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第5回労災保険制度の在り方に関する研究会 資料 [2025年04月24日(Thu)]
第5回労災保険制度の在り方に関する研究会 資料(令和7年4月4日)
議題  労災保険制度の在り方について(徴収関係等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56726.html
◎資料1 第1回研究会における主な意見(要約版)(「メリット制」関係)
【メリット制】
→○ 労災保険料の徴収については、業種別に細かく定められているという点とメリット制を有しているという点が、他の社会保険にはない特徴。この2つの仕組みは、実際のリスクに見合った負担をし、公正性を担保し、ひいては労災の抑止につなげるという理念もあると思っているが、これらの仕組みが本来の期待される役割、目的を果たしているのかというところについて、そもそも検証が行われてないと考えている。 ○ 業種別に定められた労災保険料率は、実際のところは、「その他事業」の中に、かなり 業種として異なるものが含まれていると聞いている。業種分類自体が時代に似合わなくな ってきている可能性がある。同じリスクに直面している労働者グループでないと、連帯意識がわかず、労災抑止につながらないので、今後も不断に見直す必要があると考えている。 ○ メリット制については適用される事業所が4%程度であり、適用対象範囲が適切なのか という議論もあるのではないか。メリット制の効果があったとしても、管理コストもあるので、コストに見合っているのかという視点も必要だと思っている。 ○ 高齢者雇用の促進や外国人雇用について前向きに進めているところ。労災リスクという観点から言えば、被災率が高いグループに属すると考えられる。高齢者あるいは外国人労働者を積極的に雇うような事業所が、メリット制が適用されることによって、労災保険料が高くなってしまうということをどう考えるかという問題があるのではないか。 ○ メリット制を強化するという考え方には慎重になるべき。メリット制が強化されれば労 災リスクが高い属性の労働者のグループを企業が雇わなくなってしまうという懸念がある。 ○ 近時、ICT や IoT、AI やロボットなど様々な技術を活用して、安全衛生の取組を促進する取組例などが紹介されている。高い予防効果が期待できる一方で、相当なコストが掛か っているとみられる取組例がある。相当の予防効果が期待できるというのであれば、労災保険料率との関係で労災リスクの代替変数の一種になり得るのではないか。例えば、労災保険率を考えるに当たって、労災予防、安全衛生のための取組への投資といったことを考 慮することもあり得るのではないのか。 ○ 最近の最高裁判例を踏まえると、今後、事業主はメリット制の適用で保険料が増額されたときには、増額について不服審査ないし訴訟で争うことができることになり、従来以上にメリット制や給付決定、遡って労災保険給付の決定に対して事業主が関心を持っていくことが予想される。