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子どもの権利擁護に関するワーキングチーム(第9回)資料 [2021年04月21日(Wed)]
子どもの権利擁護に関するワーキングチーム(第9回)資料(令和3年3月29日)
≪議事≫ とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17720.html
◎資料1 とりまとめ(素案)
◯子どもの権利擁護に関するワーキングチーム とりまとめ(素案)↓
3.権利擁護の枠組み・機関

 2.で述べた子どもの意見表明の機会の確保及び意見表明支援の仕組み が整備され、それらが機能してもなお、様々な場面で子どもの権利侵害が生じるおそれは否定できない。例えば、施設内での虐待は被措置児童等虐待として法律で禁止されているところ、令和元年度には都道府県において 290 件の 届出・通告が受理されており、同年度に虐待と認められたケースは 94 件ある。 一時保護所でも、過度の私語禁止や私物所持の禁止などに見られる管 理的な運営に関して、子どもの権利の観点から様々な問題が指摘されている。
施設や一時保護所における権利擁護→まずもって内部に苦情処 理の仕組みを整備する等により適切に対応するべきであるが、同時に、自分から声をあげられない子どもの権利が保障されているのかどうかは外部の目で見ていく必要もあり、第三者が関与する枠組みを整備していくべきである。 まず、児童相談所、里親、施設などが関わる個別具体のケースについて生じた権利侵害→子ども本人や子どもと関わる関係機関から申立てができ、中立的な立場の者によって調査・審議され、結果に応じて行政機関や施 設に対して意見具申や勧告をする等の機能を備えた権利擁護機関を整備する 必要がある。 また、個別具体的な権利侵害は、児童相談所や施設の運営方針に起因して いることも多いため、子どもの権利擁護に関する質の向上を図ることのできる 適切な第三者評価を通じて、個別事案への対応方法のみならず運営のあり方 そのものを見直していく仕組みも必要である。 さらには、自治体レベルや国レベルで子どもの権利擁護の状況を俯瞰して、 自治体や国に対して政策を提言したり、市民に対して子どもの権利に関する教育・啓発活動を行ったりする機能を備えたコミッショナー(・オンブズパーソン)についても検討する必要がある。

