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第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月25日(Sun)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料1 社会保障審議会児童部会名簿 →12名。

◎資料2―1 児童福祉法等の一部を改正する法律の概要
○改正の趣旨
→児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行う。
○改正の概要↓
1.子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充【児童福祉法、母子保健法】
→@市区町村は、全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援等を行うこども家庭センター(※)の設置や、身近な子育て支援の場(保育所等)における相談機関の整備に努める。こども家庭センターは、支援を要する子どもや妊産婦等への支援計画(サポートプラン)を作成する。 ※子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを見直し。  A訪問による家事支援、児童の居場所づくりの支援、親子関係の形成の支援等を行う事業をそれぞれ新設。これらを含む家庭支援の事業⇒市区町村 が必要に応じ利用勧奨・措置を実施。  B児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことの明確化や、障害種別にかかわらず障害児を支援できるよう児童発達支援の類型 (福祉型、医療型)の一元化を行う。
2.一時保護所及び児童相談所による児童への処遇や支援、困難を抱える妊産婦等への支援の質の向上【児童福祉法】→@一時保護所の設備・運営基準を策定して一時保護所の環境改善を図る。児童相談所による支援の強化として民間との協働による親子再統合の事業の実施や、里親支援センターの児童福祉施設としての位置づけ等を行う。 A困難を抱える妊産婦等に一時的な住居や食事提供、その後の養育等に係る情報提供等を行う事業を創設する。
3.社会的養育経験者・障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化【児童福祉法】→@児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化。社会的養育経験者等を通所や訪問等により支援する拠点を設置する事業を創設。 A障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体(都道府県・政令市)を明確化するとともに、22歳までの入所継続を可能とする。
4.児童の意見聴取等の仕組みの整備【児童福祉法】→児童相談所等は入所措置や一時保護等の際に児童の最善の利益を考慮しつつ、児童の意見・意向を勘案して措置を行うため、児童の意見聴取等の措置を講ずることとする。都道府県は児童の意見・意向表明や権利擁護に向けた必要な環境整備を行う。
5.一時保護開始時の判断に関する司法審査の導入【児童福祉法】→児童相談所が一時保護を開始する際に、 親権者等が同意した場合等を除き、 事前又は保護開始から7日以内に裁判官に一時保護状を請求する等の手続を設ける。
6.子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上【児童福祉法】→児童虐待を受けた児童の保護等の専門的な対応を要する事項について十分な知識・技術を有する者を新たに児童福祉司の任用要件に追加する。
7.児童をわいせつ行為から守る環境整備(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に先駆けた取組強化)等【児童福祉法】→児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を行うとともに、ベビーシッター等に対する事業停止命令等の情報の公表や共有を可能とするほか、 児童福祉施設等の運営⇒国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項に児童の安全の確保を加えるなど所要の改正を行う。
・施行期日→令和6年4月1日(ただし、5は公布後3年以内で政令で定める日、7の一部は公布後3月を経過した日、令和5年4月1日又は公布後2年以内で政令で定める日)

○こども家庭センターの設置とサポートプランの作成(1.@関係)→市区町村において、子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の設立の意義 や機能は維持した上で組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関 (こども家庭センター)の設置に努めることとする。 ※ 子ども家庭総合支援拠点:635自治体、716箇所、子育て世代包括支援センター:1,603自治体、2,451箇所 (令和3年4月時点)。 この相談機関では、妊娠届から妊産婦支援、子育てや子どもに関する相談を受けて支援をつなぐためのマネジメント(サポートプランの作成)等を担う。 ※ 児童及び妊産婦の福祉に関する把握・情報提供・相談等、支援を要する子ども・妊産婦等へのサポートプランの作成、母子保健の相談等を市区町村の行わな ければならない業務として位置づけ。
○市区町村における子育て家庭への支援の充実(1.A関係)→要支援・要保護児童(※1)は約23万人、特定妊婦(※2)は約0.8万人とされる中、支援の充実が求められている。 ※1 保護者への養育支援が特に必要、保護者による監護が不適当な児童 ※2 出産前において出産後の養育支援が必要な妊婦。  地域子ども・子育て支援事業⇒訪問型支援、通所型支援、短期入所支援の種類・量・質の充実を図るととも に、親子関係の構築に向けた支援を行う。  市区町村⇒計画的整備を行い、特に、支援が必要な者に対しては市区町村が利用勧奨・措置を実施する。

○都道府県等・児童相談所による支援の強化(2.関係)→児童相談所の業務負荷が著しく増大する中で、民間と協働し、支援の強化を図る必要がある。 このため、民間に委託した場合の在宅指導措置の費用を施設等への措置の費用と同様に義務的経費にするとともに、 @ 措置解除等の際に親子の生活の再開等を図るため、親子再統合支援事業を制度に位置づける。 A 家庭養育の推進により児童の養育環境を向上させるため、里親支援センターを児童福祉施設として位置づける。
・妊婦に対する寄り添いや心理的ケア、出産支援、産後の生活支援など支援を必要とする妊婦に対する包括的な支援事 業を制度に位置づける。
○社会的養育経験者の自立支援(3.@関係)→施設入所等の措置等を解除された者等(措置解除者等)の実情を把握し、その自立のために必要な援助を行うことについて、都道府県が行わなければならない業務にするとともに、 @ 児童自立生活援助事業の対象者等の年齢要件等を弾力化する、 A 生活・就労・自立に関する相談等の機会や措置解除者等の間の相互相談等の場を提供する事業を制度に位置づけ る。 ※ 措置解除者等:年間7,964人(令和元年度)
○子どもの意見聴取等の仕組みの整備(4.関係)→都道府県等で引き続き子どもの権利擁護の取組みを推進するため、 @ 子どもの権利擁護の環境整備を行うことを都道府県等の業務として位置づけ、 A 都道府県知事又は児童相談所長が行う措置等の決定時において、子どもの意見聴取等を行うこととし、 B 子どもの意見表明等を支援するための事業を制度に位置づけ、その体制整備に努めることとする。

○一時保護の開始時の司法審査等(5.関係)↓
<一時保護開始時の適正手続の確保(司法審査)
>→一時保護の適正性の確保や手続の透明性の確保のため、一時保護開始の判断に関する司法審査を導入。⇒裁判官が発付する一時保護状による方法(事前又は保護開始から7日以内に児童相談所は書面で請求)とする。 対象として、親権者等が一時保護に同意した場合や請求までに一時保護を解除した場合等は除く。 児童虐待のおそれがあるときなど、一時保護の要件を法令上明確化。その要件に該当するときは、明らかに一時保護の必要がないと認めるときを除き、裁判官は一時保護状を発付する。 一時保護状発付の請求が却下された場合、一時保護を解除した際に子どもの生命及び心身に重大な危害が生じる おそれがあるときには、児童相談所からの不服申立手続を設ける(却下の翌日から3日以内にその取消を請求)
<一時保護所の設備・運営基準の策定等> →ケアの困難度が高い子どもの入所という一時保護所の特性を踏まえ、新たに設備・運営基準を策定し、下記の内容を規定。⇒平均入所率が100%を超えている一時保護所がある自治体は、定員超過解消のための計画を策定。その場合には、国が重点的に支援を実施し、 施設整備等を進めることにより、一時保護所の環境改善を目指す。  一時保護所におけるケアの質を外部の視点でチェックし、必要な改善につなげるため、一時保護所が第三者評価を受けることとする。 児童相談所が措置を講じるに当たって、地方自治体、医療機関、医学に関する大学、児童福祉施設、子どもが在籍 する学校など関係機関から、情報の提供や意見の開陳など必要な協力を求めることができることを明記する。
○子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上(6.関係)→子ども家庭福祉の現場にソーシャルワークの専門性を十分に身につけた人材を早期に輩出、まずは、一定の実務経験の ある有資格者や現任者について、国の基準を満たした認定機関が認定した研修等を経て取得する認定資格(※)を導入。 ※ 名称は今後検討。 この新たな認定資格は、児童福祉司の任用要件を満たすものとして児童福祉法上位置づける(※1)。現場への任用が進むよう、児童相談所のスーパーバイザーになりやすい仕組み(概ね5年→概ね3年の実務経験(※2))や施設等に配置するインセンティブを設定。 ※1:児童虐待を受けた児童の保護等の専門的な対応を要する事項について的確な措置を実施するのに十分な知識等を有する者として規定し、認定機関の認定の枠組み等は下位法令等に規定。 ※2:要件の短縮は、他のソーシャルワークの現場での経験があるなど、子ども家庭福祉の実践的な能力がある場合に限ることとする。  新たな認定資格の取得状況その他の施行の状況を勘案するとともに、下記(※)の環境を整備しつつ、児童の福祉に関し専門的 な知識及び技術を必要とする支援を行う者に関して、その能力を発揮して働くことができる組織及び資格の在り方について、 国家資格を含め、認定資格の施行(R6.4)後2年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる(◎)。 ※その者が実施すべき業務の内容、必要な専門的な知識・技術や教育課程の内容の明確化、養成するための必要な体制の確保、その者がその能力を発揮して働くことができる場における雇用の機会の確保
○児童をわいせつ行為から守る環境整備(7.関係)(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に先駆けた取組強化)→わいせつ行為を行ったことにより登録 を取り消された者等については、その 後の事情から再登録が適当である場合 に限り、再登録することができる。わいせつ行為により保育士の登録を取 り消された者等の情報が登録された データベースを整備するなどわいせつ 行為を行った保育士の情報を、保育士 を雇用する者等が把握できるような仕 組みを構築する。

○児童発達支援センターの役割・機能の強化(1.B関係)→<改正案の内容> ↓
@ 児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことを明確化
。⇒ これにより、多様な障害のある子どもや家庭環境等に困難を抱えた子ども等に対し適切な発達支援の提供につなげるとともに、地域全体の障害児支援の質の底上げを図る。↓
 <「中核的役割」として明確化する具体的な役割・機能のイメージ> @ 幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能 A 地域の障害児通所支援事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーション機能(支援内容等の助言・援助機能) B 地域のインクルージョン推進の中核としての機能 C 地域の障害児の発達支援の入口としての相談機能。
A 児童発達支援センターの類型(福祉型・医療型)の一元化を行う⇒ これにより、障害種別にかかわらず、身近な地域で必要な発達支援を受けられるようにする。

○障害児入所施設からの円滑な移行調整の枠組みの構築(3.A関係)
<改正案の内容>
→@ 障害児入所施設から成人としての生活への移行調整の責任主体(都道府県及び政令市)を明確化する。 <都道府県・政令市が取り組む内容> @ 関係者との協議の場を設ける A 移行調整及び地域資源の整備等に関する総合的な調整を行う 等 A 一定年齢以上の入所で移行可能な状態に至っていない場合や、強度行動障害等が18歳近くになって強く顕在化して きたような場合等に十分配慮する必要があることから、22歳満了時(入所の時期として最も遅い18歳直前から起算し て5年間の期間)までの入所継続を可能とする。 (注)現行法において入所できる児童の年齢は原則18歳未満。20歳未満まで入所の延長が可能。
○児童福祉法等の一部を改正する法律の経緯↓
・令和4年6月8日→参・本会議において修正案にて全会一致で可決し、成立。


◎資料2−2 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
○衆議院 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
→1〜20項目。
○参議院 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議→1〜27項目。


◎資料2−3 児童福祉法改正法施行に向けた進め方 (スケジュール)
・「施行」「改正事項」「R4〜R7」→進め方あり。
・司法審査の施行→実務者作業チーム(令和4年8月〜)・府令改正・マニュアル検討・施行マニュアル公表後⇒R7.5〜6月施行予定。
※ R6年4月に向け、R4、5年度は、令和3年度補正予算(安心こども基金)等を活用し先行的な取組を実施。


◎資料2−4 児童福祉法施行令の一部を改正する政令案及び児童福祉施設の設備及び運 営に関する基準等の一部改正案
○児童福祉施設に対する実地検査に係る政令等の改正について(1〜4)↓
1.現行制度(児童福祉法施行令第38条)
→都道府県知事は一年に一回以上、実地につき検査させなければならない。
2.分権提案及びその対応↓
【提案内容】
→ (略)昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点より、現地への立入を控えている。(略)今後もしばら く実地での監査の未実施が続く可能性が高い。そのため、今般のコロナ禍のような状況下においても法定の指導監査が 実施できるよう、現地を伴わずリモート等による実施について検討をお願いしたい。
【対応方針】(令和3年の地方からの提案等に関する対応方針(令和3年12月21日閣議決定)抄)→(2)児童福祉法(昭22法164)⇒⇒ (I)児童福祉施設に対する一般指導監査⇒新型コロナウイルス感染症等の感染拡大防止の観点から、実地 によらない方法での実施を可能とする方向で見直すことを検討し、令和3年度中に結論を得る。その結果に基づい て必要な措置を講ずる。
3.研究会の報告→新型コロナウイルス感染症の流行状況や他の福祉施設についての対応等を踏まえ、実地によるものを原則とした上で、 @対象となる児童福祉施設の所在地における感染症の流行状況を踏まえ、実地による監査を控えるべき事情がある と認められ、かつ、直近の監査において大きな問題が確認されていない、 A対象となる児童福祉施設の前年度の実地監査の結果、適正な運営が確保されている 等のいずれかの場合においては、例外的に書面監査を可能とすることが適当であり、そのための法令上の措置を講ずるべきと考える。 注 報告書では、Aの場合であっても、設置後一定年数を経過している施設を対象とすべきとされている。
4 . 今後の予定→報告書の内容に沿った以下の内容で政令等の改正を実施予定(現在パブリックコメント集計中)。 引き続き実地検査を原則。 例外的に、天災その他やむを得ない事由により当該年度内に実地検査を行うことが著しく困難又は不適当と認められる場合、前年度の実地検査の結果その他厚生労働省令で定める事項(児童福祉施設等を設置してからの年数を規定予定)を 勘案して実地検査が必ずしも必要でないと認められる場合、 には、実地によらずとも検査を実施できることとする。

○児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部改正について
・改正事項
→(予定)@ 児童福祉施設における児童の安全確保のための計画策定の義務化 A 児童福祉施設における業務継続計画策定等の努力義務化 B 保育所と児童発達支援事業の併設を可能とするため、設備及び人員の専従規定の緩和 C 保育所における看護師等のみなし配置に関する乳児の在籍人数要件の見直し⇒各改正事項については、追って留意事項等をお示しする予定。
・改正スケジュール(予定)→本年8月中旬〜9月中旬 パブリックコメント実施中。本年10月上旬以降 公布。令和5年4月 施行。

