「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会(第8回)の資料について [2025年08月25日(Mon)]
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「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会(第8回)の資料について(令和7年6月23日)
【議 題】 1. 課題と論点に対する構成員の意見・ヒアリング内容を踏まえた検討の方向性等(案)について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59051.html ◎資料1 課題と論点に対する構成員の意見・ヒアリング内容を踏まえた検討の方向性等(案) 1 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービスモデルの構築や支援体制に 係る福祉サービスの共通課題等 (1)課題と論点 <障害福祉>・今後、中山間・人口減少地域においてサービス提供体制をいかに維持・確保していくかは、他分野とも共通の課題。⇒現行制度の活用状況を確認しつつ、現行制度の効果的な活用を促進 していくべきではないか。また、他制度も参考としつつ、必要に応じ、配置基準の弾力化など、制度を拡張・見直しをして対応していくことが考えられるか。・介護、障害福祉、こどもといった分野をこえた福祉サービスの推進に向けて、更に人員・設備の 兼務・共用など柔軟対応についてどのような方策が考えられるか。 また、共生型サービスについては、都道府県ごとに取組状況に差も見られるところ、自治体や 事業所の取組の更なる推進に向けた方策を検討すべきではないか。 ≺こども≻・今後も局所的に発生することが見込まれる待機児童問題については、引き続き丁寧に対応。 → @中山間地域や離島を中心にこどもが少ない地域、A就学前人口減少が今後加速度的に進んで いく地域、B都市部を中心として局地的に待機児童が発生しながら全体としては緩やかに就学前 人口が減少していく地域の各類型について、保育需要の変化に応じた施設・事業モデルやその支 援体制をどのように構築するか。 (既存施設の有効活用(社会福祉法人の財産処分等))・国庫補助がなされている場合において は、転用・貸付の後に社会福祉事業を行う場合であっても、財産取得から10年未満の転用の場合 又は有償貸付の場合には補助金の国庫返納が必要⇒上記の所有権や転用・貸付に係る補助金の国庫 返納に関する規制について、一定の条件を付した上で緩和する仕組みが必要ではないか。 (2)構成員の意見・ヒアリング内容→16意見あり。人口が予想以上の変化し福祉ニーズに変化が起きている中、福祉施設の10年以内の転用の更な る運用の柔軟化が必要。その際、地域ニーズに即した転用となるように、地域関係者の合意プロ セスを得るなどの工夫が必要。 (3)検討の方向性(案) (障害福祉、こどもの地域のサービス状況に応じた体制)→10項目あり。・市町村が中心となって計画的に保育機能を維持・確保していく方策を検討する必要。地域分析 の取組を強化することで、地域の課題について認識し、それに対応するための方策について、中 長期的な視点も踏まえつつ、計画で定めていくことが重要。自治体の地域分析の取組を後押しで きる仕組みの創設や計画の在り方について、国としても検討していく必要。 (施設の転用等)→7項目あり。財産取得から10年未満の場合に関して、 ・ 一定の条件下における全部転用(補助対象事業を継続した上で一部転用する等の場合を除く。)、 ・ 一定の条件下における廃止(計画的な統廃合に伴う一定の機能を維持した上での廃止に限る。) 等 について、補助金の国庫返納を不要とすることなど、より柔軟な仕組みを検討する必要。 2 人材確保と職場環境改善・生産性向上(DX)に係る福祉サービスの共通課題 (1)課題と論点 (人材確保)↓ <障害福祉>・人材確保やその定着に向けて、介護分野等の取組も参考としつつ、他分野と連携で きる部分は連携しながら、施策を進めていくことが必要ではないか。また、障害福祉分野として、 より一層取り組むべき施策はあるか。 また、障害福祉分野においても、地域の状況を分析した上で、サポート事業の活用を含め、各地域の実情に応じた人材確保対策を進めていくことが必要ではないか。 処遇改善については、こうした施策の実施状況や処遇改善に与える効果について実態を把握した上で、引き続き、必要な取組を進めていくべきではないか。 <こども>→保育人材についても、介護と同様、就学前人口減少の状況、地域における保育人材の供給量(養成校、地域限定保育士などが関係)など、地域差や地域固有の課題が存在。地域分析し、関係者間 で共有のうえ、地域の実情に応じた対策を講じていくことが重要。その仕組みを構築すべきであり、地域ごとに必要な人材確保対策を講じていくことが必要ではないか。 (処遇改善・総合的な対策)→令和7年度予算、公定価格上の人件費について子ども・子育て新制度開始以降 最大の10.7%の改善を計上。働きやすい職場環境づくり、新規資格取得と就労の促進、離職者の再就職・職場復帰の 促進、保育の現場・職業の魅力発信の取組について、総合的に取り組んできたところ、更に取組を強化していく。 (潜在保育士の復職支援等) (人材確保等に係るプラットフォーム機能の充実)→・このような機能は、介護人材だけでなく各福祉分野に共通して必要なものであり、福祉人材全 体の確保につながるよう、プラットフォーム機能を充実させる必要があるのではないか。 ・こうしたプラットフォームの充実のため、地域における既存の協議会等(例:都道府県の設置 する介護現場革新会議等)と、地域ごとの実情に応じて一体的に運営する等、適切な連携・役割分 担が図られるべきではないか。 ・ プラットフォームについては、都道府県単位で関係者が集い、情報交換、意見交換するだけでなく、人材の養成・確保という共通の社会課題に対して、例えば、都道府県単位または都道府県単 位より狭い圏域で、「人材確保・定着」、「職場環境の改善、生産性向上・経営支援」など地域の実 情に応じてワーキングチームを設け、意欲のある関係者が集い、実践的な取組を検討し、実行するなど実践的な取組が求められるのではないか。 ・ また、プラットフォーム機能の充実を通じて、介護事業所と介護福祉士養成施設のネットワー クが強化される中で、養成施設の設備等資源を用いながら、介護事業所の職員等のキャリアアッ プを図るため、実務者研修をはじめとする各種研修を実施する等のリカレント教育を行うことが 考えられるのではないか。・ さらに、プラットフォームの機能が充実し、実践的な取組が進んでくれば、多様な専門職に関 する関係機関もプラットフォームと連携し、多職種協働の取組を更に推進することも考えられる のではないか。例えば、保健師や看護師、リハビリテーション専門職や管理栄養士等の専門職が その専門性をいかして、介護福祉士をはじめ介護職員とも連携し、介護の現場や地域の通いの場 等において、地域の支え合いの体制づくりを支援するなども考えられるのではないか。 (職場環境改善・生産性向上(DX)) ↓ <障害福祉> →(テクノロジー導入等)(手続負担の軽減等) <こども>→保育現場におけるICT導入は限定的で、手書きやアナログの業務が存続しているため、給付・ 監査の事務で多くの書類作成が必要になるなど事務負担が課題。自治体でも、多くの書類管理や システムへの入力作業、煩雑な審査による担当者の事務負担が課題となっている。また、保護者 にとっては、保育所の入所に必要な情報収集に手間と時間が掛かるなど、保活の手続に係る負担 が大きいという課題。⇒・ICT導入等を促進するための更なる方策としてどのようなものが考えられるか。 ・ICT環境整備についてのロールモデルとなる事例の更なる創出とともに、ICT推進のコアとなる 人材の育成をはじめとするソフト面の充実など横展開を行っていく必要があるのではないか。 ・保育所等における給付・監査の事務について、保育所等と自治体の間でオンライン手続きを行 うための保育業務施設管理プラットフォームの整備(保育業務ワンスオンリー)や、保護者・施 設・自治体の間で保活に関する情報を受け渡しするための保活情報連携基盤の整備(保活ワンス トップ)に向けて取組を進めた上で、これらのシステムの活用促進が必要ではないか。 ・保育人材の確保が課題となる中で、タスクシフトによる職場環境改善も必要。業務の切り出し を行い、保育所等が専門人材以外の人材を受け入れ、業務効率化を図ることも重要ではないか。 (2)構成員の意見・ヒアリング内容→11項目あり。・介護福祉士等から保育士にはなりやすくなっているが、逆の方向がなく、複数の資格を取得し やすくすることの検討が必要ではないか。 (3)検討の方向性(案)↓ (人材確保等) <障害福祉>→4項目あり。