(1)個別の権利救済の枠組み↓
 平成 28 年報告書
→本来は 独立した第三者機関を設置するべきであるが、かかる機関の設置には時間を 要すると思われるため、当座、現存する児童福祉審議会を活用すると整理されている。いずれの方法を採るにせよ、社会的養護施策を立案・実施する主体である都道府県等において取り組んでいく必要がある。このため、児童福祉法上、都道府県等は、子どもの権利擁護の環境整備に努めなければならない旨 を規定するべき。 また、前述の「子どもの権利擁護に係る実証モデル事業」では、児童福祉審 議会等の機関を用いて権利擁護の枠組みを構築するために必要な経費に対して一定の予算措置がされており、実証モデル事業の更なる展開 やその拡充により、自治体の主体的な取組を後押ししていくべき。
 @児童福祉審議会→ 平成 28 年改正法では児童福祉審議会が子ども本人を含む関係者から意見 を聴くことができる旨の規定が整備され、具体的な活用方法が調査研究事業 や実証モデル事業で検討されてきた。 令和元年度に実施した調査研究事業によれば、調査に回答した 54自治体の うち 5 自治体(9.3%)に児童福祉審議会を活用した子どもの権利擁護の仕組みがあり、また、令和元年度末までにとりまとめた各自治体の社会的養育推進計 画によれば、全 70 自治体のうち 27 自治体(38.6%)が児童福祉審議会を活用した子どもの権利擁護の仕組みを検討していく考えを示している。 児童福祉審議会→全ての都道府県等に既に設置されているため 体制整備に着手しやすく、早期に仕組みを構築できるというメリットがある一方 で、対象が児童福祉法の範疇に限られ、学校で生じる問題など子どもの権利 全般を取り扱うことは困難になるというデメリットがある。 自治体においてはこうしたメリット・デメリットを踏まえて権利擁護の仕組みを 検討することが求められるが、子どもの権利擁護は喫緊の課題であることに鑑み、原則として全ての自治体において児童福祉審議会を活用した権利擁護の 仕組みが整備されるよう、取組を促進していくべきである。
【機能・対象児童】 児童福祉審議会は児童福祉法第8条第2項に基づいて児童、妊産婦及び 知的障害者の福祉に関する事項を調査審議することができ、同条第4項に基づいて関係行政機関に意見を具申することができることから、これらの権限を 行使して子どもの権利擁護を図ることになる。
児童福祉審議会が取り扱う事案→以下の3つのパター ンが想定される。
a.措置等の決定に先立つ子どもの意見聴取及びその尊重→
都道府県等による措置や一時保護の決定に先立ち、子どもが児童福祉審議 会に意見を申し立てる事が考えられる。この場合、児童福祉審議会が子ども からの意見聴取や必要な調査等を行ったうえで、必要な場合には都道府県等 に措置や一時保護の内容等に関する意見を具申することになる。 なお、現行制度では児童福祉法第27条第1項第1号(訓戒・誓約)、第2号 (在宅指導)、第3号(里親委託・施設入所)の措置を採る場合、又は同項第2 号、第3号の措置を解除、停止若しくは他の措置に変更する場合であって子どもの意向と当該措置が一致しないときは、都道府県知事等は児童福祉審議会 の意見を聴かなければならないこととされている。また、2(1)@で述べたよう に、今後は措置や一時保護を決定するに先立ち、子どもの意見聴取を義務付 けるべき。 今般検討する仕組みは子どもの側から意見を申し立て、児童福祉審議会から 措置権者に対して必要な働きかけを行うものと位置付けられる。
b.措置等の決定事項に対する意見表明→都道府県等による措置や一時保護の決定そのものに対して、不満等を抱え る子どもが事後的に児童福祉審議会に意見を申し立てることが考えられる。 こうした決定そのものを取り消す機能は行政不服審査法に基づく審査請求 に委ねられているため、それとは異なり、処分の決定後にも児童福祉審議会 が子どもの意見を受け止め、必要な場合には都道府県等に対して決定の再考 を促す機能として意見具申を位置付けることが考えられる。 なお、そもそも措置や一時保護の決定は、子どもの意見を適切に考慮して行 われるべきものであり、あくまで事前の意見聴取を重視すべきであることには 留意が必要である。 また、子どもが措置や一時保護を求めているにもかかわらず、児童相談所が そうした対応を行わない場合も想定される。このような場合にも、子どもが児童 福祉審議会に意見を申し立て、必要に応じて適切な措置や一時保護を行うよう都道府県等に対して意見具申を行うといった機能も考えられる。
c.里親家庭、施設、一時保護所等での生活に関する不満等がある場合→措置先や一時保護所などの生活の場において、里親や職員の対応に子どもが不満等を感じた場合、児童福祉審議会に意見を申し立てることが考えられる。この場合、児童福祉審議会は必要な場合には都道府県等に対して対応の 改善を求める意見を具申し、都道府県等は当該意見を里親、施設、一時保護 所等に伝え、意見を踏まえた対応を求めることが考えられる。 なお、現行制度では被措置児童等虐待に関して児童福祉審議会が調査審議 する枠組みがある。また、施設や一時保護所においては苦情受付窓口や第三 者委員の設置等の措置が講じられており、施設や一時保護所の内部で簡易・ 迅速に子どもの意見を聴いて対応することもある。こうした仕組みとの関係を 整理することが必要であるが、例えば、被措置児童等虐待については従前の 仕組みを活用し、施設内で迅速に解決されるべき意見(例:食事のメニューに 関する苦情)は苦情解決委員会等による現場での解決に委ね、これらに当た らない事案(例:児童間のいじめ)は権利擁護の枠組みで対処する、などの役割分担が考えられる。  
上記 a〜c の対応を前提とすれば、権利擁護の対象となるのは、措置や一時 保護を現に受けている子どもはもとより、在宅指導措置を受けている家庭にいる子ども、措置や一時保護の必要性を検討されている子どもも含めることが適当であり、児童福祉法上の要保護児童・要支援児童と設定することが考えられる。また、措置延長を受けて引き続き児童養護施設等で生活している 20 歳未 満の者や、社会的養護自立支援事業の適用を受けて引き続き児童養護施設 等で生活している 22 歳未満の者については、生活環境の継続性に鑑み、18 歳未満の児童と同様に対象として位置付けることが適当。 なお、18 歳を超えたケアリーバーがインケアの時に受けた過去の対応についても権利擁護機関の扱う対象にすべきとの意見もあった。他方、例えば謝罪や 慰謝料による解決を図るのであれば民事訴訟に委ねるほうが馴染むとの意見があった。少なくとも、児童相談所としてはケアリーバーが過去の経緯等を知り たいと思ったときに適切に対応できるよう、児童相談所運営指針に定められて いる児童記録票の保存期間(施設入所等の措置をとった児童は満 25 歳になる まで、将来的に児童記録票の活用が予想される場合は長期保存)を遵守して いくべきであるとの意見もあった。
また、上記 a〜c のいずれの場合も、→子ども本人が、必要に応じて意見表明支援員のサポートを得ながら、自ら 児童福祉審議会に申し立てることに加えて、 子どもに関わる関係機関(例えば、要対協の構成機関、医療機関、教育委 員会、児童福祉施設等)が児童福祉審議会に申し立てる といった申立て経路も考えられる。 さらに、意見具申後の子どもへのフィードバックも重要であり、意見具申の内 容は子ども本人にも伝えるとともに、一定の期間を設けて児童相談所や施設 等から対応結果の報告を求め、その結果を子どもに伝えるといったフォローアップも行うべきである。 調査・審議の結果によっては、児童福祉審議会としての判断やその後の児童 相談所等の対応結果について、子どもがなお不満を感じることもある。そのような場合であっても、意見表明支援員や後述の調査員など子どもと直接関わる役割を担う者を通じて理由等をしっかりと説明し、子どもの納得が得られるよう努めるべき。
【児童福祉審議会の体制等】
a.独立性 権利擁護機関は
、都道府県等に対して意見を具申し、児童相談所や施設な どに対応の改善を求める機能を有することから、それらの主体との間に利害関 係が無いことが大前提となる。 児童福祉審議会で子どもの権利擁護に関する事案を一定の独立性をもって 扱うためには、審議会の下に権利擁護部会(仮称)を設けて対応することが考えられる。既存の児童福祉審議会には、都道府県等から措置に関して意見を 求められた場合に審議する権限が付与されており、そのための部会が設置されている自治体も多い。このため、子どもの意見を受けて権利擁護を図る仕組 みが形骸化しないよう、権利擁護部会(仮称)はそのような既存の部会からは 独立させ、委員も異なる人選をすることが適当。 そもそも児童福祉審議会の委員は児童福祉法上「児童福祉審議会の権限 に属する事項に関し公正な判断をすることができる者」と定められている。権利 擁護部会(仮称)の委員に関しては、児童相談所の措置や支援、施設や一時 保護所での支援等について審議することから、例えば、児童相談所や施設関係者、児童相談所・一時保護所に配置されている弁護士等は委員としては望 ましくないことに留意が必要である。 なお、児童福祉審議会の部会の設置の仕方は自治体ごとに様々であり、全国統一的なあり方を決めることはできないが、仮に既存の部会を活用する場 合でも、審議事項に応じて、例えば措置等を検討する場合に部会の委員の中 に児童相談所関係者が含まれている、里親に関する事項を審議する場合に里 親関係者が含まれているといった場合は、当該委員は審議から外れる、又は 他の委員を立てることにより独立性を確保する必要がある。 いずれにしても、各自治体の既存の部会の設置状況に応じて役割分担を整理することが必要であり、国としては標準的な設置運営要綱を示すなど、自治 体の参考となる資料を作成するべきである。 この他、設置運営要綱において、特段の事情が無い限り委員を解任しない との定めを置くことや、都道府県等が意見具申を尊重するとの定めを置くこと などにより、独立性を高めることも考えられる。
b.迅速性 子どもの権利擁護事案は不定期に発生し、かつ、迅速な対応が重要である ことから、臨機応変かつ速やかに調査審議が行われることが必要である。この ため、会議の日程調整がしやすいように一定の少人数で委員を構成すること、 場合によってはオンラインや持ち回りなどの形式で会議を開催することなど、 迅速な対応を確保するための運用上の工夫が必要である。現在の児童福祉 審議会の運用を見ると、年に2〜3回程度しか開催されない自治体も見られる ことから、少なくとも予め開催スケジュールを固定するのではなく、必要な時に 速やかに開催できるように要綱等を整備しておく必要がある。 また、迅速な事務処理を行うために、事務局の体制も一定の規模が必要。特に、現地調査や関係者からの聞き取りには一定の労力を要することから、適時・迅速に対応できるよう、調査のための要員を確保しておくことが重要。この場合、調査の要員についても一定の独立性が担保されていること が望ましく、例えば、調査対象となる児童相談所や施設の関係者は調査の要 員として望ましくないことに留意が必要。さらに、独立性を高めるために は、権利擁護調査員(仮称)を配置することとし、弁護士等を部会の事務局に 雇用する、若しくは外部の団体(例えば地域の弁護士会等)に委託するなどの 手法も有効であると考えられる。 なお、自治体によっては児童福祉審議会の事務局を児童相談所職員が担当 しているケースもあるが、権利擁護部会については児童相談所からの独立性 が重要であり、担当は避けることが適当である。
c.アクセシビリティ→子どもからの意見表明を担保するためには、子どもからアクセスできるルートが整備されていることが前提。 まず、子どもが単独で意見を表明することには心理的なハードルもあること から、意見表明支援員が一時保護所や児童養護施設などを定期的に訪問するなどのアウトリーチの手法により、子どもに対して意見を表明してもよいこと を伝え、権利擁護機関の仕組みについてわかりやすく説明することが重要。これに加え、電話、はがきのほか、施設職員を通じた意見表明支援員の呼 び寄せなどの多様なアクセス方法を整備しておく必要がある。 いずれにしても、子どもが仕組みや利用方法・窓口等を理解できるように、 わかりやすい説明資料を作成するなどの工夫が必要となる。
d.専門性→ 権利擁護機関は里親委託、施設入所、一時保護等に関する子どもの不服 や生活上の悩みなど幅広い事案を扱うことから、委員は子どもの権利擁護や 児童福祉法の制度に精通している者が担うことが必要である。 児童相談所や一時保護所、児童福祉施設とは異なる立場で議論が可能と なり、かつ、専門性を有する者としては、学識経験者のほか、法的な権利擁護の観点から弁護士、心理的観点から医師・心理職、福祉制度の観点から福祉職といった者が考えられる。 また、権利擁護に係る専門性を担保する→これらの者が委員に就くうえで、子どもの権利に関する一定の研修を受けるなどの対応も考えられる。
【その他】→ このほか、児童福祉審議会を活用するうえでは、設置運営要綱に盛り込む 事項の整理、子どものプライバシーへの配慮等、実務面での様々な検討事項 があることから、これまでに実施してきた調査研究や実証モデル事業の成果も 踏まえて、実務上の留意点等を整理して通知等で示していくことが必要である。 A児童福祉審議会以外の権利擁護機関 既に一部の自治体では、条例に基づいて児童福祉審議会とは別の子どもの 権利擁護機関を設置し、権利救済の申立てを受けて調査・審議・勧告を行った り、子どもからの相談を受理したりといった取組が行われている。 こうした独自の権利擁護機関のあり方は自治体によって様々であるが、おお むね、条例で所掌事務が定められ、首長が弁護士や福祉専門職などの有識者から委員を任命し、委員のもとに調査や相談を担う専門員及び事務局機能を有するといった特徴をもっている。 このような独自の権利擁護機関を設置する場合には、@で述べた児童福祉 審議会の機能を代替することができると考えられるため、自治体の選択に応じて整備を進められるよう後押しするべきであり、上述の実証モデル事業を拡充 して活用するなど、国としても支援していくべきである。 なお、このような条例に根拠を有する権利擁護機関は、取り扱う対象を必ず しも児童福祉法の範疇に限定する必要がないこと、先行事例を見ても広く子ど もの権利全般(例:学校で生じる問題、有害図書の問題など)を取り扱っている ことなどから、児童福祉審議会を活用する場合と比べて幅広い事案を扱うこと ができるというメリットがある。その反面、既存の人権擁護に関係する制度・機 関との関係の整理が必要となることから、児童福祉審議会を活用する場合と 比べて立ち上げに要する調整コストが大きいというデメリットがある。 自治体においては、こうしたメリット・デメリットを踏まえて検討する必要があ るが、いずれにしても、国としては先行事例である自治体オンブズパーソン等 のあり方を整理してモデルとして提示するなど、独自の権利擁護機関の設置を 目指す自治体の参考となるような対応を講じていくべき。 【機能・対象児童・体制等】→ 条例により権利擁護機関に付与される権限は、調査・勧告・意見表明・公表 といったものが考えられ、これらの権限を行使して都道府県等に対して対応の 改善などを求めていくことになる。 権利擁護機関が取り扱う事案は、@で述べたa〜cと同様に考えることができるが、それに加えて、社会的養護のもとにいる子どもや児童相談所の対応ケ ースとなっている子どもに限らず、幅広く子どもの権利に関わる事案を取り扱う ことが可能であると考えられる。 その他、独立性、迅速性、アクセシビリティ、専門性といった点は、@で述べ た児童福祉審議会に係る留意点と同様の考え方が妥当するため、設置運営 要綱や運用上の工夫によってこれらの要素を担保できるようにするべき。