@児童福祉施設等における安全計画の策定について→保育所を始めとする児童福祉施設等が児童の安全を確保するための計画を策定することを義務付ける省令改正を予定。
(参考)衆・厚生労働委員会での修正趣旨と参 ・厚生労働委員会での附帯決議→保育所が送迎バス等の付加的サービスを含めた児童の安全確保に関する計画を策定することを、都道府県等が従うべき国の運営基準として定めること。その際、計画内容の職員間の共有や体制確保、定期的な訓練や研修、保 護者への説明の実施などにより、その実効性を確保させること。
A児童福祉施設等における業務継続計画の策定について→保育所を始めとする児童福祉施設等が業務継続計画を策定すること等を努力義務とする省令改正を予定⇒障害児入所施設を含めた他の社会福祉施設における取組を踏まえれば、児童福祉施設でも、業務継続に向けた計画の策定を進めるべき。
Bインクルーシブ保育について→保育所と児童発達支援事業の併設を可能とするため、設備及び人員の専従規定の緩和を行う。⇒「それぞれで 保育・療育を行う場合」「がともに保育・療育を行う場合」の例降り。
(参考)地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会 取りまとめ (令和3年12月20日)概要(抜粋)→「保育所と児童発達支援との一体的な支援(インクルーシブ保育)を可能とす るための規制の見直し」の項目あり。
C保育所における看護師等のみなし配置に関する人数要件の撤廃について→保育所におけるみなし看護師等の雇用に当たっての乳児の在籍人数要件を一定の要件の下で撤廃する省令改正を予定。⇒乳児の在籍人数の要件を撤廃することとするが、これに伴い、条文上は看護師等のみで乳児への保育を行うことが 可能となってしまうことから、別途、保育士と合同で保育を行う旨の要件を課すとともに、各々の看護師等の最低 限の資質の確保の観点から、保育に係る一定の知識と経験を有することを要件として明確化する。 ※一定の知識と経験についての具体的な要件は別途通知で示すこととする

次回も続き「資料3−1 児童虐待相談対応件数及び死亡事例数」からです。

第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2022年09月24日(Sat)]
第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和4年9月13日)
《議題》(1)資金移動業者の口座への賃金支払について (2)労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27962.html
◎資料 No.1 資金移動業者の口座への賃金支払について 課題の整理↓
○資金移動業者の口座へ賃金支払を行う場合の制度設計案(骨子)→(1)使用者の労働者の同意を得た場合の賃金の支払について⇒銀行口座への振込、一定の要件を満たす証券総合口座への払込は、引き続き可能。 資金移動業者の口座への賃金支払⇒使用者が労働者に強制しないことが前提。(2)(指定の要件→@〜D)。(3)厚生労働大臣の指定を受けようとする資金移動業者⇒@〜Dの要件を満たすことを示す申請書を厚生労働大臣に提出。厚生労働大臣⇒@〜D の要件を満たさなくなった場合には、指定を取り消すことができる。


○労働条件分科会における主な意見と具体的な検討の方向性@〜F
(1) 労働者の同意→9つの主な意見⇒意見ごとに具体的な検討の方向性あり。
・銀行口座等への振込と同様に、労使協 定を締結する取扱とすることが必要。→事業場内でのルール設定をする際、銀行口座等と同様に、@対象労働者の範囲、 A対象となる賃金の範囲及びその金額、B取扱資金移動業者の範囲、C実施開 始時期などについて、労使協定を締結することとする。
(2) 資金移動業者の指定要件→10の主な意見⇒意見ごとに具体的な検討の方向性あり。
・不正防止。アカウントの有効期限( 10年間は確保)。<資金保全><報告体制><技術的能力・社会的信用>など。
3)厚生労働省による指定・指定取消→3つの主な意見⇒意見ごとの具体的な検討の方向性あり。
・指定要件を満たさなくなった 場合の指定取消、2階部分の指定要件、金融庁との連携。
(4)その他(制度普及の観点等)→3つの主な意見⇒意見ごとの具体的な検討の方向性。
・賃金支払専用の口座、銀行振込の支払実務の制度化、報告の周知など。

○「会員の資金移動業者が提供する資金移動サービスに関する不正取引の発生状況等に関するとりまとめ結果について」 一般社団法人日本資金決済業協会HPより(令和4年8月2日)(抄)→「資金移動サービスに関する不正取引の発生状況等に関するとりまとめ結果について」「補償せずの取扱いとなる事例について」 参照。
○保証機関が介在する資金保全スキームの概要と厚生労働省の審査方法(イメージ)→保証機関が介在する資金保全スキームの場合、厚生労働省は指定時・指定後に、@保証機関が金融機関との契約等により 一時的な資金需要に対応する手段を有すること、A想定される要履行保証額が調達可能額の範囲内に収まることを確認。 加えて、保証機関の財務状況等を定期的に確認。一時的な資金需要への対応や保証機関の財務状況等に問題があれば、 資金保全の要件を満たさないとして指定取消を検討。

○令和3年1月28日/2月15日/3月16日/4月19日/令和4年3月25日/4月27日/5月27日 労働政策審議会労働条件分科会の主な意見(ペイロール関係)@〜F↓
・12の論点に対する対応の「主な意見」あり。⇒銀行口 座との 比較、資金保全、不正引出し等へ の対応、換金性、制度化のニー ズ、導入に当たっ ての企業実務 @A、労働行政と監督指導の関係に ついて、個人情報保護、本人同意、滞留規制、その他など。参照。

《参考資料@ 資金移動業の規制等(1階部分)》
○資金移動業者の口座への賃金支払を認める場合に必要な規制のイメージ
→現行では、資金決済法等に基づき、「利用者の保護及び資金移動業の適正かつ確実な遂行」の観点から、 全ての資金移動業者に必要な規制がなされている(『1階部分』)。 仮に資金移動業者の口座への賃金支払を認める場合には、『1階部分』に加えて、労働基準法施行規則 に基づき、「賃金の確実な支払」を担保するための要件を満たす一部の資金移動業者のみに限定すること が必要(『2階部分』)。

○資金移動業について@A→金移動業者とは、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)に基づき、内閣総理大臣(財務局長に委任)の登録を受けて、銀行その他の金融機関以外の者で、為替取引を業として営む者。(2022年7月末時点:85事業者)。 一回当たりの送金額上限は、100万円以下。(政令で規定。) ※ 2020年6月に資金決済法が改正され、高額送金を取扱可能な類型を創設するなど3類型に分類(2021年5月1日施行)。
・登録の要件→@〜H役員に不適格者がいないこと。
・事業者への主な規制→(1)履行保証金の供託等(当該期間の末日から1週間以内に供託。) (2)情報の安全管理 (3)委託先に対する指導 (4)利用者の保護等に関する措置(5)犯罪収益移転防止法における取引時確認   参照。
・金融庁・財務局による監督等→財務局への報告書の提出。 <資金移動業に関する報告書(年1回)、未達債務の額等に関する報告書(年2回)> ※未達債務の額等に関する報告書については、改正資金決済法において年4回の提出が必要。 報告徴収、立入検査。業務改善命令。 業務停止命令、登録の取消しなど。

○資金移動業における口座開設時の本人確認(取引時確認)→犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」という。)では、銀行や資金移動業者等の特定事業者は、顧客等と の間で預貯金契約の締結や為替取引等の特定取引を行う際に、省令に定める方法(※)により、顧客等について、取引時確認 を行わなければならないこととされている。
(※) 犯収法施行規則→取引時確認の方法⇒顧客が自然人の場合、対面取引における本人確認書類の提示や、非対面取引における本人 確認書類用画像情報の送信等によるほか、預貯金口座における口座振替の方法により決済される取引→あらかじめ当該口座が開設されている銀行等と合意することにより、@当該銀行等が預貯金契約を締結する際に顧客等の取引時確認を行い、A当該取引時確認に係る確 認記録を保存していることを確認することによる方法も認められている。 なお、令和3年2月26日に改正された金融庁の事務ガイドライン(資金移動業者関係)→「口座振替サービスとの連携に際し、資金移動業の利用者⇒公的個人認証その他の方法により実効的な取引時確認を行い、本人確認書類等により確認した当該利用者の情報と連携先が 保有する情報を照合することにより、当該利用者と預貯金者との同一性を確認するなど、適切かつ有効な不正防止策を講じている」こと、「資金 移動業者における不正防止策は、連携先の銀行等における不正防止策の内容と重複しないものとする必要がある」こととされている。
○資金移動業の利用状況等→「年間取扱額及び年間送金件数の推移」「送金額及び利用者資金残高の分布」「各社の資本金の状況」「金融庁・財務局によるモニタリングの状況→これまで破たん事例なし。(2022年2月末時点)」
○令和2年資金決済法改正の概要 (令和3年5月1日施行)→【法改正のポイント】⇒資金移動業に、現行類型に加え、新たに高額類型と少額類型を設け、送金額に応じた規制を適用。 具体的には、類型ごとに、利用者資金の滞留の可否や保全方法に差を設ける。
○銀行、資金移動業者の比較@〜D→「許認可等」「資本要件」「セキュリティ対策」「マネー・ローンダリング対策」「換金性」「個人情報」「破綻した場合の資金保全」「不正払戻しの補償」について比較。各項目の参照。
○「インターネット・バンキングにおける預金等の不正な払戻しについて」 一般社団法人全国銀行協会HPより(平成28年6月14日)(抄)→(別紙2)補償減額または補償せずの取扱いとなりうる事例について   参照。
○「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果 一般社団法人全国銀行協会HPより(令和4年6月24日)(抄)→【別紙2】の図参照。

《参考資料A その他》
○資金移動業者の口座への賃金支払に係る近時の決定
・「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月7日閣議決定)
→資金移動業者が破綻した場合に十分な額が早期に労働者に支払われる保証制度等のスキームを構築しつつ労使団体と協議の上2022年度できるだけ早期の制度化を図る。
・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和4年度改訂)(令和4年6月14日外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議決定)→資金移動業者が破綻した場合に十分な額が早期に労働者に支払われる保証制度等のスキームを構築しつつ、労使団体と協議の上、令和4年度(2022年度)のできるだけ早期の制度化を図る。〔内閣府(地方創生)、厚生労働省、金融庁〕《施策番号119》

○賃金の「通貨払の原則」について→労働基準法では、賃金は通貨払いが原則であるが、現行の労働基準法施行規則では、その例外として、労働者 の同意を得た場合、@銀行口座への振込とA証券総合口座への払込による賃金支払が認められている。
○銀行口座・証券総合口座への賃金支払を行う際の現行の取扱→賃金の口座振込み等について(平成10年9月10日基 発 第 5 3 0 号 ※労働省労働基準局長から都道府県労働基準局長宛の通知) 参照。

○資金移動アカウントを利用する場合の資金の流れのイメージ@→利用者の資金移動アカウントに一定額ある場合、利用者は当該資金の債権を資金移動業者に対して有する一方、 実際の資金は資金移動業者の銀行口座にある。たとえば、利用者の銀行口座から利用者の資金移動アカウントに一定額をチャージし、店舗で当該額の決済を 行う場合、当該資金の権利保有者と実際の資金の流れのイメージは以下のとおり。⇒【利用者の銀行口座から利用者の資金移動アカウントに一定額をチャージし、店舗で当該額の決済を行う場合のイメージ】参照。
○資金移動アカウントを利用する場合の資金の流れのイメージA→仮に資金移動アカウントへの賃金支払が認められ、使用者が労働者の資金移動アカウントに賃金(の一部)を支 払う場合、当該資金の権利保有者と実際の資金の流れとして想定されるイメージは以下のとおり。たとえば、使用者が労働者と同じ資金移動業者のアカウントを開設する場合、使用者の資金移動アカウントから 労働者の資金移動アカウントへの賃金支払により、実際の資金は資金移動業者の銀行口座から移動しないものの、 当該資金の権利保有者は使用者から労働者に移ることとなる。⇒【使用者が労働者の資金移動アカウントに賃金(の一部)を支払う場合のイメージ(例)】 参照。
○資金移動業者の口座への賃金支払を行う場合に考えられる振込エラーの原因と対応策の例→「考えられる振込エラーの原因→(1)〜(3)参考」⇒(1)〜(3)の対応例あり。

○資金移動業者の口座への賃金支払に関する労働者のニーズと考えられる背景
・公正取引委員会「QRコード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告書」(令和2年4月21日)→ノンバンクのコード決済事業者のアカウントに対して賃金の支払が行えるようになった場合,約4割の利用者が,自身が利用するコード決済サービスのアカウントに賃金の一部を振り込むことを検討と回答,一定のニーズがあると考えられる。
【考えられる背景】 ↓

1.QRコード等によるキャッシュレス決済が普及していること⇒ 2022年6月時点「月間アクティブユーザー数」(月に1回支払ったことがある人の数の6社の合計は約5110万人。
2.銀行口座から資金移動業者口座へのチャージを行う手間がなくなること
3.銀行口座と資金移動業者口座の間で連携できず、チャージできないケースがあること

○資金移動業者の口座への賃金支払に関する労働者のニーズ調査(令和2年以降)→キャッシュレス利用者のうち、4分の1程度は、「給与デジタル払いが可能になったら、制度を利用したい」と回答。 利用方法⇒35.2%が「給与の1割〜3割程度」の振込を希望。
○労働者及び使用者が資金移動業者の口座への賃金支払を選択する場面等の整理→@〜B参照。
○資金移動業者が破綻した場合の資金保全のスキームの例→資金移動業者が破綻した場合に、資金移動業者の口座にある賃金について、@十分な額が、A早期に、労働者に支払 われる仕組みとして、例えば以下のようなスキームが考えられる。


◎資料 No.2 労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
○労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
・趣旨・経緯
→労働基準法等に基づく届出等⇒規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)等を踏まえた 押印原則の見直しに併せ、電子申請における電子署名の添付を不要とすることとした。(令和3年4月1 日施行)。 その際の本分科会の議論⇒「電子申請の利便性向上は急務である一方、今後、電子署名が普及し、行政手続の標準になる可能性も将来的にはあるかもしれない」といった指摘があり、電子申請の件数や利用率、利用率引上げに向けた取組の実施状況等について、本分科会において御審 議いただくもの。
○電子申請件数と利用率(令和3年)→過去5年の電子申請利用率の推移も参照。
○電子申請利用率向上に向けた取組@A→1.電子署名添付の不要化(R3.4〜) 2.電子申請に限った本社一括届出の要件緩和(R3.3〜) 3.API連のための労働基準法等関係手続に関する仕様公開(R3.6〜) 4.電子申請促進のための広報・啓発 5.ユーザビリティ向上のためのシステム改修 6.一年単位の変形労働時間制に関する協定届の本社一括届出の開始 各項目の参照。
○(参考)ユーザビリティ向上のためのシステム改修のイメージ→ 例:36協定届エラーチェック機能等の改善   参照。

