を基本としつつ、福祉サービス (※)の共通課題に係る方向性の内容を2と3の各項目の最後に追加するとと もに、地域共生社会の実現に向けて、地域における福祉サービスに係る事業 者や関係者の更なる「連携」が重要であり、当該連携を実現するための方策 について、新たに「5.福祉サービス共通課題への対応(地域における「連 携」と地域共生社会)」の項目を設けた上で、最終的なとりまとめを行うこと とする。
1.はじめに(基本的な考え方)
2. 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築や支援体 制の方向性 (1)現状と課題、3つの地域の類型の考え方
(2)中山間・人口減少地域におけるサービスを維持・確保するための柔軟な 対応
(3)大都市部における需要急増を踏まえたサービス基盤整備のための適切な 対応
(4)一般市等におけるサービスを過不足なく確保するための適切な対応
(5)支援体制の構築など共通事項
(6)人口減少・サービス需要の変化に応じたサービスモデルの構築や支援体 制に係る福祉サービスの共通課題等に対する方向性
3.人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営支援の方向性
(1)現状と課題
(2)国や地方における介護人材確保に向けた取組
(3)雇用管理等による介護人材の定着に向けた取組
(4)職場環境改善・生産性向上の取組
(5)介護事業者の経営改善に向けた支援
(6)他事業者との協働化、事業者間の連携、大規模化
(7)人材確保と職場環境改善・生産性向上(DX)に係る福祉サービスの共通 課題等に対する方向性
4.地域包括ケアとその体制確保のための医療介護連携、介護予防・健康づく り、認知症ケアの方向性
(1)現状と課題
(2)地域包括ケアとその体制確保のための医療介護連携
(3)介護予防・健康づくり、介護予防・日常生活支援総合事業等
(4)認知症ケア

5.福祉サービス共通課題への対応(地域における「連携」と地域共生社会)
6.おわりに


◎「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会とりまとめ(概要)
令和7年7月25日
◆地域における「連携」を通じたサービス提供体制の確保と地域共生社会
→・ 2040年に向けて、高齢化・人口減少のスピードが異なる中、地域の実情を踏まえつつ、事業者など関係者の連携を 図り、サービス需要に応じた介護、障害福祉、こどもの福祉分野のサービス提供体制の構築が必要。 ・地域住民を包括的に支えるための包括的支援体制の整備も併せて推進することで、地域共生社会を実現。

◆2040年に向けたサービス提供体制等のあり方(概要)→2040 年に向けて、85歳以上の医療・介護ニーズを抱える者や認知症高齢者、独居高齢者等が増加するとともに、地域のサービ ス需要が変化する中、地域包括ケアシステムを深化し、全ての地域において、利用者等が適切に介護や医療等のサービスを受けながら自立して日常生活を営めるよう、地域の実情に応じた効果的・効率的なサービス提供体制を関係者の連携のもと確保する とともに、介護人材はじめ福祉人材が安心して働き続けることができる環境を整備し、福祉人材や利用者等が地域で活躍できる 地域共生社会を構築

◆基本的な考え方→@「地域包括ケアシステム」を深化:2040年に向けて、医療・介護、介護予防、認知症ケアへの切れ目のない提供(地域の提供体制確保) A地域軸・時間軸を踏まえたサービス提供体制確保:高齢者の介護サービス需要に地域差。2040年にかけた需要の変化を踏まえた対応 B人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営支援:処遇改善など人材確保の取組の充実。地域単位でも専門機関等の関係者が連携し て支援を行い、雇用管理による人材の定着、テクノロジー導入・タスクシフト/シェア、協働化など経営改善をあわせて図っていく C地域の共通課題と地方創生:介護をはじめ福祉の現場は特に地方において地域の雇用や所得を支える重要なインフラ。人手不足、移動の 課題、生産性向上の必要性など、他分野と共通課題。その解決に向け、関係者が連携して地域共生社会を構築し、地方創生を実現

