労働政策審議会建議「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」を公表します [2025年02月06日(Thu)]
労働政策審議会建議「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」を公表します(令和6年 12 月 26 日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00016.html 厚生労働省の労働政策審議会(会長:清家 篤 日本赤十字社社長、慶應義塾学事顧問)は、本年9月から、同審議会の雇用環境・均等分科会(分科会長:奥宮 京子 弁護士)において、7回にわたり議論を重ねてきた結果、本日、厚生労働大臣に対し、女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について建議を行いましたので、公表します。 厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定です。 ◎(別紙)女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について I.はじめに→○ 少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少やグローバル規模での競争が激化する中で、そ うした変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現するために、多様な労働者がその能 力を十分に発揮して活躍できる就業環境の整備を図ることが重要な課題となっている。 ○ こうした中で、女性の職業生活における活躍を推進するため、平成 27 年に「女性の職 業生活における活躍の推進に関する法律」(平成 27 年法律第 64 号。以下「女性活躍推進 法」)が制定された。その後の法令改正を経て、現在は、常時雇用する労働者の 数が 101 人以上の企業に、一般事業主行動計画の策定・届出が義務付けられているほ か、令和4年7月以降は、常時雇用する労働者の数が 301 人以上の企業に、男女間賃金 差異の情報公表が義務付けられている。 ○ この女性活躍推進法に基づく取組をはじめとして、各種の取組が進む中で、我が国に おける男女間賃金差異は長期的に縮小傾向にあるが、国際的に見れば依然として差異が 大きい状況にある。また、男女間賃金差異の大きな要因の1つとされる管理職に占める 女性の割合についても、長期的には上昇傾向にあるが、こちらも国際的に見れば依然と して低い水準に留まっている。女性活躍推進法は、10 年間の時限立法であり、令和8年 3月末にその期限を迎えることとなるが、こうした状況に鑑みれば、なお課題が残ると ころであり、女性活躍の更なる推進が求められている。 ○ また、職場におけるハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷付け、職場環境を悪化 させる、あってはならないものであり、これまでも、セクシュアルハラスメントの防止 に係る事業主による措置の義務付けをはじめとして、順次対策の強化が図られてきた。 令和元年には、パワーハラスメントの防止に係る措置が事業主に義務付けられたほか、 同年6月の ILO 総会において「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃」に関 する条約(第 190 号)が採択されるなど、国際的にも対策の進展が見られる。 ○ 一方で、都道府県労働局へのハラスメントに係る相談件数の状況を見ると、依然高止 まりしている状況にある。また、近年、顧客、取引先等からの著しい迷惑行為であるカ スタマーハラスメントや、就職活動中の学生等に対するセクシュアルハラスメントが社 会的に問題となっており、更なる対策の強化を図り、全ての労働者が活躍することので きる就業環境を実現していくことが求められている。 ○ 当分科会では、これらの問題意識の下、本年9月以降、女性の職業生活における活躍 の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について議論を行い、その 結果を以下のとおりとりまとめたので報告する。この報告を受けて、厚生労働省におい て、法的整備も含め、所要の措置を講ずることが適当であると考える。 II.必要な対応の具体的な内容 1.女性の職業生活における活躍の更なる推進 ⑴.女性活躍推進法の延長→○ 女性活躍推進法については、未だその役割を終えたといえる状況にはなく、引き 続き女性の職業生活における活躍を推進するための取組を継続するため、期限を 10 年間延長した上で、以下に述べる見直しを行うことで実効性の向上を図り、更なる 取組の推進を図ることが適当である。 ⑵.