次回は新たに「第52回社会保障審議会児童部会 資料」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月23日(Fri)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月14日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料4 家計改善支援等のあり方について
○生活困窮者家計改善支援事業について
・【現状と課題】
→平成30年改正法によって努力義務化を行った結果、令和3年度の実施率は約7割(令和4年度には8割を超える見込み)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和2年度の利用者数は令和元年度と比べ約1.4倍に増加。また、自立相談支援事業と併せた一体的実施を促進するため、就労準備支援事業及び家計改善支援事業との 緊密な連携を図る体制が確保されている場合⇒家計改善支援事業の補助率を引き上げることとした。 その結果、就労準備支援事業・家計改善支援事業の両事業を実施している割合は増加しており、両事業を実施している自治体の方が、そうでない自治体に比べて、新規相談受付件数やプラン件数が多いとの効果。家計改善支援事業⇒「家計の収支バランスが悪い」や「債務整理や滞納に関する課題を抱えている」といった相談者が多く、自治体の中には、本事業を利用することによって、債務・滞納の解消や世帯への包括的な支援に役立ったといった効果が見られた例も。一方で、家計改善支援事業を実施していない自治体の理由として「自立相談支援機関で対応できているから」と答えた割合が最も高い。ただし、実施自治体の方が、未実施自治体に比べて支援対象者に対して実施できている家計支援の程度が充実している傾向にある。また、未実施自治体のうち約半数が、利用ニーズについて「把握していない」と回答。家計改善支援事業の広域実施⇒「想定している」又は「必要性を感じているが実施は難しい」とする自治体は未実施自治体の約2割であっ た
・【考え方】→自立相談支援機関の相談⇒特に高齢者の「家計管理」に関する課題が多く見られること、またコロナ禍で顕在化した生 活困窮者の生活の立て直しなど、特にコロナ後の相談支援において欠かせない支援であることから、全国どこでも必要な支援を受けられ るようにする必要がある。 その場合、自治体内の支援ニーズが少なかったり、自治体内の社会資源が限られているような小規模自治体もあり、このような自治体に対しては、例えば広域連携による事業の実施に向けた支援を行う等の配慮が必要。
・【論点】→家計改善支援事業⇒必須事業化することについてどのように考えるか。小規模自治体でも円滑に事業が実施できるよう、例えば広域連携による実施を推進してはどうか。

○生活困窮者家計改善支援事業と他制度との連携について
・【現状と課題】
→家計改善支援事業の支援のうち生活福祉資金の貸付あっせん書を作成した者⇒貸付決定されたものは約9割。貸付利用希 望者に対する支援として「償還開始後も、一定期間、伴走支援を行っている」自治体は約4割。 新型コロナウイルス感染症対応のための緊急小口資金等の特例貸付を利用された方の中には、家計改善支援事業を利用して、家計 計画表の作成などを通じて生活費と事業費の区分けを行い、その方自身で家計管理ができるようになった事例もみられている。生活福祉資金貸付制度のうち、特に総合支援資金、緊急小口資金⇒貸付の申込があった際には自立相談支援機関へつないだり、 貸付決定から償還開始までの間に情報交換を図る等、自立相談支援事業と連携する枠組みとなっている。  成年後見制度⇒今年3月に閣議決定された「第二期成年後見制度利用促進基本計画」で「権利擁護支援」の考え方が 位置付けられた。同計画では「総合的な権利擁護支援策の充実」に向け、生活困窮者自立支援制度等との連携も考慮しつつ、日常生活自 立支援事業の実施体制の強化に取り組むこととされている。 また、今年度より「持続可能な権利擁護支援モデル事業」を実施。金銭管理に関するテーマとして、日常生活自立支援事業の支援に市町 村社協以外の法人や事業者が参画する取組や、日常的な金銭管理等を通じた地域生活上の意思決定支援による取組が検討されている
・【考え方】→生活福祉資金制度⇒家計改善支援事業が関与していくことは、両制度の効果的な実施に資すると考えられるため、例えば、生活 福祉資金の貸付の際には、必要に応じて、貸付決定から返済、償還免除等にも家計改善支援事業が関わり、その後のフォローアップ支援につなげるなど、家計改善支援事業と生活福祉資金貸付制度との連携を強化することが重要。 また、金銭管理支援の観点⇒本人の判断能力が不十分で日常生活に支障が生じている場合や本人保護など権利侵害の回復支 援の視点からの支援が必要な場合は、社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業や成年後見制度につなぐことも想定され、日頃か らこれらの事業・制度との連携を進めることが重要。
・【論点】→生活福祉資金貸付制度とどのような連携が考えられるか。 社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業や成年後見制度などの権利擁護支援策とどのような連携が考えられるか。

○被保護者に対する家計改善支援等のあり方について
・【現状と課題】→被保護者家計改善支援事業⇒世帯の自立に向けて家計に関する課題を抱える被保護者世帯に対する家計管理方法の提案支援を行う、大学等への進学を検討している高校生等のいる世帯の進学に向けた費用についての相談や助言等を行うもので現在、予算事業として行われている。 一方、被保護者家計改善支援事業の令和3年度の実施自治体数は、77自治体(実施率:8.5%)にとどまっている
。 また、被保護者の中には、依存症を抱えていたり、家計管理能力に課題がある等、金銭管理支援を必要とする状態像の者もおり、金 銭管理支援に対するニーズは相当程度あると考えられる。 金銭管理支援は、対象者像や支援内容の面で、被保護者家計改善支援事業とは一定の違いがある。このため、金銭管理支援を実施する場合⇒個別支援プログラムの一つとして金銭管理支援プログラムを策定した上で、直営又は委託事業として実施している。 また、利用条件が合えば、事業内容が類似する日常生活自立支援事業の活用も可能。新規契約締結件数のうち生活保護受給者 が占める割合は、全体の40%以上に上っている
・【考え方】→被保護者家計改善支援事業は、家計に焦点を当てた個別的な働きかけを通じて、家計改善の意欲、更には生活力を高め、自力で家計管理を行うことを支援するもの、生活の質の向上や自立に向けた基盤づくりにも効果があると考えられる。このため、より多くの被保護者が本事業による支援を受けられるようにする必要があり、制度をまたいだ本人に対する支援の 継続性・一貫性の確保や、地域の支援資源の有効な活用の観点から、生活困窮者自立支援制度との連携を検討する必要がある。 被保護者が必要に応じて金銭管理支援を受けることができる機会を確保することが必要。
・【論点】→より多くの被保護者が支援を受けられるようにする等の観点から、任意事業として法定化する とともに、被保護者家計改善支援事業に代えて、生活困窮者家計改善支援事業の中で被保護者も支援できるようにすることについて、被保護者に対する金銭管理支援を推進するため、日常生活自立支援事業との関係も踏まえた上で、どのような取組が考えられるか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者家計改善支援事業について
→家計の状況を把握することや家計の改善の意欲を高めることを支援するため、家計表等 を活用し、本人を含む世帯全体の家計収支等に関する課題の評価・分析(アセスメント)を行い、状況に応じた家計再生プランを作成。具体的な支援業務⇒ @ 家計管理に関する支援(家計表等の作成支援、出納管理等の支援) A 滞納(家賃、税金、公共料金等)の解消や各種給付制度等の利用に向けた支援 B 債務整理に関する支援(多重債務者相談窓口との連携等) C 貸付のあっせん 等を行う。⇒効果(家計に対して指導を行う事業ではない)→自力で家計管理できるようになり、世帯としての家計基盤が整うことにより、将来の収支変動にも 対応可能に。 滞納している税・公共料金等や債務等を解消することにより、生活が安定。

○生活困窮者家計改善支援事業の現状→家計改善支援事業の実施自治体数は毎年増加しており、令和4年度は8割を超える見込み。 コロナ禍の影響により、令和2年度の利用者数は令和元年度と比べ約1.4倍の増加となっている。 利用者像としては、「家計の収支バランスが悪い」、「債務整理や滞納に関する課題を抱えている」、「家計の 状態を把握できない」といった相談者が多い。⇒1.実地自治体数の推移 2 . 利 用 者 像 参照。

○生活福祉資金貸付制度の概要→目的 低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより、その経済的自立及び生活意 欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的。貸付対象:
(低所得世帯)→必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税相当)。 (障害者世帯)→身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯。 (高齢者世帯)→65歳以上の高齢者の属する世帯。資金の種類あり。貸付金利子→連帯保証人を立てた場合 無利子。連帯保証人を立てない場合 年1.5%。
○生活困窮者自立支援制度との連携→生活福祉資金貸付制度は、自立相談支援事業と密接な連携を図りながら対応することで、両制度がともに、より効果的、効率的に機能することが期待されている。その観点から、特に総合支援資金、緊急小口資金については平成27年度から見直しを行い、現状では、以下(【総合支援資金・緊急小口資金の大まかな流れ】参照。)のような流れで両制度が連携する枠組みとなっている。 ※ 自立相談支援事業のプラン作成(2〜4)と貸付の審査決定・貸付金の交付等(A〜B)のタイミングや、プ ラン終結(6)と償還開始(E)のタイミングは、個別ケースにより様々。

○持続可能な権利擁護支援モデル事業の概要→「第二期成年後見制度利用促進基本計画」の期間(令和4年度〜8年度)に2025年を迎え、認知症高齢者の増加などによ り、成年後見制度の利用を含む権利擁護支援のニーズの高まりが想定される。相続や不動産売却処分などの法律行為が必要な 場合など、成年後見制度による支援が必要な方が適切に制度を利用できるようにするとともに、広範な権利擁護支援ニーズに 対応していくためには、多様な主体の参画を得て、権利擁護支援に係る新たな連携・協力による支援体制を構築することが肝 要。一方で、寄付等の活用や民間団体等の参画を促す際には、利益相反関係が生じる可能性があるなど、このような体制を全 国的に拡大していくためには、予めルールやスキームを整理する必要がある。 ○ 本事業では、自治体において、多様な主体の参画による権利擁護支援に係る連携・協力体制づくりをモデル的に実施し、新 たな支え合いの構築に向け、取組の効果や取組の拡大に向け解消すべき課題等の検証を行う。(事業の概要・スキーム・実施主体等 参照。)

○日常生活自立支援事業について 令和4年度予算額:生活困窮者自立支援法等関係予算594億円の内↓
<目的> 認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な者に対して、福祉サービスの利用に関する援助等を行うことにより、地域 において自立した生活が送れるよう支援する。
<実施主体> 都道府県社会福祉協議会又は指定都市社会福祉協議会。ただし、事業の一部を、市区町村社会福祉協議会等(基幹的社協等)に委託できる。 (令和2年度末現在の基幹的社協等は1,563ヵ所)(補助率)1/2 <事業の対象者> 判断能力が不十分な者であり、かつ本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者。 (令和2年度末実利用者数は56,761人)
<援助内容> @ 福祉サービスの利用援助 A 苦情解決制度の利用援助 B 住宅改造、居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民 票の届出等の行政手続に関する援助等 C @〜Bに伴う援助として「預金の払い戻し、預金の解約、預金の 預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)」 「定期的な訪問による生活変化の察知」
<新規契約締結件数の状況> 日常生活自立支援事業の新規契約締結件数は、 毎年12,000件弱で概ね横ばいとなっている。 新規契約締結件数のうち生活保護受給者の割合は、 毎年40%以上となっている(右図参照 P11へ。)。

○被保護者家計改善支援事業について↓
・ 世帯の自立に向けて家計に関する課題を抱える被保護者世帯に対する家計管理方法の提案支援を行うとともに、大学等への進学を検 討している高校生等のいる世帯に対する、進学に向けた費用についての相談や助言等を行う。(平成30年3月30日社援保発0330第12号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)「被保護者家計改善支援事業の実施について」)
・生活保護者受給者等の中には、家計の状況を把握し中長期的な生活設計を立てた上で日々の生活を組み立てることが難しい方が存在。生活保護受給中から家計管理のスキルを身につけることで、保護脱却後に再び生活保護の受給に至ることを防止することが期待される。
・ また、大学等に進学する子どもがいる世帯についても、進学前の段階から進学に受けた各種費用についての相談・助言、各種奨学金 制度の案内等により、子どもの進学や世帯全体の自立を促進することが期待される。 ※ 別途、生活保護受給者の家計管理の支援は、平成25年法改正により「収入、支出その他生計の状況を適切に把握する」ことが生活上 の義務として規定されたことも踏まえ、これまでは自立支援プログラムの一環として支援を行っている自治体もあり。
・実施主体⇒都道府県、市、福祉事務所を設置する町村(社会福祉法人、NPO等に委託可)
・補助割合は、国2/3 都道府県、市、福祉事務所を設置する町村1/3 令和4年度予算額:被保護者就労支援準備事業29.1億円の内数
・ 実施自治体数:77自治体(令和3年度実績)

○被保護者家計相談支援事業(H3 0年度〜R3年度実績)→実施自治体数は毎年増加しているが、総自治体数に占める実施率は依然として低調である。
○被保護者の金銭管理支援が必要な者の状態像→金銭管理の支援が必要な者の状態像としては、「支払いの滞納がある」が87.5%、「多重債務・過剰債務がある」 65.7%、「依存症がある」が63.9%であった。また「その他」が20.6%であった。

次回は新たに「第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月22日(Thu)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月14日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料3 就労支援のあり方について
○生活困窮者に対する就労支援全般について(他制度との連携を含む)
・【現状と課題】
→支援対象者の状態に応じて、自立相談支援事業におけるアセスメントやプランに基づき、ハ ローワークなどの関係機関や地域の事業所等との連携のもと、段階的な支援を実施。丁寧なマッチングや面接への同行支援等を行い、就労につなげている。就労支援の利用件数は年々増加。特に令和2年度は新型コロナの影響により、自治体の中には、就労準備支援事業において、様々な理由で移動手段が確保できない者に対して車による送迎を実施、送迎に係る燃料費用や車両の借り上げ費用は国庫補助の対象としている。 コロナ禍で、就労に関連する多様な支援ニーズが顕在化しており、ハローワークや職業訓練等の他制度との連携による就労支援の重要 性が増し、実際の連携も進んでいる。
・【考え方】→様々な状態の人が就労できる多様な就労支援のあり方や柔軟な支援体制を確保する仕組みをつくっていくことが必要。就労準備支援事業又は認定就労訓練事業によって実際の事業所における就労体験や就労訓練等を行うことは、コミュニケーション能力の習得や生活習慣の改善等を含めた就労支援のほか、居場所づくりなど幅広い社会参加支援の側面も あることから、利用促進を図っていくことが重要。また、生活困窮者に対する就労支援には複数のフェーズが存在するが、それぞれのフェーズ毎に支援が分断されるのではなく、一貫した支援が必要。顕在化した多様なニーズ⇒労働関係施策や障害者への就労支援施策等の他の就労支援制度との連携をより一層進めることが 重要。
・【論点】→就労支援に加え、居場所づくりなど幅広い社会参加を支援していく観点から、就労準備支援事業及び認定就労訓練事業の利用を促進するためには? 受入企業の開拓から就労後の支援対象者・受入企業双方に対するフォローアップまで一貫して行うことができる体制が必要。 支援対象者の多様なニーズに対応するため、職業訓練等の他の就労支援制度とどのような連携が考えられるか。

○生活困窮者就労準備支援事業について
・【現状と課題】
→自立相談支援機関における相談の「出口」のツールとして、いずれの自治体においても求められるものであることから、平成29年の部会報告書⇒「法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治 体で実施されるようにすべき」とされた。当時の実施率が約4割にとどまっていた状況。平成30年改正法によって努力義務化を行った結果、令和3年度の実施率は約7割(令和4年度には8割を超える見込み)。「自立意欲の向上・改善」「社会参加 機会の増加」の変化幅が顕著に見られるなどの効果あり。一方で、実施率は、福祉事務所設置町村において低い。実施しない理由としては、「予算を確保するの が難しいから」と答えた自治体が最も多い。
・【考え方】→相談支援機関における相談では、相談者の年代を問わず「就職活動困難」に関する課題が多く見られ、これらの課題に対する支援となる 就労準備支援事業については、全国どこでも必要な支援を受けられるようにする必要がある。
・【論点】→必須事業化することについてどのように考えるか。その際、小規模自治体においても円滑に事業が実施できるよう、例えば広域連携による実施を推進してはどうか。

