• もっと見る
«「令和4年版 過労死等防止対策白書」を公表します | Main | 第2回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会(オンライン開催)」資料»
<< 2024年04月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
第2回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会(オンライン開催)」資料 [2022年11月08日(Tue)]
第2回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会(オンライン開催)」資料(令和4年10月24日)11/8
≪議事≫ (1)強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する実践報告 (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28724.html
◎資料1 実践報告一覧 〔実践報告資料〕→8団体報告
◎実践報告1  自閉症支援者育成の取り組み   社会福祉法人 侑愛会 ↓

https://www.yuai.jp
○社会福祉法人 侑愛会 法人概要→函館市、北斗市追分7丁目。1953年9月設立。事業概要:乳幼児、学童児の事業所6ヶ所(幼稚園@ こども園A)(児童発達支援センター@ 児童発達支援事業@ 障害児入所施設@)。成人期の事業所13ヶ所(入所施設F 通所施設E)。高齢期の事業所1ヶ所(入所施設@)。地域生活支援の事業所(グループホーム47 居宅支援@)。医療機関/相談機関7ヶ所(診療所A 相談支援D)。職員数:861名(2022年3月現在)
法人理念 利用する方々から学び、一人ひとりが必要としているサポートを考え、実行する
○自閉症支援者の育成が必要な背景→これまで知的障害の伴った自閉症者を対象とした入所施設、グルー プホームでは、新たなニーズに応えきれなくなっている。既存の居住サービスでも重度知的障害の伴った自閉症者の受け入 れを行えるための体制整備が必要=人材育成・居住整備となる。
○中核的・指導的人材が必要な理由→実践するためには、自閉症の特性を正しく理解していることを前提として、一人ひとりの特性を 把握するために機能的アセスメントができ、その人にあった支援を展開できることが求められる そのためには、全ての事業所に自閉症支援における中核的・指導的人材が必要
○中核的・指導的人材に求められること→ 自閉症支援における、指導者として位置付け、 個別支援における現状を把握し、ケースマネジメ ントが行える人材を育成⇒ @ 自閉症の特性・学習スタイルを職員にわかりやすく説明できる A 構造化の意味を職員にわかりやすく説明できる B 機能的アセスメントができる(フォーマル・インフォーマル) C アセスメントから一人ひとりの特性を見極めることができる D 一人ひとりの特性を生かした支援を提案できる E チームのマネジメントができる(アドバイス・コーチング等)

≪自閉症支援者育成の仕組み≫↓
○地域の指導的、中核的人材としてコンサルタントや ワークショップのトレーナー*役として活躍 (発達障害者支援センターと協働)
→侑愛会 自閉症基礎研修 年間7回実施 1年目から3年目の職員を対象(強度行動障害支援者基 礎研修から実施)⇒TEACCH公認ワークショッ プの参加(TEACCHオンライン研修の参加)となる。
○受講者・スタッフ参加状況→法人内・道南・道内・ 道外から 合計135名
○人材育成の課題→【ワークショップ】【コンサルテーション】⇒組織内仕組みが必要。
○事業所に対するコンサルテーション
・道内 通所施設・グループホーム(生活介護・共同生活援助)→近隣住民とのトラブルでグループホームでの生活が困難⇒短期入所での介入/事業所内の支援整備のアドバイス/フォローアップ
・道内 入所施設(障害者支援施設)→虐待事案のあった事業所⇒管理職研修/事例検討/フォローアップ
・道内 入所施設(障害者支援施設)→行動上の課題のある利用者への対応に苦慮し支援の要請⇒*オンライン対応/事例検討/取り組みのアドバイス

