7回 こども若者シェルターに関する検討会 [2025年03月11日(Tue)]
7回 こども若者シェルターに関する検討会(令和7年2月25日)
議事 「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」(案) について https://www.cfa.go.jp/councils/kodomo-shelter/07 ◎資料1−1 「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」(案)(第6回検討会からの修正履歴あり)→赤字(朱色)の修正と文章追加あり。 ◎資料1−2 「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」(案)(第6回検討会からの修正反映) ↓ はじめに↓ (1)本ガイドラインの目的について→虐待等により家庭に居場所がない10代からおおむね20代までのこども・若者が都市部の繁華街等に集まり、犯罪等に巻き込まれたり危険な環境で過ごしていたりするような事態が起きている。こうしたこども・若者の中には、一時保護施設等における集団生活や生活上のルールになじめない者や、年齢等の事情により一時保護等の対象とならない者が一定数存在しており、このようなこども・若者に、安全な環境を確保することが喫緊の課題。いわゆる民間シェルターの取組が進められている。 今後、各都道府県等 (都道府県、指定都市及び児童相談所設置市)が本事業によるこども若者シェルターの整備を進めるにあたって、適切な運用が図られるよう、親権等との関係を踏まえた適切な対応のあり方、こども・若者のニーズに応じた必要な支援内容、シェルターに入所中のこども・若者の権利擁護等について整理する必要があることから、 「こども若者シェルターに関する検討会」を開催して議論を行い、「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」を策定した。 本ガイドラインは、本事業の運営にあたって、留意が必要な関係法令の規定や、こども・若者を支援するにあたって実施が必要である事項、実施が望ましい事項等について整理を行ったものである。本事業を実施する都道府県等及び本事業の事業者においては、本事業の実施要綱及び本ガイドラインを踏まえて、運営していただきたい。 (2)本事業の実施にあたっての基本的な考え方→本事業のシェルターを利用するこども・若者は、家庭環境等さまざまな困難を抱え、多様な支援ニーを有していることが想定される。本事業を実施するにあたっては、本事業を利用したいというこども・若者の意向を尊重することが重要であり、こども・若者の権利擁護を図りながら、こども・若者の安全な環境を確保することが必要である。また、本事業のシェルターはこども・若者の一時的な生活の場であり、こども・若者が、退所後の生活を見据えて、主体的に考え、選択できるようにすることも重要。 そのため、本事業のシェルターでの生活上のルールの設定や支援を行うにあたっては、常にこども・若者の権利擁護に留意し、可能な限りこども ・若者の意見又は意向を尊重することが必要である。また、当然のことながら、身体的 ・精神的苦痛を与える行為は決して許されるものではなく、こども・若者と本事業のシェルターの職員の双方の存在が尊重されながら事業を実施することが必要である。 1 「こども若者シェルター・相談支援事業」の対象者や入所にあたっての留意事項 (1)対象者 (2)入所前の説明 (3)親権との関係→@ 入所の申し込みにおける親権との関係 A こどもが親権者等への連絡を拒否している場合の対応 B 親権者等が本事業のシェルターの利用を拒んだ場合等の対応 (4)児童相談所との関係 2 本事業のシェルターにおける生活上のルールの設定にあたっての留意事項 (1)生活上のルールの設定における基本的考え方 (2)入所時・入所中について→@あらかじめ設定しておくべきルールについて A所持品の持ち込みについて B通学等について (3)退所時について 3 本事業の支援内容及び支援にあたっての留意事項 (1)本事業の支援内容→@支援内容 