○生活困窮者認定就労訓練事業について
・【現状と課題】
→制度創設当初から、認定件数や、管内に認定事業所が1つ以上ある認定主体自治体(都道府県・指定市・中核市)は着実に増加。しかし、認定件数の累計は令和2年度までで約2,000件にとどまる。認定就労訓練事業所利用件数⇒令和2年度においては547件と未だ低調。一方で、認定就労訓練事業を利用した者⇒利用していない者に比べて、「自立意欲の向上・改善」や「社会参加機会の増加」において、利用後の変化が顕著に表れている効果。 認定就労訓練事業の利用実績がない自治体にその理由⇒「地域に認定就労訓練事業所がない、あるいは少ない」と答えた自治体が最も多い。また、事業所の認定件数や利用件数を増やすために必要なこと⇒4割以上の自治体が「就労訓練 事業の開拓を行う専門人材の育成・確保」や「対象者と就労訓練事業所のマッチングの支援」等と回答。手続きが煩雑で事業所の負担が大きいため、認定件数が増えないといった意見。平成28年度より、都道府県に「就労訓練アドバイザー」、福祉事務所設置自治体に「就労訓 練事業所育成員」を配置し、認定就労訓練事業所の開拓・育成を推進。
・【考え方】→対象者の状況に応じた柔軟かつ多様な働き方を可能とし、一般就労に向けた着実なステップアップを実現する場として重要、その実施促進のためには、まずは認定件数を増やしていくことが必要。認定件数だけでなく、利用件数を増やしていくことも必要であり、利用者にあった仕事づくりや受入企業の開拓、 対象者と認定事業所とのマッチング支援や、就労後の支援対象者・受入事業所双方に対するフォローアップによる定着支援が重要。生活困窮者に対する就労支援には複数のフェーズが存在するが、事業推進の観点からは、それぞれのフェーズ毎に支援が分 断されるのではなく、一貫した支援が必要。
・【論点】→認定就労訓練事業を推進するための申請・認定手続について、どのような改善が必要か。 受入企業の開拓から就労後の支援対象者・受入企業双方に対するフォローアップまで一貫して行うことができる体制が必要ではないか。

○被保護者に対する就労支援について@就労支援
・【現状と課題】
→就労支援員による就労に関する相談・助言等の支援や、ハローワークと連携してチーム支援を行う生活保護受給者等就労自立促進事業に加え、被保護者就労支援事業、被保護者就労準備支援 事業を実施してきた。これら各種事業の活用により、就労可能な被保護者の多くは就労し、保護の廃止に到っているが、中には、保護の受給期間が長期にわたり、障害がうかがわれる者や、就労の経験が乏しい者など、日常生活や社会生活の面で課題を抱え、就労による自立に一定程度の時間を要する者も存在。また、KPIとして設定されている、就労支援事業等に参加可能な者の事業参加率、就労支援事業を通じた就労・増収率及び「その他の 世帯」の就労率⇒実績値が目標達成には至っていない状況。就労に向けた一定の準備支援を行う被保護者就労準備支援事業は、現在任意の予算事業であり、実施率は約36%にとどまる。
・【考え方】→保護の受給期間が長期にわたり、障害がうかがわれる者や、就労の経験が乏しい者などに対し、日常生活自立、社会生活自立など、 就労に向けて徐々に自立支援を行っていく取組を強化する必要。被保護者就労準備支援事業は、本人の生活にある程度深く関わることができ、日常生活自立や社会生活自立に関する支援として有効 であることから、より多くの被保護者が本事業による支援を受けられるようにする必要。また、制度をまたいだ本人に対する 支援の継続性・一貫性の確保や、地域の支援資源の有効な活用の観点から、生活困窮者自立支援制度との連携を検討する必要。被保護者の抱える課題が多様化する中、被保護者個々人に対するアセスメントを丁寧に実施し、被保護者個々人の状態像に応じた自 立を支援する必要がある。
・【論点】→より多くの被保護者が支援を受けられるようにする等の観点から、任意事業として法定化する、被保護者就労準備支援事業に代えて、生活困窮者就労準備支援事業の中で被保護者も支援できるようにすることについて。就労支援を、現行のKPIに基づき引き続き着実に進めていくとともに、被保護者の多様な課題に対応するため、就労自立のみならず日 常生活自立や社会生活自立も今後推進する必要があることを踏まえ、これら3つの自立の取組を総合的に評価していくことについて。被保護者就労支援事業を実施するためのアセスメントの充実を図るために、どのような取組が必要と考えられるか。

○被保護者に対する就労支援についてAインセンティブ→
・【現状と課題】
→就労インセンティブの増進・自立助長を図ることを目的として、就労収入のうち一定額を収入から控除して収入の一部を手元に残す、 勤労控除の仕組みや、就労自立給付金、就労活動促進費等の各種制度が設けられている。そのうち、就労自立給付金は、税・社会保険料負担の発生など保護廃止直後の不安定な生活を支え、再度保護に到ることを防止するた め、保護受給中の就労収入のうち収入認定された金額の範囲内で別途一定額を仮想的に積み立て(最長6ヶ月)、安定就労の機会を得たこと等により保護廃止に到ったときに支給するもの。 就労自立給付金の支給率(働きによる収入の増加・取得による保護廃止世帯に占める、就労自立給付金支給世帯の割合)は、近年増加 傾向にあり、令和2年度は6割。就労収入増加による保護廃止人員数を就労期間別⇒最も多いのは就労開始時点。次いで就労期間4ヶ月、3ヶ月、5ヶ 月、6ヶ月の順になっており、就労期間1ヶ月、2ヶ月の者は、相対的に少ない状況にある。 一方、現行の就労自立給付金の支給額は、一律の最低給付額に毎月の勤労収入額の一定割合を加えて算定するため、就労開始時点など より早期に保護を必要としなくなる者に対するインセンティブが弱いという課題がある。
・【考え方】→生活保護を受給することになった者に対しては、就労・増収等を通じた自立への意欲を喚起する取組を強化する必要。 この点について、保護廃止にならないよう就労を調整すること等により、就労に結びついても必ずしも保護廃止にならないケースがある中で、保護廃止後の不安を解消できるようなインセンティブとして、就労自立給付金を効果的に活用することが重要である。
・【論点】→被保護者の就労の実態を踏まえ、就労による保護廃止に向けたインセンティブを強化する必要があるのではないか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者に対する就労支援
→「就労までの段階的な支援施策」と「就労に向けた困難度(支援対象者)」のマトリクス。R元→R2 実績あり。  参照。
○生活困窮者就労準備支援事業の実施状況等→令和3年度の就労準備支援事業の実施状況は、622自治体で全体の約7割が実施、令和4年度⇒8割を超える見込み。 就労準備支援事業を実施しない理由⇒基礎自治体において「予算を確保するのが難しいから」が 33.0%、「委託先となる事業者がいない・少ないから」が28.6%となっている。
○生活困窮者認定就労訓練事業の実施状→認定件数は令和3年度末時点で、2,042事業所。 利用形態⇒「非雇用型のみ」が全体の約7割である。
○生活困窮者認定就労訓練事業を巡る課題→認定就労訓練事業の利用実績がない理由⇒「地域に認定就労訓練事業所がない、あるいは少ない」が約7割。 認定就労訓練事業所の認定数や受入実績を増やすために必要なこととして、4割以上の自治体が「就労訓練事業の 開拓を行う専門人材の育成・確保」、「対象者と就労訓練事業所のマッチングの支援」、「受入れ事業所に対する金 銭的インセンティブ」と回答。
○生活保護受給者に対する就労支援施策について→就労・自立インセンティブの強化(就労自立給付金・勤労控除・就労活動促進費) 参照。
○被保護者就労準備支援事業実施自治体(H2 8年度〜R3年度実績)→令和3年度で327自治体(実施率36.1%)と上昇傾向。
○就労支援事業等におけるKPIの設定について
・就労支援事業等の参加率2018年度(平成30年度)までに60% →就労支援事業等に参加可能な者の事業参加率2021年度(令和3年度)までに65%
・就労支援事業等の参加した者のうち、就労した者及び就労による収入が増加した者の割合は、2018年度までに50% →目標値を維持。2021年度までに50%
・「その他の世帯」の就労率(就労者のいる世帯の割合)2018年度までに45% →目標値を維持。2021年度までに45%
○就労自立給付金について(生活保護法第55条の4第1項)→生活保護から脱却すると、税・社会保険料等の負担が生じるため、こうし た点を踏まえた上で、生活保護を脱却するためのインセンティブを強化するとともに、脱却直後の不安定な生活を支え、再度保護に至ることを防止すること が重要。 このため、保護受給中の就労収入のうち、収入認定された金額の範囲内で 別途一定額を仮想的に積み立て、安定就労の機会を得たこと等により保護廃止 に至った時に就労自立給付金を支給。

次回も続き「資料4 家計改善支援等のあり方について」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月21日(Wed)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月13日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料1 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方について
○平成30年改正等による両制度の発展と課題↓
・就労準備、家計改善に関する各支援策の実施自治体は増加したが、困窮・保護それぞれで更なる実施の増加が必要との指摘。また、両制度間移行時に支援が途切れるなど継続性の確保や社会資源の有効 な活用も課題 →<生活困窮者自立支援制度の状況>
※H30改正で努力義務化(就労準備支援事業 48.2%(H30)→80.6%(R4(見込み))。家計改善支援事業(44.7%(H30)→82.2%(R4(見込み))。
<生活保護制度の状況> ※予算事業(就労準備支援事業(29.9%(H30)→37.7%(R4(見込み))。家計改善支援事業 1.3%(H30)→8.1%(R4(見込み))。
・各行政機関や地域の社会福祉法人、NPO法人等関係機関間の調整 や計画的な支援を行うための制度的枠組みの創設・強化が課題(生活困窮者に係る支援会議(H30改正で法定化)の設置率 13.0%(R元)→31.3%(R2) ※被保護者に係る同様の会議はない。
・ ホームレスは減少傾向にあるが、知人宅やネットカフェ等を行き 来する不安定居住者や、住居はあるものの虐待・DV等による緊急 一時的な居場所など、居住へのニーズが多様化。また、貧困の連鎖 防止のための親を含めた子育て世帯全体への支援の推進等が求めら れる。このため、セーフティネットの一層の強化が必要

○新型コロナの経験も踏まえた課題↓
・新型コロナウイルス感染症の影響により、相談者数等の急増ととも に、相談者像も複雑化・多様化。これまでに生活福祉資金貸付の特例 措置や住居確保給付金の要件緩和、生活困窮者自立支援金の創設などの一時的な生活支援を講じてきたが、今後は、生活再建・自立に向け た伴走型支援に軸足を移行する必要 。

<生活困窮に係る相談者等の増加>→新規相談受付件数 248,398件(R元)→786,163件(R2)(3.2倍)。住居確保給付金の新規申請件数 4,270件(R元)→153,007件(R2)(34倍)。 ※保護申請件数は令和2年4月に前年同月比25%増、翌5月に減少に転じその後増減があるものの、様々な支援策の効果もあり、被保護人員の増加は みられない。
<生活困窮者自立支援相談窓口における相談者像の変化>→個人事業主やフリーランス、外国人、若年層等これまであまり相談につな がっていなかった新たな相談者の存在が顕在化。3個以上の複合的な課題を抱える相談者が半数以上に増加 。
<福祉事務所における相談者像の変化>→コロナ前と比較して、若年・中年層や、「不安定就労」「自営業・フリー ランス」などの相談者が増加。被保護者世帯の抱える課題は多岐にわたり、複数の課題を抱える世帯も多 い。

○次期制度見直しに向けた考え方↓
・上記の課題を踏まえ、平成30年改正法の施行状況や社会経済状況の変化、新型コロナウイルス感染症の影響により顕在化した相談者像の 複雑化・多様化等にも適切に対応するため、 @相談支援機能の強化、就労・家計・居住・子どもなど各種課題への対応や医療扶助の適正化にも取り組むとともに、 A生活困窮者自立支援制度・生活保護制度間の一体的な支援・連携強化による切れ目のない支援を図る必要がある。
・ こうした考え方に立ち、具体的な方策等について、本部会において更なる議論を進める。

○【参考】当面の議論のスケジュール(案)→第7回(第20回)は9月13日(火)(今回)。⇒第8(第21回) 10月中旬⇒第9(第22回)10月下旬(子どもの貧困への対応など)


◎資料2 生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する 自立支援のあり方について
○生活困窮者自立相談支援事業の機能強化・関係機関との連携について
・【現状と課題】
→生活困窮者自立支援法に基づく「支援会議」を設置済み・設置予定ありの自治体は約4割と低調。支援会議を設置しない理由⇒「必要性を感じない」「人員不足」等が挙げられている。
・【考え方】→コロナ禍で顕在化した新たな相談者層への対応も含め、相談者の抱える課題がより一層複雑化・複合化している実態を踏まえ、早期 に関係機関間で情報共有を行い、アウトリーチを含む支援につなげることが重要。そのため、アウトリーチすべき対象者の把握や、 関係機関間の連携を進めるための体制強化が必要。
・【論点】→支援会議の設置を促進するため、例えば設置を必須化、少なくとも努力義務化することについて、フードバンク、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」、社会福祉協議会等において行われている現物給付の取組など民間団 体による支援との連携強化やプラットフォームの設置等、多様な社会資源を開拓するための方策を講じてはどうか。 多様な層を支援につなげるための周知・広報に更に取り組むべきではないか。また、オンラインツールやSNSを活用した相談支援に 関し、個人情報の取扱いにも留意しつつ、利用促進を図るための方策を講じてはどうか。

○生活困窮者自立相談支援機関の支援体制の確保につい
・【現状と課題】
→新型コロナウイルス感染症拡大の影響により令和2年度には新規相談受付件数が急増、支援員の負担が過大となっ たことなどを背景に、各種支援員の総数は増加したものの、人口規模別にみると、人口10万人以上の自治体の支援員数が全体平均よりも低くなっている。また、各種支援員の専任の割合は約4割〜5割にとどまっている。
・【考え方】→自立相談支援事業の支援員は、従来兼務が多いことに加え、コロナ禍で業務負担が過重となっており、相談窓口としての機能の弱体 化が危惧されている。法の理念に基づく支援を実現するためには、制度の中核を担う自立相談支援機関に支援員を適切に配置することは不可欠であり、相談件数、世帯数、人口規模等を適切に踏まえた配置のあり方の検討等を行い、地域特性に応じた体制を強化す ることが必要。
・【論点】→法の理念に基づく支援を実現するためには、支援実績や支援の質等を考慮した適切な人員体制の確保が重要、そのような人員体制を確保するための仕組みを構築する方策が必要ではないか。 事業の委託先選定⇒良質かつ多様な委託先を確保するため、例えばガイドラインを示すなど更なる方策が必要ではないか。