≪重度知的障害の伴った 自閉症者の居住整備≫↓
○小規模ユニット(6名) 3年の有期限→@〜B 参照。
○小規模ユニットの目的→入所支援事業+生活介護事業(菌床きのこセンター等)。対 象:入所施設の利用者 • 期 間:最長3年。目 的:@グループホームへの移行を想定したアセスメント Aご本人の生活スタイルの確立 Bご家族への説明 C必要な支援の見極め。
・暮らしがマッチしないことがわかった段階で本体施設に戻ることも可能。⇒入所施設からグループホームへの移行した利用者は、現在までに 14名
○重度知的障害者の伴った自閉症者を対象とした グループホームの概要→共同生活援助(グループホーム3か所)。短期入所 定員 21名(1GH×7名) 短期入所1名。 開設日 2015年11月1日。 夜勤体制(宿直併用) 24H×365日。管理者(1名)・サービス管理責任者(1名) ・支援員(11名)・世話人(4名)。

≪資 料≫
○社会福祉法人 侑愛会の経営施設等  
○入所施設の年齢分布
○入所施設の主診断名
○社会福祉法人 侑愛会 令和4年度 自閉症支援基礎研修  募集要項
○2020年⾃閉症⽀援のためのワークショップ5⽇間集中コース事業概要


◎実践報告2社会福祉法人はるにれの里での強度行動障害支援  
余暇を整えて 本人の生活を支える グループホームようようの実践   大嶋基意

https://www.harunire.or.jp
○はるにれの里の事業運営理念→1〜6まで。
1.重度自閉症および重度知的障がいを初めとした発達障がい 児・者に特化した多様な機能をもつ事業運営 2.いかなる重度障がい者も最終ゴールを地域での自律生活を 目指し、地域に溶け込み、地域を支え、地域とともにある事 業運営 3.社会福祉法人として支援にあたっては常に先駆性、開拓性、 モデル性と支援ネットワークの構築を目指す事業運営 4.家族・当事者を支え、家族・当事者に支えられる事業運営 5.はたらく職員のやりがいを支える事業運営 6.情報の公開、外部評価の導入による地域に開かれた事業 運営。
○対象者:◇◇氏 プロフィール→  参照。
○支援に至る経緯:◇◇氏の困り感とは→先の予定の見通しが持てずに不安感やイライラが溜まってしまう⇒職員への他害行為(掴みかかり・噛み付き) 30分〜1時間以上の行動停滞
○特性把握(アセスメント)と支援の全体構造→・その方の特性を把握・整理(アセスメント)して、ご本人が過ごしやす い生活環境を整えるための配慮に全力を尽くすのがはるにれの里のスタ ンス。 ・それでも、いろいろな課題は出てくるが、特性に基づいた配慮をさらにブ ラッシュアップしていくことを基本にしながら対策を講じている。
○本人の特性と氷山モデルで示した支援の概要→「他害行為」「 行動の停滞」の支援。
・アセスメントから見えた本人の特性→「強みの特性」「周囲の配慮が必要な特性」⇒3ステップで取り組む【@イベントまでの小さな楽しみを増やすA無目的な時間を減らすB本人主体の余暇活動】〜余暇カレンダーの導入

○◇◇氏の困り感を解消するために…→関係事業所とケース会議を開き情報共有 …すると様々な課題が見えてきた。
・◇◇氏の課題→次のイベントまでの期間で不調なことが多 い。 無目的な時間が多く、次のイベントを気に してしまう時間が増えてしまっている。 職員へ話しかけ確認行動をするが、口頭 では納得しきれない。
・グループホームでの課題→1週間の予定表は毎週更新しているが、本人の安心材料としては弱い。 余暇活動(タブレットやDVD鑑賞)の頻度が少なく、週によって違う。 グループホーム内での楽しみが少ない。
○取り組むべき3ステップ→取り組むべき3ステップ
@イベントまでの小さな楽しみを増やす →毎週土曜日に「おやつの日」を設定し、1週間ごと に小さな「お楽しみ」ができるように
A無目的な時間を減らす→毎日何かしらの活動を実施できるように 整備する
B本人主体の余暇活動→◇◇氏が自分で余暇を選んで毎日を過ごせる システム作り