A宿泊を含む居場所の提供 B相談支援 C追加的な機能 (2)特別な支援ニーズへの対応 (3)本事業のシェルターへの入所の期間、計画的な支援について (4)トラブルへの対応について (5)退所後の支援について (6)権利侵害があった際の対応 4 本事業のシェルターと関係機関との連携 (1)連携の重要性 (2)各関係機関との連携のあり方→@児童相談所 A市町村 B医療機関 C学校・教育委員会 D弁護士 Eその他の関係機関 (3)連携を深めるうえでの留意点 5 その他 (1)シェルターの周知方法→@こども・若者向けの周知 A関係機関向けの周知 B地域や社会一般への周知 C周知にあたっての留意事項(職員等の守秘義務) (2)シェルターにおける支援を担う人材の育成・確保 (3)地方自治体間の連携 おわりに→民間シェルターの実践報告や既往の調査研究では、民間シェルターの利用を希望するこども・若者は、親子関係の不調や人間関係の悩み等様々な困難を抱えており、こども・若者に支援の手を差し伸べるべき大人に対しても不信感が強い傾向にあることが指摘されている。そのため、こども・若者は安定した生活基盤を確保して自立に向かえるようになるまでの各段階で、親権者や児童相談所その他関係機関からの関与を忌避し十分なサポートを受けられず、結果として自傷行為・希死念慮の強化や犯罪に巻き込まれる経験等の困難が複合化・重度化するおそれもある。こうした背景から、支援者がこども・若者に必要な支援を適時に届けるには、本人の気持ちやニーズを受け止めたうえでその意向を尊重した関わりを行うことが重要であり、この支援のプロセス自体が本人にとって自分には居場所がある、周囲の大人を頼ってもよい、考えや選択を否定されない、社会から認めてもらえる、といった自己決定や自己肯定の体験となることが期待される。 現状、各地で運営されている民間シェルターは一時的な生活の場であるという共通点がありながらも、居室環境や併設事業等多様な形態で展開されており、提供している支援の内容も多岐にわたる。本事業のシェルターでは、宿泊もできる安全な居場所の確保、食事や家事等の生活支援、悩みや不安に応える相談支援を基本的な機能としつつも、それだけに留まらず、こども・若者や地域のニーズに応じた創意工夫が講じられることが望ましい。今後、本事業を実施する都道府県等や事業者においては、本ガイドラインを参考としてより一層充実した支援を各地で実施されたい。また、そのような実践の蓄積を国等が把握し、都道府県等や関係機関に対して情報提供を行うことで、将来的に全国での取組の発展に繋がることを期待したい。 ◎資料2 「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」(案)への自治体や民間団体からの主なご意見 ↓ ・ 令和6年12月24日から令和7年1月17日まで、こども若者シェルター・相談支援事 業の実施主体である自治体(都道府県、指定都市、児童相談所設置市)及び民間団体(NPO 法人等の調査研究ご協力先)に、第6回検討会時点のこども若者シェルター・相談支援事 業に関するガイドライン(案)に対する意見照会を実施。期間中に計10団体からご意見 が寄せられた。 ・ ご意見のうち、主な内容は↓ 【自治体】→15意見。○(全体として)シェルターはあくまで一時避難的な居場所として、緊急避難的なものと して考え、長期間の保護が必要であれば、一時保護委託または自立援助ホームへの契約入 所等に繋げていく場所としての在り方と考えてよいのか。15 歳以上の支援は、個々の課 題が大きく複雑であり、長期支援となるとスタッフの疲弊感は強くなり、現場は人材不足となる。児童相談所においても15歳から20歳までの相談支援は、かなり苦慮していると ころであり、スマホ依存,性的問題、薬物依存等、一つの機関では解決しえない問題が多 くある。シェルターに繋がる中で、相談が繰り返され、本人が支援を求めることができる ように信頼関係を築くことが大切だと思うが、それにはスタッフの専門性の高さが求めら れると思う。シェルターを機能させるためには、独立性と連携が必要と思うが、十分な支 援を行うためには安心して情報共有ができる法的根拠や仕組み(要対協のような)が必要 なように思う。