・ 障害福祉分野においても、介護分野と同様、処遇改善や職場環境改善、魅力発信等、人材確保に 向けて総合的な対策を進めてきているところであるが、引き続き、人材確保やその定着に向けて、 介護分野等の取組も参考としつつ、他分野と連携できる部分は連携しながら、施策を進めていく ことが必要。 <こども>→12項目あり。・保育人材確保が喫緊の課題となる中で、人材確保に当たっては、まずは地域の状況や課題を分 析の上、整理したうえで議論していくことが重要。 保育人材についても、介護と同様、就学前人口減少の状況、地域における保育人材の供給量(養 成校、他の就労先の状況などが関係)など、地域差や地域固有の課題が存在しているところ。地域 分析し、関係者間で共有のうえ、地域の実情に応じた対策を講じていくことが重要。その仕組み を構築すべきであり、地域ごとに必要な人材確保対策を講じていくことが必要。 (人材確保等に係るプラットフォーム機能の充実)→5項目あり。・ 介護人材確保に向けたプラットフォームについては、都道府県単位で、関係者間(介護事業者・ 介護福祉士養成施設・公的機関等)で地域の現状の共有を図るとともに、各地域における課題を 認識し、協働して課題解決に取り組むためのネットワークの役割が期待されるところ。 その際、事務局機能については、福祉人材の確保を目的として設置される福祉人材センターが 都道府県と連携しながら担うことも念頭に置きつつ、地域の実情に応じて設定できるようにする ことも必要。 プラットフォームについては、地域における既存の協議会(※)等と、地域ごとの実情に応じて 一体的に運営する等、適切な連携・役割分担を図る必要。 (※)都道府県の設置する介護現場革新会議等。 3 経営支援に係る福祉サービスの共通課題等 (1)課題と論点 ↓ (社会福祉法人・事業所への経営支援)→6項目あり。・社会福祉法人共通的な支援と、介護・障害福祉・ こどもといった分野ごとの特徴に応じた支援の2つの側面で考えていく必要。⇒・福祉医療機構(WAM)では資金融資や経営サポート事業は本年4月からは融資の大幅な拡充を行っているところ、この優遇融資を積極的に 周知することにより、まずは直近の資金繰りが必要な社会福祉法人に対する経営支援を行っていくべきではないか。 ・加えて、より中長期的な視点から、各社会福祉法人が自らの経営状況に対する認識を深め、必 要な対応策を採っていく必要がある。現在、福祉医療機構(WAM)のシステムで財務諸表等が公表されており、国は所轄庁に対し、助言指導の参考となるよう分析スコアカードを提供、 この分析スコアカードを、管内の社会福祉法人に提供することを検討する必要があるのではないか。 (協働化・事業者連携、大規模化)→5項目あり。 ・介護施設・事業所が安定的に必要な事業を継続し、地域におけるサービスを確保し、複雑化したニーズに対応するためには、テクノロジーを活用した介護現場での生産性向上や、協働化・大 規模化等による更なる経営改善の取組が必要。「デジタル行財政改革 取りまとめ2024」(令和6年 6月18日デジタル行財政改革会議決定)では、介護施設・事業所における経営改善の取組を推進 するための方策を講じることとされたところであり、@経営課題への気づき、A協働化・大規模化等に向けた検討、B協働化・大規模化等に実施の各段階に即した対策を「協働化・大規模化等による介護経営の改善に関する政策パッケージ」をとりまとめている。⇒「地域の中核的なサービス提供主体に対して、地域に残り続 けるとともに、地域の介護事業者の協働化や連携を進めることにより地域におけるサービスを維 持・確保していくことなど一定の条件・特別の役割を付した上で、配置基準等の弾力化やこうした取組へのインセンティブの付与等を講じるなど、新たな柔軟化のための枠組み」と記載されて いる。こうした枠組みで協働化を進める場合、自治体と地域の介護事業者にどのような連携が求 められるか。また、どのようなインセンティブや支援が求められるか。 (障害福祉分野・こども分野など福祉分野における経営支援・協働化等)→ 障害福祉分野やこども分野において、地域の状況に応じて様々な手法による取組を進めていくべきではないか。また、より一層これらの手法を普及していくためにはどのような方策が考えられるか。個々の分野のみならず、福祉分野において、他分野も含めた協働化等といった形も考え得るか。 (社会福祉連携推進法人制度の活用)→・社会福祉連携推進法人におけるガバナンスの観点は重要であるが、一方で、より制度が活用されるよう、可能な範囲で事務負担の軽減を図るべきではないか。 ・ 特に中山間・人口減少地域において、必要不可欠な社会福祉事業を維持する観点から、社会福 祉連携推進法人の事業要件を緩和する仕組みが必要ではないか。