○被保護者に対する自立支援のあり方について
@ケースワーカーの役割及び関係機関との連携
・【現状と課題】
→ケースワーカーは関係機関との連携を図りつつ各種調査や保護の決定実施、被保護者への相談・助言や、指導・指示等を通じ、必要な各種支援やサービスが利用できるよう総合調整する役割。必ずしも充分な協力が得られていないという課題を感じているケースワーカーも多い。ケースワーカーと被保護者が援助関係を構築する際の妨げとなっていることも指摘されている。
・【考え方】→多様で複雑な課題を抱える被保護者に対して個別の専門的な支援を行うためには、福祉事務所やケースワーカーが、関係機関と連携 しながら支援に取り組むことが不可欠。 こうした連携を今後改善・強化⇒計画的 に支援に取り組んでいくことが重要であり、こうした取組を制度上も後押しする必要がある。
・【論点】→多様で複雑な課題を抱える被保護者に対し、関係機関同士で連携しながら援助を行えるようにするため、その役割分担を明確化した 上で、被保護者の援助に関する計画を作成すること。また、計画の作成をはじめ、関係機関との間で支援の調整や情報共有を充分に行うため、生活困窮者自立支援法や社会福祉法に基づ く支援会議の例を参考に、会議体を設置できるようにすることについて。 計画の作成や会議での情報共有の対象となる被保護者に関し、取組の趣旨を踏まえ、複数の関係機関による緊密な連携による援助が 必要と福祉事務所が判断した被保護者とすることについて。計画の作成や会議の開催に当たり、事務を実施するケースワーカー等の負担についてどう考えるか。

○被保護者に対する自立支援のあり方についてA自立支援プログラム等の各種事業について
・【現状と課題】
→被保護者が抱える多様で複雑な課題に対応するため、平成17年より、自立支援プログラムが導入され、経済的給付に加え、福祉事務所が組織的に被保護者の自立支援を行う制度への転換を目的として各種取組が行われてきた。「自立の助長」⇒経済的自立、日常生活自立、社会生活自立、これら3つの自立が並列の関係、相互関連が前提。その中から必要なプログラムを本人同意の上で決定し、更に、他法他施策や関係機関の積極的活用等実施体制の充実を 図ることにより、被保護者が自らの自立のために行う活動を組織的に支援するものであった。平成25年の法改正により被保護者就労準備支援事業や被保護者家計相 談支援事業(現:家計改善支援事業)が予算事業化され、平成30年の法改正により被保護者健康管理支援事業が法定化された。現状、各自治体で策定している自立支援プログラム⇒一部の自治体では、経済的自立のみならず、日常生活自立や社会生活 自立の観点から、支援対象者の多様な属性に応じたきめ細かな取組が行われているところも。その一方で、全体としてみると、 就労など経済的自立に関するプログラムが多くを占めており、日常生活自立や社会生活自立に関するプログラムを策定している自治 体や策定プログラム数は、相対的に少ない状況にある。
・【考え方】→自立支援プログラムにおける経済的自立、日常生活自立、社会生活自立の3つの自立の概念について、現状を踏まえ、今一度、考え 方を明らかにする必要があるのではないか。 特に、日常生活自立や社会生活自立⇒プログラムを策定している自治体や策定プログラム数を増加させるなど、被保護者への支援の充実を図る必要があるのではないか。
・【論点】→3つの自立の概念について、改めて趣旨を明らかにした上で、日常生活自立や社会生活自立を中心に、自立支援プログラムを活用した自立支援の取組を促すことについてどう考えるか。 さらに、被保護者就労準備支援事業や被保護者家計改善支援事業、居住不安定者等居宅生活移行支援事業について、より多くの被保 護者が支援を受けられるようにする等の観点から、事業を法定化するとともに、生活困窮者自立支援制度との一体的実施を進めるこ とについてどう考えるか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者自立相談支援事業について
→生活困窮者からの相談を受け、 @ 生活困窮者の抱えている課題を評価・分析(アセスメント)し、そのニーズを把握 A ニーズに応じた支援が計画的かつ継続的に行われるよう、自立支援計画を策定 B 自立支援計画に基づく各種支援が包括的に行われるよう、関係機関との連絡調整を実施 等の業務を行う。
・期待される効果→生活保護に至る前の段階から早期に支援を行うことにより、生活困窮状態からの早期自立を支援。
○生活困窮者に関する支援会議・支援調整会議について→関係機関の狭間で適切な支援が行われないといった事例の発生を防止するとともに、深刻な困窮状態にある世帯など 支援を必要とする人を早期に把握し、確実に相談支援につなげるため、平成30年改正法で「支援会議」を創設。支援調整会議⇒個々の生活困窮者の支援プランの決定等を行い、継続的な支援を行うことを目的とするもの、目的や対象者の範囲等が異なる。⇒【支援会議と支援調整会議の整理】「支援会議と支援調整会議の事例→富山県黒部市」 参照。
○関係機関間の情報共有を行う会議体(支援会議)の設置状況→平成30年改正で新設された支援会議⇒約4割の自治体が設置済み・設置予定、効果⇒関係機関間の情報共有や役割分担の促進が挙げられている。

○生活困窮者自立支援の機能強化事業→新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金(都道府県等実施分) 62億円の内数 (令和3年度 補正予算51億円 + 令和4年度 予備費11億円)→新型コロナウイルス感染症の発生を契機に、生活困窮者への支援ニーズが増大したことに加え、新たな支援層の顕在化や孤独・孤立問題の深刻化等、従来の支援ニーズよりも多様化している現状を踏まえ、民間団体独自の支援との連携や現場の職員が支援に注力できる環境整備 等を図り、生活困窮者自立支援制度の機能強化を図る。
⇒事業内容@〜J参照。
○生活困窮者自立支援制度に係る委託先の選定にあたっての留意点→平成30年の制度見直しにおいて、「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル」を改正し、委 託の選定にあたっては、質を踏まえた選定を行うことを留意点として示した。⇒委託先の選定等⇒事業の質の維持の観点から、これまでの事業の評価結果を踏まえたものであること。事業を利用する方の視点も踏まえた選定が望ましいこと。自治体の契約のルールも踏まえつつ、事業の継続性の観点にも留意。また、制度の着実な実施・浸透を図っていくためには、従事者の質的・量的確保を配慮した視点も重要であること。委託先の選定⇒事業の内容を中心とした総合的な評価を行うことが事業の質の維持等の観点から適切であり、価格のみの評価を行うことはその観点から必ずしも適切でないこと。

○生活保護受給者に対する「自立支援プログラム」について→経済的給付に加え、福祉事務所が組織的に被保護者の自立支援を行う制度への転換を目的⇒実施機関は、管内の被保護者の状況や自立阻害要因を類型化し、自立支援の具体的内容と手順を定めた自立支援 プログラムを類型毎に策定。 様々なプログラムの中から、個々の被保護者に必要なプログラムを本人同意の上決定し、労働部局、医療・福祉施 設、NPO等の関係機関と連携し、被保護者が自らの自立のため行う活動を組織的に支援。自立支援プログラムのイメージ参照。

○自立支援プログラム策定率(令和2年度実績)→自立支援プログラムは、福祉事務所設置自治体の895自治体(98.9%)で策定している。 ○ そのうち、経済的自立に関するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は894自治体(全福祉事 務所(905自治体)に占める割合98.8%、2,578プログラムとなっている一方で、日常生活自立・社会生活自立に関 するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は経済的自立に関するものと比べ少ない状況。

○被保護世帯が抱える課題(1.福祉事務所へのアンケート、2.ケースワーカーへのアンケート)→多岐にわたり、複数の課題を抱える世帯も多い。⇒1.新型コロナウイルス感染症の影響により生活保護の申請につ ながった代表的なケースの特徴(回答のあった448例について集計)→病気(メンタルヘルス含む)、→不安定就労(非正規雇用等)が多い。2.担当経験があり、支援に困難さを感じたケースの割合→ひきこもり、アルコール依存、認知症が多い、その他アリ。

○福祉事務所と自立相談支援機関等の関係機関との連携状況(ケースワーカー、福祉事務所長へのアンケート)→ケースワーカーが連携したことがある主な機関・団体等として、地域包括支援センターや、社会福祉協議会、通院・入院 先医療機関、ハローワーク、民生委員・児童委員等が挙げられている。⇒@〜C地域  参照。
○関係機関との連携にあたっての課題(平成29年度社会福祉推進事業「自治体の社会福祉行政職員の業務や役割及び組織体制等の実態に関する調査研究事業」報告書)→関係機関と連携する上では、「業務範囲外のこともケースワーカーに押し付けられる」ことや「役割分担、支援方針 の考え方や違いの調整」が必要になること、「個人情報、プライバシー、守秘義務への対応」が必要になること、 「連携機関間での押し付け合いになる」等の課題があることが指摘されている。

次回も続き「資料3 就労支援のあり方について」からです。

社会保障審議会年金事業管理部会資料(第63回) [2022年09月20日(Tue)]
社会保障審議会年金事業管理部会資料(第63回)(令和4年9月9日)
《議事》(1)日本年金機構の令和3年度業務実績の評価について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/kanribukai-siryo63_00001.html
◎資料1−1 日本年金機構の令和3年度業務実績の評価(案)概要
○業務実績の評価(案)一覧(第3期中期目標期間:R1・2・3案で評価)→全体的な評価項目(T〜Y )を【判定基準】「S・A・B・C・D」で評価。全体の俯瞰項目評価参照。
○項目ごとの令和3年度評価↓
T‐1国民年金の適用促進対策(本体資料1ページ〜) →評価 B
T-2国民年金の保険料収納対策(本体資料4ページ〜)→評価 A
T-3.厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策(本体資料14ページ〜)→評価 A
T-4.厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策(本体資料23ページ〜)→評価 A
T-5.年金給付(本体資料29ページ〜)→評価 A
T-6.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止(本体資料38ページ〜)→評価 B
T-7.年金相談(本体資料42ページ〜)→評価 B
T-8.分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進(本体資料47ページ〜)→評価 B
T-9.年金制度改正等への対応(本体資料56ページ〜)→評価 A
U‐1.効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)(60ページ〜)→評価 B
U‐2.外部委託の活用と管理の適正化(本体資料69ページ〜)→評価 B
U‐3.社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発(72ページ〜)→評価 B
U‐4.ICT化の推進(本体資料77ページ〜)→評価 A
V‐1.内部統制システムの有効性確保(本体資料85ページ〜)→評価 B
V‐2.個人情報の保護(本体資料102ページ〜)→評価 B
V‐3.文書管理及び情報公開(本体資料107ページ〜)→評価 B
V‐4.人事及び人材の育成(本体資料110ページ〜)→評価 B
W.予算、収支計画及び資金計画(本体資料 122ページ〜) →評価 B
X.不要財産または不要財産となることが見込まれる財産の処分に関する計画(本体資料 123ページ〜) →評価 B
Y.Vの財産以外の重要な財産の譲渡又は担保に関する計画(123ページ〜)→評価 B


◎資料1―2 日本年金機構の令和3年度業務実績の評価(案)
・資料1−1の令和3年度の詳細版です。



◎参考資料 日本年金機構の令和3年度の業務実績に関する評価について(諮問書)
○令和4年9月5日 厚労大臣加藤勝信から社会保障審議会 会長田中滋へ。



◎資料2 事務処理誤り等(令和3年4月分〜令和4年3月分)の年次公表について
○Press Release 報道関係者 各位 事務処理誤り等(令和3年4月分〜令和4年3月分)の 年次公表について
→令和3年4月から令和4年3月まで毎月公表してきた事務処理誤り等について、1 年間分として改めて取りまとめましたので別添のとおり公表いたします。 また、平成29年12月20日に「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検につい て」を公表した際、事務処理誤りの年次公表にあわせて実施することとした前年度1 年間分の事務処理誤りの点検・分析結果等についてもあわせて公表いたします。 日本年金機構においては、引き続き、事務処理誤り等の再発防止に努めてまい ります。

○(別添) 事務処理誤り等(令和3年4月分〜令和4年3月分)の年次公表について
T 概要
→年金業務の事務処理誤り及びシステム事故等が発生した場合、日本年金機構において事務処理誤り等を把握した都度、お客様への説明や訂正処理などのお客様対応を行っています。また、お客様対応が完了したものについては、毎月、機構HPで公表しています。 今般、令和3年度分として既に公表した事務処理誤り等について、取りまとめを行いました。

U 事務処理誤り等の集計と分析等
1 令和3年度に公表した事務処理誤り等 ↓

(1)事務処理誤りの総件数と制度別・発生年度別内訳→令和3年度の事務処理誤りの件数は、1,347 件となっています。制度別・発生年度別の件数 は下表(図表で整理したものあり)のとおりであり、社会保険庁時代に発生したものは 314 件で 23%、機構発足後に発生 したものは 1,033 件で 77%となっています。
(2)事務処理誤りの制度別・区分別内訳→事務処理誤りの制度別・区分別の件数は下表(図表で整理したものあり)のとおりであり、区分別にみると、1,347 件 のうち「確認・決定誤り」が最も多く 778 件(58%)となっています。
(3)事務処理誤りの影響額別内訳→事務処理誤りの 1 件あたりのお客様への影響額は下表(図表で整理したものあり)のとおりであり、1,347 件のうち「影響額あり」が 644 件(48%)、「影響額なし」が 703 件(52%)となっています。
(4)事務処理誤りの事象別内訳→事務処理誤りのお客様への影響の事象別の件数は下表(図表で整理したものあり)のとおりであり、1,347 件のうち 「影響額あり」が 644 件で合計金額は 357,307,577 円となっています。
(5)事務処理誤りの判明契機→日本年金機構内部の 調査等、お客様からのお問合 せ等を契機に判明⇒図表参照。
(6)システム事故等→システム事故等の影響区分の内訳は、 下表(図表あり)とおりです。
参考→お客様対応中案件⇒事務処理誤りのうち、お客様対応中の案件は、令和4年3月末時点で 1,416 件です。