(2)監視、評価、啓発、政策提言の機能 ↓
@第三者評価
→子どもの権利侵害が生じる原因は、単に個別の支援者の資質の問題にとど まらず、一時保護所の管理的な運営の慣行に見られるように、行政や施設の 構造的な問題であることが多い。
こうした状況に対しては、個別の権利救済を図るのみならず、外部の専門家 が一時保護所や施設の運営全般を点検・評価し、その結果を踏まえて改善を 図るサイクルを定着させる必要がある。 児童養護施設等の社会的養護関係施設には第三者評価の受審が義務づけ られている一方で、児童相談所は努力義務とされており、令和 2 年度時点で 第三者評価を受審した児童相談所は全国で9箇所(4%)、一時保護所は全国 で 34 箇所(24%)と、定着しているとは言えない状況にある。一時保護所→構造的に外部の目が届きにくい施設であることから、子どもの権利擁護 を中心とした運営のあり方に変えていくためにも、第三者評価を現在の努力義 務ではなく義務化することを検討するべき。 また、児童相談所・一時保護所の第三者評価の実効性を担保するために は、適切な評価者が実施することが必要となる。現状では、児童福祉審議会、 民間企業、社会福祉協議会、大学の研究者などの様々な主体が評価者として 活動しているが、地域によっては評価者の確保さえ困難な状況にあることが指摘されている。したがって、当面は、各自治体において専門的な視点からの評 価を行える体制(学識経験者・弁護士・医師・他の圏域の児童相談所での業務 経験者など)の整備を進めるとともに、評価指標について全国標準的なものを 定着させていくなどにより、評価の質の均てん化を図っていくべき。加えて、将来的には、国レベルの評価機構についても検討していくべきである。 さらに、社会的養護の質を評価する上では、当事者である子どもや経験者の 声を取り入れることが不可欠。この場合、現在進行形で施設等に暮らす インケアの子どもの視点と、ある程度客観的に過去を振り返って評価ができる ケアリーバーの視点は自ずと異なることから、それぞれの視点を取り入れて多 角的な評価がされることが望ましい。方法としては、既に子どもや退所者への アンケート調査を行っている自治体や施設もあるが、こうした手法に加え、聴き取り等の方法により、調査票への記入等が苦手な子どもの声も反映できるよう にすることが望ましい。
Aコミッショナー(・オンブズパーソン)→権利擁護機関の機能としては、個別事案の救済にとどまらず、 「自治体や国における権利擁護の状況の監視」「制度・政策の提言」「市民に対する権利擁護の教育・啓発 など」、自治体や国のシステム全体へ働きかける機能が考えられる。
【自治体レベル】↓
Aで述べた自治体における独自の権利擁護機関の中には、個別事案へ の対処の蓄積を活かして、首長に対して年次報告等の形で政策提言を行ったり、学校に出向いて子どもの権利に関する周知・啓発活動を行ったりしている 例がある。国としてはこのような権利擁護機関の事例を周知するなど、自治体 における取組が促進されるような対応をとるべき。また、児童福祉審議会には、児童福祉法第8条により、「児童、妊産婦及び 知的障害者の福祉に関する事項を調査審議する」権限(第2項)、都道府県知 事又は市町村長の「諮問に答え、又は関係行政機関に意見を具申する」権限 (第4項)が付与されている。これらの権限の行使の仕方によって、自治体に対 する監視や政策提言の機能を果たすことが可能であると考えられる。国→児童福祉審議会がコミッショナーに類する機能を果たす場合の具体的な運 用方法を通知等で示すなど、独自の権利擁護機関を直ちに創設することが難 しい自治体においては既存の制度を活用した取組が進むよう支援していくべき。
【国レベル】 →上記の監視・提言・教育啓発機能を整備する重要性は国においても同様である。他方で、例えば法務省の人権擁護機関では令和元年で 15,420 件の人 権侵犯事件に対応しており、その内訳として「学校におけるいじめ」(19.1%)や 「暴行・虐待」(14.9%)も相当程度の割合を占めていることに加え、電話による 人権相談や市民に対する人権啓発活動も行っている。こうしたことを考慮すれば、仮に国レベルでコミッショナー(・オンブズパーソン)の機関を創設するとしても、これら既存の枠組みとの間の役割分担の整理等が必要になり、省庁横断的な検討を重ねる必要が生じる。 そもそも国レベルでのコミッショナー(・オンブズパーソン)については、社会的 養護分野を対象とするのか、学校生活等も含めたすべての子どもを対象とす るのか、あるいは人権全般を対象とするのかといった根本的な課題について、 省庁横断的な検討が必要であり、引き続きの検討課題として位置付けていくべきである。

おわりに→市区町村や児童相談所の虐待相談対応件数が増加し、悲惨な死亡事例等 も後を絶たない中、子どもの最善の利益を社会全体で守っていくためには、個 別ケース対応・政策立案の両面において、子どもからの意見表明権を保障し、それをしっかりと受け止める権利擁護の枠組みを全国的に整備していくことが不可欠である。 今後、本とりまとめに沿って政府において具体的な検討を進め、制度的な対 応も含めた必要な措置が講じられるよう希求する。

次回は、「資料2 とりまとめ案の子どもの意見聴取について 」からです。

子どもの権利擁護に関するワーキングチーム(第9回)資料 [2021年04月20日(Tue)]
子どもの権利擁護に関するワーキングチーム(第9回)資料(令和3年3月29日)
≪議事≫ とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17720.html
◎資料1 とりまとめ(素案)
◯子どもの権利擁護に関するワーキングチーム とりまとめ(素案)↓
はじめに→
社会の流れの変化、虐待関係の増加、このような状況に対して、これまでも累次の制度改正等が行われてきたが、 近年、子どもへの支援のあり方を考えるうえで、子どもの権利擁護の重要性が 改めて指摘されている。
令和元年6月に成立した「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」(「令和元年改正法」) 附則第7条第4項において、子どもの意見を聴く機会の確保、意見表明支援の 仕組みの構築、権利擁護の仕組み等が改めて検討事項とされた。
 「子どもの権利擁護に関するワーキングチーム」が設置され、令和元年 12 月から●回にわたり議論。ワーキングチームでは、社会的養護の当事者や、子どもの権利擁護に関して先駆的に取り組んでいる民間機関・自治体等の関係者からのヒアリングも実施しながら、子どもの意見表明権の保障のあり方、権利擁護の枠組み・機関のあり方等 を検討し、目指すべき方向性を整理。 今後、とりまとめに沿って、制度的な対応も含め、国において速やかに必要な措置 を講じるべきである。

1.基本的な考え方→児童の権利に関する条約を基礎として、子ども家庭福 祉分野の制度全体に通ずる理念として明確に位置付け、明らかにされたのであり、在宅で暮らす 子どもも含めて広く子どもの権利擁護に関する各種の施策を推進していくうえ で、常に基本とされなければならない。
2.子どもの意見表明権の保障→子どもの最善の利益を優先して考慮した福祉の保 障を実現するには、子どもが意見を表明する機会が確保され、周囲の関係者 が意見を聴き、適切に考慮・反映する環境が整えられることが前提。特に、大人に対して根強い不信感をもっている被虐待経験のある子ども、 社会的養護のもとで生活している子どもにおいては、対面で意見を表明する場 面になると、緊張したり、精神的に混乱したり、無口になったりと、意見表明が 困難になる場合がある。また障害児や乳幼児など、言語による意思表示が難 しい子どももいる。したがって、そのような子どもの状態について理解ある者が 意見表明を支援する仕組みもあわせて構築することが必要である。
本来、意見表明、意見表明の支援、政策決定プロセスへの参画といったことは全ての子どもを対象に考えていく必要があるが、まずは、児童福祉分 野、特に社会的養護の対象である子どもを念頭に、それらの仕組みを検討していくこととする。
(1)個別のケースにおける意見表明
@措置・一時保護の決定の場面
【措置】
→「援助を行う場合には、子どもや保護者等に、その理由、方法等について十分説明し、子どもや保護者等の意見を聴き、基本的には合意の上で行う。」と定められており、令和2年度に厚生労働省が全 国の児童相談所に対して実施した「実態把握調査」によれば、措置の決定に際して意向等聴取の手続を設けている児童相談所は全体の 82%、意向等を考慮・反映する手続を設けている児童相談所は全体の59%と なっている。 こうした対応が必要なことを法令で明らかにするため、児童福祉法上、都道府県が 里親委託・施設入所の措置を採る場合には、子どもの年齢等を踏まえつつ、 適切な方法によりあらかじめ子どもの意見を聴取しなければならないことを規定するべき。また、これらの措置の停止、解除及び他の措置への変更を 行う場合や、措置の期間を更新する場合についても、同様に子どもに与える影 響は大きいものであり、あらかじめ意見を聴取しなければならないことを規定するべきである。
【一時保護】→子どもにとっては親と引き離される経験であり、権利制約を伴うものであることから、子どもの意見を聴くことが重要であることは措置と同様である。他方で、子どもの安全を迅速に確保するために行われる一時保護については、全てのケースで決定に先立って意見聴取の機会を確保することは難 しいと考えられる。一時保護に関しては、その決定に際して子どもの意見を聴くことを原則としつつも、緊急保護などあらかじめ意見を聴くことが難しい場合には、 事後速やかに意見を聴くこととすべき。その際、一時保護ガイドラインに 定められている説明の内容を徹底するとともに、3.で述べる権利擁護の 枠組みを活用して子ども本人が権利擁護機関に申し立てることができる旨を説明するなどして、決定に不満がある子どもが事後に意見表明する機会を確保するべきである。
【児童相談所等における職員の専門性の向上】→子どもの意見聴取が形骸化せずに実効性のある運用がなされるためには、児童相 談所や一時保護所の職員が子どもの意見表明権に対する理解を深めることが不可欠。現在、児童福祉司の任用前講習では子どもの権利について 科目を設けているなど一定の対応が図られているが、上記の法整備が行われた際には、その趣旨等が適切に理解されるよう、研修カリキュラムに盛り込む べきである。 なお、措置や一時保護はあくまでも子どもの最善の利益を優先して考慮したうえで決定すべきものであり、時には子どもの表明した意見と最善の利益に乖離が生じることもある。そのような場合に、子どもの意見だけを鵜呑みにして対応し、その結果の責任を子どもに転嫁するようなことはあってはならない。児童 相談所等の職員は、子どもの意に反する意思決定を行う場合、その決定が子 どもの最善の利益を守るためには必要であることを丁寧に説明すべきであり、 そうした考え方について研修等を通じて徹底することが必要である。

