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第61回中央最低賃金審議会 資料 [2021年08月22日(Sun)]
第61回中央最低賃金審議会 資料(令和3年7月16日)
≪議事次第≫1 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告について 2 令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)
第61回中央最低賃金審議会 資料 (mhlw.go.jp)
◎資料 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告
1 はじめに
→令和3年度の地域別最低賃金額改定の目安→累次にわたり会議を開催し、目安額の提示の是非やその根拠等についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くした。

2 労働者側見解→ 労働者側委員は、現在も新型コロナウイルス感染症による影響は予断を許さない状況であるが、コロナ禍から1年余が経過した今、先行きを見通す環境は確実に変化していることから、今年度は、ワクチン接種や世界・日本経済の回復など昨年度 とは明らかに異なる環境変化を見極めた上で議論を尽くす必要があるとの認識を示した。その上で、最低賃金を改定しないことは社会不安を増大させ格差を是認することと同義であり、中賃の役割からしてあってはならず、最低賃金の確実な引上 げにつながる有額の目安を示すことで、セーフティネットとしての機能を果たし、 最低賃金法第1条にある「国民経済の健全な発展に寄与する」という目的を達成するべきであると主張した。 さらに、日本の最低賃金は国際的に見ても低位、諸外国ではコロナ禍でも 最低賃金の引上げを行っている中、グローバルスタンダードを見据え、ナショナルミニマムにふさわしい水準に引き上げるべきであると主張した。 また、エッセンシャルワーカーの中には処遇が高くない労働者も少なくなく、コロナ禍で懸命に働き続けている労働者の努力に報いるためにも、最低賃金の引上げを行うべきであるとともに、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスクや手指 消毒液などの恒常的な支出増が、最低賃金近傍で働く者の家計に大きな影響を与えていることも考慮すべきであると主張した。 加えて、1 年余のコロナ禍により労働者の生活困窮度は深刻さを増し、緊急小口 資金等による貸付はリーマンショックの 50 倍となっており、労働者は賃金を得て 返済するしか術はないと主張した。 さらに、中小企業が賃上げしやすい環境整備に向けては、最低賃金引上げの各種 支援策の拡充と各省庁が連携した周知や、中小企業が生み出した付加価値を確実に 価格に転嫁できる環境整備が重要であり、政府も政策対応をはかっていることを踏まえて審議すべきと主張した。 以上を踏まえれば、「誰もが時給 1,000 円」を実現するため、今年度は「800 円 未達の地域をなくすこと」「トップランナーであるAランクは 1,000 円に到達すること」の両方を達成する目安を示すべきであると主張した。併せて、最低賃金の地域間格差は隣県や大都市圏への労働力流出の一因ともなっており、昨年度の地方審議の結果を見ても各地方は懸命に地域間格差の縮小の努力をしていることから、今年度は地域間の「額差」の縮小につながる目安を示すべきであると主張した。 労働者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに取りまとめられた下記1 の公益委員見解については、不満の意を表明した。

3 使用者側見解→ 使用者側委員は、最初の緊急事態宣言から1年3ヶ月経過し、足下では新型コロ ナウイルス感染症の感染再拡大の兆候が見られ、第5波の到来が懸念されているうえ、休業要請等により経済活動が抑制された状況では、業況の回復はほど遠く、中 小企業への貸付残高も上がっており、事業を立て直す上でも大きな負担となってい ると指摘。さらに、中小企業は、価格転嫁が困難であり、労働分配率も高いが、 コロナ禍では、従前にもまして、賃金支払能力が乏しい状況にあるとの認識を示した。 また、最低賃金は、各種データによる明確な根拠をもとに、納得感のある水準とすべきであり、賃金水準の引上げなど、法が定める目的以外に用いるべきではない と主張。 さらに、今年度は、コロナ禍における中小企業、とりわけ厳しい状況にある業種の中小企業の窮状を考慮すると、3要素のうち通常の事業の賃金支払能力を最も重 視して審議を進めるべきであり、企業の業況が二極化している状況を踏まえ、平均 賃金や平均的な状況のみに着目するのではなく、とりわけコロナ禍の影響が深刻な 宿泊・飲食、交通・運輸などの業種における経営状況や賃金支払余力に焦点を当てるべきであると述べた。 経済界が事業の存続と雇用の維持に最大限努めた結果、雇用情勢が悪化する状況 には至っていないが、雇用への影響がデータに表れてからでは手遅れであり、最低 賃金の引上げが雇用調整の契機となることは避けるべきであることや、最低賃金の 引上げによって、企業の人件費を増やした結果、倒産、廃業や雇用調整を招く懸念 があり、そのトリガーを引くことになることは避けなければならないと主張した。 コロナ禍でも、賃金引上げが可能な企業は賃上げに前向きに取り組み、消費の拡大につなげ、地域経済の活性化をはかることが望ましいが、現状では、 飲食業や宿 泊業のみならず、これらと取引のある関連産業も厳しい状況にある。最低賃金の引上げは、危機的な経営状況の経営者にとって、雇用を維持したいという切実な想いを切り捨てるものにほかならないとの認識を示した。 以上を踏まえると、今は、「事業の存続」と「雇用の維持」を最優先すべきであり、 今年度は、最低賃金を引き上げず、「現行水準を維持」すべきであると主張。 使用者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに取りまとめられた下記1 の公益委員見解については、不満の意を表明した。