2 令和3年度に公表した事務処理誤りの点検・分析結果等↓
(1) 年金給付関係
@令和3年度に公表した事務処理誤りの点検・分析結果
→令和3年度に公表した年金給付に係る事務処理誤りについて、点検を行い、分析した結果は下表(図表あり)のとおりです。
・上記 278 件について、類似の事務処理誤りを事象毎にまとめて分析した結果、同種の 事務処理誤りが複数発生している新規の事象(3件以上)は下記の1事象でした。 この1事象の事務処理誤りは、システムで事後的に対象者を抽出することが可能であり、個別に連絡を行う等、必要な対処を実施します。また、既にシステム改修を実施し、再発防止を図りました。
A「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検」等に関する対応状況
a 年金給付に係る事務処理誤り
→平成 29 年9月 13 日に公表した「振替加算の総点検」に沿って、振替加算の支給漏れに対応しました。 平成 29 年 12 月 20 日に公表した「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検」において分 類した事象のうち対象者を機構においてシステムで特定することができる事象等について は、抽出プログラムを作成して、対象者を特定の上、順次、機構からお客様へ個別に連絡を 行い、必要な対処を実施し、月次公表の中で公表しております。 上記について、令和4年8月末時点での対応状況は次ページのとおりです。⇒事象が1〜40項目あり。
b 年金決定時チェックの実施→年金給付の正確性の確保及び給付誤りの早期発見のため、令和2年4月より、機構本部(中 央年金センター)に専任部署を設置し、年金決定時チェックを実施しています。具体的には、年金決定直後に決定内容をチェックし、支払開始前又は支払開始直後に訂正を行うことにより、事務処理誤りの予防・早期対応を図っています。 令和3年4月から令和4年3月までに決定した老齢・遺族・障害年金(約 144 万件)のう ち、事務処理誤りが生じやすい要件に該当した約 23 万件について年金決定時チェックを行 い、387 件について事務処理誤りの予防・早期対応を図りました。

(2) 国民年金関係
・令和3年度に公表した事務処理誤りの点検・分析結果→令和3年度に公表した国民年金の適用・徴収に係る事務処理誤りの点検を行い、分析した結果は下表(図表あり)のとおりです。⇒図表の中の「上記以外の事務処理誤り」 61 件について、類似の事務処理誤りを事象毎にまとめて分析した結果、同種の事 務処理誤りが複数発生している新規の事象(3件以上)はありませんでした。 今後も事務処理誤りの発生防止に向け、定期的な点検・分析を実施していきます。

(3)厚生年金関係 令和3年度に公表した事務処理誤りの点検・分析結果→令和3年度に公表した厚生年金の適用・徴収に係る事務処理誤りについて、点検を行 い、分析した結果は下表のとおりです。⇒図表の中の「上記以外の事務処理誤り」3件について、類似の事務処理誤りを事象毎にまとめて分析した結果、同種の事 務処理誤りが複数発生している新規の事象(3件以上)はありませんでした。 今後も事務処理誤りの発生防止に向け、定期的な点検・分析を実施していきます。

(4)「お客様の声」に関する対応状況 令和3年度に機構に寄せられた「お客様の声」11,177 件を、平成 30 年1月に設置した「業 務適正化部会」(日本年金機構のサービス・業務改善委員会内に設置)において確認を行い、 業務改善につなげました。 事務処理誤り防止につながるものとして、令和3年度に実施した主な改善事項は下表のと おりです。⇒改善事項・項番1都2を参照。

次回は新たに「第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)」からです。

第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料) [2022年09月19日(Mon)]
第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(令和4年9月8日)
《議題》(1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案要綱(諮問)(2)2021年度の年度目標に係る評価・2022年度の年度目標の設定
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27869.html
◎参考資料3 障害者総合支援法等の見直しに関するスケジュール
○ 障害者総合支援法
⇒平成30年4月施行の改正法の3年後見直し規定を踏まえ、本年6月13日に報告書を取りまとめ。
○ 精神保健福祉法⇒平成29年に改正法案が廃案となっている。検討会において議論し、本年6月9日に報告書を取りまとめ。
○ 障害者雇用促進法⇒令和2年4月施行の改正法の3年後見直し規定を踏まえ、本年6月17日に意見書を取りまとめ。
○ 難病・小慢対策⇒平成26年法制定(平成27年1月施行)時の5年後見直し規定を踏まえ、令和3年7月14日に意見書を取りまとめ。



◎参考資料4 令和3年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況などの取りまとめを公表します (Press Release令和4年6月 24 日(金)報道関係者 各位)
○令和3年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況などの 取りまとめを公表します 〜「障害者の就職件数」が2年ぶりに増加〜


○【ポイント】 ↓
・規求職申込件数・就職件数→ 新規求職申込件数は 223,985 件で、対前年度比 5.7%増と、コロナ禍以前の水準を上回った。 就職件数は 96,180 件で、前年度(89,840 件)と比べ 7.1%増と、新規求職申込件数の伸びを 上回ったが、前々年度の令和元年度(103,163 件)と比べると 6.8%の減となっている。
・ 就職率(就職件数/新規求職申込件数)→就職率は 42.9%で、対前年度差 0.5 ポイント増となった。

就職件数(件)↓  対前年度差(比)↓ 就職率(%)(対前年度差)↓
身体障害者   20,829   804 件増 (4.0%増)  35.9(1.2 ポイント増)
知的障害者   19,957   156 件増 (0.8%増)  57.6(0.1 ポイント減)
精神障害者   45,885  5,261 件増(13.0%増) 42.4(0.2 ポイント減)
その他の障害者 9,509    119 件増 (1.3%増)  41.3(3.1 ポイント増)
合 計    96,180   6,340 件増 (7.1%増) 42.9(0.5 ポイント増)

・就職件数の増加要因
→主に精神障害者の求職活動が活発化し、新規求職申込件数が増加するとともに、障害者の就職先 として比較的高い割合を占める次の業種を中心に多くの産業で求人数が増加したことによるも のと考えられる。⇒「医療,福祉」(求人 9.4%増、就職 4.3%増)。「製造業」(求人 19.8%増、就職 18.5%増)。「サービス業」(求人 16.9%増、就職 13.2%増)。
・解雇者数(ハローワークに届出のあったもの)→障害者の解雇者数は 1,656 人で、前年度(2,191 人)と令和元年度(2,074 人)を下回り、落ち着き をみせている。

○ハローワークにおける障害者の職業紹介状況→1.概 況 2.障害種別の職業紹介状況 3.産業別の就職状況 4.職業別の就職状況 5.都道府県別の就職状況、 (参考1)〜(参考7)⇒ 参考に。


◎参考資料5「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義 務に係る相談等実績(令和3年度)」を公表しました↓
(Press Release令和4年6月 24 日(金)報道関係者 各位)
○「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る 相談等実績(令和3年度)」を公表しました 〜相談件数は微減、合理的配慮の提供に関する相談がやや増加〜

○【集計結果の主なポイント】 ↓
・ 公共職業安定所に寄せられた障害者差別および合理的配慮の提供に関する相談は 244 件 (対前年度比 0.8%減)。 うち障害者差別に関する相談は 55 件(対前年度比 20.3%減)、 合理的配慮の提供に関する相談は 189 件(対前年度比 6.8%増)。 [資料1 図表1]。
・ 公共職業安定所が行った事業主への助言件数は9件*。 指導件数および都道府県労働局長が行った勧告件数は、前年度に引き続き、ともに0件。 [資料1 図表6・図表7]。 * 法違反に係る助言件数を計上
・ 労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は2件(前年度 12 件)。 [資料1 図表8]。
・ 障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は 10 件(前年度5件)。 [資料1 図表9]。


○雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る制度について
[資料3〜5]
・障害者雇用促進法
→全ての事業主に対して、「障害者であることを理由とした障害者でない者との不当な差別的取扱いの禁止」(法第 34 条及び第 35 条)、「障害者に対する合理的配慮の提供義務」(法第 36 条の2から第 36 条の4まで)、「障害者 からの相談に対応する体制の整備・障害者からの苦情を自主的に解決することの努力義務」(法 第 36 条の4及び第 74 条の4)を規定している。
・事業主による法令違反等事案に対しては、公共職業安定所等が行う助言、指導又は勧告(法 第 36 条の6)により是正を図っている。 なお、障害のある労働者と事業主の話合いによる自主的な解決が難しい場合は、関係当事者の申立て等に基づき、@都道府県労働局長による助言、指導又は勧告(法第 74 条の6)、又はA障 害者雇用調停会議による調停(法第 74 条の7及び第 74 条の8)により、紛争の早期解決を支援し ている。

[添付資料]↓
○(資料1)令和3年度 都道府県労働局職業安定部・公共職業安定所での法施行状況 〜雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務 に係る相談等実績〜


○(資料2)障害者差別・合理的配慮の提供に関する相談に対する対応事例
・ハローワークの助言等により対応が図られた事例
→【合理的配慮の提供に関する助言事例】(発達障害)(精神障害)。【障害者差別に関する助言事例】(精神障害)。
・障害者雇用調停会議による調停事例→【障害者差別に関する調停事例】(精神障害)

○(資料3)雇用の分野における障害者の差別禁止 及び合理的配慮の提供義務
・障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務について
→障害者に対する差別禁止※1、合理的配慮の提供義務※2 を規定 【施行期日 平成28年4月1日】⇒※1 不当な差別的取扱いを禁止。このため、職業能力等を適正に評価した結果といった合理的な理由による異なる取扱いが 禁止されるものではない。 ※2 事業主に対して過重な負担を及ぼすときは提供義務を負わない。→【差別の主な具体例】【合理的配慮の主な具体例】 参考。
必要があると認めるときは、厚生労働大臣から事業主に対し、助言、指導又は勧告を実施。
・障害者差別禁止指針(平成27年3月25日厚生労働大臣告示)→(1)基本的な考え方
(2)差別の禁止(募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などの各項目)
(参考)差別に該当すると考えられる例→1〜13まで。
・合理的配慮指針(平成27年3月25日厚生労働大臣告示)→(1)基本的な考え方(2)合理的配慮の内容(3)合理的配慮の手続(4)過重な負担(5)相談体制の整備
(参考) 合理的配慮の具体例(指針別表の事例)→視覚障害、聴覚・言語 障害、肢体不自由、内部障害、内部障害、精神障害、発達障害、難病に起因する障害、高次脳機能障害。

○(資料4)障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る紛争解決手続→障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供に関し、ハローワークが中心となって助言・指導・勧告を行う (法第36条 の6)。 事業主と障害者の間で話合いが円滑に進まず、紛争に発展した場合、当該事項に係る紛争は、都道府県労働局長が 必要な 助言、指導又は勧告をする(法第74条の6)とともに、創設した調停制度の対象となる(法第74条の7、8)。

○(資料5) [関係条文抜粋] 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和 35 年法律第 123 号)
・第二章の二 障害者に対する差別の禁止等→ (障害者に対する差別の禁止) 第三十四条、第三十五条、(障害者に対する差別の禁止に関する指針) 第三十六条、(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るた めの措置) 第三十六条の二、第三十六条の三、第三十六条の四。(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等に関する 指針)第三十六条の五 、(助言、指導及び勧告)第三十六条の六
・第三章の二 紛争の解決 第一節 紛争の解決の援助→(苦情の自主的解決)第七十四条の四、(紛争の解決の促進に関する特例) 第七十四条の五、(紛争の解決の援助) 第七十四条の六
・第二節 調停→(調停の委任) 第七十四条の七、(調停) 第七十四条の八。

次回は新たに「社会保障審議会年金事業管理部会資料(第63回)」からです。

第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料) [2022年09月18日(Sun)]
第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(令和4年9月8日)
《議題》(1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案要綱(諮問)(2)2021年度の年度目標に係る評価・2022年度の年度目標の設定
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27869.html
◎参考資料2 今後の障害者雇用施策の充実強化について(令和4年6月 17 日労働政策審議会障害者雇用分科会 意見書)
第5 障害者雇用の質の向上の推進
→納付金制度は、障害者の雇用に伴う事業主間の経済的負担を調整するとともに、障害者 の雇用の促進・継続を図るために設けられている。この目的のためには、納付金制度の財 政の安定的運営を図り、事業主が障害者雇用に積極的に取り組むことができるよう、その 具体的取組を支援することが重要。今後、障害者雇用について、その質の向上に重点を置いて推進⇒納付 金制度の財政の安定的な運営の上に立って、障害者を雇い入れる事業主の具体的な取組に 対して支援を充実させるなど、限られた財源を効果的に運用することが重要であり、以下 のとおり措置する必要がある。
1 障害者雇用調整金、報奨金による対応 →調整金⇒その支給状況や一定の場合の減額等により見込まれる支出削減の 効果等を踏まえ、支給対象人数が 10 人を超える場合には、当該超過人数分に対しては支 給額を 50%。報奨金⇒支援対象人数が 35 人を超える場合には、当該超過人数分に対して は支給しないこと。調整金・報奨金の減額等に当たっては、対象となる事業主が余裕を持って対応できるよう積極的に周知を行うとともに、十分な準備期間を設けることが適当。なお、中長期的な課題として、財源が枯渇する場合であっても、障害者に対する支援が 継続できるよう、緊急的な公的資金の投入についても検討することが望ましいという意見 や将来的には調整金等は廃止し、企業を支援する助成等に注力することが適当という意見 があった。

2 障害者雇用納付金の適用範囲の拡大 →納付金制度⇒原則として雇用義務のかかる全ての事業主に適用されるもの、制度創設時に、中小企業の負担能力等に対する配慮等から、当分の間、常用労働者 300 人超の事業主に適用対象が限定され、現在は、常用労働者 100 人超の事業主にま で対象が拡大。 この適用範囲の拡大の検討に当たって、常用労働者 100 人以下の事業主⇒ノウハウ不足等により、障害者の雇用数が0人であるところが多く、雇用率未達成企業が半数以上。また、コロナ禍での経営環境の悪化、雇用保険料率の引上げ、健康 保険・厚生年金保険の適用拡大等、中小企業を取り巻く雇用環境等は厳しいもの。そのため、常用労働者 100 人以下の事業主に対する納付金の適用範囲の拡大⇒これらの事業主における障害者雇用が進展した上で、実施することが適当。この点、100人以下の企業における法定雇用率達成企業割合の改善状況等を踏まえるなど、 一定の雇用環境が整った場合に検討すべきという意見があった。そのため、まずは、常用労働者 100 人以下の事業主における障害者雇用が進むよう、こ れらの事業主、特に障害者雇用ゼロ企業が抱えるノウハウ不足の課題に対して支援するこ とが適当。具体的には、ハローワークにおいて、大企業に比べて障害者雇用の取組が遅れている中 小企業に対し、企業ごとの属性やニーズを踏まえたチーム支援を積極的に実施することが 適当である。このようにハローワークが個々の中小企業をきめ細かく支援することに加えて、特に障 害者の雇用を進めることが困難な障害者雇用ゼロ企業を中心に、障害者雇用に関するコン サルティングを行う事業者等から、雇入れから雇用管理まで一体的な伴走型の相談支援を受けることで、障害者雇用の取組を促進する事業主に対して支援することが適当。 この場合には、特に地域の中小企業に対する身近な支援者である訪問型のジョブコーチが 配置されている社会福祉法人やNPOの活用が適当という意見や、相談支援の質を確保す ることが必要という意見があった。

3 障害者雇用を推進する事業主の取組に対する支援→調整金、報奨金の一定の場合の減額措置等による納付金制度の財政の安定的な運営の上に立って、障害者雇用の質を高める観点から、各事業主の個々の取組を支援できるように、 事業主のニーズを踏まえる形で助成金を充実させることが適当。具体的には、中高年齢者の障害者の雇用継続のため事業主が実施する取組に対する助成 (第4の3)や、障害者雇用に関するコンサルティングを行う事業者等から相談支援を受けることで障害者雇用を促進する事業主に対する助成(第5の2)を行うことが適当。加えて、既存の助成金も、事業主のニーズのみならず多様な障害特性の実態や、 障害者の職場定着を図るという観点等も踏まえて、充実させることが適当。