A自立支援計画の策定の場面→子ども本人の自立に向けた短期・長期の目標を設定し、施設としての支援方針を定 めるもの、当面の施設での生活や、退所後の生活、進路、家族との関係 等を考えるきっかけとなるものである。このような計画の性質上、子どもの意見 を十分に聴いたうえで策定することが求められるが、現行制度ではこのことが 明確になっていない。 このため、自立支援計画は子どもの意見を聴いたうえで策定しなければなら ないことを運営基準などの法令に定めるべきである。子どもの意見を聴く具体 的な手法としては、担当ケアワーカー等の職員が開催する計画策定会議に子 ども本人が参加するなどが考えられ、施設の運営指針等に位置付けて対応を 促していくべきである。

B日常生活の場面→措置や一時保護をされた後も、里親家庭・施設や一時保護所での生活の中 で虐待などを受けた場合はもちろん、子どもが不満等を持った場合も想定し、 支援等に関して子どもが意見を表明する機会を常に確保しておく必要がある。 既に施設や一時保護所においては、意見箱の設置、意見や相談を受け付けるための窓口の設置や第三者委員の設置など、生活上の問題について子ども の意見を受け止めるための多様なルートが設けられている。特に児童福祉施 設は、運営基準により、入所している子ども又はその保護者等からの苦情に 迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等 の必要な措置を講じることが義務づけられている。 他方で、例えば一時保護所→子どもからの苦情や意見を把握するための取組を調査したところ「日頃から子どもとのラポール形成に取り組んで いる」との回答が最も多くを占めており、実態として形式的な意見聴取にとどまっているのではないかとの指摘も。 施設や一時保護所→これら子どもの意見を聴取するための措置 を引き続き講じるとともに、形骸化しないよう、職員は研修等を通じて、子ども の意見を聴く上での基礎的な態度等を身に付けていくべき。あわせて、 施設や一時保護所の第三者評価を通じて、こうした措置の実効性を担保して いくべき。 さらに、実態把握調査→児童相談所は子どもの意向聴取に関して「聴取側の体制が不足している」、「児童相談所や施設職員が聴き取ると中立的な立場でない」等の課題を感じており、このことも踏まえ、施設・里親家庭や 一時保護所における生活上の問題に関しても、Cで後述する意見表明支援を担う者(「意見表明支援員」)の関与を促進していくべきである。

C意見表明支援
【自治体の役割】
→子どもは単独では意見を形成して外部に表明することが難しい場合もあり、意見表明の機会を確保しても、適切な意見表明支援が伴わなければ仕組み が有効に機能しないケースが生じ得る。このため、意見表明支援員の活動が それらの機会に関与し、子どもの意見を代弁することで、子どもの意見が適切 に関係機関に届けられるような仕組みを整備する必要がある。 子どもの意見表明は措置や一時保護の決定、自立支援計画 の策定、施設等における日常生活上の問題といった、社会的養護全般の様々 な場面で想定されるものである。したがって、意見表明支援が行われるための 環境整備→社会的養護施策を立案・実施する主体である都道府県 等の役割として位置付ける必要がある。具体的には、児童福祉法上、都道府県等は、子どもの権利擁護の環境整備に努めなければならない旨を規定するべきで、現在、国の「子どもの権利擁護に係る実証モデル事業」により、都道府 県等が子どもの意見表明を受け止める体制を構築する事業費に一定の予算 措置がされており、意見表明支援員の養成に要する経費や活動に要する経費 も対象になっている。こうした事業を拡充して、各自治体の主体的な取組が進展することは重要であり、国はその一層の推進に努めるべきである。
【意見表明支援員の配置】→既に各地で実施されている意見表明支援の先行事例を見ると、民間の弁護 士や NPO 法人が養成した市民が活動している例もあれば、児童相談所に勤 務する弁護士が一時保護所を訪問し、そこで生活する子どもの意見を聴き取った上で、支援等の改善につなげているといった例もある。 意見表明支援員は、行政機関や児童福祉施設に対して子どもの意見を代弁し、時にはそれらの機関が行う決定や子どもの支援等について見直しや改善を働きかける役割を担うものであることから、それらの機関からの一定の独立性が求められる。 このため、意見表明支援の実施は児童相談所等とは別の機関が担うことを 基本とすべきであり、地域の弁護士会や福祉専門職団体などの児童福祉に関わる職能団体、NPO 法人、社会的養護の当事者団体など、適切な機関に都道 府県等が委託する、あるいは補助をするなどの方法を採るべきである。 なお、地域によっては意見表明支援を担う地域資源が開発されていないなど、 直ちに民間機関の活用が難しい場合も想定される。このため、民間機関の活 用を基本としつつも、都道府県等の実情に応じた担い手の確保が可能となる よう、柔軟な制度設計とする必要がある。 【意見表明支援員の活動】 意見表明支援員の活動内容は、主に@〜Bで述べた子どもの意見表明の 機会において、子ども本人や関係機関からの要請に応じて、又は定期的に子 どもを訪問し、子どもの考えや思いを傾聴したうえで、関係機関への伝え方を 一緒に考えたり、必要に応じて代わりに伝えたりすることが基本である。加えて、 支援の具体的な方針等について、子どもに寄り添って児童相談所や施設に働 きかけ、子どもの意見との調整を図ることもある。 例えば、里親委託・施設入所の措置を決定、停止、解除又は変更する場面で は、児童相談所における援助方針会議等の決定の場において、あるいはその 場に先立って、子どもの意見を児童相談所に伝え、意見が適切に考慮される ように働きかけるといった対応が考えられる。 また、施設入所の措置が採られた子どもの自立支援計画を策定する際には、 Aで述べた計画策定プロセスにおける子どもの意見聴取の機会に意見表明 支援員も同席して支援するといった対応が考えられる。 さらに、里親家庭、施設や一時保護所で暮らしている子どもに対しては、定期 的に訪問して生活における悩みや不満などを傾聴し、必要に応じて里親や施 設職員等と協議し、支援の改善を促すといった対応が考えられる。 これらに加え、3.で後述する子どもの権利擁護機関が整備された場合には、 権利侵害に係る子どもからの申立てプロセスにおいて、意見表明支援員が子 どもの主張を代弁していくことが考えられる。 こうした活動は学齢期の子どもはもとより、自ら意見を表明することが難しい 障害児や乳幼児にとっても必要なものであり、年齢等で一律に対象を区切ることは適当でないことに留意が必要である。 このように、意見表明支援員の活動には多様な場面が考えられるが、現時 点では実践例が乏しく、取組の効果検証も不十分な状況である。このため、まずは実証モデル事業により様々な事例を蓄積させながら、それぞれの場面に 応じた効果的な活動手法等を示していくことが必要である。 また、こういった活動が有効に機能するには、子どもへの説明と子どもからの アクセスの確保が不可欠である。児童相談所職員は、措置等の決定をする際などの様々な機会を捉えて、子どもに対して意見表明支援の趣旨や利用方法 等を説明するべきである。また、里親、施設職員、一時保護所職員といった子 どもの生活場面で関わる関係者も、意見表明支援について説明し、必要な場 合に子どもが利用できるよう促していくべきである。
【意見表明支援員の資質】→意見表明支援員は子どもと信頼関係を築き、行政機関や里親・施設からは 独立した立場から子どもの意見を代弁する役割を担うものであり、一定の専門 性が必要である。既にアドボカシーについて先駆的に活動している団体では、 弁護士等の専門職、社会的養護の経験者、NPO 法人等が実施する研修を修 了した市民など、多様な主体が意見表明支援に携わっているが、子どもの意 見表明支援について求められる専門性に鑑みれば、適切な支援を行うために は一定の研修を修了することが必要である。 このため、意見表明支援員として活動するには、都道府県等が定める養成 研修を修了することとし、当該研修カリキュラムにおいて、子どもの権利擁護や 意見表明支援に関する基本的な考え方、実践のノウハウなどを学べるように するべきである。 具体的な研修カリキュラムについては、全ての自治体で一定水準が担保されるよう、既に取り組まれている民間のプロジェクトや自治体のモデル事業にお ける養成研修の内容も参考にしながら、国において標準的な内容をガイドライ ン等で定めるべきである。 また、年齢や障害があることにより意思表示が難しい子どももいるが、そのような子どもの思いを酌み取り、関係機関に対して代弁する機能も求められてい る。研修等を通じて、そのためのスキルを持つ人材を養成していくことも必要で ある。 なお、上記@(措置等の決定)の場面や、3.で後述する権利擁護機関に子 どもから救済を申し立てる場面においては、児童福祉法等の定める制度に関 する知識が必要となり、そうした知識を前提とする行政機関とのやりとりが発生 するケースも多いと考えられることから、ソーシャルワークや司法に関する資質 を備えた専門職等が意見表明支援を行うことが望ましいと考えられる。他方で、 上記B(日常生活)の場面においては、過去に類似の経験を持つ社会的養護 経験者が有力な担い手として考えられるほか、研修を修了した市民の参画を促進するなど、より幅広い担い手を量的に確保していくことが重要になると考えられる。都道府県等は、意見表明支援が必要な場面の多様性を踏まえ、ケ ースに応じて最適な支援者が派遣されるよう、多様な担い手の確保に努めるべきである。
【その他】→このほか、意見表明支援の活動が適切に展開されるためには、民間機関に おける個人情報の取り扱い、記録の作成・保管など、運用上の様々な課題が 想定される。このため、これまでに実施してきた調査研究や実証モデル事業の 成果も踏まえて、実務上の留意点等を整理して通知等で示していくことが必要。 また、児童相談所、里親、施設などの関係機関・関係者→子どもと真摯に向き合っているからこそ生じる子どもに対するマイナスの影響への心配、あるいは意見表明支援活動への理解の乏しさや新たな業務が生じること への負担感などから、このような仕組みの導入に対する不安や抵抗感を感じ ていることも少なくない。関係機関・関係者にその意義や内容について十分に 理解してもらうことが極めて重要であり、都道府県等は、研修の機会等を活用 した教育・啓発にも取り組んでいくべきである。

