第3回経済財政諮問会議 [2025年04月16日(Wed)]
第3回経済財政諮問会議(令和7年3月25日)
議 事 (1) マクロ経済運営(春季労使交渉等) (2) 地方創生 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0324agenda.html ◎資料1マクロ経済基礎資料(内閣府) ≪賃金の動向≫ ○賃金の動向@→・春季労使交渉の回答集計の結果(25年3月21日)をみると、大企業を中心に満額回答が相次ぎ、昨年同時期を上回る賃上げ率となっている。 ・今後、こうした賃上げの流れが、中小企業へ波及していくことが期待される。⇒図1・図2 参照。 ○賃金の動向A→・実質賃金は、2024年後半から、プラス圏内に。ただし、足元では、物価上昇の影響により低下(3か月ぶりのマイナス)。 ・ 国際的にみると、日本の実質賃金の上昇率は、前年比でマイナスの期間が続くなど、総じて低い。⇒図1・図2 参照。 ≪物価動向と主要な物価高対策≫ ○物価の動向→・足元では、生鮮食品を含む食料品価格が上昇し、消費者物価(総合)を押し上げ。米類等の価格は上昇。 コメの先物取引価格は、足元で低下。 ・ 電気代・ガス代は、負担軽減支援事業の効果もあり、2月は低下。ガソリン価格は、燃料油価格激変緩和補助金の 補助率の縮小により、足元では上昇。⇒図1〜図4 参照。 ○主要な物価高対策 重点支援地方交付金 @ 低所得者世帯向け給付金→食料品やエネルギー価格の上昇に対応、賃上げの効果が出るまでの間、家計をサポート A 地域の実情に応じた物価高対策→住民税非課税世帯以外の方も対象とする給付金、LPガス使用世帯への支援 学校給食費への支援 など B 政府備蓄米の売渡し C ガソリン等の価格の抑制→ • 全国平均で185円/Lとなるよう支援を継続 • 今後、原油価格の状況を丁寧に見定めながら適切に対応 D 中小企業の事業活動を支える価格転嫁の円滑化→民間、官公需 参照。 ○物価高対策の主な施策の取組状況(2025年3月21日時点) ・5つの「分類」に「事業名」あり。「所管府省」「事業内容」「取組状況・今後の見込み」 ◎資料2参考資料(持続可能で活力ある地方経済の構築に向けて)(内閣府) ○地方における質の高い雇用の創出→・近年は女性の方が、男性と比べて東京圏(東京都及び埼玉県、千葉県、神奈川県)への純流入者数が多い傾向。コロナ禍後、再び純流入者数が増加している。 ・年代別に東京圏と全国平均とを比較すると、女性の雇用率には大きな差はないが、正規雇用率については、全国平均と比べて、若年層を中心に東京圏の方が高い。⇒図1・図2 参照。 ○雇用・就業:最低賃金の動向→・賃金の地域間格差是正を図るうえで、最低賃金の底上げは重要。 ・令和6年度の地域別最低賃金の引き上げ額は、27県で、中央で決定した目安である50円を 上回り、それらは水準が相対的に低い都道府県に多かった。地域間の横比較が重要。⇒<図:2024(令和6)年度の地域別最低賃金> 参照。 ○東京圏から人を惹きつけている自治体の例→・東京圏との間で人口が純流入になっている市町村は約200(2023年)でおおむね横ばい。 ※東京都及び埼玉県、千葉県、神奈川県内の市町村を除く。 ・特徴的な取組を推進している市町村を増やすような施策や支援を強化・拡充するべき。⇒自治体名 特徴 参照。 ○質の高い産業・雇用の創出→・女性や若者にも選ばれる自治体(注)では、公務の比率が低いほか、開業率が高く、新しい産業が創出される傾向が強い。 ・就業率、共働き家事時間などについて、女性や若者に選ばれる自治体の方が、男女間の格差が相対的に小さい。 (注)転入超過であり、かつ、2010〜2020年の平均年齢の上昇幅が小さい(低下も含む)、15−64歳人口の女性比率 が高まっている(横ばいを含む)自治体とした。 ○自治体規模別の人口推計について→•社人研「日本の地域別将来推計」によると、人口規模がより小さい自治体において、人口の減少及び高齢化率(65歳 以上人口/15−64歳人口)の上昇がより大きい姿。 •東京23区では、65歳未満の減少は小さく、65歳以上の増加により総人口は増加する見込み。 •生産年齢を20−74歳とし、高齢化率を75歳以上人口と生産年齢人口の比とすると、高齢化率は大幅に低下し、地域差 が縮まり、高齢化率の上昇幅は小さくなる。 ⇒人口規模別年齢階級別平均人口(2020年人口=100)及び高齢化率 参照。 ○自治体規模別の財政状況:歳入・歳出構造(2022年度)→•平均的には、基礎的財政収支に準ずる歳入(「PB歳入」)は同歳出(「PB歳出」)を上回り、総体としては財政は健全。 •歳出面:小規模自治体においては、総務費・土木費・農林水産費等の割合が大きい。大規模になると、歳出に占める 民生費(老人福祉費・児童福祉費等)の割合が高まる傾向※。 ※自治体の区分(政令指定都市等)によって行政権能が異なることによる影響も考慮する必要 •歳入面:小規模になるほど、地方交付税交付金への依存度が高く、大規模になると地方税等の収入が増加する傾向。 ○自治体規模別の財政状況:歳入/歳出比率の分布→•小規模になるほど、財政調整前歳入(基礎的財政収支に準ずる歳入(「PB歳入」)から地方交付税交付金を除いたもの)によって賄われる割合が低い。 •地方交付税交付金の財政調整機能によって、全体で9割以上の自治体が、基礎的財政収支に準ずる歳出(「PB歳出」)の 95%以上をPB歳入により賄うことが可能になっている。 •他方、東京23区は財政調整前歳入がPB歳出を平均で上回っている。 ◎資料3持続可能で活力ある地方経済の構築に向けて(有識者議員提出資料) 2025年3月24日 十倉雅和 中空麻奈 新浪剛史 柳川範之 東京一極集中を是正し、若者や女性にも選ばれる、魅力ある地方経済を構築する には、地方に質の高い産業・雇用の場を創出することが何よりも重要。この上に、誰もが安心して住み続けられる、一人一人のウェルビーイングが高い活力ある経済を構築していく必要がある。地方経済の活性化を、日本経済全体の活性化につなげる「令和の日本列島改造」を具体化する「基本構想」の策定にあたり、以下提言する。 ↓ 1.地方における質の高い産業・雇用の創出→ 地方経済の活性化に向けては、地域資源を最大限活用した高付加価値産業・事業の創出や、魅力ある働き方・職場づくりが重要。そのため人口減少による人手不足を梃子に、地方の賃金・処遇改善を図るとともに、地方創生交付金等を活用した地域それぞれの特性に応じた活性化等を講じ、東京との賃金格差を是正していくことが重要。⇒○ 地域づくりの担い手としても期待される関係人口や多地域居住者と地域との連携 強化、小規模でも生産性の高い企業の育成・誘致、人手不足に対応した省力化 投資の拡大等による生産性向上など、地方の創意工夫の下、活力ある経済の構 築に向け、官民を挙げて強力に推進すべき。 ○ 東京における30歳代、40歳代の女性正社員割合は全国平均を大きく上回っていること等から、地方における正社員雇用の拡大に向けて、本社機能、業務施設の地方移転、企業の地方拠点の拡充・強化など産業の多様化・活性化を更に推進 すべき。 ○ 地方において雇用割合の高い非正規の処遇改善も重要。最低賃金1,500円の目標に向けて取り組む際に、すべての働く人が安心して暮らせるよう、地域間格差 の是正を図りながら取り組むべき。 2.持続可能で質の高い地方行政サービスの実現→人口減少のもとでも誰もが安心して住み続けられるウェルビーイングの高い地域社会を構築するには、住民生活に密着した行政サービスの地域間格差が過度に生じないことが重要。地方における人材不足を補うため、デジタル共通基盤の整備による行政サービスの効率化や、都道府県域を超える連携を含め共通の目的を持つ自治体間 の広域的な連携を加速していくとともに、持続可能な地方行財政の構築に向けて、人 口減少や社会増減を踏まえた将来像を速やかに示し、経済財政諮問会議であるべき 対応について議論すべき。 3.効果的な「令和の日本列島改造」の取組→地方創生2.0の推進に当たっては、政策目標を明確にし、地域の特性も考慮しつ つ、成功事例も失敗事例も含めて効果を検証し、限られたリソースから高い政策効果 を生み出していくことが重要。定量的なKPIの設定やEBPMの枠組みを活用し、人口・ 経済財政の東京一極集中の是正の広がりといった観点も含めて検証すべき。これにより「令和の日本列島改造」の取組の全体像の「見える化」を徹底していくことが重要。 ○「令和の日本列島改造」にある5つの取組のうち、「若者や女性にも選ばれる地方 に向けた取組」、「広域リージョン連携の推進」など、社会全体で取り組む課題については、全体的に底上げを図るため、横比較が可能な指標をKPIに設定し、進 捗を比較して「見える化」を徹底すべき。 ○ また、「産学官の地方移転と創生」、「地方のイノベーション創生」、「新時代のインフラ整備」など、地域独自の特性・特色を活かしてオンリーワンを作りだして活性 化を図っていく課題については、重複投資による非効率を避け、全体の有機的な 成長に資する視点から、個々の取組をマッピングするなど「見える化」を徹底し、 各地域の戦略決定に資するべき。 ○特に交付金事業については、各地域の特性・特色を活かした適切かつ効果的な 取組が行われることが必要。⇒・ 個別事業の直接的なアウトプットの検証にとどまらず、若者・女性に選ばれる地域といった最終アウトカムに結びついた政策効果の把握につながるKPIを設定して(例:東京圏との間の転出入者数、女性就業率、女性正 規雇用率)厳密な効果検証を行うべき。 ・ 都道府県は、管内の市区町村の取組及びKPIについて、必要な調整を行った上で、それらを一覧性のある形で「見える化」し、事後の進捗管理を行うべき。その際には、市区町村の取組を束ねた都道府県全体のKPIを設定することも検討すべき。 ・ 国は、都道府県の取組の内容・進捗、KPIの達成状況等について、同様 に、一覧性のある形で「見える化」した上で、外部有識者の意見も聴きながら、十分な比較検証を行うべき。 ◎資料4地方創生2.0について(伊東臨時議員提出資料) 令和7年3月24日 伊東良孝 新しい地方経済・生活環境創生担当大臣 1.地方創生2.0の検討状況について↓ 1 これまでの議論の経過→○ 昨年10月、総理を本部長、全閣僚を構成員とする閣僚本部として 「新しい地方経済・生活環境創生本部」(以下「閣僚本部」)を創設。 また、伊東大臣の下、産官学金労言の有識者を構成員とする「新しい地方経済・生活環境創生会議」(以下「有識者会議」)を開催。 ※これまで5回開催。 ○ 昨年12月末の閣僚本部において、これまでの地方創生の取組の成果と反省を含む「地方創生2.0の基本的な考え方」を決定。 ⇒ 概要について参考資料の6〜10ページを参照。 また、本年1月の総理施政方針演説において、地方創生2.0を「令和の日本列島改造」として、5本の柱で進めていく方針が表明されたところ。 ○「令和の日本列島改造」の5本の柱 @ 若者や女性にも選ばれる地方 A 産官学の地方移転と創生 B 地方イノベーション創生構想 ⇒2、3ページを参照。 C 新時代のインフラ整備 D 広域リージョン連携。 2 今後の議論の展開→○ 本年1月から、有識者会議の地方開催を月1回のペースで行い、現場で取り組む方々と有識者との 意見交換を通じて、施策の具体化に向けた議論を進めているところ。 ○ 今後、本年夏の地方創生2.0の「基本構想」の策定に向け、5本の柱に沿って施策を具体化するとともに、骨格となるKPIを具体的に示せるよう有識者会議で議論を進めていく考え⇒4ページを参照。 2.地方イノベーション創生構想の推進@➁→○地方の経済・産業を創生するため、省庁の縦割りを排し、連携して施策を「統合化」、「重点化」し取組が「点」から「面」に広がる化学変化を起こす必要。このため、地方創生2.0では、様々な「新結合」、組合せの可能性を地方で展開する 「地方イノベーション創生構想」を関係省庁が連携し、官民を挙げて強力に推進。 ○ 多様な地域資源を活用した高付加価値化、デジタルの活用やコンテンツ産業と連携した国内外の新たな需要の掘り起こしなど、 地域の「産官学金労言士/師」の主体により、地方を起点とした、従来にない「新結合」を生み出していく。↓ 1 「新結合」の要素→○施策の新結合− 地域資源の高付加価値化を図る組み合わせ⇒産業− 埋もれた地域資源の活用− 環境・GX− デジタル・新技術− 海外展開 ・・。○主体の新結合− 複数の主体の組み合わせ⇒産− 官− 学− 金− 労− 言− 士/師。