子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について [2018年09月23日(Sun)]
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子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第14次報告) (平成30年8月30日)9/23
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000173365_00001.html ◎子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000348310.pdf ・児童虐待防止法に基づき、虐待による死亡事例等の検証を「社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」で実施。この度、第14次報告を公表。 対象は平成28年4月1日から平成29年3月31日までの子どもの虐待死事例。 ア 対象期間に発生又は表面化した 心中以外の虐待死事例は 49例(49人) (27年度:48例(52人)) 心中による虐待死事例は 18例(28人) (27年度:24例(32人)) イ 心中以外の虐待死事例で死亡した子どもの年齢は、 0歳が32人(65.3%)と最も多く、 (27年度:30人(57.7%)) うち月齢0か月が16人(50.0%) (27年度:13人(43.3%)) ○子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第14次報告)のポイント 1.検証・分析 (1)死亡事例:心中以外の虐待死事例(49例・49人) (2)重症事例 (14例・14人) 2.個別ヒアリング調査結果→検証対象事例のうち、特徴的で、かつ、特に重大であると考えられる死亡事例(4例)について、都道府県、市町村及び関係機 関等を対象に、事例発生当時の状況や対応等の詳細に関してヒアリング調査を実施した。 【事例1〜4】参照のこと。 【各事例が抱える問題点に対する対応策のまとめ】↓↓ (1)成育歴や精神疾患等の特徴などを考慮した家族全体への慎重なアセスメント (2)転居に伴う継続した支援の在り方 (3)施設入所中、退所後の支援 (4)要保護児童対策地域協議会において確実に検討を行う体制 (5)児童相談所の専門性を活かした支援 3.【特集】若年(10代)妊娠→妊娠期・周産期における問題として「若年(10代)妊娠」が「あり」とされた事例は分析が可能であった第5次報告から第14次報 告の間で、心中以外の虐待死は99人、心中による虐待死は12人であった。日齢0日児事例(生後24時間に満たない死亡)は25人、 その他(日齢1日以上)は86人であった。 (「結果」及び「考察」→P3を参照してください。) 4.課題と提言 ≪地方公共団体への提言≫ 1 虐待の発生予防及び早期発見 @ 妊娠期から支援を必要とする養育者の早期把握と切れ目のない支援の強化→「子育て世代包括支援センター」の設置促進、「女性健康支援センター」のSNS 等による広報 A 乳幼児健診未受診等の家庭の把握と対応→きょうだいも含めた状況把握と支援へのつなぎ B 精神疾患、身体疾患等により養育支援が必要と判断される養育者への対応→医療機関との連携及び育児支援 C 居住実態が把握できない児童・家庭に対するフォロー体制の整備→関係機関との情報共有による確実な安全確認 D 事故予防をはじめとした育児に関する知識の啓発→啓発資材等の活用による親の注意力の向上と家庭環境作りの促進 2 関係機関の連携及び適切な引継ぎによる切れ目のない支援 @ 複数の関係機関が関与していた事例における対応→要保護児童対策地域協議会を活用した危機管理の視点を含む連携体制構築 A 転居事例に関する地方公共団体間での情報共有と継続支援の実施→転居前後の居住地における関係機関同士の協力とリスクアセスメントの実施 B 施設入所中及び退所後の対応→子どもが再び家庭内に加わることで発生するリスクの丁寧なアセスメント 3 児童相談所及び市町村職員による丁寧なリスクアセスメントの実施と評価 @ 適切なアセスメントの実施と結果の共有→組織的な判断とアセスメント結果の関係機関間での共有 A 定期的な再評価と組織的なケース管理の実施→関係機関による定期的な再評価と評価結果に基づく組織的なケース管理 4 市町村及び児童相談所の相談体制の強化と職員の資質向上 @ 体制の充実と強化→専門職の配置と業務量に見合った職員配置数の確保。市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置促進。 A 相談援助技術の向上→児童相談所や市町村の役割を踏まえた研修の実施及び受講の促進 5 虐待防止を目的とした検証の積極的な実施と検証結果の活用 @ 検証の積極的な実施→疑義事例を含む検証の実施の推進 A 検証結果の有効活用→研修での周知による検証結果からの学びの引継ぎ B 転居事例における検証の地方公共団体間の協力→転居前後の地方公共団体による相互協力のもとでの検証実施 ≪国への提言≫ 1 虐待の発生予防及び発生時の的確な対応 @ 妊娠期から切れ目のない支援体制の整備→取組事例の発信 A 精神疾患のある養育者等の支援を必要とする家庭に対する相談及び支援体制の強化→ 医療機関等との連携促進に向けた取組の周知 B 虐待の早期発見及び早期対応のための広報・啓発→リスクとして留意すべきポイントや相談窓口の周知 2 虐待対応における児童相談所と市町村の連携強化に関わる体制整備→役割の明確化による相互理解と連携の推進 3 児童相談所及び市町村職員の人員体制の強化及び 専門性の確保と資質の向上→専門職の配置と研修の受講による体制強化 4 要保護児童対策地域協議会の活用の徹底と体制整備→専門職の配置と研修の受講。市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置促進 5 入所措置解除時及び措置解除後の支援体制の整備→施設入所中からの措置解除後を見越した支援体制整 備の促進。親子関係再構築の促進 6 地域をまたがる(転居)事例の関係機関の連携・協働 及び検証→環境の変化に伴う新たなリスクを想定し、危機意識も含んだ引継ぎを行うことの重要性の周知。転居前後の関係機関による検証実施の推進 7 再発防止を目的とした検証の積極的な実施と検証結果の活用促進→疑義事例を含めた検証の促進。検証結果の活用のための周知。 次回は、「「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」を公表します」からです。 |