(2)政策決定プロセスへの子ども参画
個々のケースにおける意見表明が保障されるのみならず、社会的養護に関する制度・政策を決定するプロセスへの子どもの参画を保障することで、子ど もの権利が守られる環境を社会全体で作り出していくことが重要である。一例 としては、社会的養育推進計画の策定に子ども・経験者が参画することや、児 童福祉審議会への参画、その他の子ども・子育て分野の政策決定プロセスへ の参画などが考えられる。
@社会的養育推進計画への参画→ 都道府県等の策定する社会的養育推進計画は、子どもの権利擁護(意見聴取・アドボカシー)、里親等委託の推進、一時保護改革、自立支援の推進といった社会的養育関連施策を包括的に計画するものであり、自治体が立案する 政策の中でも社会的養護のもとにある子どもや経験者にとって最も関わりの深いものである。
既に計画の策定要領には、
・当事者である子ども(社会的養護経験者を含む。)の参画を得て意見を求めること
・その際には、例えば複数人の参画とし、必要に応じて第三者による支援など、適切に意見表明ができるよう留意することと定められており、各自治体において、審議会等の計画策定委員への任命、 アンケート調査、インタビューなどの多様な参画が行われている。
参画の手法→子ども・経験者の負担感も考慮する必要があり、全 国一律にルールを決めることには馴染まないが、子ども自身による決定を担保するためにも、審議会等の計画策定委員への任命を行っていない自治体においては極力任命する方向で検討するべきで。
また、国は、自治体の取組 状況を把握し、公表することを通じて、自治体における取組を推進するべき。 また、実際に政策決定プロセスに関わった子ども・経験者からは、意見を表明しても行政の側から適切にフィードバックがされないといった問題が指摘されている。行政としては、意見を聞き置くのではなく、その反映結果や、反映でき なかった場合はその理由などについて、丁寧に事後の説明を行い、納得感を 得られるよう努めるべきである。 このほか、各地域で政策決定プロセスに参画している子ども・経験者が孤立 しているため、ノウハウが蓄積されないといった問題も指摘されている。これについては、社会的養護の当事者団体の活動や、団体同士の交流活動などの 機会を捉えて、各地域の社会的養育推進計画に係る情報交換を行うなど、参 画する子ども・経験者が孤立しないための後方支援を行っていくことが考えら れる。
Aその他の参画場面→@のほか、子ども・経験者が参画する場面としては、児童福祉審議会における被措置児童等虐待の審査や、3.で後述する権利侵害の審査において、審議会委員やオブザーバーとして事案に関わることなどが考えられる。 このほか、子ども・子育て支援の分野は社会的養育に限らず、様々な個別 政策分野で自治体による計画策定・評価・見直し等のプロセスがある。そうした 隣接する分野においても、社会的養護のもとにある子どもや経験者の視点を 取り入れることは重要であり、各地域の実情に応じて参画のあり方を検討して いくべきである。
B社会的養護の当事者団体の活動の活性化→ @及びAで述べた政策決定プロセスへの子ども・経験者の参画を安定的・ 継続的なものとしていくためには、多くの子ども・経験者の声を集約し、集団と しての意見を形成することが重要である。集団としての活動が後ろ盾となることで、代表として参画する子ども・経験者が孤立せず安心感を持って意見表明の 場に臨めることにもなる。 こうした観点から、近年活発になっている当事者団体の活動の更なる活性化・安定化は極めて重要である。 令和2年度からは国としても「社会的養護出身者ネットワーク形成事業」として当事者団体の交流会に係る予算措置等の支援をはじめたところであるが、 こうした事業の継続も含め、引き続き当事者団体の活動の活性化・安定化を図 ための支援に取り組むべきである。

◆子どもの権利擁護に関するワーキングチーム
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo_554389_00015.html

次回も続きます。「3.権利擁護の枠組み・機関」からです。

第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料 [2021年04月19日(Mon)]
第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料(令和3年3月29日)4/19
≪議事≫(1)健康の保持増進に関するものとして、活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点 から、優先して取り組むべき栄養課題について   その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17637.html
◎資料5−2 TCFD 開示促進に向けた取組(経済産業省)
◯TCFDとは|気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)とは→2017年6月に提言をまとめた最終報告書を公表。 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の4項目について開示することが求められている。
◯経済産業省における取組|これまでのTCFDと開示促進に向けた活動→日本では、TCFD提言を踏まえ、経済産業省が日本企業の開示促進を目指してTCFD研究会を設置、2018年末にガイダンスを公表。 さらに、この動きは民間主導で設立されたコンソーシアムで引き継がれ、「グリーン投資ガイダンス」「TCFDガイ ダンス2.0」を公表するなど、自主的な開示への取組が進んでいる。
◯【参考】TCFD賛同機関数の推移→TCFDに対して世界で1,771機関、日本で341機関が賛同(令和3年2月時点)。我が国のTCFD賛同機関数は TCFDコンソーシアム設立を境に世界最多となり、その後もTCFDサミット等、各種施策により着実に増加。
◯経済産業省における取組|TCFD研究会→研究会での議論を踏まえ、TCFD提言の解説書であるガイダンスを2018年末に策定。
・研究会における主な意見→日本政府としても本研究会を通じて、日本のベストプラクティス提示を後押しし、海外にアピールするのが良いと考える。 この会議のように、官民が集まって皆で進めていくのが、日本型ではないか。これだけの重要な企業が集まり、 研究会がかなりのスピード感を もって進んでいることこそ、日本型の推進力と言える。 TCFDという大きな流れの中で、官民一体となって日本の強みを出して いくという目的を踏まえて進めてほしい。