○人材の新結合− 副業兼業を活用した人材の組み合わせ⇒ 関係人口の取り込みによる人材の組み合わせ 2 「新結合」のイメージ(例)→(1)伝統的な農林水産業・地域産業 ×歴史文化× 観光⇒ 宿泊施設での新たな食や工芸品の提供、文化芸術や自然を含む多彩な地方観光ルートを形成 (2)地方高専 × AI ⇒ 高専人材が × 中小企業 × 地方銀行 技術を活用して地元中小企業の課題解決、収益化。地元愛を持つ人材育成にも貢献 AI (3)量子技術×交通×観光⇒量子コンピューティングの活用による 地域の最適な観光 (4) イノベーション拠点× スタートアップ × ルートの提示、料金の最適化 まちづくり⇒イノベーション拠点を中心に若者・女性が集い、公共施設・商店・住宅などが集積した中心市街地を整備 ※ 今後、 新たに設ける関係省庁会議 において、各省庁の施策をもとに、「新結合」を生み出すプロジェクトとして具体化 していく。 3.地方創生2.0のKPIに関する論点 1 現行のKPI→○ 現行のデジタル田園都市国家構想総合戦略においては、85項目のKPIを設定(参考資料11,12ページ参照)。 そのうちの一つとして、「東京圏への過度な一極集中の是正」についてのKPI 「 2027 年度における地方と東京圏との転出・転入の均衡」が設定されている。 2 論点:○ 地方創生2.0の「基本的な考え方」では、少子化対策を講じることで人口減少のペースを緩めつつ、「当面は人口・生産年齢人口が減少するという事態を正面から受け止めた上で、 人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていく」方針が示されている。 ○ 少子化により、地方の若者や女性の絶対数が減少して地方から東京圏への転入数が減少する可能性や、東京圏で生まれ育つ若者の割合が今後相対的に増加していくことを踏まえれば、 東京圏の転出入の均衡だけを目指すKPIが望ましいのか 、という論点がある。 ○ 例えば、「若者や女性にも選ばれる地方」をつくることを主眼とする地方創生2.0としては、 若者や女性が東京圏の大学などで学んだ後に地方へ転出していく形、 すなわち東京圏からの若者や女性の転出数に着目して望ましい姿を考えることも必要ではないか 。 ○ さらには、東京圏から転出しなくとも(住民票の異動がなくても)、関係人口・交流人口・兼業副業などの形で、 東京圏に居ながら地方に関わることで、地域の活力が維持される姿も考えられるのではないか 。 ○ そのほか、 地域の暮らしやすさについて、男女間の賃金格差、ジェンダーギャップ指数や、交通・買物などの生活環境に関する指標など、複数の指標を複眼的に捉えながら、政策の進捗を検証していく ことも考えられるのではないか。その際、人々の満足度(Well-being)を示す指標についても、検討を進める必要があるのではないか。 3 今後の検討方針→○ こうした論点を含め、本年夏に策定する地方創生2.0の「基本構想」において、骨格となる KPIを 具体的に示せるよう議論を進めていく 。 ≪参考資料≫↓ ○地方創生2.0の「基本的な考え方」概要 「地方創生」を10年前に開始して以降、「まち・ひと・しごと創生法」の制定、政府関係機関の地方移転や地方創生の 交付金などにより、全国各地で地方創生の取組が行われ、様々な好事例が生まれたことは大きな成果である。一方、こうした好事例が次々に「普遍化」することはなく、人口減少や、東京圏への一極集中の流れを変えるまでには至らなかった 好事例の普遍化は、なぜ進まなかったのか。 自治体は、国−都道府県−市区町村という「縦」のつながりのみならず、 他の町といった「横」の関係をあらためて意識することが必要ではないか。各地域において、学生などの若者も含めて、「産官 学金労言」の関係者が、「女性や若者にも選ばれる地域」となるため、自ら考え、行動を起こすことが必要ではない 。その際、RESASなどを活用した客観的なデータの分析も重要ではないか。 明治維新の中央集権国家体制において、「富国強兵」のスローガンの下で「強い国」が目指され、戦後、敗戦からの復興 や高度経済成長期の下で「豊かな国」が目指された。こうした中、 特に東京が首都となって以降、効率的に資源を集積するかたちで、東京圏への一極集中が進んできた 。世界に大都市圏が多くある中で、極端に一極集中の国は日本と韓国 のみであるとも言われている。 