中小企業における取組の推進→○ 常時雇用する労働者の数が 100 人以下の企業については、一般事業主行動計画の 策定の努力義務を引き続き維持した上で、自主的な取組を促進するため、取組の好 事例やメリットの周知を図るほか、企業に対するコンサルティング、支援ツールの 提供等、支援策の充実を図ることが適当である。 ⑶.女性の職業生活における活躍に関する情報公表の充実 @ 男女間賃金差異の情報公表の拡大→○ 男女間賃金差異については、指標の大小それ自体のみに着目するのではなく、 要因の分析を行い、課題を把握し、改善に向けて取り組んでいくことが重要であ ることから、支援策の充実や事例の共有等を通じて、企業によるこれらの一連の 取組を促すとともに、「説明欄」の活用例の充実を図ることなどによりその更なる 活用を促していくことが適当である。 ○ また、こうした支援の充実に加えて、男女間賃金差異の情報公表の意義や効果 について分かりやすく十分な周知を行うことで、中小企業における取組の裾野を 着実に広げていくことと併せて、常時雇用する労働者の数が 101 人以上 300 人以 下の企業においても、男女間賃金差異の情報公表を義務とすることが適当である。 A 女性管理職比率の情報公表の義務化等→○ 女性管理職比率は、男女間賃金差異の大きな要因の1つであるというだけでな く、女性の評価や登用の公正性や、後進の女性のロールモデルが存在するかとい ったキャリア形成の実態を表す指標でもあり、女性の職業選択に資する情報であ ることから、@と同様企業に対する必要な支援を行うとともに、その公表を義務 とし、女性管理職比率の向上に向けた取組を促していくことが適当である。その 際、義務の対象範囲については、一般事業主行動計画の策定が義務付けられてい る常時雇用する労働者の数が 101 人以上の企業とすることが適当である。○ 併せて、女性管理職比率の情報公表に当たって、女性管理職の状況の的確な把 握を可能とするため、女性管理職比率について新たに「説明欄」を設けた上で、 追加的な情報公表を行うことが可能である旨を示すほか、男女それぞれの労働者 数を分母とし、男女それぞれの管理職数を分子とする男女別管理職登用比率を、 参考値として記載することが望ましい旨を示すことが適当である。 ○ また、女性管理職比率の情報公表を義務とするに当たっては、不適正な計上を 防ぐための一層の対策が求められることから、上記の「説明欄」に、厚生労働省 が示している「管理職」の定義に沿うものである旨及び実際に計上している各企 業の役職名を明記することが望ましい旨を示すことが適当である。その際、「説 明欄」への記載が煩瑣なものとならないような記載方法を示すことが適当である。 B 情報公表必須項目数→○ @及びAの見直しを行う場合、常時雇用する労働者の数が 301 人以上の企業に ついては男女間賃金差異及び女性管理職比率を含め少なくとも4項目の情報公表 が義務付けられることとなり、常時雇用する労働者の数が 101 人以上 300 人以下 の企業については男女間賃金差異及び女性管理職比率を含め少なくとも3項目の 情報公表が義務付けられることとなる。 これを踏まえると、いずれの企業規模の企業においても、情報公表しなければ ならない項目の総数が現在よりも増加することとなることから、現在任意の項目 から選択して公表しなければならないとされている情報公表項目の数について は、維持することが適当である。 ○ なお、現在状況把握の任意項目とされている事項を基礎項目とすることや、基 礎項目に関連する事項の情報公表を義務付けるべきという意見も見られたが、基 礎項目は、事業主が抱えることの多い課題の有無の指標となるものとして、全て の事業主において状況把握及び課題分析を行うことが求められる項目として位置 付けられているのに対して、任意項目は、そうした状況把握や課題分析の結果事 業主にとって課題であると判断された事項について、各事業主が更に原因分析を 深めるに当たって必要に応じて活用すべき項目として位置付けられているもので ある。 これを踏まえ、引き続きこうした考え方を丁寧に周知し、各事業主の実情に応 じた取組を促すとともに、事業主行動計画策定指針(平成 27 年内閣官房・内閣 府・総務省・厚生労働省告示第1号)に記載されているとおり、公表範囲そのも のが事業主の女性活躍推進に対する姿勢を表すものとして求職者の企業選択の要 素となることに留意が必要である旨を周知し、積極的な情報公表を促していくこ とが適当である。 C 「女性の活躍推進企業データベース」の活用強化→○ 女性の職業選択に資することを目的とする情報公表の実効性を高めるととも に、企業の取組を促進する観点から、常時雇用する労働者の数が 101 人以上の企 業については、情報公表を行うに当たって、「女性の活躍推進企業データベー ス」を利用することが最も適切であることを示すことが適当である。○ また、国は、「女性の活躍推進企業データベース」の認知度が必ずしも高くない などの課題の解消に取り組むことが適当である。 ⑷.職場における女性の健康支援の推進→○ 男女の性差を踏まえ、特に職場における女性の健康支援の取組を促すことが必要 である一方、健康に関してはプライバシー保護が特に求められることも踏まえる必 要があることから、以下の考え方に沿って事業主行動計画策定指針を改正すること とし、企業が一般事業主行動計画を策定する際に女性の健康支援に資する取組を盛り込むことを促すことが適当である。 @.状況把握→・課題分析や数値目標の設定の対象としてはなじまないことから、これらの対象としては位置づけないこと。 A.女性の職業生活における活躍の推進に資するものであることから、事業主行動計画策定指針に新たに「女性の健康課題に係る取組例」を示すこととし、職場に おけるヘルスリテラシー向上のための取組、休暇制度の充実、女性の健康課題を 相談しやすい体制づくり等の取組の具体例を示すこと。その際、性別を問わず使 い易い特別休暇制度の整備等、女性だけでなく労働者全体を対象として取り組む ことも有効である旨を明記すること。 B.情報公表の対象としては、現在 16 項目ある情報公表項目の1つとして位置づけ るのではなく、「その他」として事業主が任意に公表することができることとさ れている、「女性労働者の職業生活に関する機会の提供に資する社内制度の概 要」又は「労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する社内制度の概要」とし て取り扱うこととすること。 ○ 併せて、女性の健康支援について、法律の理念等に位置付けを与えることが適当 である。 ⑸.えるぼし認定制度の見直し @ えるぼし認定基準の見直し→○ 現行のえるぼし認定1段階目の要件として、5つの基準のうち該当しない事項 について2年以上連続して実績が改善していることを求めることが掲げられてい るが、この要件が満たせずに1段階目の認定を諦めている企業があると考えられ ることから、認定制度は実績を評価するものであるということに留意しつつ、当 該要件を見直すことが適当である。 A えるぼしプラス(仮称)の創設→ ○ ⑷.と相まって、職場における女性の健康支援に積極的に取り組む企業のイン センティブとなるよう、くるみん認定制度における不妊治療に関するプラス認定 も参考にしつつ、えるぼし認定制度において、女性の健康支援に関するプラス認 定の仕組みを設けることが適当である。 2.職場におけるハラスメント防止対策の強化 ⑴.職場におけるハラスメントを行ってはならないという規範意識の醸成→○ ハラスメント対策に総合的に取り組んでいく必要があることから、雇用管理上の 措置義務が規定されている4種類のハラスメントに係る規定とは別に、一般に職場 におけるハラスメントを行ってはならないことについて、社会における規範意識の 醸成に国が取り組む旨の規定を、法律に設けることが適当である。 ○ また、ハラスメント対策の強化は、性別を問わず誰もが活躍するために必要不可 欠であり、女性活躍の推進に当たってもその基盤となるものであることから、女性 活躍推進法の基本方針に定めるべき事項としてハラスメント対策を法律上も明確に 位置づけた上で、基本方針に明記することが適当である。 ⑵.カスタマーハラスメント対策の強化 @ 雇用管理上の措置義務の創設→○ カスタマーハラスメントは労働者の就業環境を害するものであり、労働者を保 護する必要があることから、カスタマーハラスメント対策について、事業主の雇 用管理上の措置義務とすることが適当である。 ○ その上で、現行法に規定されている4種類のハラスメントの例に倣い、対象と なる行為の具体例やそれに対して事業主が講ずべき雇用管理上の措置の具体的な 内容は、指針において明確化することが適当である。 ○ また、カスタマーハラスメント対策を進めるに当たっては、中小企業を含め、 足並みを揃えて取組を進める必要があることから、国が中小企業等への支援に取 り組むことが適当である。 ○ さらに、業種・業態によりカスタマーハラスメントの態様が異なるため、厚生 労働省が消費者庁、警察庁、業所管省庁等と連携することや、そうした連携を通 じて、各業界の取組を推進することが適当である。 A カスタマーハラスメントの定義→○ カスタマーハラスメントの定義については、「雇用の分野における女性活躍推進 に関する検討会報告書」(令和6年8月8日)において示されている考え方を踏ま え、以下の3つの要素をいずれも満たすものとし、それぞれについて以下に掲げ る事項を指針等で示すことが適当。その際には、実態に即したものとする ことが適当である。 @.顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと。→・ 「顧客」には、今後利用する可能性がある潜在的な顧客も含むと考えら れること。