4 意見の不一致→ 本小委員会(目安小委員会」)としては、これらの意見を踏まえ 目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見の隔たりが大きく、遺 憾ながら目安を定めるに至らなかった。

5 公益委員見解及びその取扱い →公益委員としては、今年度の目安審議については、平成 29 年全員協議会報告の 3(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、加えて、「経済財政運営 と改革の基本方針 2021」及び「成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ」に配 意しつつ、各種指標を総合的に勘案し、下記1のとおり公益委員の見解を取りまと めたもの。 目安小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、 これを公益委員見解として地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することとした。なお、使用者側委員は、下記1の公益委員見解を地方最低賃金審議会に示す ように総会に報告することは適当でないとの意見を表明。 また、地方最低賃金審議会の自主性発揮及び審議の際の留意点に関し、下記2の とおり示し、併せて総会に報告することとした。 さらに、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げしやすい環境整備の必要性に ついては労使共通の認識であり、生産性向上の支援や官公需における対応を含めた 取引条件の改善等に引き続き取り組むことを政府に対し強く要望する。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給さ れる業務改善助成金について、特例的な要件緩和・拡充を早急に行うことを政府に 対し強く要望する。 また、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金額改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。



1 令和3年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。

令和3年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安↓

ランク      都道府県               金額
 A   埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪    28 円
B 茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、 28 円
三重、滋賀、京都、 兵庫、広島
C 北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、 28 円
奈良、 和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
D 青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、 28 円
高知、 佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、平成 29 年全員協議会報告の3(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、特に地方最低賃金審議 会におけ
る自主性発揮が確保できるよう整備充実や取捨選択を行った資料を基にするとともに、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」及び「成長戦略実行計画・成長戦略フォローア
ップ」に配意した調査審議が求められたことについて特段の 配慮をした上で、総合的な審議を行ってきた。

今年度の公益委員見解を取りまとめるに当たっては、 ↓

@ 賃金改定状況調査結果第4表や春季賃上げ妥結状況等における賃金上昇率は、昨年より上げ幅は縮小しているが、引き続きプラスの水準を示していること、また、昨年度は、最低賃金の引上げ額の目安を示せず、最低賃金の引上げ率は 0.1%となったこと、
A 消費者物価指数は、横ばい圏内で推移しており、名目GDPは、令和2年には落ち込んだものの、足下では一時期より回復していること、加えて、新型コ ロナウイルス感染症の感染状況については予断を許さないものの、今年度はワクチン接種が開始されるなど、少なくとも昨年度とは審議の前提となる状況が異なっていること、
B 法人企業統計における企業利益は、足下では、産業全体では回復が見られる こと、また、一部産業では引き続きマイナスとなっているものの、政府として、「感染症の影響を受けて厳しい業況の企業に配慮しつつ、生産性向上等に取り組む中小企業への支援強化、下請取引の適正化、金融支援等に一層取り組」む 方針であること、
C 雇用情勢は、令和2年には悪化したものの、足下では横ばい圏内で推移しており、有効求人倍率は1倍を超え、失業率も3%以下で推移していること、
D 政府としては、最低賃金→より早期に全国加重平均 1,000 円を目指すとされている、@からCまでの状況を総合的に勘案すれば、平成 28 年度から令和元年度までの最低賃金を 3.0〜3.1%引き上げてきた時期と比べて、今年度の状況は大きく異なるとは言えず、最低賃金をその時期と同程度 引き上げた場合にマクロで見た際の雇用情勢に大きな影響を与えるとまでは 言えないと考えられること、
E 地域間格差への配慮の観点から少なくとも地域別最低賃金の最高額に対す る最低額の比率を引き続き上昇させていく必要があること、また、賃金改定状 況調査結果第4表のうちAランクとCランクが最も高い賃金上昇率であった 一方、雇用情勢については昨年においてAランクを中心に悪化したこと等を総 合的に勘案する必要があること、
F 最低賃金を含めた賃金の引上げにより、可処分所得の継続的な拡大と将来の 安心の確保を図り、さらに消費の拡大につなげるという経済の好循環を実現さ せることや非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められていることを特 に重視する必要があること 等を総合的に勘案し、検討を行ったところである。 目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては、地域別最 低賃金の審議に際し、地域の経済・雇用の実態を見極めつつ、目安を十分に参酌 することを強く期待する。また、中央最低賃金審議会が地方最低賃金審議会の審 議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する

(2)生活保護水準と最低賃金との比較では、昨年度に引き続き乖離が生じていない ことが確認された。 なお、来年度以降の目安審議においても、引き続き、その時点における最新のデータに 基づいて生活保護水準と最低賃金との比較を行い、乖離が生じていないか確認する ことが適当と考える。
(3)最低賃金引上げの影響については、平成 29 年全員協議会報告に基づき、引き続き、影響率や雇用者数等を注視しつつ、慎重に検討して いくことが必要である

◆中央最低賃金審議会 (中央最低賃金審議会)
中央最低賃金審議会|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

次回は新たに「第169回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

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