◆方向性 ↓
(1)人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制や支援体制の構築
→2040年に向けて、地域における人口減少・サービス需要の変化に応じ、全国を主に3つの地域に分類して、テクノロジー等も活用し、高齢者介護について、その地域の状況に応じたサービス提供体制や支援体制を構築
〇「中山間・人口減少地域」:サービスを維持・確保するための柔軟な対応→・サービス需要が減少する中、様々なサービスを組み合わせて維持・確保できるよう、地域のニーズに応じた柔軟な対応(配置基準等 の弾力化、包括的な評価の仕組み、訪問・通所などサービス間の連携・柔軟化、市町村事業によるサービス提供などの検討) ・地域の介護機能の維持等のため、地域の介護を支える法人等への支援、社会福祉連携推進法人の活用促進
〇「大都市部」:需要急増を踏まえたサービス基盤整備のための適切な対応→・サービス需要が急増する中、公と民の多様なサービスに加え、ICTやAI技術など民間活力も活用したサービス基盤の整備。 ・重度の要介護者や独居高齢者等に対応可能な、ICT技術等を用いた24時間対応可能な効率的かつ包括的なサービスの検討
〇「一般市等」:サービスを過不足なく確保するための適切な対応→・サービス需要が増減する中、既存の介護資源等を有効活用しサービスを過不足なく確保。将来の需要減少に備えた準備と柔軟な対応
〇 支援体制の構築→・ サービス提供体制の変化の中、他分野とも連携した支援体制が必要。医療も含め、地域における介護サービス提供体制の状況をエリ ア別に見える化し、地域で状況把握・分析、関係者間の共有・議論。介護保険事業計画等のあり方の議論の中で位置づけを検討
<福祉サービスとの共通課題への対応>→ ・ 地域のサービス需要に応じた提供体制や支援体制について、障害福祉、保育においてもその特性を踏まえつつ、高齢者介 護と同様に構築。特に、中山間・人口減少地域では配置基準の弾力化など柔軟な対応。保育は多機能化も推進 ・ 社会福祉連携推進法人をはじめ、事業者間の連携・協働化を促進して提供体制を構築することが重要

(2)人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営支援→2040年に向けて、生産年齢人口が減少する中、介護人材確保は最大の課題。処遇改善をはじめとする人材確保の取組を進めると ともに、地域単位でも、専門機関等の連携を図り、雇用管理・生産性向上、事業者間の協働化など、経営改善に向けた支援を実施
〇 国や地方における介護人材確保に向けた取組
→・ 賃上げや処遇改善の取組の推進 ・ 地域における人材確保状況等の見える化・精緻な分析、対策の検討 ・ 地域の公的な機関等の連携やプラットフォーム機能の充実等((4)で詳述) ・ 入門的研修の強化、業務の整理・切り出し、タスクシェア/人材シェア、多様な人材とのマッチング ・ 若い世代に向けた介護の魅力向上 ・ 常勤化支援 ・ 外国人材の定着支援や就労・生活環境整備 ・ 養成施設の環境整備
〇 雇用管理等による介護人材の定着に向けた取組→・ 介護事業者の適切な雇用管理(ハラスメント対策含む) ・介護人材の多様なキャリアモデルの見える化・キャリアアップの仕組み ・ オンラインを含めた教育・研修への位置付け、試験制度における取組
〇 職場環境改善・生産性向上の取組→・ 生産性向上による業務効率化等で得た時間で職員への投資を図り、質の向上や介護人材定着を促すことが重要 ・ テクノロジー導入・運営支援、介護助手等によるタスクシフト/シェア ・団体等と連携したテクノロジー等の普及 ・ デジタル中核人材の育成、科学的介護の推進、生産性相談窓口による伴走支援。介護記録ソフトやAIなど在宅の技術開発、研究
〇 介護事業者の経営改善に向けた支援 ・ 都道府県単位で雇用管理・生産性向上など経営支援の体制の構築(地域の専門機関や専門職等との連携)
〇 他事業者との協働化、事業者間の連携、大規模化→・ 小規模の良さを活かし、大規模化によるメリットを示しつつ、間接業務効率化や施設・設備の共同利用など、協働化や事業者間 連携をまずは推進。大規模化を事業者間でも進めるとともに、社会福祉連携推進法人の活用が進む仕組みを検討
<福祉サービスとの共通課題への対応>→・ 介護分野と同様の課題を有しており、障害福祉、保育それぞれの分野の特性に応じそれぞれ取組を推進(各分野での 業務の標準化やテクノロジー導入等) ・ 地域の事業者や関係者間の連携は、人材確保、職場環境改善・生産性向上、経営支援のため重要