○余暇カレンダーの紹介@→3ステップを取り入れられる支援として…余暇カレンダーの導入!⇒「安定した余暇 活動の提供」「火曜日・木曜日に洗濯活 動をおこないポイントを貯め、 月末にはリワードとしてテレ ビジョンを提供」「1週間の小さな 楽しみ(おやつ)」
○余暇カレンダーの紹介A→「本人主体の余暇活動を するために」⇒「月の初めに◇◇氏本人が選べるように」「自分で選べることで活動に対するモチベーションUP 選んだ内容は途中で変更も可能としている →◇◇氏の気分にも寄り添える支援を!」
○余暇カレンダーの紹介B→より見通しが持てるようにもう一工夫!!⇒「どこまで日が進んだのか、 残りはどれくらいなのかが 分かりやすいように!」「終わった日が視覚的に分かりやすい ように、就寝前に白いマグネットを 貼っていくシステム!」→感覚器官での「構造化」となる。
○導入後の◇◇氏の様子は…?→毎日をHAPPYに過ごされています!!!
○最後に…→自閉症を抱える方が地域生活を送っていくというのは、思った以上に大変な事が多い。まだまだ日本では自閉症や発達障害に対する理解が遅れている側面があります。 自閉症を抱えていたとしても、悪いことばかりではなく少し工夫をすれば誰でも毎日を 楽しく過ごすことができるのだということが伝わればいいなと思います。


◎実践報告3著しい行動障害等を有する者への支援について
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の概要

1.発足→昭和46年に設立した特殊法人心身障害者福祉協会(国立コロニーのぞみの園を運営)を解散 平成15年10月に独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園を設立
2.目的→重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援 の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図る(のぞみの園法第3条)
3.所在地 群馬県高崎市寺尾町2120−2
4.組織→総務企画局(3部) 施設事業局(2部) 診療所(2部) 監査室 第5期中期目標経営企画室
5.役職員 173人(役員5人、職員168人)(令和4年4月1日現在)
6.事業の概要→(1) 重度の知的障害者に対する自立のための総合施設の設置・運営 (2) 知的障害者の自立と社会参加に関する調査、研究及び情報提供 (3) 知的障害者の支援業務に従事する者の養成及び研修 (4) 障害者支援施設の求めに応じた援助及び助言 (5) 附帯業務 診療所、グループホーム、児童発達支援センター、放課後等デイサービス など

○著しい行動障害等を有する者への取組→目的 行動障害を有するなど著しく支援が困難な者の自立した生活が可能となるような サービスモデル等を構築するとともに、他の知的障害関係施設等に対して情報提供 を行う⇒「入所支援」「養成・研修 」「研究 援助・助言」

○国立のぞみの園 著しい行動障害等を有する者への 有期限入所支援→行動関連項目10点以上の強度行動障害者が対象(要件有り)。入所して問題解決に向けた支援構築の手がかりを探す(問題消失が目標ではない)。 3年以内で出身地へ戻ってもらう(有期限・通過型)。入所時から「帰る地域(事業所等)」と連携し支援の構築を行う。全国が対象(現状、北海道・四国・九州は実績無し)。  現状では⇒関連項目が20点前後の利用者が中心(他害・破壊行為が激しい)。 他者と一緒の生活(支援)が行えない人が増えている。

○「著しい行動障害等を有する者への有期限入所支援」 事業の概要→有期限入所=施設入所支援開始から上限3年とする通過型入所支援事業⇒入所前≫ 短期入所≫入所≫ 半年≫ 1年≫ 1年半≫ 2年≫ 2年半≫ 3年≫ 退所後 の流れ 参照。
[入所要件]→地域で支援が困難な以下の状況にある者を対象⇒例示@:過食や反芻、多動、奇声、極度の拘り等が頻繁継続して家庭や地域で生活を送ることが困難な状況。 例示A:自傷やかみつき、頭突き、器物損壊等の行為が頻繁、障害者施設等で他の利用者に甚だしい影響。 例示B:著しい行動障害が原因で精神科病院に入院中、医療では改善の目途が立たない など。
○利用者の年齢・性別・入退所等の状況→男女別など参照のこと。
○支援環境→「化粧板が全て剥がされたデイルームの壁」「破壊され貫通した居室の壁」「破壊されたリネン庫のドア」「 天板が全て剥がされた天井」 あり。
○課 題→ 地域での支援についてアセスメントができない。待機者が多く、緊急対応が難しい。 職員の専門性とメンタルヘルス 等々。 全国各地に支えられる仕組み作りを進める (国立のぞみの園へ来なくて済む仕組み作り) ネットワークや情報共有の仕組み 支援者養成のさらなる仕組み 等々。