他方で、事業主はどういった保険給付があったことによってメリット制が適用され、保険料が上がっているのかということについて、必ずしも詳細な情報を得ているわけではないように理解している。不服申立てや訴訟によって争う機会を与えることが明確になったからには、どういった形で使用者にそういった機会を担保していくのか、 手続保障の観点についても考える必要があろうかと思う。 ○ そもそもメリット制についてどう評価するか、存在意義について再考の余地があるので はないか。現実にどういった効果を及ぼしているかの検証が重要と考えるところ、例えば、 メリット制については労災が多い事業主と少ない事業主の間の一定の公平を実現するという説明がなされるところ、ごく一部の事業所に適用される制度との関係で、そういった公平というものを論じることは、どの程度重要性のある理屈なのか。 ○ 脳・心臓疾患や精神疾患の補償については、個人の側に一定の脆弱性がある労働者についても、業務との関連性を客観化する努力を認定基準などでしながら、一定の個人の側の脆弱性がある労働者も補償から排除しない形で給付決定している面もあると思う。他方で、 メリット制との関係では、特別な脆弱性を持つような労働者を雇用した、そういう努力を積極的にした使用者の保険料負担が事後的に引き上げられてしまうという副作用があると考えられ、そうしたメリット制の適用が現に雇い控えにつながっているかという実際の効果の問題が考えられるとともに、理論的にも、全体として整合性のある制度かどうかが問われてもよいのではないか。 ○ メリット制の反対論を見ていると、メリット制があることによって、労災隠しを誘導する制度になっているのではないかということが指摘されている。どのように調査するのか 非常に難しいとは思われるが、そのような意識を持たせてしまっているということがあるのかどうかという点について、何とか調べることができないかと感じている。 ○ メリット制を掛けることに関する予防効果が果たしてあるのかどうかということが疑問 となる疾病が考えられる。メンタル疾患などについてメリット制を掛けたからといって、 果たして、その疾病予防効果は、これまでの事故性のものや職業病に比べてどれぐらい予 防効果があるのか疑問である。事業主間の公平性、それに関連しての制度に対する納得性 という点から、たとえ業務災害に対する保険給付であっても、疾病の内容によってはメリ ット制の算定から外すなど、ゼロか100かではない対応も考え得るのではないか。 ○ 適用単位である事業の概念も同時に検討しなければならないのかもしれない。4%程度 が適用されている中、必ずしも大企業であるから適用されるなどというわけでもなく、事業自体が大きいかどうかでメリット制の適用が決まっていると感じられる。事業としては 小さいけれども、一企業としては大変大きいというところのほうがメリット制の適用はないが、災害予防効果は大きいのではないかと思われる。大企業が率先して労災予防に取り組み、コストを掛けることも可能であるというような、現在の事業を元にした分け方も、 適用の部分も含めて検討してもよいのではないかと思う。