(3)地域包括ケアとその体制確保のための医療介護連携、介護予防・健康づくり、認知症ケア→2040年に向けて、地域包括ケアシステムを深化させ、医療・介護、介護予防、生活支援等の包括的な確保を図る必要があり、そのためには、地域資源を把握・分析し、様々なサービスや事業の組み合わせや連携を図っていく必要
〇 地域包括ケアとその体制確保のための医療介護連携
→・ 地域包括ケアにおける医療介護連携の強化。退院して在宅復帰するまでの老人保健施設、地域の中小病院等の医療機関の役割が重要 (医療・介護資源の地域差を踏まえて対応していく必要) ・ 地域の医療・介護状況の見える化・状況分析と2040年に向けた介護・医療連携の議論(地域医療構想との接続)
〇 介護予防・健康づくり、介護予防・日常生活支援総合事業等→・ 地域リハビリテーション体制、「通いの場」の取組、サービス・活動C、一体的実施等の介護予防関連施策の連携と専門職等の 適切な関与の促進 ・ 総合事業の充実やインセンティブ交付金の改善 ・ 介護予防支援拠点の整備
〇 認知症ケア→・ 医療、介護、生活支援、権利擁護・意思決定支援等に加え、地域におけるインフォーマルな支援の推進

(4)福祉サービス共通課題への対応(地域における「連携」と地域共生社会)→2040年に向けて、中山間・人口減少地域をはじめ、地域において分野ごと及び分野を超えた事業者の連携や関係者の連携を更に進め、福祉サービス提供体制や支援体制を構築していく必要。こうした福祉サービス提供体制等の確保に向けて下記の方策を行うことで、地域住民を支えるための包括的支援体制の整備もあわせて推進し、地域共生社会の実現を図っていく。
〇 法人等の経営支援、社会福祉連携推進法人のあり方
→・福祉医療機構(WAM)による優遇融資に加え、経営サポート事業、分析スコアカードの活用による法人の経営課題の早期発見・ 早期対応・法人間の合併に係るマッチング支援や手続の明確化 ・地域の中核的なサービス提供主体がバックオフィス業務をとりまとめるなど、地域において協働化や連携を進めていく仕組みについて、 そのインセンティブの検討 ・社会福祉連携推進法人において、一定の要件の下で社会福祉事業の実施等によるサービス提供体制確保・協働化の推進、事務負担軽減
〇 人材確保等に係るプラットフォーム機能の充実→・都道府県単位で、関係者間で地域の現状共有、課題認識、協働して課題解決に取り組むためのネットワーク機能の充実 ・「人材確保・定着」「職場環境の改善、生産性向上・経営支援」「介護のイメージ改善・理解促進」など地域の個別課題に応じた プロジェクトを創設し実践的な取組を推進、公的機関による支援、リカレント教育の実施 ・介護分野に限らず、福祉人材全体の確保につながるよう機能の充実、多様な専門職に係る関係機関との連携と多職種協働の推進
〇 地域の実情に応じた既存施設の有効活用等(財産処分等に係る緩和)→・ 中山間・人口減少地域においてサービス維持のため、介護、障害福祉、保育などの福祉施設等について、横断的な観点も含め、 既存施設の有効活用・地域の実情に応じた柔軟な活用 ・ 不動産の所有要件、転用・貸付・廃止に係る補助金の国庫返納に関する規制の緩和の検討(経過年数10年未満の場合の全部転用等)
◆今後の予定→本とりまとめは、社会保障審議会介護保険部会や社会保障審議会福祉部会等の関係審議会に報告し、制度改正に向けた議論を行っていく。

◆社会保障審議会(福祉部会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126700.html

次回は新たに「第3回障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会(資料)」からです。

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