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資料2 障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書案(とけこみ版) [2020年02月10日(Mon)]
◎資料2 障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書案(とけこみ版)
◯障害児入所施設の機能強化をめざして
―障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書(案)―

4.施設種別ごとの課題と今後の方向性
(2)医療型障害児入所施設の課題と今後の方向性
1)発達支援機能
@ 福祉的支援の強化

医療型の入所児童は、一般的に、状態安定のための医療的な支援が日常的に必要不可欠であるが、それとともに成長・発達のための福祉的支援を強化させていくことが必要である。一見反応が非常に乏しい児童であっても、適切な支援により周囲からの働きかけを受け止め、意識し、感じ、表出につながっていく可能性があり、障害の軽重にかかわらず発達支援は重要である。 こうした福祉的支援を強化するためには、重度の障害児にとっての発達とは何かと いうことや、発達支援が重要であることの認識を職員間で共有することが重要。あわせて、支援の主な担い手となる保育士等についてその配置を促進すべきである。
A 強度行動障害児等への対応
医療型→著しい睡眠障害(昼夜逆転)、自傷・他傷、著しい多動、異食行動など、常に見守りが必要な入所児童が一定数存在。他方で、強度行動障害児特別支援加算は福祉型に限られているなど、医療型における対応困難事例に対する更なる支援を図るべきである。
B 医療的ケア児への対応
医療技術の進歩等を背景に医療的ケア児が増加している。医療的ケア児の中には、歩ける児童や知的障害を伴わない児童もあり、この場合には重症心身障害児とならないことが一般的。現行制度では、重症心身障害児の判定を踏まえた報酬設定となっているため、現在、障害福祉サービスにおける医療的ケア児の判定基準について、厚生労働科学研究による研究が行われており、その研究成果も踏まえ、こうした重症心身障害児以外の医療的ケア児に対する更なる支援を図るべき。なお、医療的ケア児の状態は極めて多様性が高いため、障害児施策だけではなく、子どもの状態に応じて適切な支援が行われる必要がある。
C 教育と福祉の切れ目のない連携
学齢期→訪問教育や院内学級等により教育が行われているが、子どもの一生涯を見据え、子どもの状態に応じて、教育の強化を図ることが重要。その際には、サポートファイル等を活用しながら、就学する際、就学中、卒業後の進路の 選択等本人のライフステージに沿って切れ目のない連携が重要。 今後は、通学出来る入所児童には、出来るだけ通学出来るような環境を整備する必要がある。 また、入所児童と地域の児童がふれあう機会が少ないため、就学前から地域での子 ども同士の育ちあいを促進する等の観点から、就学前の利用機関と連携するなど入所 児童と地域の児童との交流の機会を増やしていく必要がある。
D 家庭的な養育環境の推進
子どもの養育の特質にかんがみれば、障害児入所施設における支援は、できる限り 良好な家庭的環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係の下で行われる必要がある。 このため、ユニット化等によりケア単位の小規模化を推進。小規模化 を進めるにあたり、専門性の向上を目的とした研修を通して職員の質の向上への取り組みや孤立化・密室化を防ぐための体制強化が必要になることから、小規模化に取り組む施設に対する更なる支援を図るべき。また、入所中であっても家族との関係性が途切れないことが重要、外泊 や面会を通した家族とのふれ合いの機会を確保するための支援が必要である。