◎資料2 メリット制について
≪メリット制度の現状≫
○メリット制の趣旨・目的
→メリット制は、個々の事業ごとの収支率をみて、その事業の保険料を調整し、個々の事業主の負担の具体的公平 性をはかるとともに、その自主的な災害防止の努力を促進しようとするもので、労災保険料のもっとも労災保険 らしいところの一つということができる。(「新労災保険法」労働省労災補償部編昭和41年10月日刊労働通信社刊424頁) ○ 労災保険率は、業種間の負担の公平を期するため「事業の種類」ごとに災害率等に応じて決められているのであるが、 事業の種類が同一であっても、作業工程、機械設備あるいは作業環境の良否、災害防止努力の如何等に よって個々の事業ごとの災害率にはかなりの高低が認められる 。 ○ そこで、事業主の負担の具体的公平を図るとともに、事業主の災害防止努力を促進する意味 において、たとえ 同種の事業であっても、一定規模以上の事業については、個々の事業の災害率等の高低等に応じ、保険技術的に許される範囲において、 @ 継続事業については、その事業について事業の種類ごとに定められた労災保険率(基準労災保険率)を一定の範囲内で引き上げ又は引き下げた率を、次の次の保険年度の労災保険率とすることとし(徴収法第12条第3項)、 A 有期事業については、確定保険料の額を一定の範囲内で引き上げ又は引き下げることとしている(同法第20条)。 これが労災保険の「メリット」制と呼ばれるものである。⇒「(参考)有期事業に係るメリット制の創設の背景」の 参照のこと。
○メリット適用事業場のメリット増減率適用例@→【金属精錬業(労災保険率6.5/1000)の場合】⇒【前提】【分子(保険給付)】【メリット増減率】 参照。
○メリット適用事業場のメリット増減率適用例A→【宿泊業(労災保険率3/1000)の場合】⇒【前提】【分子(保険給付)】【メリット増減率】 参照。
○増減率別メリット制適用事業場数(令和5年度)→令和5年度にメリット制が適用された事業場(継続事業、一括有期事業、単独有期事業合計)のうち、8割を超す事業場が 労災保険率を引き下げて適用され、全体の半数近くの事業場がマイナス40%で適用されている。
○メリット制の適用状況→・令和5年度にメリット制が適用された継続事業及び一括有期事業場数は約11万事業場であり、全ての継続事業及び一括有期 事業場数約291万事業場に対して、約4%のメリット制適用割合となっている。 ・一方で、労働者数でみると、令和5年度にメリット制が適用された継続事業及び一括有期事業場の労働者数は約3,563万人で あり、全ての継続事業及び一括有期事業場の労働者数約6,078万人に対して、約59%のメリット適用割合となっている。
○メリット増減率の遷移→令和4年度、令和5年度ともメリット制が適用された継続・一括有期事業場で、メリット増減率の遷移を見ると、⇒・メリット増減率が変わらない(左上から右下にかけての対角線にある)事業場が55%。 ・メリット増減率が上がる(対角線の上三角)事業場が22%。 ・メリット増減率が下がる(対角線の下三角)事業場が23%。
○メリット制(適用)→・労災保険料は、原則、(労働者に支払う賃金総額)×(労災保険率)で計算される。 ・ただし、一定の事業については、個別の事業場の災害の多寡に応じ、労災保険率又は保険料を増減するメリッ ト制を適用し、事業主の保険料負担の公平性の確保や、災害防止努力の促進を図っている。 (※)メリット制適用事業場数147,302事業場(令和5年度)⇒メリット制の適用要件 等  参照。
○【参考】メリット制(労災保険料の計算方法)→基本となる計算方法(一般の労災保険率のみ適用を受ける事業)など  参照。
○労災保険料(率)についてD特例メリット制→継続事業のメリット制が適用される中小企業の事業主が、厚生労働省令で定める労働者の安全又は衛生を確保 するための措置を講じた場合であって、「労災保険率特例適用申告書」を提出した時は、メリット増減率の幅 を±40%から±45%に変える特例(特例メリット制)を受けることができる。(徴収法第12条の2)⇒特例メリット制の目的、特例メリット制の適用対象となる事業 参照。
○【参考】メリット制(メリット収支率の計算方法)→計算の考え方 参照。
○【参考】労災保険料(率)について労災保険率表(令和6年4月1日施行) →労災保険料率は3年に1度改定しており、54業種ごとに災害発生状況等に応じて定められる。 最低2.5/1,000(金融業、保険業又は不動産業)〜最高88/1,000(金属鉱業、非金属鉱業又は石炭鉱業)