・ 「施設利用者」とは、施設を利用する者をいい、施設の具体例として は、駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等が考えられること。 ・ 「利害関係者」は、顧客、取引先、施設利用者等の例示している者に限 らず、様々な者が行為者として想定されることを意図するものであり、法令上の利害関係だけではなく、施設の近隣住民等、事実上の利害関係があ る者も含むと考えられること。 A.社会通念上相当な範囲を超えた言動であること。→・ 権利の濫用・逸脱に当たるようなものをいい、社会通念に照らし、当該 顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は、手段・ 態様が相当でないものが考えられること。 ・ 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」の判断については、「言動の内 容」及び「手段・態様」に着目し、総合的に判断することが適当であり、 一方のみでも社会通念上相当な範囲を超える場合もあり得ることに留意が 必要であること。 ・ 事業者又は労働者の側の不適切な対応が端緒となっている場合もあるこ とにも留意する必要があること。 ・ 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」の具体例。また、性的な言動等 が含まれ得ること。 B.労働者の就業環境が害されること。→・ 労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものと なったために能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどの、当該労働者が就 業する上で看過できない程度の支障が生じることを意味すること。 ・ 「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受け た場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が 生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当であること。 ・ 言動の頻度や継続性は考慮するが、強い身体的又は精神的苦痛を与える 態様の言動の場合は、1回でも就業環境を害する場合があり得ること。 B 上記のほか指針等において示すべき事項→○ 指針等においては、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起 因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労 働省告示第5号。以下「パワーハラスメント防止指針」)等の内容を踏ま えつつ、カスタマーハラスメントの行為者が顧客や取引先等の第三者であるということを考慮した上で、以下のような事項を示すことが適当である。 @.総論→・ 顧客等からのクレームの全てがカスタマーハラスメントに該当するわけで はなく、客観的にみて、社会通念上相当な範囲で行われたものは、いわば「正当なクレーム」であり、カスタマーハラスメントに当たらないことに留意する 必要があること。 ・ カスタマーハラスメント対策を講ずる際、消費者法制により定められている消費者の権利等を阻害しないものでなければならないことや、障害を理由と する差別の解消の推進に関する法律(平成 25 年法律第 65 号)に基づく合理的 配慮の提供義務を遵守する必要があることは当然のことであること。 ・ 各業法等によりサービス提供の義務等が定められている場合等があること に留意する必要があること。 ・ 事業主が個別の事案についての相談対応等を行うに当たっては、労働者の 心身の状況や受け止めなどの認識には個人差があるため、丁寧かつ慎重に対応 をすることが必要であること。 A.講ずべき措置の具体的な内容→・ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発 ・ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ・ カスタマーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(カスタマーハ ラスメントの発生を契機として、カスタマーハラスメントの端緒となった商 品やサービス、接客の問題点等が把握された場合には、その問題点等そのも のの改善を図ることも含む。) ・ これらの措置と併せて講ずべき措置 C 他の事業主から協力を求められた場合の対応に関する規定→○ セクシュアルハラスメントに係る雇用の分野における男女の均等な機会及び待 遇の確保等に関する法律(昭和 47 年法律第 113 号)第 11 条第3項の規定に倣 い、カスタマーハラスメントについても、事業主は、他の事業主から当該事業主 の講ずる雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これ に応ずるように努めなければならない旨を法律で規定することが適当である。 ○ また、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講 ずべき措置等についての指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号。以下「セク シュアルハラスメント防止指針」という。)に倣い、カスタマーハラスメントに ついても、事業主が、他の事業主から雇用管理上の措置への協力を求められたこ とを理由として、当該事業主に対し、当該事業主との契約を解除する等の不利益 な取扱いを行うことは望ましくないものであることを、指針等に明記することが 適当である。 ○ さらに、協力を求められた事業主は、必要に応じて事実関係の確認等を行うこ とになるが、その際に協力した労働者に対して不利益取扱いを行わないことを定 めて労働者に周知することや、事実関係の確認等の結果、当該事業主の労働者が 実際にカスタマーハラスメントを行っていた場合には、就業規則等に基づき適正 な措置を講ずることが望ましい旨を、指針等に明記することが適当である。 D カスタマーハラスメントの防止に向けた周知・啓発→○ カスタマーハラスメントの防止に向けて、国は、消費者教育施策と連携を図り つつ、カスタマーハラスメントを行ってはならないことについて周知・啓発を行う ことが適当である。 ⑶.就活等セクシュアルハラスメント対策の強化 @ 雇用管理上の措置義務の創設→○ 就職活動中の学生をはじめとする求職者に対するセクシュアルハラスメントの 防止を、職場における雇用管理の延長として捉えた上で、事業主の雇用管理上の 措置義務とすることが適当である。 ○ 事業主が講ずべき雇用管理上の措置の具体的な内容については、セクシュアル ハラスメント防止指針の内容を参考とするほか、例えば以下の内容を、指針にお いて明確化することが適当。→・ 事業主の方針等の明確化に際して、いわゆる OB・OG 訪問等の機会を含めその 雇用する労働者が求職者と接触するあらゆる機会について、実情に応じて、面 談等を行う際のルールをあらかじめ定めておくことや、求職者の相談に応じら れる窓口を求職者に周知すること ・ セクシュアルハラスメントが発生した場合には、被害者である求職者への配 慮として、事案の内容や状況に応じて、被害者の心情に十分に配慮しつつ、行 為者の謝罪を行うことや、相談対応等を行うことが考えられること ○ 就職活動中の学生をはじめとする求職者に対するパワーハラスメントに類する 行為等については、どこまでが相当な行為であるかという点についての社会的な 共通認識が必ずしも十分に形成されていない現状に鑑み、パワーハラスメント防 止指針等において記載の明確化等を図りつつ、周知を強化することを通じて、そ の防止に向けた取組を推進するとともに、社会的認識の深化を促していくことが 適当である。 A 求職者に対する情報公表の促進→○ 昨今の就職活動のあり方は多様であるため、@に基づき事業主が講ずる雇用管 理上の措置の内容もそれに応じて多様なものとなることが想定されるところ、そ の内容を求職者に対して積極的に公表することは、セクシュアルハラスメント防 止に資するものであり、また、職業生活を営もうとする女性の職業選択に資する ものでもあることから、措置の内容を公表していることをプラチナえるぼし認定 の要件に位置づけることが適当である。 ⑷.パワーハラスメント防止指針へのいわゆる「自爆営業」の明記 ○ いわゆる「自爆営業」に関して、職場におけるパワーハラスメントの3要件を満 たす場合にはパワーハラスメントに該当することについて、パワーハラスメント防 止指針に明記することが適当である。 参考資料1 労働政策審議会雇用環境・均等分科会における検討状況 第 72 回 (令和6年9月 30 日)→ 第 73 回 (令和6年 10 月8日) 第 74 回 (令和6年 10 月 21 日) 第 75 回 (令和6年 11 月8日) 第 76 回 (令和6年 11 月 26 日) 第 78 回 (令和6年 12 月 16 日) 第 79 回 (令和6年 12 月 26 日) 参考資料2雇用環境・均等分科会 委員名簿 →(公益代表)6名。(労働者代表)5名。(労働者代表)5名。 参考資料3女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化につい て 参考資料→再掲のため割愛。 参考資料4 女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化につい て(概要)【令和6年12月26日労働政策審議会雇用環境・均等分科会報告】→再掲のため割愛。 次回は新たに「令和5年外国人雇用実態調査の結果を公表します」からです。 |