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第155回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2019年11月10日(Sun)]
第155回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和元年10月21日)11/10
《議題》(1)賃金等請求権の消滅時効の在り方について (2)副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方について (3)労働政策基本部会報告書について (4)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07413.html
◎資料No.1−1 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する論点
(DEFは今回主に御議論いただきたい論点)
@ 検討の前提
【検討会報告で提示された論点
】→民法とその特別法である労働基準法の関係について、下記を踏まえてどのように考えるか。
・ 労基法の消滅時効規定が労使関係における早期の法的安定性の役割を果たしていることや、大量かつ長期に発生するといった賃金請求権の特殊性に鑑みて合理性があれば、民法よりも短い消滅時効期間を定めることも可能との考え方がある一方、労働者保護を旨とする労働基準法で、民法よりも短い消滅時効期間を定めるのは問題であるとの考え方もある。
A 賃金等請求権の消滅時効の起算点について
【検討会報告で提示された論点】
・ 労働基準法第 15 条等において、使用者による労働者への賃金支払日の明示が義務付けられていることを踏まえ、現行の客観的起算点であることを明確化することについてどのように考える か。
・ 主観的起算点については、それを設定する必要性(名ばかり管理職や固定残業制の問題など)と、仮に設定した場合にどの時点が主観的起算点に該当するかといった新たな労使間の紛争が生じるリスクをどのように考えるか。
B 賃金請求権の消滅時効期間について
【検討会報告で提示された論点】
・ 現行の消滅時効期間である2年間について、将来にわたって維持する合理性が乏しいとした場合、具体的な消滅時効期間はどの程度とすることが考えるか。
・ 退職手当の請求権の消滅時効期間については、昭和 62 年の労働基準法改正の経緯も踏まえつ つ、見直しの必要性についてどのように考えるか。
C 賃金請求権以外の消滅時効について
【検討会報告で提示された論点】
・ 年次有給休暇の請求権について、仮に消滅時効期間を延ばす場合、制度趣旨や取得率の向上と いう政策の方向性に逆行するおそれがあるが、どのように考えるか。
・ 災害補償請求権について、現行でも民法の消滅時効期間(10 年)より短い2年間の消滅時効期 間としているが、改正民法では契約に基づく債権の消滅時効期間は原則5年とされたこととの関 係をどのように考えるか。その際、災害補償請求権(使用者の無過失責任)と調整規定が設けられている民法の損倍賠償請求権(使用者の故意過失が要件。不法行為によるものであれば消滅時 効期間は3年)との関係もどのように考えるか。
D 記録の保存について
【検討会報告で提示された論点】
・ 仮に賃金請求権の消滅時効期間と合わせて記録の保存年限を延ばした場合、企業における負担やコストはどの程度増加すると考えられるのか。特に当該記録を紙媒体で保存している中小企業 などについてはどのような対処が必要となるか。
E 付加金の支払について
【検討会報告で提示された論点】→付加金の制度趣旨である、割増賃金の未払い等に対する制裁として支払を確保することや、私人の権利行使の促進により私人による訴訟のもつ抑止力を強化することを踏まえ、その請求期間についてどのように考えるか(賃金請求権の消滅時効期間と合わせる必要があるか)。
F 見直しの時期、施行期日等について
【検討会報告で提示された論点】
・ 改正民法が 2020 年 4 月に施行される一方、働き方改革関係法が順次施行されており、企業の 労務管理の負担は増大している状況の中で、仮に賃金等請求権の消滅時効期間を見直すとした場 合に、施行期日についてどう考えるか。
・ 仮に賃金等請求権の消滅時効期間を見直すとした場合、改正後の新たな消滅時効期間について は、どのような賃金請求権(@改正法の施行後に発生したものかA改正法の施行後に労働契約を 締結した者に係るものか)から適用させることとするか(いわゆる経過措置)


◎資料No.1−2 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する論点についての資料
@検討の前提

・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)
・改正民法により消滅時効関連規定を改正した趣旨→改正民法において短期消滅時効が廃止された趣旨、改正民法において主観的起算点からの5年の消滅時効期間が新設された趣旨 参照。
・賃金等請求権に関する消滅時効について→労働基準法(昭和22年法律第49号)(抄) 第115条 →賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
A賃金等請求権の消滅時効の起算点について
・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)→賃金請求権については、主観的起算点と客観的起算点は基本的には一致
・消滅時効の起算点(改正民法による時効期間と起算点に関する見直し)→知った時から5年。権利を行使することができる時から10年。
・消滅時効の起算点について(権利を行使することができることを知った時)→5年。権利を行使することができることを知ったときから時効期間が進行する(権利の発生原因につ いての認識のほか、権利行使の相手方である債務者を認識することが必要)
・参考となる判例について→@とA→民法724条にいう「損害及び加害者を知った時」とは、被害者において、加害者に対する賠償請求をするこ とが事実上可能な状況の下に、それが可能な程度に損害及び加害者を知った時を意味すると解するのが相当である。
・消滅時効の起算点について(権利を行使することができる時)→権利を行使するのに法律上の障害がなくなった時。
・賃金等請求権の消滅時効の起算点について→一般的にいって、具体的に権利が発生した ときである。したがって、賃金請求権については、それが具体化する各賃金支払期である。
B賃金請求権の消滅時効期間について
・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)→具体的な消滅時効期間については速やかに労働政策審議会で検討し、労使の議論を踏まえて一定の結論を出すべきである。
C賃金請求権以外の消滅時効について
・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)→仮に 賃金請求権の消滅時効期間と合わせてこの年次有給休暇請求権の消滅時効期間も現行よりも長く した場合、こうした制度の趣旨の方向と合致せず、年次有給休暇の取得率の向上という政策の方向性に逆行するおそれもある。
◯年次有給休暇について→法的性質(二分説): 労基法の要件を満たすことで当然に発生する権利(年休権)、と 労働者が年休を取得する時季を特定する権利(時季指定権)。
◯労働保険や社会保険関係法令との関係について→労働保険や社会保険関係法令の消滅時効期間 参照の事。

D記録の保存について
・賃金台帳等の保存について→一律に3年間の保存義務。検討するに当たっては、刑事訴訟法の公訴時効(3年)との関係や、記録の保存年限の規定の趣旨、仮に見直すとした場合の企業における影響やコス トなども踏まえつつ、賃金請求権の消滅時効期間の在り方と合わせて検討することが適当。

E付加金の支払について
・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)→その請求期間については、労基法第115 条の賃金等 請求権の消滅時効期間と合わせたものであるとともに、裁判上の請求期間の起算点につい ても「違反のあった時」となっていることから、賃金等請求権の消滅時効と同様に客観的起 算点によるものとされている。
・付加金について→○労働基準法(昭和22年法律第49号)(抄) (付加金の支払) 第114条使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければ ならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から二年以内にしなければならない。
<年数の設定根拠>→ 労働基準法第115条の消滅時効2年間にあわせて、2年間。

・付加金の支払に関する見解→<「法の実現における私人の役割」(田中英夫・竹内昭夫 著)><「平成22年版 労働基準法 下」(厚生労働省労働基準局 編著)><「注釈労働基準法 下巻」(東京大学労働法研究会 編著)><最高裁判所第三小法廷決定平成27年5月19日民集69巻4号635頁>→参照。
・付加金の支払に関する裁判例→@〜Cまでの裁判例あり。

F見直しの時期、施行期日等について
・「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」(抄)→仮に、労基法第115 条等の規定の見直しを行う場合、民法改正の施行期日(2020年4月1 日)も念頭に置きつつ、一方で、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成 30 年法律第71 号)の施行に伴い現在及び今後順次生じていく企業の労務管理の負担が一層増 大するといった意見もあり、民法と労基法との関係や、こうした実態等も踏まえ、見直しの時期や施行 期日について、速やかに労働政策審議会で検討すべきである。
・働き方改革関連法による各改正事項の施行・適用時期→雇用対策法、準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法・労働契約法、労働者派遣法 →それぞれの内容と法の施行年度に整理されまとめられています。

次回は、同資料「資料No.2 副業・兼業に関するデータ」からです。
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