◯TCFDコンソーシアム|概要→気候変動関連について、効果的な情報開示や適切な投資判断に繋げるための取組を議論する 場として、民間主導によるコンソーシアムを設立。 2019年5月の発足以降、グリーン投資ガイダンスの策定、TCFDガイダンスの改訂、その他コン ソーシアムの活動を通じ、国内のTCFD開示を質・量ともに着実に促進。
◯経済産業省における取組|TCFDサミット2020→産業界・金融界等の観点から、脱炭素社会の実現に向けて、革新的環境イノベーションや着実な移行(トランジション)の取組へのファイナンスが進むよう、「機会」について更なるTCFD開示の活用の在り方を議論。
◯参考 TCFDガイダンス2.0の概要→「環境と成長の好循環」の実現に向けて、気候変動対策に積極的に取り組む企業に資金が供給されることが重要。 企業のTCFD提言に基づいた開示を促進するため、2018年12月に経済産業省が「TCFDガイダンス」を策定。 世界的にTCFD開示とその活用が進む中、民間主導で設立されたTCFDコンソーシアムにおいて、最新の国内外の 知見・動向を踏まえた解説、業種別ガイダンス、及び事例集を拡充する改訂を行い「TCFDガイダンス2.0」を策定。⇒第1章(はじめに) 第2章(TCFD提言に沿った開示に向けた解説) 第3章(業種別ガイダンス) 事例集(別冊)
◯TCFDガイダンス2.0 |業種別ガイダンス(食品)→食品産業センター、農林水産省の協力により、2020年7月策定のTCFDガイダンス2.0の業種 別ガイダンスにおいて、「食品」を追加。開示推奨項目として、4つの気候変動対応⇒それぞれの取組及び開示の例あり。
◯TCFDコンソーシアム|業種別活動(食品)→TCFDコンソーシアムは、一般財団法人食品産業センター、関東農林水産関連企業 環境対策協議会が主催するイベント「合同環境セミナー」「環境委員会ラウンドテーブ ル」及び「広報担当者向け講演会」に参加。 コンソーシアムのオブザーバーである経済産業省、業種別ガイダンスを監修した農林水産省とともに、食品業界におけるTCFDの普及・理解促進に貢献した。⇒
◯【参考】国内外の食品関連企業におけるTCFD開示(リスク項目)



◎資料6 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた 主な論点の整理(環境面)(案)
◯「環境面に関するものとして、適切な栄養・食生活やそのための食事を支える 食環境の持続可能性を高める観点から、焦点を当てるべき事業者の取組」につ いては、以下の方向で整理してはどうか。

・ 持続可能な食環境づくりに関連し得る環境面の取組には、直接的に環境保 全に寄与するものと情報開示等を通じて間接的に環境保全に影響を与え るものがあると考えられる※。こうした取組は、関係省庁等の各種施策・支 援等の下、事業者により自主的に行われているものも多く、事業者の「環 境・社会・企業統治(ESG)」に関する評価にも影響していると考えられる。 このため、栄養面での整理と同様の考えの下、今回の食環境づくりにおいては、関係省庁の協力を得て、持続可能な食環境づくりに関連し得る環境 面の取組に焦点を当て、その取組について、事業者が任意で情報発信できるようにしていく。なお、こうした情報発信を行うに当たっては、環境面 の取組は事業者規模により範囲や程度が異なる可能性があることに十分 留意する。
直接的に環境保全に寄与する取組としては、「温室効果ガス排出削減(パリ協定が求 める水準と整合する削減目標を事業者が設定する SBT(Science Based Targets)、事 業者が事業を再生可能エネルギー100%の電力調達で賄うことを目標とする RE100 (Renewable Energy 100)等を含む。)」、「プラスチック資源循環」等が、情報開示等 を通じて間接的に環境保全に影響を与える取組としては、「「気候関連財務情報開示 タスクフォース(TCFD)による提言」に沿った気候変動関連情報の開示」等が主に考 えられる。


◎参考資料 「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」 開催要綱↓
1 目的
→少子高齢社会の一層の進展が予測される中、活力ある「人生 100 年時代」の 実現に向けて、健康寿命の更なる延伸が課題。この課題解決を図る上で、栄養・食生活は最も重要な要素の一つ、適切な栄養・食生活を支え、 推進するための食環境づくりが急務。 こうした中、厚生労働省が策定した「健康寿命延伸プラン」において、「関係省庁や民間の様々な主体と連携し、自然に健康になれる食環境づくりを推進する」 取組の一つとして、「産学官連携プロジェクト本部を設置し、産学官で目標を共 有した上で、それぞれ取組を展開する」こととされた。同旨の内容は、「成長戦略フォローアップ 2020」(令和2年7月 17 日閣議決定)等にも示された。 こうした食環境づくりを推進するに当たっては、今後、次期国民健康づくり運 動に向けた議論が本格化していくことも見据え、国民の健康の保持増進に効果的 につなげていく視点が特に重要となる一方で、適切な栄養・食生活やそのための 食事を支える食環境の持続可能性を高めていく視点も大切となる。
食環境づくりは、健康の保持増進に関する視点を軸としつつ、事業者等が 行う地球環境に配慮した取組にも焦点を当てながら、持続可能な開発目標の達成にも資するものとしていくことが重要。こうした基本認識の下、産学官等の関係者が緊密に連携し、叡智を結集して、積極的かつ具体的なアクションを展開していくことが効果的と考えられる。 本検討会は、こうした状況を踏まえ、自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた産学官等連携の在り方等を検討するため、厚生労働省健康局 長が開催するものである。
2 構成員
3 検討内
容 →国民の健康の保持増進のほか、SDGs の達成にも資するものとして、自然に健 康になれる持続可能な食環境づくりを推進するため、
(1)産学官等連携の下、優先的に取り組むべき栄養課題等
(2)目標の設定及び評価の在り方 等 について検討を行う。
4 事務局 →本検討会の庶務は、健康局健康課栄養指導室が行う。

◆自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_128610_00012.html

次回は、「子どもの権利擁護に関するワーキングチーム(第9回)資料」からです。

第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料 [2021年04月18日(Sun)]
第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料(令和3年3月29日)
≪議事≫(1)健康の保持増進に関するものとして、活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点 から、優先して取り組むべき栄養課題について   その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17637.html
◎資料3 活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点から、 優先して取り組むべき栄養課題について
◯全世代や生涯の長きにわたり関係し得る重要な栄養課題
(「ナトリウム(食塩)の多量摂取」以外)↓
・「若年女性のやせ」
・「経済格差に伴う栄養格差」

◯日本人の若年女性のやせの状況
→「健康日本21(第二次)」において、若年女性のやせは、骨量減少、低出生体重児出産のリスク等との関連があることが示されている。 日本人の20歳代女性のやせの者(BMI<18.5)の割合は、中長期的には増加傾向。
◯(参考)成人女性のやせの国際比較(2016年)→日本は、主な先進国の中でも、成人女性のやせの割合が最も高い状況にある。
◯(参考)日本における低出生体重児→低出生体重児の増加の要因として、医学の進歩(早期産児の割合の増加)、多胎児妊娠、妊娠前の母親のやせ、妊娠 中の体重増加抑制、喫煙等の因子が報告。日本は、主な先進国の中でも、低出生体重児の割合が高い状況にある。
◯所得と食生活等に関する状況→世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較 して、男女ともに200万円未満の世帯員で有意に低い。
◯(参考)日本における貧困率の年次推移
◯(参考)子どもがいる現役世帯のうち、一人親世帯の貧困率の国際比較(2015年)


◎資料4 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた 主な論点の整理(栄養面)(案)
◯栄養関連
→全世代を通じ、健康の保持増進を図る上で「ナトリウム(食 塩)の多量摂取」が最大のリスク要因となっていることに鑑み、「減塩」を 最優先事項とし、産学官等が連携し、事業者による「減塩」の自主的取組 を推進していく。
◯「減塩」以外に、全世代や生涯の長きにわたり関係し得る重要な栄養課題→「経済格差に伴う栄養格差」や「若年女性のやせ」があるとの認識 の下、「減塩」に取り組む上記事業者が、これらの改善に向けた取組を任意に行うことについて産学官等が連携し推進。
◯食環境づくりを進める領域→いわゆる「内食」(家庭内調理)、「中食」(持ち帰りの弁当・惣菜等)、「外食」等のいずれも重要であるが、今回 の食環境づくりはこれからまさに立ち上げ期を迎えるところであり、確実 かつ着実な成果の創出に向けて、まずは「選択と集中」の視点が重要と考えられる。このため、当該食環境づくりの対象食品は、日本人の食塩摂取 源等に鑑み、当分の間、「内食」や「中食」として供する一般用加工食品とする。
◯「栄養」は SDGs の達成に向けて特に重要となる要素、「環境・ 社会・企業統治(ESG)」に関する評価の「社会」を構成する要素の一つ。このため、事業者が行う「栄養」に 関するビジネスの展開やそれについて事業者が自ら行う情報発信は、事業 者の ESG 評価にも影響するものと考えられる。こうした中、我が国で優先して取り組むべき栄養課題である「減塩」等について、事業者がこれを本 業として展開し、その状況等について、事業者が自ら行う情報発信とは別 に、今回新たに立ち上げる食環境づくりの仕組みの中でもこうした情報を 発信できるようにしていくことは、事業者の ESG 評価の向上につながり、 ビジネスの更なる展開を支え、持続可能な食環境づくりの推進にも寄与す ると期待される。こうした考えの下、当該食環境づくり→事業者の「減塩」等の取組の情報発信していく。