2)自立支援機能
@ 児者一貫のもとでの発達・自立支援

医療型→施設を移動することなく障害児入所支援と療養介護を一貫してサービス提供する仕組みが恒久化されており、入所児童が 18 歳になると療養介護に移行するケースが多い。児者一貫により将来を見据えた支援が可能であり入所児童の安心した暮らしの保障にもつながる。一方で一人一人により適切な支援を行う観点から、 こうした移行が自動的に行われることなく、移行に当たっては改めて必要なアセスメントが行われることが必要のため、療養介護への移行に当たり、家族や地域、自治体、教育機関、相談支援事業所、障害福祉サービス事業所、医療機関など関係者・関係機関が連携して、対象となる児童のアセスメントやその後の適切な支援の在り方について協議が行われるようにしなければならない。また、療養介護に移行した場合においても、定期的なモニタリング結果を踏まえ、関係者・関係機関が連携し、必要に応じて再アセスメントを 行い、適切な支援の在り方について協議が行われるべきである。
A 地域生活への移行に向けた支援
医療型においても、在宅への移行に向け、週末や長期休暇などに外泊する取組が行われており、保育士や児童指導員が支援に当たっている。他方で、外泊時の加算は福 祉型に限られているため、医療型における地域生活への移行に向けた更なる支援を図る必要がある。
B 有期有目的支援の強化
期限を限って集中的なリハビリテーションを行う等の有期有目的の入所支援は、主に肢体不自由児に対して活用がなされており、運動機能予後に違いを生ずるなど効果を上げていることから、その一層の活用を促進すべき。また、重症児に対しても、在宅移行に必要となる医療的ケアや遊び方、リハビリテーションを親等が体験する機会となりうることから、自立に向けた支援としてその活用促進について検討すべき。また、その際には切れ目のない支援を継続するために地域生活への移行を 見据えた視点で支援することが重要。

3) 社会的養護機能
被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化 医療型障害児入所施設においても入所児童の中に被虐待児も多くなっており、障害 児入所施設が社会的養護機能を発揮することが求められている。こうした児童の中に は、愛着形成の課題と知的障害や発達障害との重複など、支援に当たり高い専門性が 求められるケースも少なくない。このため、支援力を強化する観点から、心理的ケアを行う専門職の配置の推進や、職員に対する更なる研修等を行うべきである。 被虐待児の支援を考えるに当たっては、児童相談所との連携が不可欠。保護者からの虐待の場合、入所児童の保護者が、子どもの成長を共有できるような支援など、家族再構築に向けた支援も含め、入所施設と児童相談所が、定期的に入所児童の状況や支援方針について情報共有するなど、両者の連携を強化することが必要である。

4) 地域支援機能
@ 短期入所を活用した支援について

障害児が在宅生活を送る上で家族のレスパイト等を考えたとき、短期入所は欠かせない支援。特に医療を必要とする障害児は利用できる事業所が地域によっては限られていることから、医療型障害児入所施設が実施する短期入所の役割は大きいと考えられる。一方で、障害児の状態像・支援ニーズによっては福祉型での受け入れが 適切な場合もある。また、短期入所のニーズを踏まえると身近な地域で利用できる短期入所が必要、障害児入所施設以外の医療機関が行う短期入所の取組の拡充も期待される。 短期入所は単に家族のレスパイト利用だけに止まらず、障害児の育ちの保障とその 家族が安心して豊かな生活が送れるよう、家族全般のニーズを把握し、サービスをマネ ジメントする必要がある。そのためには、施設単位で補うのではなく、障害児の状態像 に応じて対応できる福祉型・医療型短期入所が地域の中で計画・運営されるよう、次期障害児福祉計画の中で明示すべき。また、医療型短期入所を必要とする障害児→ニーズが多様化しており、健康面や生活面で個々に応じた適切な対応が望まれるため、体制を整備するうえでも、報酬の見直しも必要である。
A 通所支援の活用について 在宅障害児の日常生活を支援する上で、通所支援の役割は重要である。特に乳幼児期 は早期療育の場でもあり家族にとっては障害受容や子育てを行う上での他家族との交 流の場としても意義がある。医療型障害児入所施設は医療・看護・福祉等の機能を有し ており、多角的なアプローチが可能である。その有するノウハウを障害児とその家族へ の支援の場として通所支援の機能を保有し、支援の強化につながることを今後、更に期 待する。
B ソーシャルワーカーの配置について
子どもと家族のニーズを把握・発見し、個別の課題(生活上の課題)の解決や障害児とその家族が望む生活の実現など個々の場面に応じて、様々な社会資源の間に立って、必要な支援を有機的に結びつけるなどソーシャルワーカーの役割と機能は重要。 特に社会的養護→医療型障害児入所施設が被虐待児の家族をサポートする役割を担っている現状もある。被虐待児が家庭復帰する際、ソーシャルワーカーは、現存する社会資源の活用や改善までも含めた働きかけや、各専門職による多角的 アプローチの総合調整など、中心的役割を担っており、配置等の促進について検討すべきである。
なお、児童発達支援管理責任者との関連性については「福祉型障害児入所施設の課題 と今後の方向性 2)−@」で述べたとおりである。

