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「体罰等によらない子育てのために」がとりまとまりました [2020年03月06日(Fri)]
「体罰等によらない子育てのために」がとりまとまりました(令和2年2月20日)
〜キャッチコピーは「みんなで育児を支える社会に」〜
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02201409.html
◯昨年6月に児童福祉法等改正法が成立し、親権者等は、児童のしつけに際して、体罰を加えてはならないことが法定化され、令和2年4月から施行されます。
T はじめに

1 子どもの権利が守られる体罰のない社会へ ↓
児童相談所への児童虐待の相談対応件数は増加の一途をたどっており、 子どもの命が失われる痛ましい事件が続いています。この中には、保護者が「しつけ」と称して暴力・虐待を行い、死亡に至る等の重篤な結果につながるものもあります。
我が国においては、「しつけのために子どもを叩くことはやむを得ない」という意識が根強く存在します1。そうしたしつけの名の下に行われる体 罰が、徐々にエスカレートし、深刻な虐待を引き起こす事例も多く見受けられます。
・ 国際的な動きを見ると、1979 年に世界で初めてスウェーデンが体罰を禁止して以降、1990 年に発効した児童の権利に関する条約に基づき、58か国(2019 年 10 月末現在)が子どもに対する体罰を法律で禁止しています。我が国も、1994 年に児童の権利に関する条約を批准し、条約に基づき設置された国連児童の権利委員会から、1998 年から数回にわたり、体罰禁止の法制化とともに啓発キャンペーン等を行うべきとの見解が示されてきました。
・ こうしたことを踏まえ、2019 年6月に成立した児童福祉法等の改正法 において、体罰が許されないものであることが法定化され、2020 年4月1 日から施行されます。
・ 法律の施行を踏まえ、子どもの権利が守られる体罰のない社会を実現していくためには、一人ひとりが意識を変えていくとともに、子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体で取り組んでいかなくてはなりません。

2 体罰は「やむを得ない」のか ↓
・ 子どもが思ったとおりに行動してくれずイライラしたときに、「子どものしつけのためだから仕方ない」として、体罰をしていませんか。本当に体罰をしなくてはいけないのか、もう一度考える必要があります。「何度言っても言うことを聞かない」、「痛みを伴う方が理解をする」、「自分もそうして育てられた」など、体罰を容認する意見は未だに存在します。
・しかし、体罰によって子どもの行動が変わったとしても、それは、叩かれた恐怖心等によって行動した姿であり、自分で考えて行動した姿ではありません。子どもの成長の助けにならないばかりか、心身の発達等に悪影 響を及ぼしてしまう可能性があり、子どもの健やかな成長・発達において、 体罰は必要ありません。
・また、全ての子どもは、健やかに成長・発達することが権利として保障されており、体罰は子どもの権利を侵害します。

3 体罰等によらない子育てを社会で応援 ↓
・ 今回の法改正による体罰禁止は、親が、痛みや苦しみを利用して子どもの言動を統制するのではなく、体罰等によらない子育てを推進するため、 子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体に啓発していくための取組の一環です。
・ このとりまとめでは、体罰禁止に関する考え方等を普及し、社会全体で 体罰等によらない子育てについて考えていただくとともに、保護者が子育てに悩んだときに適切な支援につながることを目的としています。子育て中の方はもちろん、その周囲の方、教育現場をはじめとした子どもの生活の場で子育て支援に携わる方など、多くの方に読んでいただくことを想定 しています。
・ また、各地方自治体等においては、このとりまとめを基に、全ての人に、 分かりやすく周知・広報いただきたいと考えています。体罰等によらない 子育てが応援される社会づくりを進めていきましょう。

U しつけと体罰は何が違うのか
1 しつけと体罰の関係 ↓

・ 親には、子どもの利益のために監護・教育をする権利・義務があります。このため、親は、子どもを養育し、教育するためのしつけをしますが、 「理想の子どもに育てよう」、「将来困らないようにしっかりとしつけなくては」、「他人に迷惑をかけない子どもに育てなくては」等といった思いから、時には、しつけとして子どもに罰を与えようとすることもあるかもしれません。
・ しかし、たとえしつけのためだと親が思っても、身体に、何らかの苦痛 を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されます。これ は親を罰したり、追い込むことを意図したものではなく、子育てを社会全体で応援・サポートし、体罰によらない子育てを社会全体で推進することを目的としたものです。
・ しつけとは、子どもの人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生 活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。子どもと向き合い、社会生活をしていく上で必要なことを、しっかりと教え伝えていくことも必要です。子どもにしつけをするときには、子どもの発達しつつある能力に合う方法で行う必要があり、体罰 で押さえつけるしつけは、この目的に合うものではなく、許されません。 どうすればよいのかを言葉や見本を示す等の本人が理解できる方法で伝 える必要があります。

◎ こんなことしていませんか→ ・ 言葉で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた ・ 大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた ・ 友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った ・ 他人のものを取ったので、お尻を叩いた ・ 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった ・ 掃除をしないので、雑巾を顔に押しつけた → これらは全て体罰です。

