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第10回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」 [2023年01月01日(Sun)]
第10回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」(令和4年12月19日)
≪議題≫(1)精神障害の労災認定の基準について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29878.html
◎【資料3】論点に関する医学的知見
(全体に関するもの) ↓
1 融道男、中根允文、小見山実、岡崎祐士、大久保善朗 監訳、ICD−10 精神 および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)、医学書院、2005
→F2 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害⇒ F20 統合失調症(診断ガイドライン(a〜i)あり)。  F3 気分(感情)障害⇒ F31 双極性感情障害〔躁うつ病〕、F32 うつ病エピソード、F32.0 軽症うつ病エピソード 診断ガイドライン、F32.1 中等症うつ病エピソード 診断ガイドライン、F32.2 精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード・診断ガイドライン、F32.3 精神病症状を伴う重症うつ病エピソード 診断ガイドライン。  F4 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害 F43 重度ストレス反応[重度ストレスへの反応]および適応障害⇒ F43.0 急性ストレス反応・診断ガイドライン、F43.1 心的外傷後ストレス障害、F43.2 適応障害・診断ガイドラインあり。

2 橋三郎、大野裕 監訳、DSM−5 精神疾患の分類と診断の手引、医学書院、 2014→7 心的外傷およびストレス因関連障害群⇒心的外傷後ストレス障害。急性ストレス障害、適応障害。

3 標準精神医学第8版、尾崎紀夫、三村將、水野雅文、村井俊哉編、医学書院、2021、 208-210 (自殺・悪化に関するもの)→第8章 精神医療と社会 T 精神保健 C 社会現象にみる精神保健的問題⇒自殺問題。第 10 章 統合失調症、第 11 章 うつ病、第 12 章 双極性障害。第 15 章 心的外傷およびストレス因関連障害⇒A 心的外傷後ストレス障害 B 急性ストレス障害 C 適応障害

4 加藤敏、現代日本におけるうつ病・双極性障害の諸病態―職場関連の気分障碍に焦点をあてて―、精神経誌、114 巻 7 号、844-856、2012 →クレイネス曲線⇒うつ病の極期の脱出期に自殺の危険度が高い。図1、2の参照。職場ストレス⇒内因性・外因性抑圧からの考察(フロイド理論の見直しから)。

5 日本産業精神保健学会「精神疾患と業務関連性に関する検討委員会」、「過労自殺」 を巡る精神医学上の問題に係る見解、産業精神保健、15 巻 1 号、45-55、2007 (悪化・寛解の判断基準に関するもの) →意見書は、「精神障害の発病の原因となる業務による「過重ストレス」の強度の評価の基 準を、労災補償制度の制度目的に照らし健康な平均人基準ではなく同種労働者の中で その性格傾向が最も脆弱である者を基準とする改正を行うこと」を提案している。
うつ病の経過(クレイネス博士による) http://www.jah.ne.jp/~hayaoki/utsuprocess.htmより引用。

6 令和2年度業務上疾病に関する医学的知見の収集に係る調査研究(精神障害)報告書 (1)精神障害の発病後の悪化に関する文献の概要、p58-61 →3.6 精神障害の発病後の悪化について⇒精神障害の発病後の悪化に関する文献は 4 件。詳細は調査内容と結果(表)を参照。
(2)治癒、寛解、再発に関する文献の概要、p62-72 (療養期間、症状固定に関するもの)→精神障害に対する治療や経過に関する調査研究のうち、治ゆ、寛解、再発の判断基準や判断の指標等として参考となる文献は 8 件。なお、これらの文 献で使用されている評価尺度等は以下のとおりである。


7 日本精神神経学会「精神保健に関する委員会」・日本産業精神保健学会精神疾患 と業務関連性に関する検討委員会」、精神疾患の療養期間及び業務災害に関連した精 神科医の役割に関するアンケート調査、産業精神保健、22 巻 4 号、342-347、2014 →今後の課題は職場早期復帰のための在り方を模索すべき。