一方、国民の持つ価値観が多様化 する中で、多様な地域・コミュニティの存在こそが、国民の多様な幸せを実現。 そのためには、一人ひとりが自分の夢を目指し、「楽しい (※)」と思える地方を、民の力を活かして、官民が連携して作り 出していく 必要がある。「都市」対「地方」という二項対立ではなく 高め合うことで、すべての人に安心と安全を保障、都市に住む人も、地方に住む人も、相互につながり、希望と幸せを実感する社会を実現する。 今後、人口減少のペースが緩まるとしても、 当面は人口・生産年齢人口が減少するという事態を正面から受け止めた上で、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていく。 このため、 ・ 一極集中をさらに進めるような政策の見直し、 ・ 持てるポテンシャルがまだまだ眠っているそれぞれの、政策の強化 地域の経済・社会、これらを支える人材の力を最大限に引き出す政策の強化 ・ 若者や女性にも選ばれる職場や暮らしを実現する政策の強化 、 ・ 都市と地方の新たな結びつき・人の往来を円滑化する政策の強化 などに取り組む。 ⇒⇒こうした「地方創生2.0」の目指す先をこの「基本的な考え方」で確認し、「地方創生 2.0」を起動させる。 ○地方創生2.0の「基本的な考え方」概要 ↓ 来年夏に、今後10年間集中的に取り組む基本構想を取りまとめる↓ ◆地方創生2.0起動の必要性→・我が国の成長力を維持していくためには、都市も地方も、楽しく、安心・安全に暮らせる持続可能な社会を創っていく必要。 ・特に、人口減少が続く地方を守り、若者 ・女性にも選ばれる地方(=楽しい地方)、高齢者も含め誰もが安心して住み続けられる地方の構築は待ったなし。 ・地方創生2.0は、単なる地方の活性化策ではなく、日本の活力を取り戻す経済政策であり、多様性の時代の多様な幸せを実現するための社会政策であり、我がまちの良さ、楽しさを発見していく営み。 ・ それぞれの地域の「楽しい」取組が拡がっていくよう、次の 多様性の時代の多様 10年を見据えた地方創生2.0を今こそ起動し、この国の在り方、文化、教育、社会を変革する大きな流れをつくり出す。 ◆これまでの取組の反省→・若者・女性からみて「いい仕事」、「魅力的な職場」、「人 生を過ごす上での心地よさ、楽しさ」が地方に足りないなど 問題の根源に有効にリーチできていなかったのではないか。 ・人口減少がもたらす影響・課題に対する認識が十分に浸 透しなかったのではないか。 ・人口減少を前提とした、地域の担い手の育成・確保や労働生産性の向上、生活基盤の確保などへの対応が不十分だったのではないか。・産官学金労言の「意見を聞く」にとどまり、「議論」に至らず、好事例が普遍化されないなど、地方自らが主体的に考え行動する姿勢や、ステークホルダーが一体となった取組、 国の制度面での後押しが不十分だったのではないか。 など ◆地方創生をめぐる情勢の変化→地方にとって厳しさを増す変化⇒・人口減少と出生数・出生率の低下が想定を超える ペースで進み、高齢化が進むことで、特に地方では労働供給制約、人手不足が進行。 ・ 地域間・男女間の賃金格差や、様々な場面にある アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)などにより、 若者・女性の地方離れが進行。 ・ 買物、医療・福祉、交通、教育など日常生活に不可欠 なサービスの維持が困難な地域が顕在化、深刻化 など。 地方にとって追い風となる変化→・インバウンドの増加、特に、地方特有の食や景観・自然、文化・芸術、スポーツなどを評価して地方を訪れ、産品・サービスを求める外国人の増加 ・ リモートワークの普及、NFTを含むWeb3.0などデジタ ル技術の急速な進化・発展 など ◆地方創生2.0を検討していく方向性(1.0との違い)→( 基本姿勢)⇒・当面は人口 ・生産年齢人口が減少するという事態を正面から受け止めた上で、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていく 。 ・ そのために、「人を大事にする地域」、「楽しく働き、楽しく暮らせる地域」を創る。