・ ただし、罰を与えることを目的としない、子どもを保護するための行為 (道に飛び出しそうな子どもの手をつかむ等)や、第三者に被害を及ぼすような行為を制止する行為(他の子どもに暴力を振るうのを制止する等) 等は、体罰には該当しません。
・ なお、体罰は許されない行為であり、親以外の監護・教育をする権利を持たない者を含む全ての人について、体罰は許されません。

2 体罰以外の暴言等の子どもの心を傷つける行為
・ 体罰は身体的な虐待につながり、さらにエスカレートする可能性がありますが、その他の著しく監護を怠ること(ネグレクト)や、子どもの前で 配偶者に暴力を振るったり、著しい暴言や著しく拒絶的な対応をすること (心理的虐待)等についても虐待として禁止されています。
・ 加えて、怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言等も、子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為 で子どもの権利を侵害します。

◎ こんなことしていませんか ・ 冗談のつもりで、「お前なんか生まれてこなければよかった」など、 子どもの存在を否定するようなことを言った ・ やる気を出させるという口実で、きょうだいを引き合いにしてけなした → 子どもの心を傷つける行為です。
◯参考:虐待の定義→身体的、性的、ネグレクト、心理的虐待の4つの解説。
◯【コラム】:マルトリートメント(Maltreatment) 「マルトリートメント」→「大人の子どもへの不適切な関わり」を意味して おり、児童虐待の意味を広く捉えた概念。→【A(要保護)】レッドゾーン、【B(要支援)】イエローゾーン、【C(要観察)】グレーゾーンの解説あり。


V なぜ体罰等をしてはいけないのか
1 体罰等が子どもに与える悪影響

・ 体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっており、体罰等が繰り返されると、心身に様々な悪影響が生じる可能性があることが報告。
・ 例えば、親から体罰を受けていた子どもは、全く受けていなかった子ど もに比べ、「落ち着いて話を聞けない」、「約束を守れない」、「一つのことに集中できない」「我慢ができない」、「感情をうまく表せない」、「集団で行動できない」という行動問題のリスクが高まり、体罰が頻繁に行 われるほど、そのリスクはさらに高まると指摘する調査研究もあります。
・ また、手の平で身体を叩く等の体罰→親子関係の悪さ、周りの人を傷つける等の反社会的な行動、攻撃性の強さ等との関連が示されており、それらの有害さは、虐待に至らない程度の軽い体罰であっても深刻な身体的虐待と類似しているとする研究結果も見られます。
・ はじめは軽く叩く程度でも、子どもが痛みを受けることに順応する可能 性があり、同じ効果を得るために暴力がエスカレートしていき、気付いた ときには虐待に発展することも考えられます。虐待事例において、加害者 が「しつけのためだった」と言う事例も存在。 ・ このような虐待や体罰、暴言を受けた体験がトラウマ(心的外傷)となって、心身にダメージを引き起こし、その後の子ども達の成長・発達に悪影響を与えます。
・ 一方で、その後の適切な関わりや周囲の人々の支援により、悪影響を回復し、あるいは課題を乗り越えて成長することも報告されています。社会 全体で子どもが安心できる環境を整え、早期に必要なケアを行うことが重要といえます。

2 子どもが持っている権利
・ 大人に対する叩く、殴る、暴言を言う等の行為が人権侵害として許されないのと同様に、子どももまた、尊厳を有する人権の主体、叩く等の行為は人権侵害として許されません。
・ 全ての子どもは、健やかに成長・発達し、その自立が図られる権利が保障されることが、2016 年の児童福祉法の改正によって明確化され、保護者は、子どもを心身ともに健やかに育成することについて、第一義的責任を負うとされ、全ての国民は子どもの最善の利益を考え、年齢や成熟度に応じて子どもの意見が考慮されるように努めることとされています。
・ 1990 年に発効し、1994 年に日本も批准した「児童の権利に関する条約」→あらゆる形態の身体的・精神的な暴力や不当な取扱い等を防ぐため の措置を講ずることとされており、子どもへの暴力は子どもの持つ様々な権利を侵害することから、日本でも法律で児童虐待等を禁止しています。これらの法律や児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもが心身ともに健やかに成長・発達するためには、体罰等によらない子育てを推進していくことが必要です。

3 体罰等による悪循環
・ 子どもが言うことを聞いてくれなくて、イライラして、つい、叩いたり 怒鳴ったりしたくなることがあるかもしれません。叩かれたり怒鳴られたりすると、大人への恐怖心等から一時的に言うことを聞くかもしれませんが、これは、どうしたらよいのかを自分で考えたり、学んでいるわけでは ありません。
・ このようなやりとりは、根本的な解決にはならず、むしろ子どもに暴力的な言動のモデルを示すことに。つまり、自分も周りの人に対して同じように振る舞ってよい、と子どもが学ぶきっかけにもなり得ます。 子どもが保護者に恐怖心等を抱くと、信頼関係を築きにくくなるため、 必要なときに悩みを相談したり、心配事を打ち明けたりすることが難しくなります。子どもが安心できる場であるはずの家庭が、自分の居場所であると感じられなくなり、対人関係のトラブルや非行、犯罪被害など、別の大きな問題に発展してしまう可能性があります。

次回もこの続き「W 体罰等によらない子育てのために」からです。

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