ただ、公的関与を強く打ち出すと、必要な支援に届かない場合もあり(こ ども本人が拒否するなど)、一方で、支援の継続や広がりが制限されることにもなり、そ こにジレンマを抱えることになると思う。また、どの時点で公的機関につなぐのか、その 判断を誰がどのようにしていくのか、こども本人への説明と同意を得ることの困難さ等の 課題もあると思う。 【民間団体】→2意見。○ 現在自立援助ホームを運営している事業者が、例えば部屋数を増やしてシェルター事業 を同時に行うなどのケースも考えられると思うが、同時に運営される場合もあることを想 定し、運営基準をいくつかのパターンで作成していただきたい。 ◎参考資料1 こども若者シェルター・相談支援事業(新規) 1事業の目的→○親からの虐待等に苦しむ10代〜20代のこども・若者は、一時保護や施設入所等を望まない(あるいは年齢により対象とならない)場合もある一方で、 ・親が荒れて暴力をふるったり、親がしばらく帰らず食事等もままならないときに、夜間も含めて一時的に避難できる安心安全な居場所がほしい ・親のネグレクトにより本来親から受けられるはずの支援が受けられないため、自立に向けた就学・就労の準備をしたい など、家庭内での虐待の状況等に応じた様々なニーズを抱えており、こうしたこども若者を支えるためには、一時保護や施設入所等に代わる新た な居場所、支援スキームが必要となっている。 ○こうしたこども若者視点からの新たなニーズへの対応として、家庭等に居場所がないこども・若者がそのニーズにあわせて必要な支援を受けられ、 宿泊もできる安全な居場所(こども若者シェルター)を確保する。⇒2事業の概要、3実施主体 参照。 ◎参考資料2こども若者シェルター・相談支援事業(児童虐待防止対策支援事 業実施要綱抜粋)↓ (1)趣旨→虐待等に苦しむ10代から20代のこども・若者は、一時保護や施設入所 等を望まない、あるいは年齢により対象とならない場合もある一方で、家庭 内での虐待の状況等に応じた様々なニーズを抱えていることから、こうした こども・若者視点からの新たなニーズへの対応として、家庭等に居場所がな いこども・若者がそのニーズにあわせて必要な支援を受けられ、宿泊もでき る安全な居場所(こども若者シェルター)を確保することを目的とする。 (2)実施主体 実施主体は、都道府県、指定都市、児童相談所設置市とする。 (3)対象者→虐待等、家庭等に居場所がない10代からおおむね20代のこども・若者。 (4)事業内容及び実施方法↓ @ 宿泊を含む居場所の提供及び生活支援、相談支援(こども若者シェルタ ー)→ア 宿泊可能な居場所の利用人数 イ 職員((ア)〜(エ)) ウ 設備等((ア)〜(オ)) エ 居場所の提供期間 オ 生活支援、相談支援((ア)〜(エ)) カ 食事の提供その他日常生活に必要な費用((ア)〜(イ)) キ 注意事項((ア)〜(エ)) A 心理療法(カウンセリング)支援 B 日中の居場所の提供、就労支援・就学支援→ ア 日中の居場所の提供((ア)〜(エ)) イ 就労支援・就学支援 C 弁護士連携支援 (5)留意事項→@ 個人情報の適切な管理に十分配慮、原則としてこども・若者の同意を 得た上で関係者間での情報の共有に努める、職員が業務上知り得た情報を漏らすことがないよう個人情報の取扱い等について守秘義務を 課すこと。A こども・若者がこども若者シェルター退所後、関係機関により引き続き 支援を行う場合には、必要に応じて都道府県等が把握している当該こど も・若者の退所後の状況について、個人情報保護法に十分留意、こども・若者の同意を得た上で関係機関に対して情報提供を行う。Bこども・若者がこども若者シェルター退所後においても必要な支援を 行うこと。 (6)費用→本事業に要する費用の一部について、国は別に定めるところにより補助。 なお、他の国庫補助金等の補助を受けて実施している既存事業を活用して事業を実施する場合、既存事業の対象経費については、本事業の補助対象とならない。 次回は新たに「第1回こどもの貧困対策推進ワーキンググループ」からです。 |