人手不足が顕著となり、人材や労働力が希少となる がゆえに、教育・人づくりにより人生の選択肢・可能性を最大限引き出すとともに、その選択肢を拡大していく。 ・ 災害に対して地方を取り残さないよう 、都市に加えて、「地方を守る」。そのための事前防災、危機管理に万全を期す。 (社会)⇒・「若者・女性にも選ばれる地方(=楽しい地方)」をつくることを主眼とする。 ・ 賃金の上昇、働き方改革による労働生産性の向上、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の解消など魅力ある働き方・職場づくりを官民連携で進める。 ・ 児童・生徒や学生が、地方創生の観点から我が町の魅力を再発見し、将来を考え、行動できる能力を重視する教育 ・人づくりを行う。 ・ 年齢を問わず誰もが安心して暮らすことを可能とする 、医療・福祉等の生活関連サービス 、コミュニティの機能を維持する。 ( 経済)⇒・文化・芸術・スポーツなどこれまで十分には活かされてこなかった地域資源を最大限活用した高付加価値型の産業・事業を創出する。 ・ これまで本格的に取り組んで来なかったDX・GXなどの戦略分野での内外からの大規模投資や、域外からの需要の取り込みを進め、地域の総生産を上昇させる。 ・ 観光等の地域に密着した産業やサービスを支える教育・人づくりを進める。 (基盤)⇒・ GX・DXインフラの整備を進め、NFTを含むWeb3.0など急速に進化するデジタル・新技術を最大限活用する。 ・ 地方と都市の間で 、また地域の内外で人材をシェアし、人・モノ・技術の交流、分野を超えた連携・協働の流れを創る。 (手法・進め方)⇒・政策の遂行においては、適切な定量的KPIを設定 し、定期的な進捗の検証と改善策を講ずる。 ◆地方創生2.0の基本構想の5本柱※考えられる各省の施策項目を列挙。基本構想に向けて具体化→@安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生→・魅力ある働き方、職場づくり、人づくりを起点とした社会の変革により、楽しく働き、楽しく暮らせる場所として、「若者・女性にも 選ばれる地方(=楽しい地方)」をつくる。 ・年齢を問わず誰もが安心して暮らせるよう、地域のコミュニティ、 日常生活に不可欠なサービスを維持。 ・災害から地方を守るための事前防災、危機管理。 A東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散→・分散型国づくりの観点から、企業や大学の地方分散や政府機関等の移転などに取り組む。 ・地方への移住や企業移転、関係人口の増加など人の流れを創り、過度な東京一極集中の弊害を是正。 B付加価値創出型の新しい地方経済の創生→・農林水産業や観光産業を高付加価値化し、自然や文化・芸術など地域資源を最大活用した高付加価値型の産業・事業を創出。 ・内外から地方への投融資促進。 ・地方起点で成長し、ヒト・モノ・金・情報の流れをつくるエコシステムを形成。Cデジタル・新技術の徹底活用 〇ブロックチェーン、DX・GXの面的展開などデジタル・新技術 を活用した付加価値創出など地方経済の活性化、オンライ ン診療、オンデマンド交通、ドローン配送や「情報格差ゼロ」 の地方の創出など、地方におけるデジタルライフラインやサイ バーセキュリティを含むデジタル基盤の構築を支援し、生活環 境の改善につなげる 〇デジタル技術の活用や地方の課題を起点とする規制・制 度改革を大胆に進める。 D「産官学金労言」の連携など、国民的な機運の向上→・地域で知恵を出し合い、地域自らが考え、行動を起こすための合意形成に努める取組を進める。 ・地方と都市の間で、また地域の内外で人材をシェアする流れをつくる ◆基本構想の策定に向けた国民的な 議論の喚起→・地方の現場をできるだけ訪問・視察し、意見交換を幅広く 重ね、地方の意見を直接くみ取り、今後の施策に活かす。 ・有識者会議でテーマごとに地方の現場で地方創生に取り 組む関係者のヒアリングや現地視察を行い意見を直接くみ取る。 ○デジタル田園都市国家構想総合戦略におけるKPI@➁→1〜85まであり。 次回は新たに「第5回成年後見制度利用促進会議」からです。 |