◎実践報告4 24h365日受け入れのGHで 強度行動障害の方々と向き合う日々 そして地域のネットワークの大切さ              社会福祉法人はる 上田諭
○社会福祉法人はる(佐賀県佐賀市)、

生活介護(定員20)、 B型(定員20)、 GH5棟 定員31(軽度3棟 重度2棟 )。 ヘルパー事業。 短期入所、SANC(アート中間支援)。職員 54 名(正職員32名 パート22名)。
・2017年10月開所 5年目→「コンフォートながせT」「コンフォートながせU」「居住スペースと強度行動障害対象者」⇒配置図あり。
○平成3年度強度行動障害の人数結果→佐賀県内には延べ928名。
○強度行動障害支援 開設当時 法人の状況→2014年~2017年 法人設立12年~15年ごろ 職員も増えて充実期に入る。 アートのモデル事業、海外研修や職員の懇親機会づくりなど 支援以外の取り組みへも注力できる余力があった。⇒困っている方々を はるが支えていかないでどうする →強度行動障害の方を複数名受け入れへ↓
・強度行動障害支援開始へ 開設準備
・コンフォートながせの運営指針を定める
・希望に満ちた入居開始 そして大変さを実感する
○GH開設から4年半の経緯→ざっくりと経緯
○GH開設から4年半 何が起こったか→丸4年経った時コロナ禍が現場へ追い打ちをかける
○GH開設から4年半 佐賀のネットワークに訴える
・ネットワークに訴状をあげ、 助けを乞う
・Dさんを中心にチーム佐賀が動いた
・自法人だけで支える発想での限界 地域のネットワークへ 早く頼ることが大事
○GHの運営 何が大変にさせたのか
@支援を考える組織 変化に対応できる組織→【支援の進め方】参照。
Aどれくらいの支援を目指すのか→バランスの検討をする。
○現場の一例→「利用者様 1」「利用者様 2」参照。
○この経験から
・課題1 365日24時間の重み→職員が集まる機会が無く、支援の統一のための取り組みの機会の捻出に苦心 ヘルパーの数が地域に足りず、休日の日中もGHスタッフが支援を行う⇒GHだけで向き合おうとせず、日頃から複数機関で分散して支える仕組みが必要
・課題2 行動援護時の車内の支援→余暇のドライブの運転中も大事な支援。 運転中を行動援護対象にしてほしい
・課題3 支援にあたる職員の体力と精神面→不規則勤務+イレギュラー対応により睡眠や食事、体調面 の不安を抱えるスタッフが発生。 気力体力の管理も長い目で必要。根本的な支援環境へのアプローチが重要。
・課題4 コンサルテーションの活用→早い段階からコンサル講師などと繋がっておくことが、頼れる、聞けるにつながる。⇒指導者役の成長・現場職員の成長へ。
・課題5 環境設備について→改修に向かうハードル⇒もし次の機会があるならば、一人一つのトイレと玄関(個室化)したい。

○失敗から学ぶ
・前向きなこと→1〜5まで。準備をして日々向き合ってきたことで、 6名は現在もGHで受け止めることができている
・佐賀県として強度行動障害への取り組みが始まっている→2022年3月佐賀県議会 桃崎議員の質問⇒実態把握 人材育成 支援体制の構築 をすべきではないか
○まとめ→@利用者様に合わせたスキルを学ぶこと A必要な建物を検討すること Bネットワークで分散して支えること。 @~Bが頼れる、気づいてもらえる関係をつくること。

次回も続き「実践報告5福岡市における 強度行動障がいへの取り組みについて」からです。

トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント