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第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年12月20日(Thu)]
第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年11月26日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について(中間的な論点の整理)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000407358.pdf
◎資料1 今後議論する論点について(案)

3.他法他施策との関係や根拠法の見直しについて
(1)他法他施策との連携の推進について
<課題>
現在、各種の在宅福祉サービスの多くは市区町村を中心として制度設計されており、市区町村との連携は不可欠であるが、 一方で、婦人保護事業は市区町村の業務として位置付けられていないため、連携の困難さ等が指摘されている。 婦人相談所は婦人保護施設への入所措置の権限はあるが、母子生活支援施設への入所措置の権限は福祉事務所にあり、婦人相談所にはない。母子生活支援施設は全都道府県にあるのに対し、婦人保護施設は設置のない県もあり、母子生活支援施設との連携については検討を要する。 また、婦人保護事業においては、児童虐待対応における要保護児童対策地域協議会のような関係機関による連携の仕組みがない。
<主な検討対象> 婦人相談員と関係他職種、婦人相談所と児童相談所、市区町村の関係機関との連携のあり方や、それを円滑に行うための方策の検討を行う。 また、婦人保護事業の受け皿としての観点から、母子生活支援施設との連携のあり方について検討を行う。
<具体的な検討事項>
➢ 婦人相談員と他職種との連携のあり方
➢ 婦人相談所と児童相談所、市区町村との連携のあり方
➢ 母子生活支援施設との連携のあり方
➢ 関係機関が連携を円滑に行うための方策 等
(主な意見)
○支援ネットワークの構築
→ 婦人保護事業の支援ネットワーク連携会議の設置が必要。児童相談の分野において要保護児童対策地域協議会があるように、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。
・女性福祉は本人の意思尊重が支援のベースとなっているため、周りからは支援の姿勢や方針がわかりづらい。例えば、児童虐待の担当者からすれば、なぜ本人の言いなりなのか、施設退所させるべきでないのになんで引き止めなかったのかというような発言につながっていくということがある。要対協と同じようなしっかりとした仕組みづくりは必要。連携という意味では、大変関連の深い医療や福祉、こういったところと連携が不足しているところが大きくある。人に着目した支援をどう展開するかが重要で、婦人相談、市や福祉事務所、児童相談所のつながりが本当に重要ではないか。 そこでは、それぞれがつながるシステムの構築が必要ではないかと考える。例えば、婦人保護施設や母子生活支援施設、一時保護所の空き状況などが、各機関で見えることができるようになれば、そのときその人にふさわしい場所で支援できるのではないか。連鎖を断つというような回復的な支援というところを考えると、やはり医療分野の支援が必要、かつ女性福祉の分野に理解がある方の協力が必要。職能団体の協力を得られるような仕組みが欠かせないのではないか。
・単に関係機関の連携会議を設置すれば足りるというものではなく、守秘義務が課せられるなど、一定の強い仕組みであることを示すことが必要。
○母子生活支援施設→特定妊婦に関しては、制度上、母子生活支援施設の利用ができないため、各自治体で独自に取り組みがなされている。母子生活支援施設に緊急一時保護して、出産してから通常の入所手続きをとる方法で支援をしている。特定妊婦の母子生活支援施 設などへの入所が、普通の入所措置として、制度として作られていくといいと思う。婦人相談所と母子生活支援施設の関係は、一時保護の委託を請けることは可能だがそれほどつながりがよくない。婦人相談所だけではなく、児童相談所ともあまりつながらない。なぜなら、母子生活支援施設は市町村事業で、婦人相談所、児童相談所は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。
○児童福祉法との関係→16、17 歳で母親になった相談者の方が結構いるが、その子がまだ、そこまで子どもを育てるところまで決意できず迷いがある中で、女性支援の方は母親としてどう生きていくかが先にきてしまう。私たちはそもそもまだ子供だよねというところで、子ども期の保障をするというところは、今度はまた児童福祉法がしっかりこの子を子どもとして守っていくということも 大事かなというのがある。法律の下で守られるという視点も大事だし、でも子どもというところも大事だし、そこはもっと深 く議論されなければならないことかなと思う。性虐待を受けた子どもはリアルタイムではそのことを言わない。婦人保護事業が関わる年代になってやっと出てくるが、婦人相談所には調査権がないため、性虐待を受けた、その客観的事実を児童相談所からもらえない。
○その他→関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう情報共有して、 一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。
○ 様々な福祉法が乱立していて、様々な危機感があって、それぞれのファクターで専門性がある機関や仕組みがあって、そこをコーディネートするのはどこなのか。婦人相談所が広域的に自治体のコーディネートをすべきだとの思いはあるが、これだけ様々な福祉法のすべてをコーディネートするとしたら、誰がどうやってしていくのか。他法他施策優先については削除すべき。より柔軟に関係機関との連携を図り、年齢や管轄で区切ることのない一貫した支援 のあり方が必要。【再掲】

(2)売春防止法の見直しについて
<課題>
調査結果の考察において、根拠法である売春防止法に関わる課題として以下の点が挙げられている。
・ 売春防止法においては、婦人保護事業は「保護更生」という位置付けのため、社会福祉事業としての事業理念は明確ではなく、「自立支援」も明記されていないことが、対象女性に対する各実施機関における自立支援の実施や関係機関との連携の課題の根本にある。
・ 売春防止法における対象者は「要保護女子」であり、実際の支援対象との乖離が生じ、各実施機関における対象者把握の相違や、他法他施策の関連機関の婦人保護事業の分かりにくさがもたらされている。
・ 売春防止法には市町村の責務や役割についての規定がない。
・ DV防止法など他法では、国の基本方針、基本方針に即した都道府県及び市町村基本計画の策定について明記されているが、売春防止法ではこうした規定がなく、基本方針、基本計画が策定されていない。
・ 他分野の福祉関連の法律にあるような、「連絡調整等の実施者」「連携及び調整」「支援体制の整備」などについて法的規定がなく、連携の困難、業務の困難に関連している。
<主な検討対象> 上記で指摘されている課題及び1〜3(1)までの各論点における議論を踏まえつつ、制度全体のあり方について検討する。
(主な意見)
○理念等の見直し
→売春防止法はそもそも第4章の問題ではなく、第1章から第3章もすべて含めて、何を目的としてどういう建て付けでという、基本のところが非常に本当は問題。売春防止法の第1章について、ここは女性の人権擁護を明確に位置付けてほしい。売春防止法にある女性蔑視や差別に対し、根本を改正するところから始めるのが本筋ではないか。婦人相談員が支援する対象は処罰の対象ではなく支援の対象。売春をしている女性は犯罪者ではなく被害者である。第2章 第5条、第3章を廃止することで、被害女性を転落女性とみるなどの差別的な表現を削除して、性の侵害を受けた女性の人権 を擁護する法律となるよう改正を望む。
・韓国では買春禁止法ということで、買春の取り締まりも始まっている。運用を変えるだけでは駄目で、売春防止法の、女性 差別や支援が書かれていないところを変えていくべき。 売春防止法の基本的なところを見直すことより、緊急にやることがある。売春防止法の見直しは、婦人相談所の名称、女性という文言に変えてほしい。第4章の見直しについては、第 35 条の2の「婦人相談員を委嘱することができる」を、都道府県と同じ「委嘱の者とする」 と改正してほしい。また、第 35 条の婦人相談員の要件について、人権意識が高く、女性の支援に必要な経験、熱意を持ち、 男女共同参画社会の実現を妨げる女性への暴力についての識見を備えた者のうちから委嘱するものとすると改正を願う。用語の見直しについては、婦人を女性、収容を入所、保護更生は自立支援、収容保護は入所支援、指導は支援、要保護女性は要支援女性と直せるのでは。
・結局は今の状態が売防法を根拠にしているが故に、いわゆる犯罪者としての面と、要保護として被害者としての面を有して いる女性を一緒に扱っている。これはすごく矛盾している。その結果、収容施設化している。売防法全体を改正すべきだが、そこまで検討しないというなら、婦人保護施設にいる人たちは犯罪とは一切関わりないという安心感を与えるような、建て付けの検討が必要。第4章に係る部分の基本的な考え方というのを条文として、福祉的な観点から一貫した支援を行うというようなことを加 えることが可能なのかどうか。また、第 34 条から第 36 条に婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設が規定されているが、そこに民間団体を位置付けて、財政的負担に関する条文について民間団体も包摂した内容も盛り込むことは可能なのかどうか。相談窓口や一時保護所のハードルの高さ、圧迫的な対応という部分について、例えばDV防止法の第9条の2に苦情処理の規定があるが、そういったものをここに付け加えることで当面の対応を考えていくことができないか。
○新たな法体系→売春防止法は女性が処罰をされる法律。売春防止法5条で処罰された女性はまだ今でも手錠を掛けられている。女性たちは犯罪者ではない。女性たちは福祉的な支援が必要な女性たち。売春防止法には人権保障の概念がない。自立をさせられる支援 の仕組みがない。専門性がない。そして何よりも、一人ひとりを支える個別性が必要。私たちは、これらの自立を支えるため の支援の仕組み、そのために新しい支援体制を考えている。婦人保護事業を超えた新しい枠組みに是非取り組んでいきたい。女性自立支援法、いま仮称と称しているが、新しい法律が 生まれていくべき時。 ○ 総合支援法、生活困窮者自立支援法などの考え方を取り入れた法整備を望む。