◎資料5−1 サステナブルな食に関する環境省の取組について(環境省)
1.国内外の動向
◯パリ協定 〜脱炭素化が世界的な潮流に〜
→2015年12月 パリ協定が採択(COP21)
• すべての国が参加する公平な合意 。• 2℃目標、1.5℃努力目標
• 今世紀後半にカーボンニュートラル達成を目指す
• パリ協定は炭素社会との決別宣言。2050年にカーボンニュートラルの達 成が必要。
◯菅総理が2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを表明→2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを 宣言。
◯G20大阪ブルー・オーシャン・ビジョンと実施枠組→→G7だけでなくG20での「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組」の共有。
◯プラスチックと賢く付き合う「プラスチックスマート」→不必要なワンウェイプラの抑制や代替品の開発利用などに自ら 取り組み、SNSなどを通じて拡散。また、対話・交流を促進。 消費者・自治体・NGO・企業の約1,900件の取組が登録。
◯プラスチックごみゼロ宣言している自治体→19都道府県を含む98自治体がプラスチックごみゼロ宣言(2020年12月31日時点)
◯プラスチック資源循環戦略(概要)→廃プラスチック有効利用率の低さ、海洋プラスチック等による環境汚染が世界的課題。 我が国は国内で適正処理・3Rを率先し、国際貢献も実施。一方、世界で2番目の1人当たりの容器包装廃棄量、アジア各国での輸入規制等の課題。⇒重点戦略 参照。

2.食と環境のつながり
◯食と環境のつながり(令和2年版環境白書より)

・日本の温室効果ガス排出量を消費ベース(カーボンフットプリント)→全体の約6割が家計によるもの⇒@ 地域で生産された野菜や地域内で加工された食品等の購入 A 有機農産物をはじめとする環境に配慮した食品の購入 B 食べ残しを減らすことなどによる食品廃棄物の削減 などが重要
◯食品の地産地消(令和2年版環境白書より)→日本の食料自給率は、カロリーベースで2018年度で37%、残りの約6割を多くの国や地域か ら輸入。⇒地域で生産された旬の農林水産物を新鮮なうちにいただく地産地消が重要で、食の安全・安心に もつながる。また、地域内での経済循環を高め、食に関する産業の活性化も促すことができるととも に、地域の風土や文化を学ぶ食育にも寄与する。
◯有機食品の選択(令和2年版環境白書より)→有機食品のニーズは年々増。⇒有機食品など環境に配慮した食品を購入→環境に配慮した農業を行っている農業者を 応援することはもちろん、人や社会、環境に配慮した消費行動(エシカル消費)の拡大につながる。
◯食品ロスの削減(令和2年版環境白書より)→SDGsでは、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減さ せるターゲットが設定。
◯(参考)IPCC土地特別報告書: 食に関する主な記載
◯(参考)2019年度の日本の温室効果ガス排出量(速報値)における食品飲料製造業の占める割合→2019年度の日本の温室効果ガス排出量(速報値)は12億1,300万トン-CO2 • このうち産業部門のエネルギー起源CO2排出量は3億8,600万トン(うち3億6,400万トンが製造業)※電 気・熱配分後 • このうち食品飲料製造業の排出量は2,100万トン
◯(参考)パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(令和元年6月閣議決定)(抜粋)→認証・ラベリングなどの温室効果ガス排出削減に係る 行動の「見える化」を推進

3.脱炭素経営の推進
◯ESG金融の拡大
→ESG金融とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)という非財務情報を 考慮して行う投融資のこと。そのうち、ESG投資が世界的に注目されているが、世界全体のESG投資残高に占める我が国の割合は、 2016年時点で約2%。その後2年で国内のESG投資は4.2倍、2018年には世界全体の 約7%に。
◯脱炭素経営に関する国際的なイニシアティブ→投資家等への脱炭素経営の見える化を通じ、企業価値向上につながる。 こうした企業は、取引先(サプライヤー)にも目標設定や再エネ調達等を要請。 脱炭素経営が差別化・ビジネスチャンスの獲得に結びつく。
◯脱炭素経営に向けた取組の広がり→「企業の気候変動への取組、影響に関する情報を 開示する枠組み」「企業の科学的な中長期の目標設定を 促す枠組み」「企業が事業活動に必要な電力の100%を 再エネで賄うことを目指す枠組み」⇒世界で1位・2位に。
◯環境省における脱炭素経営の支援プログラム→環境省では、我が国企業による脱炭素経営の取組を積極的に促進。
◯(参考)TCFDに賛同している日本企業→日本の賛同機関数は353機関となっており、世界第1位。世界の賛同機関数は1,859機関。
◯(参考)SBT認定済の日本企業→日本の賛同機関数は353機関となっており、世界第1位。世界の賛同機関数は1,859機関。
◯(参考)SBTにコミットメント済の日本企業
◯(参考)RE100に参加している日本企業
◯(参考) ESGファイナンス・アワード(環境大臣賞)→取組主体ごとに5部門 に分けて表彰⇒@〜D参照。
◯(参考)グッドライフアワードについて→グッドライフアワードは、「ライフスタイルイノベーション」を創出し、地域循環共生圏を実現するための重要な政策と位置付けて実施(平成25年度から実施)。 ○環境や地域社会を元気にする「エコでソーシャルな活動」を発掘(募集)・表彰し、応援する事業。 ○学校や自治体、個人、企業、NPOなど誰でも応募でき、環境大臣賞を10取組に授与。⇒第2回グッドライフアワード 環境大臣賞 最優秀賞 あきた森の宅配便
◯(参考)エコファースト制度について→企業が環境の分野で「先進的、独自的でかつ業界をリードするような事業活動」を行っている 企業であることを、環境大臣が認定する制度。平成20年4月から開始し、現在の認定企業は50社。目的は、企業の各業界における環境先進企業としての取組を促進させ、業界全体での環境の取組を推進すること。認定を受けた企業は、エコ・ファースト・マークを使用することができる。

4.参考資料
◯食品ロス削減及び食品廃棄物等の3R推進事業費
→食品循環資源の再生利用等について一層の取組強化を図る。⇒「1.事業目的」「2. 事業内容」「3. 事業スキーム」「4. 食品ロス削減及び食品廃棄物等の3R推進事業費 事業イメージ」参照。
◯パリ協定達成に向けた企業のバリューチェーン全体での削減取組推進事業→バリューチェーン全体で脱炭素経営を促進し、企業価値の向上を促進します。⇒「1.事業目的」「2. 事業内容」「3. 事業スキーム」「4. 事業イメージ」参照。
◯パリ協定達成に向けた企業のバリューチェーン全体での削減取組推進事業のうち
(1)気候リスク・機会を織り込んだ脱炭素経営促進事業→気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイドver.2.0に沿った取組を実施する企業等を支援し、その結果に基づきガイドラインを改訂。これら企業の情報が投資家に伝わり、ESG金融が促進するよう、企業の脱炭素 化等データ分析機能と、投資家との対話機能を統合した基盤を運営する。
(2)SBT・再エネ100%目標等推進事業→企業のバリューチェーン全体をカバーする中長期の削減目標の策定を後押しし、バ リューチェーン全体のCO2削減を促進。また、中小企業等がこれらのイニシアティブに意欲に取り組んだ際、取組を評価する 方法の普及促進や、地域を巻き込んだ取組の拡大についての支援を行う。

◯環境で地方を元気にする地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業費→「第五次環境基本計画」(平成30年4月閣議決定)では、地域の活力を最大 限に発揮する「地域循環共生圏」の考え方を新たに提唱した。これを受け、地 域循環共生圏づくりプラットフォームを構築し、@〜Cの業務を行う。
@地域循環共生圏の創造に向けて取り組む地域・自治体の人材の発掘、地域の核となるステークホルダーの組織化や、事業計画策定に向けた構想の具体化 などの環境整備を推進。 A地域・自治体が、地域の総合的な取組となる事業計画を策定するにあたって、 必要な支援を行う専門家のチームを形成し派遣する。
B先行事例を詳細に分析・評価し、その結果を他の地域・自治体に対して フィードバックすることにより、取組の充実を促す。
Cライフスタイルシフト等に向けた戦略的な広報活動(シンポジウム等の開催、 国内外への発信)等を実施することにより、取組の横展開を図る。