8 黒木宜夫、労働者の治療過程における、主治医と産業医等の連携強化の方策とその効果に関する調査研究:業務に関連した精神科医療の現状と早期復職に関する研究、平成 26 年度 →【問 8】(症状固定(治癒)と判断される場合の状 態:「臨床的に『問題ない程度』にまで状態が改善 した状態を(症状固定(治癒)とする」が最も多く 140(39.1%)、次に「服薬を続けていても 6 ヶ月ほ どの安定した状態が継続したら(症状固定(治癒)と 判断する」が 127(35.5%)、「服薬を続けていても 2〜3 ヶ月ほどの安定した状態が継続したら(症状 固定(治癒)と判断する」は 69(19.3%)であった。【問 14】精神疾患の適切な療養期間に関して】:3 年以内」は 196(55.2%)、「2 年以内」72(20.3%)、 「5 年以内」は 39(11.0%) 、「治癒するまで」は 25(7.0%)、「1.5 年以内」は 21(5.9%)、「10 年以内」 は 2(0.6%)であった。(症状 固定(治癒)しない限り障害認定されないという労 災保険の基本的見解、精神疾患の(症状固定(治癒) に関しては、「一定の療養期間を設定すべきである」 が最も多く 161(45.2%)、精神疾患の適切な療養期間に関しては、「2 年 以内」を含めると「3 年以内」は 268 であり、全 体の 75.5%を占めていた。ICD-10 で示されているように遷延性抑うつ反応の収束時期が 2 年であることも、適切な今後の療養期間の参考となるで あろう。

9 清水栄司、精神疾患により長期療養する労働者の病状の的確な把握方法及び治ゆ に係る臨床研究:うつ病のため長期療養する労働者に対する医学上一般に認められ た医療と症状固定時期に関するアンケート調査研究、平成 28・29 年度→資料2 うつ病患者向けアンケート(第 2 ステップ)⇒推奨内容:うつ病の労働災害においては、3 年間程度で治ゆ (症状固定)の判断を行うこと。 (注:労働災害における治ゆ(症状固定)とは、「医学上一般 に認められた医療をもってしても、その効果が期待し得ない状 態で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると 認められる最終の状態に達したとき」をいいます。症状固定 (治ゆ)が、完治・全快を指すのではないことに留意くださ い。) (前回アンケート:症状固定を判断すべき期間 3 年以下 93%/ 受けない 7%)

10 黒木宜夫、仕事を原因とした精神疾患の発症により労災認定を受けた長期療養者 に対する治療と並行して行う効果的な社会復帰支援に関する研究:労災認定患者の 長期療養を防ぐための対策研究、令和元年度 →過去に職場復帰を果たしたことがあるか否かに関 しては、3 年未満治ゆ事例は60%(51)が職場復帰を果 たしているのに対し、5 年以上未治ゆ事例は 16.7%(104)しか過去に職場復帰を果たしていない。すなわ ち、5 年以上未治ゆ事例は、83.3%(518)が一度も職場 復帰を果たしていないという結果が得られた。
過去に職 場復帰を果たしたことがあるか否かに関しては、3 年 未満治ゆ事例は 60%(51)が職場復帰を果たしている のに対し、5 年以上未治ゆ事例は 16.7%(104)しか過 去に職場復帰を果たしていない。すなわち、5 年以上 未治ゆ事例は、83.3%(518)が一度も職場復帰を果た していないという結果が得られた。
労災認定⇒療養開始⇒ 休業給付金開始⇒療養継続という図式は存在しても、 療養継続⇒治ゆ判断⇒職場(社会)復帰の図式が欠落 しており、精神障害の労災補償に関しては、大きな課 題である。そして、今回の調査で「一定の療養期間の 目安を示す」が 60.3%(35)も認められたことが、精神 障害の労災補償の在り方を示唆するものと判断できる

11 Nishiura C. et al.、Diagnosis-specific Cumulative Incidence of Return-towork, Resignation, and Death Among Long-term Sick-listed Employees: Findings From the Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study、J Epidemiol:32(9):431-437、2022(訳→長期病欠者における診断名別復職・退職・死亡の累積発生率。日本疫学会産業保健共同研究、J Epidemiol:32(9):431-437,2022)

次回も続き「【資料4】論点に関する裁判例」からです。

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