(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性
@ 契約入所と措置入所の整理

障害児入所施設への入所→制度上、契約によるものと措置によるものがあり、その考え方については、「障害児施設給付費等への支給決定について」(平成 19 年3月 22 日付け障発第 0322005 号)及び「障害児施設の入所に係る契約及び措置 の適用について」(平成 21 年 11 月 17 日付け障障発 1117 第1号)において示されているが、入所児童に係る契約入所と措置入所の割合をみると、全国でばらつきが生じている実態にある。 このため、上記通知を再度周知するとともに、全国の状況についてフォローアップを行い、その状況について継続的に把握・共有すべきである。
A 質の確保・向上
入所支援は、繰り返す毎日の生活を支える営みであるがゆえに、ともすれば閉鎖性 による支援の質が低下するおそれもある。このため、地域との交流機会の確保など、 施設を地域に開かれたものとする必要がある。 社会的養護の分野では、支援の質の向上を図るため、施設種類別の運営指針や手引 書が作成されるとともに、自己評価や第三者評価が義務づけられている。このほか、 施設長の研修が義務化されており、2年に1回以上の受講が義務づけられている。また、障害児福祉の分野においても、児童発達支援及び放課後等デイサービスについてガイドラインが策定されている。 こうしたことを踏まえ、障害児入所施設についても、運営指針の策定や第三者評価など、質の確保・向上を図る仕組みを導入することについて検討すべき。 その際には、現在、各施設で障害児一人一人に作成されている入所支援計画の内容と運営指針の内容とが整合性がとれるようにする必要がある。 また、今後の職員配置等を検討する際には、施設自体が機能を発揮するための適切な配置と子どもひとり一人の特性にあわせた専門的ケアを提供するための職員配置を検討すべきである。
B 権利擁護について
子どもの権利条約、障害者権利条約の批准、また児童福祉法の改正から子どもが権利行使の主体であり、最善の利益が保障されることが記載されている。これらを受けて、 障害のある子ども達の意見表明→支援を行う上で、より具体的な検討が求められている。そこで、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」 や、社会的養護分野で導入の検討が進められているアドボケイト制度を参考に進めていく必要がある。検討するうえでは、子ども自身が自分の成長を知るための権利を保障 するために、社会的養護分野で取り組まれている権利ノートなど好事例を収集するなどを行うべきである。
C 入所施設間の連携強化について
人口減少社会の進展により、地域に障害児入所施設が少なくなり、遠方に入所され、 帰省や面会の機会が限られ家族との交流が少なくなり親子関係が希薄になるなどにより、 子どもの精神的安定や家族再統合等に支障が出る例も出てきている。これらの解消の ためには、医療の必要がなくなった児童について医療型障害児入所施設を経営する法人が福祉型の地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)(仮)を設置すること、 児童養護施設を経営する法人が地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)を併設できること、また、障害児通所支援事業が地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)の設置等、面的整備や施策間の連携を強化していくことが必要である。 さらに、障害児入所施設がフォスタリング機関となって、障害児を受け入れる専門里親やファミリーホームなどを支援できるようにしていくことも必要とされる。 上記のような措置がとれるようになることで、例えば兄に障害がなく弟に障害があ る場合に兄は児童養護施設、弟は障害児入所施設へと地域を離れて別々に入所するよ うなことが起こらないようにすることが可能になる。地域の限りある資源を活用し、 入所児童であっても出来るだけ地域で育つことが出来る環境を整えられるよう検討が必要である。
D 他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用
 入所児童→原則として、児童発達支援や放課後等デイサービス、生活介護といった他の障害福祉サービスを利用することができないが、発達の観点や生活の広がり、また、退所後の生活を見据えると、こうした地域の障害福祉サービスを、入所中から柔軟に利用できるようにすることについて検討すべき。また、地域の 実情から、障害児の資源が少ない場合もあるため、入所機能と在宅機能を一体的に整備した小規模多機能を持つ施設の検討も必要である。なお、その際には、障害児入所施設と二重給付とならないような仕組みを検討していく必要がある。
E 障害児入所施設の名称の変更
 現在は、障害児入所施設という名称となっているが、平成 24 年の児童福祉法改正に 伴い通所支援は障害種別の名称ではなく、児童発達支援と変更。入所支援についても、障害児入所施設から児童発達支援入所施設(仮)等への変更が求められているため、名称の検討も必要。ただし、検討過程においては、入所という名称も 含めて外面的にどのような支援を行っている施設なのか、医療型と福祉型の区別も含めて考慮する必要がある。
F 都道府県・市町村の連携強化
 入所児童の退所後の地域生活を支える役割は主として市町村が担うことになるが、 入所の措置権限は都道府県等(都道府県及び指定都市をいう。以下同じ。)が有しているため、両者の連携を図る必要がある。上に述べた関係者・関係機関による協議に、 児童相談所を含めた都道府県等や市町村も積極的に参画するとともに、入所施設とこれら自治体職員とが日頃から顔の見える関係を築くことが重要。地域で子ども の支援を構築していくが、入所と同時に関わりがなくなり、また退所の時に新たに支援を構築するという現状があり、子どもと家族が地域から孤立せず、安心して暮らせるよう切れ目のない支援を行う必要がある。 また、社会的養護における議論とあわせ、入所の決定権限を市町村に付与すること により、入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制とすることについて も検討すべき。その際、都道府県等と市町村の役割分担、措置の判断、市町村の職員の専門性の確保等の課題を慎重に検討すべきである。あわせて市町村規模によっては単独での体制整備が困難なことも考えられるため、総合的な支援体制整備の観 点から都道府県が市町村をバックアップできる体制を検討すべきである。

