若い世代視点からのライフデザインに関する検討会(第1回)(令和7年7月28日)9/24
議題(1)ライフデザインの取組の背景と意義(2)若い世代のライフデザインの現状と必要性
https://www.cfa.go.jp/councils/wakaisedaishiten/26e9c565
[2025年09月24日(Wed)]
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若い世代視点からのライフデザインに関する検討会(第1回)(令和7年7月28日)
議題(1)ライフデザインの取組の背景と意義(2)若い世代のライフデザインの現状と必要性 https://www.cfa.go.jp/councils/wakaisedaishiten/26e9c565 ◎資料1 事務局説明資料 ○開催趣旨→ 「若い世代が描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」の議論も踏まえ、若い世代のライフデザイン支援を更に進めていくための必要な方策について、若い世代の視点から議論を深め、 検討する。 ○ライフデザインに関する議論(1/2)(2/2)→・社会的に正解とされる生き方が消失した中で、若い世代は、「他人や社会にとっての正解」よりも 「自分自身が納得できているか(自分なりの納得解)」を大切にする傾向がある。 ・自分たちが生きている今の時代は、親の世代が若い頃を過ごした時代と、社会の価値観や選択肢の幅が全く異なっていると感じている。こうした中で、自分の親とは異なるバックグラウンドを持つ、 近い世代の様々なロールモデルを知り、自身の将来についての「解像度」を高めたいというニーズがある。・結婚やこどもをもつことは、「当たり前のこと」ではなく、自分にとっての幸せを実現する手段の1つ に過ぎず、希望により選択するもの。 ・子育て期も夫婦ともに働き続けることを理想の夫婦像とする若者が増えている。⇒若い世代は、生き方を自分らしく考え、選択していく必要がある一方、難しさを感じている。 ・特定の選択を前提とするのではなく、選択肢として前向きにとらえたり、希望を叶えたりするための取組がライフデザイン支援であるべき。 ・ 「知っていて選ばない」ということと、「知らずに選べない」ということは異なる。 ・学校、地方自治体、企業での取組を促し、ライフデザイン支援の裾野を広げていくことが重要。 その際、若い世代のライフデザインを応援しようという気運の醸成が必要。・将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要。地域性も考慮することが必要。 ・年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要。⇒ライフデザインを考える機会の拡充を、若い世代の視点を踏まえて進めていく必要がある 1.ライフデザインの取組の背景と意義↓ ○今、ライフデザインが求められる社会的背景→ • 人生の選択肢が多様化しており、また、若い世代とその親世代とでは選択肢を選ぶ際の価値観も大きく異なっている。若い世代はこうした中で希望する人生を選択していくことが求められている。 ○(参考)共働き世帯の増加 働き方→ • 1990年代後半に逆転以降、「共働き世帯」は増加傾向、「専業主婦世帯」は減少傾向にある。 • 出産後の継続就業率は急速に高まっている。 ○(参考)希望する仕事と育児の両立の在り方 働き方→ • 女性・正社員は、子の成長に合わせて働き方の変化(短時間勤務→残業をしない等)を希望。 • 男性・正社員は、柔軟な働き方を希望する割合が子の年齢に関わらず4〜5割。 ○(参考)仕事と介護を両立する人の増加 働き方→ • 介護をしている人の数全体は増加傾向であり、中でも有業者の数は着実に増加している。 ○(参考)テレワークの普及とフリーランスという働き方→ • テレワークの実施はコロナ禍に急増し、25%前後で推移している。 • フリーランスで働く人口は462万人と試算されている(内閣官房2020年)。「自分の仕事スタイ ルで働く」、「働く時間や場所を自由にする」等がフリーランスを選ぶ理由として挙げられている。 ○(参考)多様な学びの機会の必要性 学び方→• 特定分野に特異な才能のあるこどもや不登校傾向のこども等、こどもの状況が多様化している。 • 授業の内容が難しすぎると思うこどもが30%いると同時に授業の内容が簡単すぎると思うこどもが 15%いる状態となっており、個々人にあった学びの機会の必要性が生じている。 ○(参考)生涯を通じた学びの必要性 学び方→ • リスキリングの必要性が叫ばれる中、国内企業で実施している割合は8.9%(民間意識調査)。 • 日本の25(30)歳以上の大学等入学者割合は、諸外国に比べて極めて低い状況である。 ○(参考)ライフコースの変化 ライフコース→ • 女性は、ライフコースとして両立コースを理想とする割合が増加傾向にある。男性のパートナーへの希望も同様である。他方で、非婚就業コースは、理想と予想に大きなギャップがある。 ○(参考)共働き世帯等の生涯可処分所得(試算結果)→ • 出産後の女性の働き方が、就労継続・正社員(@-A)の場合は、再就職しない場合(B)に 比べ、世帯の生涯可処分所得が約1.7億円多いとの試算結果がある(内閣府2024年)。 ○(参考)結婚やこどもを持つことへの意識(1/2)→ • 「結婚・子どもを持つことは自然なことである」と回答している未婚者は約5割で、既婚者の約7割 よりも低い。未婚男女ともに、「結婚することは自然なこと」より「配偶者がいたら生活が楽しく豊かになる」 と回答している割合が高い。 ○(参考)結婚やこどもを持つことへの意識(2/2)→• 未婚者の約6割が結婚意向があり、結婚意向のある未婚者は、約9割が子どもを希望している。 • 一方で、結婚意向のない未婚者の約3割が子どもを希望している。 ○(参考)見合い結婚と恋愛結婚の推移 ライフコース→ • 見合いから恋愛結婚へと割合が変化。近年は、インターネットがきっかけの割合が増加している。 • 直近、恋愛結婚が▲10.1pt、ネットでが9.0ptと推移しており、恋愛結婚における出会いの形に 一部変化がみられる。 ○(参考)離婚件数等の推移 ライフコース→ • 離婚件数は直近で約18万件(厚生労働省「人口動態統計」)。内訳としては、同居期間が長い 夫婦の割合が上昇傾向。 ○(参考)男性育休の取得率 ライフコース→ • 令和5年度調査時点で、配偶者が出産した男性の内、育児休業(産後パパ育休含む。)を取得した割合は30.1%であり、前回調査から13.0pt増加した。 ○(参考)家事関連時間の推移 ライフコース→• 夫婦間の家事関連時間の差は縮小傾向にあるものの、令和3年において妻は6時間32分である のに対して、夫は1時間57分であり、3.4倍の差がある。 ○(参考)二地域居住等への関心 暮らし方→ • 二地域居住とは、地方への人の流れを生むとともに、 東京一極集中の是正や地方創生に資するものと考えられている。約3割(27.9%)が二地域居住等に関心を持っている。 ○若い世代がライフデザインに取り組む意義→ • ライフデザインに取り組むことは、多様化する世の中において、人生を選択するための必要な情報 を取得し、自分らしく希望する人生を選択することにつなげ、ウェルビーイングを実現するもの。 ○(参考)ライフデザインの効果→ • ライフデザインを行うことが幸福度にプラスの影響を与えるという研究結果も発表されている。 • また、直接的なライフデザインの有無ではないものの、ライフデザインにおける重要な要素である「自己決定」が幸福度に強く影響を与えることも示されている。 ○ライフデザインと社会課題の関係性→• ライフデザインを通じて若い世代のウェルビーイングが実現されることは、働き方改革/多様な働き方 の実現、人口減少対策や地方創生、経済循環の活性化、結婚やこどもを持ちたいという希望の実現する意味での少子化等の多様な社会課題の解決にも寄与していくのではないか。 ○ご議論いただきたい事項→ ■若者委員による意見聴取⇒• 若い世代から見て現在及び将来を考えたとき、ライフデザインを考える機会の必要性をどう考えるか。 • ライフデザインの意義についてどう考えるか。 • ライフデザインを考えるに当たっての社会的な状況・背景について抜け漏れている視点はないか。 ■全体での議論⇒ • ライフデザインの必要性を客観的に示すデータ・事項として整理しておくべきものがあるか。 • ライフデザインの意義について補足・留意すべき点があるか。 • ライフデザインに関連する様々な社会課題や背景について、抜け漏れている視点・要素 はないか。 2.若い世代のライフデザイン支援の現状と必要性 ○ライフデザイン支援の定義→• こども家庭庁におけるライフデザイン支援の定義は前述のWGにて以下の通り整理されている。改めて若い世代に向けた施策としてあるいは若い世代視点として捉えたときに必要な要素等がある か、会議において最初に認識をすり合わせることも必要ではないか。⇒ ライフデザイン支援(以下では、主として、進学や就職、結婚、妊娠・出産、子育てなど、その後の人生を大きく方向付ける可能性が高い分岐点(ライフイベント)に関して、自分自身の考えや見通しをあらかじめ整理するために必要な機会や知識等を提供することを念頭に置いている。)は、自分自身の人生の選択肢として、 学ぶことや働くことと併せて、結婚やこどもをもつことについて向き合う機会と、その際に参考となる知識や多様なロールモデルを提供し、自分が人生に何を望んでいるかを自分らしく俯瞰的に考え、この先どういったことがハードル になるのかということに気づく機会をもたらすものである。 ○ライフデザイン支援の必要性に係る議論(1/2)→ライフデザイン支援の視点に関する主な意見等⇒・ライフデザイン支援に当たっては、結婚するかしないかは自由であり、選択肢として前向きにとらえたり、希望を叶えたりするための取組であることを改めて確認したい。 ・多様性や個性を尊重しようという世の中において、多様性があるからこそ混乱し、情報も多く、どう選択していけばよいか分か らないという面もあるのではないか。周囲からの影響を受ける中で、自分で選択することは勇気がいるものであり、若者の選択に 寄り添っていく工夫が必要。 ・親の時代とは異なる価値観等の中にあっても、どのようにキャリアを設計していくか、こどもを育てていくかがイメージしやすくなるとよい。様々な子育て支援、両立支援の制度が整備されているが、それらを前提に一人一人の生活実感に落としていくことが必要。 ・未婚の若者の6割が「自分自身に満足している」かどうかについて「(あまり)そう思わない」と回答している。ライフデザインを考えることは、単に自分の将来を考えるだけではなく、自己肯定感が生まれる、自分自身が大切にされている、意思決定が尊重されるといった「こどもの権利」に気づき、考えることにもつながるのではないか。 ・ライフデザインを考える上での価値観は人生の様々段階で変わってゆくもの。ライフデザインをいわば書き換えていく機会がある ことも重要。 ○ライフデザイン支援の必要性に係る議論(2/2)→ライフデザイン支援の具体化に関する主な意見等⇒・学校、地方自治体、企業での取組を促し、ライフデザイン支援の裾野を広げていくことが重要。 ・ライフデザイン支援では、将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要。地域性も考慮することが必要。 ・全ての年代に共通の1つのコンテンツを提供するのではなく、年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要。 ・学校での取組拡大に向けて、地域の専門家等の協力を得たり、地域学校協働活動の中で取り組むなどし、先生方の理解を得つつ、地域との連携を進めることが重要。そのためにも若い世代のライフデザインを応援しようという気運の醸成が必要。 ・大学等への働きかけも重要。授業の中に取り込む、就職支援の一環で行うなど、大学によって様々な方法があるが、自治体との連携を含め、上手に取り組んでいる事例を発信していくことにより、取組を広げていく方法もあるのではないか。 ・企業等に向けて取組を拡大するためには、経営層や管理職にその重要性を理解してもらうことが重要。その際、セミナー等の参加者の意識変容、満足度やエンゲージメントの向上に関するメリット、他の企業等の取組例も伝えていくことが重要。 ・先行自治体の例も参考に、乳幼児触れ合い体験、キャリア形成、プレコンセプションケア、ワークライフバランスなどを各年代に応じて 適切に取り入れることが重要。 ・ひとり親家庭で育つこどもや非正規雇用の方、困難な状況にあるこども・若者もライフデザインを描けるよう、関係の制度等を含め、丁寧に情報を伝えていくことが重要。 ○ライフデザイン支援の現状(提供情報別)→• 「キャリアプラン」及び「マネープラン、経済的な情報」を学んだ割合が相対的に高い。 • 一方で、結婚・出産等のライフに関する情報の提供は、限定的である。 ○ライフデザイン支援に関するこども家庭庁の取組の全体像→ ライフデザイン支援 ⇒主として、進学や就職、結婚、妊娠・出産、子育てなど、その後の人生を大きく方向付ける可能性が高い分岐点(ライフイベント)に関して、 自分自身の考えや見通しをあらかじめ整理するために必要な機会や 知識等を提供する。(若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ 議論のまとめ(最終報告)より抜粋) ○本日の議論の進め方→ • ライフデザイン支援の実態や必要性に係る解像度を上げ、環境の構築に向けた取組を議論する。 • 大きくは生徒・学生等と社会人の環境に分けて現状と理想と支援の必要性・ニーズについて議論する。但し、生徒・学生等と社会人の間の在り方が多様化していることにも留意する。 ○関係者とライフデザインを考える機会の現状→ • 若い世代に対して、様々な場において様々な関係者がライフデザインに関わっている。 • どういった場において、各関係者が効果的・効率的なライフデザイン支援を実施することができるのか、今後、検討を深める必要がある。 ○知っておきたい情報や気づきの一例等→ • 生徒・学生等と社会人では、生き方・働き方への知識量や当事者意識が異なり、また、人生の様々な 段階で生き方の価値観も変わり得る。例えば、生徒・学生等に対しては「多様な選択肢を伝えること」、 社会人には「具体的な計画を立てるための情報を伝えること」などが主として考えられる。 ⇒学生の場合、社会人となった場合 参照のこと。 ○ご議論いただきたい事項→ ■若者委員による意見聴取↓ 1• 若い世代は生徒・学生等の頃のどういったライフデザイン支援を求めるか。 −生徒・学生等の頃にライフデザインを行い、どういった状態になっていたいか。 例えば、ライフデザインを描けていない人の場合、 描けているが実現に向けて動き出せていない人の場合、 描けており実現に向けて動き出しており、周囲の支援があるとなお良い人の場合。 −将来設計や人生を選択(希望するライフコースの選択)し、それを実現する上で直面して いる学生特有の社会的障壁はあるか。 2 • 若い世代は社会人になってからどういったライフデザイン支援を求めるか。 −社会人ではライフデザインを行い、周囲の支援環境も含めどういった状態になっていたいか。 −将来設計や人生を選択(希望するライフコースの選択)し、それを実現する上で直面して いる社会人特有の社会的障壁はあるか。 ■全体での議論→ • ライフデザイン支援の必要性やニーズ、今後のあるべき姿をどう考えるか。 −だれがどのような形で情報を提供し、伴走・サポートする社会が望ましいか。 • その他全般で気になる点等はないか。 次回は新たに「第9回経済財政諮問会議」からです。 |