○ 回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる、そういう法制度がどうしても必要。損害された人権 を確立するための支援法が今、最も求められている。措置、収容、指導というふうに散りばめられた売春防止法の下では、本来の意味での女性支援は成立しないというのは明らかな事実。その課題と限界は明らかになっており、私たちは女性の人権の確立を目指す、売春防止法に代わる新たな女性支援の根拠法を急いで作る必要がある。この根拠法は、当事者主体はもちろん、暴力を根絶するためのジェンダー平等法としての機能をきちんと果たすものであることを心から願う。
○ 困難な問題を抱える女性への支援ということを考えるときに、売春防止法を根拠法令とすることは、もうこれは全くそぐわない。売春をやめさせるとか取り締まるとか、あたかも女性に非があるような視点を感じさせる法令を基にして、女性の支援 だっていうことは、ここをそもそものところで止めることがないと、本当に苦しい思いの人に届くのかと思う。性被害を受けた人たちの保護、それから立ち直り、生活の再建、自立支援。こういったことを進めていく包括的な対策が必要だとすると、売春防止法第4章の保護更生では、性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。ここは、こういう趣旨に合った新しい法律が、売春防止法とは別に必要。規制と保護を同じ法律の中で一緒にやっていくのが非常に難しいと考える。保護の部分を売春防止法から切り離して、売春 防止以外の対象者も含めた形で女性の保護や自立支援について包括的に対応するための法律を別に作っていく必要があるのではないか。その際に、他の福祉法や生活困窮者自立支援法のように、基本理念や対象者を明確化するとともに、関係機関や 民間団体との連携、支援体制の整備についてうたいつつ、売春防止法から切り離した個々の部分に加えて、国、都道府県、市町村の責務や実施する事業、それから情報共有や提供についての規定、他法他施策との関連といった内容が盛り込まれる構成 にしてはどうか。
○ 売春防止法の規定は大変簡単。具体的なことは行政の裁量に委ねていて、それが婦人保護事業実施要領を始めとする通知に 書かれていて大変複雑になっている。そういう構造のままでは、当事者が主体となるというような法構造にはならない。売春 防止法だからこそ行政裁量を非常に大きくしたというところがあるので、そこの考え方を根本から変えていかないと、新しい支援のあり方というのは実現できないのではないか。 売春防止法を改正しないと実施要領の改定はできないのか。根本的な法改正まで道のりが長いとしたら、できることからやっていくというようなスタンスを取りたいと思う。そうすると措置の問題とか、一時保護についてはそういう規定が、明確な 文言が実施要領にもないので、それは新たな基準を作るということが必要になる。 ○ 第4章だけ抜き出すということが可能なのか。売春防止法の主要な管轄は法務省だと思うが、法務省との関係はどうなっているかなど、そういうところをきちんと整理しながら進めていかないと説得力を持たないということは感じている。売春防止法抜きにしてはこの新しい女性支援の法構想はないのではないか。売春防止法に人権保障を書き込んだとしても、 売春防止法の思想、考え方そのものを変えていくのが、もし新法を作るのであればその新法構想だと思う。そのあたりをきち んとしないといけない。だから、この検討会はかなり大きな作業だということ。差別と分断の売春防止法をそのままにして、 第4章だけポコッと抜かして犯罪を犯した人と保護を受ける人が並存しているおかしな法律、そういう矛盾は解決できない。婦人保護事業実施要領はいろいろ変えなければいけない部分があると思うが、特に第一の目的というのは、元々売春防止法 ということで、要保護女子の転落の未然防止と保護更生を図るという、この文言がやはり最初に入っている。実態にそぐわない、あるいは婦人保護事業はそもそも何なのかというところに問わなければいけない非常に重要な部分だと思う。この部分は 特に丁寧な検討が必要で、ここをベースに考えていかなければいけない。この目的は何を置くのかというところを、特にこれはドラスティックに変えていく必要があるのではないか。

◆売春防止法↓↓
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=331AC0000000118
◆困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00520.html

次回は、「平成30年第15回 経済財政諮問会議・未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会議・規制改革推進会議 合同会議」からです。

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