第6 その他の諸課題
1 在宅就業障害者支援制度の活用促進
→通勤等に困難を抱える障害者の就労機会の選択の幅を拡げるとともに、そうした障害者 の雇用への円滑な移行を進めていくこと。こうした観点から、在宅就業障害者支援制度の更なる活用を促進する必要、そのためには、当該制度において重要な役割を果たしている在宅就業支援団体を増やしていくことが重要。したがって、在宅就業支援団体の実態や本制度の運用状況等を踏まえ、在宅就業支援団体として一定規模の業務を継続的に受注でき、また、在宅就業障害者に対する支援等その業務が適切に実施できる範囲で、在宅就業支援団体の登録要件を緩和するとともに、登録申請の手続を簡素化し、在宅就業支援団体の新規登録の促進を図ることが適当。具体的には、在宅就業支援団体の登録のために必要な「在宅就業障害者の人数」につい て、10 人としている要件を5人に引き下げるとともに、「在宅就業支援団体としての業務 を実施する者の人数」について、従事経験者を2名以上配置する要件を1名に引き下げる ことが適当。あわせて、管理者の要件⇒専任以外でも認めることが適当。また、在宅就業支援団体の登録申請に必要な提出書類を一部簡素化し、登録申請に当た っての負担軽減を図ることが適当。加えて、在宅就業障害者を積極的に雇用へ移行させることが重要であり、その円滑な移 行が図られるよう、各労働局・ハローワークにおいて、在宅就業支援団体の支援を受けて いる障害者の雇用への移行ニーズを適時に把握した上で、そのニーズを踏まえたアセスメ ント、求人とのマッチングなど適切な職業指導を実施することが適当。
コロナ禍において特にそのニーズが高まっているテレワークについては、環境整備等必 要な支援策を積極的に進めていくことが適当である。なお、障害特性にかかわらず、全て の障害者がテレワーク等のICTを活用した働き方にアクセスできるよう環境整備を行 うとともに、事業主は合理的配慮の提供はもとより、障害者が在宅で働くことにより社内 で孤立することがないようにコミュニケーションの促進に留意するなど、障害者がテレワ ークをしやすいように適切な雇用管理を行うことが望ましいという意見があった。

2 有限責任事業組合の算定特例の全国展開 →個々の中小企業の取組のみでは、障害者雇用を進めることに困難がある場合、複数の中 小企業が共同で雇用機会を確保することができる事業協同組合等算定特例(以下「算定特 例」という。)は有効な対応策となり得る。そのため、算定特例をより効果的に活用する 必要。 この点、現在、有限責任事業組合(以下「LLP」という。)は、国家戦略特区におい てのみ算定特例の対象とされているが、LLPには、異業種の企業の参画がより期待でき る、行政の許認可等が不要で設立手続きが簡便であるといった特徴があり、これを活用し て中小企業が障害者雇用を進めることが期待される。 そのため、現在、国家戦略特区内においてのみ算定特例の対象とされているLLPにつ いて、全国においてもその対象とすることが適当。なお、LLPを活用した算定特 例の事例が現時点では一例のみであり、当該一例の評価をもって全国展開を図ることにつ いて慎重に検討すべきという意見があった。なお、LLPを活用した算定特例の全国拡大に当たっては、A型を特定事業主の対象に 含めると、他の特定事業主での障害者雇用が進まなくても、A型における障害者雇用のみで、組合全体で通算した実雇用率が容易に嵩上げされてしまうため、A型は特定事業主の対象外とするべきという意見があった。

3 除外率の引下げによる障害者雇用の促進→平成 14 年の法改正により廃止し、特例措置として、当分の間、 除外率設定業種ごとに除外率を設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小することとされた。これを踏まえ、平成 16 年4月と平成 22 年7月にそれぞれ一 律に 10 ポイントの引下げを実施した。 除外率制度⇒廃止の方向で段階的に引き下げ、縮小することとされているが、 10 年以上引下げが行われていないことは重大な問題、廃止に向けてピッチを上げ るべきという意見があった。また、民間企業全体の実雇用率が上昇する中で、 除外率設定業種の実雇用率についても着実な上昇がみられる。これらを踏まえ、除外率を 一律に 10 ポイント引き下げることが適当。この際、除外率設定業種がそれぞれ余裕を持って対応できるよう積極的に周知を行うと ともに、十分な準備期間を設けること。この際、雇用率引上げの施行と除外 率引下げの施行のタイミングが重ならないようにすることが必要という意見があった。 加えて、当該業種における障害者雇用の促進に向けた取組を支援することが適当。 この点、個々の事業主に対するヒアリング等により雇用の実態を把握した上で、障害者雇 用の困難性が高い職種や、中小企業に配慮した効果的な支援を行うことが必要という意見 があった。さらに、今般の引下げ後においても、除外率が既に廃止された制度であることを踏まえ、 次々期以降の雇用率の設定のタイミングにおいて、除外率についても段階的に見直し、早 期廃止に向けた取組を積極的に進めていくことが適当である。 この際、10 ポイント以上引き下げることを含めて検討することが必要という意見や、 制度廃止から長期にわたり廃止に向けたロードマップが示されていないことには懸念があり、企業側の取組に課題があるのであれば、必要な支援を措置し早期の廃止実現を目指 すべきという意見があった。 また、見直しに当たっては、除外率が既に廃止された制度であることを重く受け止め、 廃止に向けた引下げを前提とするものの、雇用率引上げの施行と除外率引下げの施行のタ イミングが重ならないようにするほか、企業を取り巻く雇用環境や除外率設定業種の障害 者雇用の状況等を踏まえ、現実的な対応の余地を残して検討することが必要という意見が あった。

4 その他 →重度障害者等に対する職場や通勤等における支援(重度訪問介護サービス利用者等職場 介助助成金、重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金)⇒引き続き、その 実施状況を踏まえながら、より活用が図られるよう取組を進めること。また、 当該助成金の対象とならない場合であっても、障害特性や症状によって通勤が困難である 場合等、実態を把握して、こうした障害者に対する支援を充実させていくことが望ましい という意見があった。 障害者雇用に関する優良な事業主の認定制度(もにす認定制度)⇒企業にと ってもダイバーシティに取り組んでいることをアピールできる有益なものであり、より一 層、認定企業を増やし、障害者雇用に対する地域の社会的関心を高めるため、インセンテ ィブを増やすとともに、周知を強化することが適当である。

第7 おわり→障害者の雇用機会拡大と雇用継続は、長期的な視点で、持続可能な制度によって達成す る必要があるが、そのためには、過度に複雑な制度や、労働者・事業主・行政それぞれの 手続の負担が過大な制度を避けることが望ましいという意見があった。
引き続き検討すべきもの⇒調査・研究等、検討に当たって必要となる前提が整った上で、可能な限り早期に検討し結論を得ることが必要という意見があった。
今般、新たに措置することが適当とされた週 10 時間以上 20 時間未満の障害者に対する 雇用率制度における特例、除外率の引下げや、長期継続雇用の推進等、個別の施策を進め るに当たり、雇用の質の向上という観点では合理的配慮の提供が重要であり、事業主は合 理的配慮の提供について、その意義を改めて認識し対応することが適当である。

次回も続き「参考資料3 障害者総合支援法等の見直しに関するスケジュール」からです。

第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料) [2022年09月17日(Sat)]
第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(令和4年9月8日)
《議題》(1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案要綱(諮問)(2)2021年度の年度目標に係る評価・2022年度の年度目標の設定
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27869.html
◎参考資料1 労働政策審議会障害者雇用分科会委員名簿 ↓
・(公益代表)6名(労働者代表)5名(労働者代表)5名(障害者代表)4名 計20名。


◎参考資料2 今後の障害者雇用施策の充実強化について(令和4年6月 17 日労働政策審議会障害者雇用分科会 意見書)
第1 はじめに
→障害者雇用は着実に進展。障害者を適切な支援につなげるため には雇用施策と福祉施策の連携強化を図る必要、これまで就業が想定されにくかった重度障害者や多様な障害者の就業ニーズが高まっている等の課題が生じている。 特に、雇用施策と福祉施策の連携強化⇒令和2年 11 月から約7カ月にわた って開催された「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」によって幅広く議論、その成果が令和3年6月に「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書」にとりまとめられた。また、平成 31 年2月 13 日付け労働政策審議会障害者雇用分科会意見書を踏まえた障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第 36 号。「令和元年改正法」)⇒国及び地方公共団体に おける障害者雇用の促進に係る措置が改正の中心。大企業及び就労継続支援A型事業所に対する障害者雇用調整金の取扱い、除外率制度に関する対応等、民間部門の課題につ いて引き続き検討することが求められている。 このような状況や令和元年改正法の施行後3年を目途とした検討規定を踏まえ、検討会報告書や分科会意見書において引き続き検討すべきとされた事項をはじめ、障害者雇用施 策全般について議論を進めてきた、以下のとおり、今後の障害者雇用施策の充実強化について結論を得たもの。

第2 雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化 →今後は、障害者雇用の数に加えて、障害者が個々に持てる能力を発揮して 活き活きと活躍し、その雇用の安定に繋がるよう、障害者本人、事業主、関係機関が協力 して障害者雇用の質を向上させることが求められる。
障害者の雇用の促進等に関する法律に掲げられた責務を事業主が真摯に果たしていくためには、障害者が持てる能力を十分に発揮できる雇用の場を提供するとともに、雇用後もその活躍を促進するため、キャリア形成の支援を含めて、適正な雇用管理をより一層積極的に行うことを求めること。事業主は合理的配慮の提供はもとより、持てる能力を発揮できるよう障害特性に応じた業務の選定や再構築を行うとともに、採用時のみならず、雇用継続期間中を通じて適宜見直すことが望ましい。また、行政による、事業主に対する支援として、ハローワークにおいてはアセスメント やマッチング支援を強化すること。 加えて、障害者雇用の質を高める観点⇒障害者の定着支援を図ることが重要であり、助成金による支援の充実を含め、職場適応援助者(「ジョブコーチ」)の活用を促進することが適当、この点、障害種別に対応できるジョブコーチの育成 が重要という意見があった。 なお、雇用の質の向上を図っていくに当たっては、将来的にはこれに向けた事業主の取組を評価する手法を検討することが考えられるという意見があった。

第3 障害者雇用と障害者福祉の連携の促進
1 アセスメントの機能強化
→障害者の企業等での就労状況に係るアセスメント結果について、必要に応じて、 ハローワークにフィードバックしてもらうことで、ハローワークでの障害者と企業等との マッチングの精度を高めること。 ※「アセスメント」:本人の就労能力や適性の客観的な評価を行うとともに、本人と協同 して就労に関するニーズ、強みや職業上の課題を明らかにし、ニーズを実現するために 必要な支援や配慮を整理すること。

2 障害者就労を支える人材の育成・確保 →基礎的研修は、雇用・福祉分野の横断的な知識等について一定レベルの習得を目指すこととし、研修受講者の仕上がり像は、障害者本人や企業に対して基本的な支援を開始 できるレベルの人材とする。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施。その上で、民間機関も活用していくこととするが、質の確保の 観点から、まずは、厚生労働大臣指定の職場適応援助者養成研修実施機関とする。効果検証をしっかり行った上で効率的な運用に努め、研修内容を適時適切に見直していく。 なお、基礎的研修については、受講を必須とすべき者だけでなく、A型及び就労継続支 援B型事業所の支援員や、就労アセスメントの手法を活用した新たな障害福祉サービス (就労選択支援(仮称))の担当者等の受講機会が確保されることが望ましいという意見 があった。加えて、受講を必須とする者⇒基礎的研修の運用状況等を踏まえ、その拡大の可能性についても検討することが望ましいという意見があった。

3 地域の就労支援機関の役割分担 →地域障害者職業センターは、地域の支援力向上を図るため、各支援機関に対する職業リハビリテーションに関する助言・援助等に積極的に取り組んでいくことが必要。 障害者就業・生活支援センターは基幹型の機能を果たす機関として、地域の支援ネッ トワークの強化、充実を図ることが必要。 との方向性。↓
地域障害者職業センターは、基礎的研修を実施するとともに、地域の就労支援機関等に対して、個別に計画的・体系的な人材育成を提案するなど、これまで以上に地域において障害者の職業生活における自立を支援する人材の育成に努め、地域の就労支援の基 盤整備を図る。⇒地域の実情に応じて、地域の支援機関に対するス ーパーバイズ(個別の支援事例に対する専門的見地からの助言及びそれを通じた支援の 質の向上に係る援助)や困難事例に対応するという基幹型の機能を果たす機関として位 置付け直し、地域障害者職業センターとの連携を強化する。

第4 多様な障害者の就労ニーズを踏まえた働き方の推進
1 障害者雇用率制度における障害者の範囲
(1)週所定労働時間 10 時間以上 20 時間未満の障害者の取扱い
→特例的な取扱いでその雇用を実雇用率の算定対象に加えることが適当。算定⇒1人をもって 0.5 カウント、また、週 20 時間以上の 雇用への移行に要する期間には個人差があるとともに、障害特性から、中長期にわたり週 20 時間以上の雇用に移行できない者も一定程度存在するため、本取扱いは一律に適用期 限を区切ることはしないことが適当。 ただし、職業的自立を促進する観点から、雇用義務の対象は週 20 時間以上の障害者と しているが、今般、この取扱いは変更せず、新たに実雇用率の算定の対象として加える週 20 時間未満の障害者は雇用義務の対象としない、すなわち、雇用率の算定式には週 20 時 間未満の障害者を含めないことが適当である。 そのため、今般の特例措置の趣旨や、あくまで職業的自立を促進する観点からは週 20 時間以上の雇用の実現を目指すことが望ましいこと等について、障害者本人、事業主、関係機関に対して周知を図り、それぞれがその方向で努力することである。さらに、 安易に週 20 時間未満の雇用が増えることのないように、障害者本人が希望していること を前提として、ハローワークのアセスメントや医師等専門家の意見も踏まえた取扱いとす ることが適当である。 また、週 20 時間未満の雇用に留め置かれないよう、障害者本人が労働時間の延長を希 望する場合、事業主に対しその有する能力に応じた労働時間の延長について努力義務を課すことが適当。なお、週 20 時間以上の就業が困難な者等を障害者雇用納付金(以下「納付金」という)、 調整金の算定の対象とすることにより、当該者に対する就業機会の拡大を直接的に図るこ とが可能となることから、特例給付金は廃止することが適当である。
(2)障害者手帳を所持していない精神障害者、発達障害者及び難病患者の取扱い →手帳を所持していない精神障害者、発達障害者及び難病患者について、 雇用率制度における対象障害者の範囲に含めることをただちに行うのではなく、手帳を所 持していない者に係る就労の困難性の判断の在り方にかかわる調査・研究等を進め、それ らの結果等も参考に、引き続きその取扱いを検討することが適当。
(3)就労継続支援A型事業所の利用者の取扱い→当該事業が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援す るための法律(平成 17 年法律第 123 号)に基づく障害福祉サービスに位置付けられてい る一方で、雇用労働者であるため、雇用率制度の対象。 当分科会⇒障害福祉サービスに位置付けられており、事業主が社会連帯の理念に基づき、障害者に雇用の場を提 供する共同の責務を有していることを前提とした雇用率制度上、一般企業と同列に扱うべ きではなく、その利用者は雇用率・納付金・調整金等の対象から外すべきという意見が多 数あった。他方で、こうした見直しは、A型の利用者に与える影響を考慮して慎重に議論 するべきという意見や加齢により企業での就業が困難になった者の受け皿として社会的 貢献度は大きいことも考慮すべきであるという意見もあった。A型⇒その在り方や役割について、利用者や支援内容の実態等を踏まえて整理を進めることとしており、 現在、その実態把握を行っている。雇用率制度におけるA型の利用者の扱いについては、実態把握に基 づきA型が障害福祉制度においてどのように整理されるかも踏まえた上で、雇用率制度・ 納付金制度からの除外の可能性も視野に入れ、一方で様々な影響も考慮しつつ引き続き検 討していくことが適当。この点、A型の実態把握等の状況は当分科会においても定 期的に共有されることが望ましいという意見や、見直しに向けて検討していくべきという 意見があった。