具体的には、一定の条件を付した上で、社会福祉連携推進法人が社会福祉事業を行うことを可能とするとともに、社会福祉連携 推進業務以外の業務の規模要件を緩和する等の方策が考えられるのではないか。 (中山間・人口減少地域における社会福祉連携推進法人制度の活用)→現状、社会福祉法人が社会福祉事業を行うにあたっては、都市部における土地については貸与 を受けている場合でも可能などの例外があり、さらに土地・建物についてそれぞれの施設類型に 応じた一部例外はあるものの、原則として土地・建物の所有権を有する必要がある。⇒特に中山間・人口減少地域において不可欠な社会福祉事業を維持するために、上記の資産の所 有要件に関する規制を緩和し、土地・建物について貸与を受けた新たなサービス主体(例:社会福 祉連携推進法人内の別の社員社会福祉法人)が、当該地域の社会福祉事業への参入を可能とする ことが考えられるのではないか。その際、土地・建物の貸付等が行いやすい仕組みとするための インセンティブが必要ではないか。加えて、こうした取組を推進していく上で、社会福祉連携推 進法人が法人間の土地・建物の貸付に関する支援業務をすることが考えられるのではないか。 (2)構成員の意見・ヒアリング内容→19項目あり。・ サービス活動増減差額率0以下の事業所が41.1%という厳しい経営状況。経営支援の体制構築、 新たな柔軟化の枠組みの構築は、確実に進める必要がある重要な取組と認識。自治体の指導監査 や、介護保険事業に対する集団指導や運営指導の機会に、生産性向上や経営改善に向けた取組の 支援ができるようにすることが重要。 (3)検討の方向性(案)→10項目あり。・ 協働化の一つの手法である社会福祉連携推進法人について、その制度趣旨を踏まえるとともに、 一定のガバナンスの確保に留意しつつ、地域福祉の充実、人材の確保・育成といった連携によるメリットを強化し、より使いやすい仕組みとしていく必要。 現行制度下においては、人材育成・定着・確保業務や、経営支援業務など、経営基盤の強化に資 するための法人間の連携のための取組が進み、業務の協働化・効率化が推進されているが、一方 で、特に中山間・人口減少地域においては、人材不足や利用者減少等により法人単独での経営が 厳しい状況にあり、社会福祉連携推進法人制度の面でも対応が必要。 ・介護、障害福祉、保育などの提供を行うに当たっては、利用者へのケアの視点とともに、経営の 視点をもつことが必要であり、人材の確保・育成もあわせて行っていく必要。 4 福祉サービス共通課題への対応《総論》→(地域における「連携」の重要性と地域共生社会)(福祉サービス共通課題への対応の枠組み) ≪福祉サービス共通課題への対応の基本的な考え方 ≫↓ ○ 2040 年に向けて、高齢化・人口減少のスピードが地域によって異なる中、各地域の実情を踏まえつつ、介護、障害福祉、こどもの福祉分野についてサービス需要の状況に応じた福祉サービス 提供体制の構築が必要。そのような中、分野を超えて関係者の連携を図り、地域共生社会を実現 することが重要。 ○ 社会福祉法においては、地域共生社会の実現のため、包括的な支援体制を整備することとして いる。包括的な支援体制の整備は、福祉サービスの提供体制の構築にとどまらず、地域住民等と 支援関係機関が協力し地域生活課題を抱える地域住民を包括的に支える体制整備を行うもの。ま た、包括的な支援体制を整備する上でも、高齢化・人口減少に伴う、相談ニーズの多様化や担い手 不足等に対応した各地域の実情に応じた体制整備が必要とされている。 ○ このように、福祉サービス提供体制の構築も包括的な支援体制の整備も、2040年に向けた社会 情勢の変化に対応し、地域の実情に応じた仕組みとしていく必要があり、軌を一にするものであ る。これに加え、この検討会で議論してきた内容である、@中山間・人口減少地域を中心に施設転 用による既存施設の有効活用、A人材確保等のプラットフォーム、B社会福祉連携推進法人の活 用による協働化等は、分野を超えて福祉サービス共通課題に対応するとともに、あらゆる地域生 活課題を抱える地域住民を包括的に支える基盤となる重要な方策であり、こうした取組を通じて、 包括的な支援体制の整備を推進し、地域共生社会の実現に資するもの。 次回も続き「参考資料1 2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方に関 する中間とりまとめ」からです。 |