◎メリット制について↓
≪【論点@】メリットの趣旨目的に照らして、メリット制 は今日でも意義・効果があるといえるか。→・ メリット制の適用対象は妥当か。 ・メリット制が災害防止に効果があるのか。≫
○【論点@】メリット制度の効果をどのように評価するか。
→メリットの趣旨目的に照らして、メリット制は今日でも意義・効果があるといえるか。 メリット制の効果について、メリットが適用されている事業場の被災者数増減率に着目して検証を行った。
・【検証方法】【検証結果】→ • プラスでメリット制が適用された事業場については、全事業場よりも増減率が概ね低いことから、一定程度はメリット制の効果があったと考えられる。 • マイナスでメリット制が適用された事業場 については、業種全体よりも増減率が低い場合と高い場合が 同程度混在しており、これだけをもってメリット制の効果の有無を判断できるものではない 。

○メリットが適用されている事業場の被災者数増減率について(業務災害)→検証方法の詳細⇒メリット制が適用されている事業場について、@〜Gのパターン毎に前年度から当年度にかけて被災者数の増減率と、業 種全体の被災者数の増減率Hを比較したもの。
・@〜C 当年度+(プラス)で メリット適用
・D〜G 当年度▲(マイナス)で メリット適用
○メリットが適用されている事業場の被災者数増減率について(業務災害)データ集計時点2025/3/7→• @〜Gメリット適用事業場とH全事業場の被災者数増減率を比較し、メリット適用事業場の方が増減率が小さい場合に赤 字で表示。赤字が多いほど、メリット制により被災者数の増減率が抑制され、メリット制の効果と考えられる。 •プラスでメリット制が適用された事業場については、全事業場よりも増減率が概ね低いことから、一定程度はメリット制の効果があったと考えられる。 •マイナスでメリット制が適用された事業場については、業種全体よりも増減率が低い場合と高い場合が同程度混在しており、これだけをもってメリット制の効果の有無を判断できるものではない。
○マイナスでメリット制が適用された事業場の前年度の災害発生状況の特徴について→・マイナスでメリット制が適用された事業場は、過去の保険収支が良く災害が少なかったことから、マイナスのメリット制が適用された時点で、一定程度はメリット制の効果があったと考えてよいのではないか。 ・また、もともと被災者数が0であるため、被災者数を減らすことが一切出来ない事業場や、減らしても効果は限定的であ る事業場が、全メリット適用事業場より多く存在することから、災害防止に取り組んだとしても、減る効果が一切出な い・出にくいといったことを考慮する必要がある(下の表令和4年度事業場の場合)。
⇒【令和4年度に労災保険のメリット制が適用されている事業場】 参照。
○増減率別メリット制適用事業場数(令和5年度)→8割を超す事業場が 労災保険率を引き下げて適用され、全体の半数近くの事業場がマイナス40%で適用されている
○メリット制の適用状況→・全ての継続事業及び一括有期 事業場数約291万事業場に対して、約4%のメリット制適用割合。 ・全ての継続事業及び一括有期事業場の労働者数約6,078万人に対して、約59%のメリット適用割合となっている。

○メリット制による保険料の増減額→・令和5年度にメリット制が適用された事業場数は14万7,302事業場⇒・保険率(料)が割引きとなっている事業場は(全メリット適用事業場の82.7%) ・保険率(料)が据置きとなっている事業場は(全メリット適用事業場の1.6%) ・保険率(料)が割増しとなっている事業場は(全メリット適用事業場の15.7%)。
・保険率(料)割引き事業場の保険料総額は4,310億円であり、メリット制の適用により引下げとなった差額保険料▲1,767億円。 ・保険率(料)割増し事業場の保険料総額は1,047億円であり、メリット制の適用により引上げとなった差額保険料+195億円。

○(参考資料)メリット制に対するご意見→日本労働弁護団意見(抜粋)、過労死弁護団全国連絡協議会メリット制検討チーム意見(抜粋) 参照。

≪【論点A】メリットの算定対象は妥当か。→・特定の疾病をメリット収支率の算定対象外とすることについてどの ように考えるか。  ・高齢者や外国人労働者をメリット収支率の算定対象外とすることに ついてどのように考えるか。≫
○【論点A】メリットの算定対象は妥当かー特定の疾病の取扱いー→特定の疾病をメリット収支率の算定対象外とすることについてどのように考えるか。⇒メリット制の趣旨・目的、メリット収支率の算定対象に係る現行の取扱いー特定疾病に罹患した者に係る給付の取扱いー  参照。
○【参考】メリット収支率の算定対象外となる特定疾病→疾病、事業の種類、疾病にかかった者の雇用期間以内・以外による一覧表の説明。 参照。
○業務上疾病に係る業務起因性について(1)ー考え方ー→・メリット収支率は、当該事業の労働者に対する労災保険給付を前提に算定される。 ○ 労災保険給付は、業務起因性が認められる場合に限り支給されるが、疾病にかかる業務起因性の判断は以下の考え方に基づき行っている。⇒業務起因性の基本的考え方、業務以外の要因と競合する場合の業務起因性の考え方 参照。