2 精神障害者に対する障害者雇用率等の算定
(1)精神障害者の算定特例の延長
→ 平成 30 年4月から精神障害者の雇用が義務化されるとともに、雇用率が引き上げられ たことに伴い、精神障害者の職場定着を進める観点から、精神障害者である短時間労働者の実雇用率の算定に関して、令和4年度末まで短時間労働者を1カウントとする特例措置を設けている。 精神障害者の職場定着率は週 20 時間以上 30 時間未満勤務の場合が相対的に高くなっており、その職場定着を進める観点から、精神障害者である短時間労働者を1カウントと する特例を継続することが適当。 また、精神障害者の個別性の高さを踏まえると、週 30 時間以上の雇用への移行に要する期間には個人差があるとともに、障害特性から、中長期にわたり週 30 時間以上の雇用 に移行できない者も一定程度存在するため、特例を継続するに当たっては、一律に適用期 間を区切ることはせず、新規雇入れ又は手帳取得から3年間という要件を外すことが適当。ただし、週 30 時間以上の勤務を希望する障害者が短時間勤務のまま留め置かれること がないよう、ハローワークが障害者本人からの相談や定着支援等を通じて労働時間の延長 に向けて対応が必要なケースを把握した場合には、ハローワークが事業所訪問を通じて職 場環境・就業状況等を確認し、必要に応じて関係機関と連携しつつ助言・支援や雇用管理 指導を行うことが適当。 なお、特例の期間については、当分の間、特例を継続することとし、今後、(2)のと おり、精神障害者の重度に係る検討について一定の整理がされた際に改めて検討すること が適当である。
(2)精神障害者に係る重度の取扱い→精神障害者は身体・知的障害者と異なり「重度」といった取扱いがない。 精神障害者の就労困難性と精神障害者保健福祉手帳の等級は必ずしも関係するもので はないという意見等様々な意見があることを踏まえると、精神障害者の「重度」という取 扱いについては、ただちにこれを設けるのではなく、調査・研究等を進め、それらの結果 等も参考に、引き続き検討することが適当である。

3 長期継続雇用の評価 →当分科会⇒中高年齢者等、長期継続雇用に対する事業主の取組について雇用率制度 における評価を求める意見がある一方で、加齢による影響は職種・職場等の違いを含め個 人で異なるものであり、事業主が適切な配慮をすれば、年齢に関係なく活躍できる事例も 多くみられることから、年齢や勤続年数で一律に判断することは適当ではないという意見 があった。また、障害者権利条約を批准している現在において、ダブルカウントという措 置を継続すべきかどうかについて議論が必要という意見もあった。 これらを踏まえ、中高年齢者等、長期継続雇用されている障害者⇒一律に就労 困難性が高いとみなして雇用率制度で評価することは適当ではない。この点、個々の企業 による長期継続雇用に向けた取組を客観的に評価し、雇用率制度上評価する方策について 引き続き検討することが望ましいという意見があった。企業からは中高年齢者である障害者を継続して雇用する中で生じる課題⇒相談できる窓口を求める声もあることから、障害者就業・生活支援センターについて、関 係機関との連携を強化し、地域の実情や個々の事業主の状況に応じて中高年齢者である障 害者を継続して雇用するための課題に関する相談機能を強化することが適当である。

次回も続き、障害者雇用分科会 意見書「第5 障害者雇用の質の向上の推進」からです。

第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料) [2022年09月16日(Fri)]
第122回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(令和4年9月8日)
《議題》(1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案要綱(諮問)(2)2021年度の年度目標に係る評価・2022年度の年度目標の設定
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27869.html
◎資料1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法 律等の一部を改正する法律案(障害者の雇用の促進等に関する 法律の一部改正関係)要綱について(諮問文)
○R4.4.9 加藤厚労大臣→労働政策審議会長 清家篤 殿⇒要綱意見を求める。
○障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案(障害者の 雇用の促進等に関する法律の一部改正関係)要綱↓

第一雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化
第二障害者雇用と障害者福祉の連携の促進
第三障害者の多様な就労ニーズを踏まえた働き方の推進
第四障害者雇用の質の向上の推進
第五その他
第六施行期日等→令和六年四月一日から施行すること。その他。 三検討規定 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の法律の施行の状況等を勘案 しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする
○答申→妥当と認める。


◎資料2−1 障害者雇用分科会における 2021 年度目標の評価について(案)
○ハローワークにおける障害者の就職件数について
→〔2021 年度目標〕 前年度(89,840 件)以上、〔2021 年度実績〕 96,180 件。 (参考)ハローワークにおける障害者の就職率 42.9%。
(分析)→2021 年度のハローワークにおける障害者の就職件数は 96,180 件(対前年 度比 7.1%)であり、目標(89,840 件以上)を上回ったが、2019 年度(103,163 件)と比較すると 6.8%減少しており、コロナ禍以前の状態には戻っていな い。

○障害者雇用率関係 ↓
@ 障害者の雇用率達成企業割合
→〔2021 年度目標〕 47.4%以上 〔2021 年度実績〕 調査中(2022 年6月 1 日時点)
A 障害者雇用ゼロ企業(2021 年6月1日時点)のうち、新たに障害者を 雇用した企業(2022 年6月1日時点)の割合→〔2021 年度目標〕 15.2%以上 〔2021 年度実績〕 調査中(2022 年6月1日時点)
・ 2022 年の障害者雇用状況報告(2022 年6月1日時点)の結果を踏まえて 分析する予定(2022 年の障害者雇用状況報告は年度内を目途に公表する予 定)。

○ 精神障害者雇用トータルサポーター支援実績 ↓
@ 精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了した者のうち、就職に向けた次の段階へ移行した者の割合
→〔2021 年度目標〕 72.8%以上 〔2021 年度実績〕 78.7%。
A 精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了し、就職に向け た次の段階へ移行した者のうち、就職した者の割合→〔2021 年度目標〕 84.3%以上 〔2021 年度実績〕 84.5%。
(分析)→2021 年度の精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了した者 (11,887 人)のうち、就職に向けた次の段階へ移行した者(9,354 人)の割合は 78.7%となっており、2021 年度目標(72.8%)を上回った。 また、精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了し、就職に向 けた次の段階へ移行した者(9,354 人)のうち、就職した者(7,907 人)の 割合は 84.5%となっており、同様に 2021 年度目標(84.3%)を上回った。⇒これらの主な要因としては、求職者に対して、通常のカウンセリングを実施することに加え、コロナ禍で職場実習の実施が制限される中であっても、ナビゲーションブックや就労パスポート等の作成支援を通じて、自らの障害特性の理解促進や職業生活上の課題の整理を支援するほか、自身のアピールポイントや希望する配慮などを書面にまとめ紹介時に事業主に伝える等の取組を着実に実施したことが考えられる。 引き続き、求職者に対して、個別相談によるきめ細かい支援を実施すると ともに、事業主に対しても、障害特性の理解の促進や雇用管理のノウハウの 提供、助成金等の各種支援メニューの活用の提案を行うなど、マッチングの 促進に向けた受入体制の整備を通じ、精神障害者等の雇用に係る課題解決の ための支援を実施していく。 なお、全体として目標は上回ったものの、各局の状況を個別に見ると、支 援対象者について、精神疾患の症状が顕著に見られ体調が安定しない等により、職業紹介や職業訓練等の段階に移行することが非常に困難な者も選定している場合があった。このため、精神疾患の症状が顕著に見られるなど、生活状況や心身の状態に鑑みて精神障害者雇用トータルサポーターによる継続的な支援を受けら れる状態にない者は、医療機関や支援機関等へ適切なタイミングで誘導すること、及び支援の開始にあたって精神障害者雇用トータルサポーターによる 支援内容を説明し、本人に継続した個別支援を受けることへの意思確認を行 うことを徹底する。


◎資料2−2 障害者雇用分科会における 2021 年度評価シート(案)
○関連する 2022 年までの目標
→障害者の実雇用率 2.3%(平成 30 年6月 15 日閣議決定「未来投資戦略 2018-「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革-」に より策定)
・ハローワークにお ける障害者の就職 件数→96,180 件の実績。
・【障害者雇用率関係】→@障害者の雇用率 達成企業割合 A障害者雇用ゼロ 企業(2020 年6月 1日時点)のうち、新たに障害者を雇用した企業(2021 年6月1日 時点)の割合
・【精神障害者雇用トータルサポーター支援実績】→@精神障害者雇用トータルサポータ ーの相談支援を終了した者のうち、 就職に向けた次の 段階(※3)へ移 行した者の割合
A精神障害者雇用 トータルサポータ ーの相談支援を終了し、就職に向けた次の段階へ移行 した者のうち、就 職した者の割合   ⇒⇒2021年度目標・年度 実績。 2020年度実績・ 年度実績の欄参照のこと。

○2021 年度目標設定における考え方↓
【ハローワークにおける障害者の就職件数】2020 年度の実績を踏まえて設定。

【障害者雇用率関係】→@は過去 10 か年分の平均伸び率及び制度・雇用率の見直しの影響を踏まえて設定。Aは障害者雇用ゼロ企業(2017〜2019 年6月1日時点)のうち、新たに障害者を雇用し た企業(2018〜2020 年6月1日時点)の割合の平均値を踏まえて設定。
【精神障害者雇用トータルサポーター支援実績】→ @直近3か年分の実績の平均値を踏まえて設定。 A前年度目標が未達成であることから、引き続き前年度と同様の目標値を設定。

○施策実施状況↓
1 ハローワークにおける障害者の就職件数の目標達成に向けた主な取組
→@ 担当者制等、求職者の障害特性に応じたきめ細かな職業相談・職業紹介 A 障害者向けチーム支援等 B 精神障害者等に対する就労支援(精神保健福祉士等の資格を有する「精神障害者雇用トータルサポーター」(229 人) を配置し、精神障害者等に対するカウンセリング、企業に対する精神障害者等の雇用 に係る課題解決のための相談援助等の支援を行った。)
2 障害者の雇用率達成企業割合の目標達成に向けた主な取組→ @ 企業向けチーム支援等→@ 企業向けチーム支援等 A 障害者の雇入れに係る助成 B 職場適応・定着等に取り組む事業主への支援
3 精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了した者のうち、就職に向けた次 の段階へ移行した者の割合の目標達成に向けた主な取組→個別相談(実績:102,481 件)、コミュニケーションスキルの向上等を 目的としたグループワーク等を行う就職準備プログラム(実績:延べ 6,412 人)、適性や 能力に関する自己理解を高めるための職場実習(実績:687 件)及び地域の関係機関と 連携しながらの職場定着支援(実績:23,459 件)並びに事業主に対する課題解決のため の相談・助言(実績:8,670 件)を実施

○2021 年度施策実施状況に係る分析
1 ハローワークにおける障害者の就職件数
→コロナ禍以前の状態には戻っていない。⇒【参考1】新規求職申込件数、障害者専用求人数、就職件数の年度比較 【参考2】産業別障害者専用求人数 【参考3】職種別障害者専用求人数 ※職種別専用求人数については、年度あたり 1000 件以上ある種別を集計。 【参考4】産業別就職件数 【参考5】障害の種類別・部位別の新規求職申込件数・就職件数・就職率について
2 障害者の雇用率達成企業割合→2022 年の障害者雇用状況報告(6月1日時点)の結果を踏まえて分析する予定(2022 年の障害者雇用状況報告は年度内を目途に公表する予定)。
3 精神障害者雇用トータルサポーター支援実績→目標(72.8%)を上回った主な要因としては、求職者に対して、通常のカウンセリングを実施するこ とに加え、コロナ禍で職場実習の実施が制限される中であっても、ナビゲーションブックや就労パスポート等の作成支援を通じて、自らの障害特性の理解促進や職業生活 上の課題の整理を支援するほか、自身のアピールポイントや希望する配慮などを書面 にまとめて紹介時に事業主に伝える等の取組を着実に実施したことが考えられる。

○施策の達成状況を踏まえた評価及び今後の方針
1 ハローワークにおける障害者の就職件数
→担当者制等、求職者の障害特性に応じたきめ細かな職業相談・職業紹介。就職支援ノウハウの継続的な向上を図り、効果的な紹介・就職につなげるための 各ハローワークにおける取組共有 を実施していく。
2 障害者雇用率関係→2020 年4月より創設された障害者雇用に関する優良な事業主に対する認 定制度(もにす認定制度)の周知・認定の促進を図るとともに、障害者雇用ゼ ロ企業等に対して、企業ごとのニーズに沿って支援計画を作成し、採用前から採用後の 定着支援までを一貫して支援する「企業向けチーム支援」を実施。さらに、「企業 向けチーム支援」では、従前の未達成企業に対する支援のみならず、新たに法定雇用率 の引上げにより法定雇用率未達成となる企業や、新型コロナウイルス感染症の影響を受 けた企業を支援対象に追加した、こうした取組を通じて、引き続き障害者 雇用を促進していく。

3 精神障害者雇用トータルサポーター支援実績→全体として目標は上回ったものの、各局の状況を個別に見ると、支援対象者⇒精神疾患の症状が顕著に見られ体調が安定しない等により、職業紹介や職業訓 練等の段階に移行することが非常に困難な者も選定している場合があった。 このため、精神疾患の症状が顕著に見られるなど、生活状況や心身の状態に鑑みて精 神障害者雇用トータルサポーターによる継続的な支援を受けられる状態にない者は、医 療機関や支援機関等へ適切なタイミングで誘導すること、及び支援の開始にあたって精 神障害者雇用トータルサポーターによる支援内容を説明し、本人に継続した個別支援を 受けることへの意思確認を行うことを徹底する。


◎資料2−3 障害者雇用分科会における 2022 年度の年度目標(案)
・年度目標項目・ 2021年度の年度目標・ 2021年度の年度実績に基づき、2022年度の年度目標(案)・データの出所があり。

次回も続き「参考資料1」からです。

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