5 まとめ
〇 本報告書→平成 28 年児童福祉法が「国・地方公共団体は、児童が家庭において健やかに養育されるよう、保護者を支援するもの
とする。ただし、家庭における養育が適当でない場合には、児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、必要な措置を講ずるものとする。」と改正されたことも踏まえ、障害児入所施設についても現状の課題と進むべき方向性について全体的な議論を行った。これらの議論を踏まえ、厚生労働省では、第2期障害児福祉計画への反映や令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、必要な財源を考慮しつつ実現が図られるよう、速やかに検討すべきである。さらに、運営指針の策定など、研究が必要なものについては、来年度の調査研究において着手できるよう検討すべき。また、制度改正が必要となる事項については、児童福祉法改正などの取り組みを強化する必要がある。
〇 また、本検討会では、障害児入所施設も児童養護施設等と同様、社会的養護機能として地域のセーフティーネットの機能を発揮するべきという意見も出された。社会的養護施策と障害児入所施設の担当部局が異なるために、様々な関連施策の進展に差異が生じているという意見があった。厚生労働省においては、提言を受けて関係部局で施策をさらに一層推進することが極めて重要である。これに関して障害児支援を担当する障害保健福祉部は、社会的養護施策を担当する子ども家庭局と共に施策を進めるべきである。 更に厚生労働省として、都道府県・市町村に対しても担当部局間の緊密な連携及び都道府県・市町村間の連携を定期的に要請すべきである。さらに、教育等その他の分野との連携の観点から、文部科学省等他省庁との連携も併せて進めるべきである。
〇 これまで、障害児本人の最善の利益を保障することの重要性については「今後の障害 児支援の在り方について(報告書)」に明記はされているが、障害児入所施設との関連性のなかで、これまで十分な検討がなされてこなかった。 この検討会が、障害児入所施設の果たすべき役割と機能を考えるとともに、日々障害児 支援に取り組んでいる方々の課題の改善につながり、そのことで、障害児と家族が安心して子育てが出来る環境づくりが進むことが期待される。
◯ 最後に、本報告書では、障害児本人の発達を最大限に保障すべきことに光が当てられることにより、子ども達自身が輝く存在になる後押しとなることを願い、すぐに見直しを行うべきものから今後の支援の方向性まで幅広い提言を行っている。この報告書を受けて、 厚生労働省をはじめ、各関係省庁、自治体、支援者等の関係者が連携をし施策が着実に進むことを強く期待する。

◆障害児入所施設の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai_321418_00001.html

次回は、新たに「第2回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」」からです。
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