○業務上疾病に係る業務起因性について(2)ー脳・心臓疾患事案ー→・業務による過重な負荷が加わることにより、血管病変等(もともと本人 がもっている動脈硬化等による血管病変又は動脈瘤、心筋変性等の基礎的病態)をその自然経過を超えて著しく増悪させ、脳・心臓疾患を発症することがある。 ・このため、脳・心臓疾患の業務起因性を判断するに際しては、当該業務が過重であったか否かを客観的に判断するため認定基準(※)を設け、「業務による明らかな過重負荷」が生じていたか否かを評価している。なお、長期間・短期間の過重業務については、過重負荷の有無の判断に当たって、職種、年齢、経験が類似する同種労働者にとって業務が特に過重であったかという観点で評価する。(※)「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(令和3年9月14日付け基発0914第1号厚生労働省労 働基準局長通知)の別添「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」⇒脳・心臓疾患に係る業務起因性判断の枠組み(イメージ) 参照。
○業務上疾病に係る業務起因性について(3)ー精神障害事案ー→・精神障害の業務起因性の判断については認定基準(※)が設けられており、@精神障害を発病しており、A発病前おおむね6か月間に業務に よる強い心理的負荷が認められ、B業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められない場合に、業務起因性が認められる。 ※「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(令和5年9月1日付け基発0901第2号厚生労働省労働基準局長通知)の別添「心理的負荷による精神障 害の認定基準」。 ・心理的負荷の強度は、職種、職責、経験などが類似する同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価され、認定基準の別 表1「業務による心理的負荷評価表」で、出来事別に心理的負荷の強度の判断の具体例が示されている。⇒精神障害に係る業務起因性判断の枠組み(イメージ)参照。

○【論点A】メリットの算定対象は妥当かー高齢者や外国人ー→高齢者や外国人労働者をメリット収支率の算定対象外とすることについてどのように考えるか。
○令和5年度における高齢者の就労状況→高年齢労働者数の産業別構成比を全労働者と比較すると、概ね、同程度の構成比となっている。
○【論点A】メリットの算定対象は妥当かー高齢者や外国人ー→高齢者や外国人労働者をメリット収支率の算定対象外とすることについてどのように考えるか。
○令和5年度における外国人の就労状況→外国人労働者数の産業別構成比を全労働者と比較すると、第1次産業、建設業、製造業に就労している者の割合 が高い。
○令和5年度における外国人労働者の年齢分布→日本人労働者は40代後半から50代前半が多くを占めている一方で、外国人労働者は20代に山があり、若年層に偏っ ている。


◎資料3 労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題について
○労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題について→論点案
⇒【論点@】メリット制の適用を受ける事業主に対して、労災保険率の算定の基礎となった労災保険給付 に関する情報を提供すべきか。情報を提供することとする場合、労働者の個人情報の保護等 にも配慮する必要があるが、どこまでの情報を提供することが妥当か。 【論点A】支給決定(不支給決定)の事実を事業主に伝えることについてどのように考えるか。

○【論点@】メリット制の適用を受ける事業主に対して、 労災保険率の算定の基礎となった労災保険給付に関する情報を提供すべきか。 情報を提供することとする場合、労働者の個人情報の保 護等にも配慮する必要があるが、どこまでの情報を提供することが妥当か。
○【論点@】メリット制適用事業主への情報提供→メリット制適用の流れ 参照。
○(参考)メリット制適用事業主に通知される内容(1)→労災保険率決定通知書⇒「労災保険率決定通知書」により、その事業場における労災保険給付の支給額が反映 された労災保険率(メリット料率)が通知される。
○(参考)メリット制適用事業主に通知される内容(2)→認定決定とは⇒事業主が申告書を提出しない又は申告書の内容に誤りがある場合に、徴収法第43条に基づき調査を 行い、政府が職権で労働保険料の額を決定し、「認定決定通知書」により通知する仕組み。⇒認定決定通知書(認定決定の流れ)など 参照。
○【論点@】メリット制適用事業主の手続的保障(情報提供の範囲)→労災保険給付に係る情報を事業主に提供することとする場合、 どこまでの情報を提供することが妥当か。⇒・ 当該事業場に係るメリット料率の算定基礎となった労災保険給付総額(@のA) ・ 当該事業場に係るメリット料率計算式(@、Aすべて)
○(参考)最高裁におけるメリット制適用事業主の手続保障に関する言及→あんしん財団最高裁令和6年7月4日判決 参照。
○(参考)事業主がメリット制の適用について審査請求等を行う場合のフロー→労働保険に係る行政処分については、行政不服審査法に基づき審査請求等が行われる。 参照。
○【論点A】支給決定(不支給決定)の事実を事業主に伝 えることについてどのように考えるか。→労災保険の給付申請が行われると、現在は、事業場への訪問や事業主への聴取等のほか、事業主の意見申出制度 なども設けられている一方で、支給・不支給の決定結果について事業主に通知される仕組みは存在しない。⇒事業主が早期に労災事故防止に取り組む観点から、支給決定(不支給決定)の事実について事業主に通知する ことが必要ではないか。 現行の支給決定(不支給決定)の流れ
○【論点A】支給決定(不支給決定)の事実を事業主に伝えることについて→・支給・不支給の決定結果について事業主に通知される仕組みは存在しない。 ・事業主が早期に労災事故防止に取り組む観点から、支給決定(不支給決定)の事実について事業主に通知する ことが必要ではないか。⇒現行の支給決定(不支給決定)の流れ  参照。
・【参考】労災保険法施行規則 (保険給付に関する処分の通知等)第19条、23条の2 参照。

◎参考資料 第4回研究会における委員ご発言の概要(参考資料)
1.適用範囲(総論)→労働基準法が適用される労働者以外の就業者で、強制適用とすべき者はいるか。また、 その保険料の負担は誰が負うべきか。
≪現時点における議論の確認≫→ ◎ 中長期的には労災保健制度そのものを変えることも可能だが、短期的には難しいという前提で、現 在の適用範囲の対象を今すぐ大きく変えるものではない点は一致している。適用事業所や賃金総額が 特定されていても、補償対象となる労働者が特定されていないのは重要な指摘。


2.特別加入制度 一人親方等の労災補償を適切に運用していくため、特別加入団体にどのような役割を担わ せるべきか。
≪現時点における議論の確認≫→ ◎ 特別加入団体について、特別加入に際して団体の介在が必要なのかという意見や、加入者の災害防 止等に貢献し得るとの意見もあった。


3.家事使用人
≪現時点における議論の確認≫→ ◎労基法の労働者の議論と接続しているので、平仄を合わせながらも、労災保険の適用対象としていく必要があるのではないか。また、家事使用人の実態が分かるのか、強制適用した場合にどういう問題 があるのかは精査する必要がある。

4.暫定任意適用事業→○ 暫定任意適用事業となっている農業についても強制適用すべきと考える。労働実態の把握が困難で あることが理由とされてきたが、農業特有の労働慣行がみられなくなって、「労働実態」は少しずつ現代的になっているはずであり、「把握」の手段も多様化しており、保護の必要性もあるといえる。 ○ 農林水産業は強制適用するのがよい。労働基準法では農林水産業も強制適用であったとしても労働 として見分けられる前提である一方で、労災保険法では労働者かどうか見分けられないというのは一 貫性がない。海外では賃金支払いの点で他の業種と違うものにみなし保険料の仕組みを設けているケ ースもあるが、日本では農林水産業でも最低賃金法が適用されるので、この点でも特別に扱う必要はない。 ○ 逆選択の問題はあるが、過半数の希望や法人化した場合、事業主が特別加入している場合には強制 適用となるところ、農林水産業については逆選択の弊害はある程度甘受されている。 ○ 全面適用とするには課題があるが、農業協同組合との協力により、適用の課題とされている適用事 業の把握の困難性や事業主の事務負担などは解決する余地があるのではないか。
≪現時点における議論の確認≫→ ◎ 強制適用すべきという発言があったが、その課題について引き続き検討が必要。

次回は新たに「こども未来戦略資料」からです。

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