次回も続き「資料5−2 TCFD 開示促進に向けた取組(経済産業省)」からです。

第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料 [2021年04月17日(Sat)]
第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料(令和3年3月29日)
≪議事≫(1)健康の保持増進に関するものとして、活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点 から、優先して取り組むべき栄養課題について   その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17637.html
◎資料1−1 活力ある持続可能な社会に向けての主な栄養課題の状況 〜国民健康・栄養調査の結果から〜(瀧本構成員)
◯活力ある持続可能な社会に向けて、人々がより健康的 な食生活を送れるよう、食品へのアクセスと情報への アクセスの両方を整備していくに当たり、主にポピュ レーションアプローチが有効と考えられる栄養課題
❶食塩の過剰摂取↓
・ 男女ともに、どの年齢区分でも、 6割以上の者が、食塩の目標量を超えている。
• 食品群別食塩摂取量は、調味料由来が最も多い。2003年からの推移をみると減少傾向にあるものの、近年 はほぼ横ばい。2019年は6.5g/日と全体の約7割を占めている。
• 2019年のしょうゆ、味噌、塩由来の食塩摂取量の合計は、4.0g/日と調味料由来の約 6割を占めている。
• 男女ともに1日の食塩摂取量が8g未満の者であっても、8g以上の者で あっても、「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者の割合が 最も高い。食塩摂取量が8g以上の者では、「食習慣に問題はないため改善する必要 はない」と回答した者の割合が2番目に高く、2割程度である。
【結果】→食塩摂取量の状況と食習慣改善の意思別、 食生活に影響を与えている情報源
• 食習慣の改善の意思及び食塩摂取量の状況に関わらず、「テレビ」と回答した者の割 合が最も高く、次いで「家族」が高い。 「テレビ」と回答した者の割合は、改善の意思がない者に比べてある者で高い。
• 食塩摂取量の状況に関わらず、改善の意思がある者では、「テレビ」「家族」に 次いで「雑誌・本」「友人・知人」と回答した者の割合が高く、改善の意思がない者では「友人・知人」「特にない」「雑誌・本」と回答した者の割合が高い。 改善の意思がない者のうち、約2割が「特にない」と回答。
❷若年女性のやせ↓
• 20〜39歳女性では、食習慣の改善の意思がない者の割合は、55.5%であり、 体格別にみるとやせの者で最も高く、74.6%である。
• やせの若年女性は、肉類の摂取量が少なく、乳類が多い。
【結果】→若年女性における、 BMIの状況別、 食生活に影響を与えている情報源
• やせ・普通の者では、「家族」「テレビ」と回答した者の割合が高い。 肥満の者では、「ソーシャルメディア」「家族」と回答した者の割合が高い。
・(参考)DOHad学説→胎児期からの環境にも目を向け、出産を希望する女性の健康 問題として、標準体重の維持、喫煙、飲酒等、個々の生活習慣を見直す など、世代を超えた健康という観点からの健康対策が必要
❸世帯収入による栄養格差
• 世帯の年間収入が多いほど、炭水化物エネルギー比率が低く、脂質エネルギー 比率が高い。 一方、世帯の年間収入によって食塩摂取量 (g/1,000kcal)に違いはない。
◯まとめ@↓
❶「減塩」の更なる推進に向けて
•「減塩」は全世代を通じた栄養課題。 20歳以上の男性の約5割、女性の約3割は、食塩摂取量が8g/日 以上であり、かつ食習慣の改善の意思がない状況。こうした 状況を踏まえ、例えば、商品開発や店頭において減塩された商品を 自然に選択できる仕掛けづくりを行いつつ、これに、身近な人間関係、メディア等を通じた情報提供や販促を組み合わせていくことが 有効かもしれない。
◯まとめA ↓
❷「若年女性のやせ」の対策に向けて
• やせの若年女性の約7割は、食習慣の改善の意思がなく、これらの者は、やせていることを問題ととらえていない可能性がある。 一方、体格に関わらず、若年女性においては、身近な人間関係、メディアをはじめ様々な情報源が食習慣に影響を与える可能性があることに鑑み、こうした様々な情報源から正しい情報提供が行われることが重要と考えられる。 ❸「世帯収入による栄養格差」への対策に向けて
• 世帯収入に関わらず、「減塩」は共通した栄養課題。 誰もが自然に健康になれる食環境づくりに向けては、ふだん食品を 購入する場所において、減塩された商品を手頃な価格で購入・利用 できるようにすることが重要と考えられる。


◎資料1−2 日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題 〜日本高血圧学会の取り組みを中心に〜(土橋構成員)
◯日本人の食塩摂取量の推移→未達成。
◯高血圧外来患者における24時間尿中食塩排泄量
◯減塩指導の反復による尿中食塩排泄量の低下

◯日本高血圧学会減塩・栄養委員会の活動
◯加工食品の食塩相当表示に関する関連省庁への働きかけ
◯日本高血圧学会減塩推進東京宣言 - JSH減塩東京宣言 -→減塩推進に向けた 取り組み⇒6gを目指した 6つの戦略

◯日本高血圧学会による減塩推進の取り組み
1.食塩の過剰摂取による弊害と 減塩の必要性について 啓発に努めます→各地のイベントを開催する。
2.個人や集団における 食塩摂取量の評価を推奨し、 減塩手法の提示を支援します→減塩の意識の有無と実際の尿中食塩排泄量の関係、食塩摂取量の評価法、塩分チエックシート(塩分摂取習慣13項目)、塩分チェックシートの利用状況、などの啓発活動。
3.こどもの食育の一環としての 減塩(塩育)の推進に努めます→3歳児の推定尿中Na排泄量(mEq/300mg・Cr)、

4.外食・中食・給食の 減塩化を支援します
・新しい健康食認証制度「スマートミール」 「健康な食事・食環境」コンソーシアム
5.企業に対し、減塩食品の 開発、普及を働きかけます


◎資料2−1 健康な食環境整備に向けた味の素グループの取り組み(畝山構成員)
01 本発表内容のサマリー  
・2030年のあるべき姿からのバックキャスト→俯瞰図
02 ガバナンス  
・SDGs社会への対応→味の素グループは、2030年の目指す姿として、「「食と健康の課題解決企 業」に生まれ変わる」と宣言しました。食と健康に関わる生活習慣を改善す ることに企業活動を集中させていきます。
・味の素グループの 栄養の取り組み→“おいしい減塩”と“高齢期の低栄養”の課題解決を軸とし、 グローバルコミュニケーションと地域エコシステム構築、 主要法人マーケティングを連動し、2030年までに、10億 人の健康寿命を延伸します
03製品とサービス
・健康的な製品の提供→「おいしい減塩」「たんぱく質摂取」「栄養バランスの良い製品を開発するシステムの構築」
・健康的なサービスの提供→健康的なメニュー提供、パーソナル栄養プラットフォーム
03 マーケティング
・おいしい減塩・たんぱく質摂取向上に向けた取り組み
03 エビデンスに基づくマーケティング展開
・だし・うま味を中心とした製品とナッジによる地域の栄養改善
03 ライフスタイル→ 生活者と職場の健康支援
・エンゲージメント→ 社会課題解決のためのマルチステークホルダー共創
04味の素グループの環境への取り組み→ 2030年までに、環境負荷を50%削減します。
・温室効果ガス排出量削減のロードマップ
・プラスチック廃棄物削減のロードマップ
・フードロス削減のロードマップ
・事例 地球温暖化対策スコープ1・2・3

05  ESG評価への取り組み
・栄養改善のESG評価への取り組み
・ヒトのDesirabilityを満足させるサイエンスに基づく製品・ サービスの開発技術


◎資料2−2 キッコーマンの取組(五味構成員)
◯本日の内容↓
◆減塩の慣れに関する研究成果
◆しょうゆの減塩効果に関する研究成果
◆レスソルライフ
◆キッコーマンの環境への取組

◯食事の役割
◯慣れるとおいしく感じる(郡山女子大学との共同研究 減塩醤油を用いた減塩調理への慣れの評価 日本調理科学会 平成28年度大会)→BeforeとAfterの関係⇒マグロ刺身 嗜好調査→2週間の継続使用で嗜好が変化 (1週間では変化なし)
◯塩の代わりに使うと減塩できる→食塩の代わりにしょうゆで味付けをすることに よる減塩効果
◯食塩分カットの製品群(しょうゆ関係)→減塩醤油の定義:「減塩しょうゆ」と表示することができるのは、「しょうゆ100g中、食 塩量 9g以下
◯当社の減塩しょうゆが目指しているイメージ→味わいリッチ減塩しょうゆ
◯はじめよう、#レスソルライフ→年代問わずどなたでも減塩調味料にトライしていただきたい 「レスソル」というキーワードで「減塩」のハードルを下げる
◯キッコーマンのご提案するレスソルレシピ→ヘルシー・塩分ひかえめなレシピ提案を通じて おいしく健康的な毎日の食生活を応援します
◯ヘルシーでおいしい!#レスソルサラダ
◯キッコーマングループ 長期環境ビジョン→「気候変動」「食の環境」「資源の活用」の項目ごとに2030年度までにめざす目標あり。持 続 可 能 な 社 会とするために。
◯資源の活用:プラスチック資源循環アクション宣言
・資源の活用:環境に配慮した容器例。資源の活用: しょうゆ粕の飼料利用。
◯食の環境:水資源への配慮→水セキュリティに対する取り組みとその情報開示により、国際NGOのCDP で最高評価である「Aリスト」に二年連続で選定
◯ESG株価指数への組み入れ


◎資料2−3 日清食品グループ取り組み紹介(田辺構成員)
◯本日のご紹介内容↓

1 日清食品グループの健康・環境戦略
(1) 食品事業者を取りまく社会情勢・今後の課題
(2) 日清食品グループの理念・ 開発原則
2 栄養・健康に対する弊社グループの取り組み
(1) 減塩に関する研究・開発
@日清食品カップヌードルソルトオフ 
A明星食品しおケアカップ
(2) 「排塩」に関する研究・開発
(3) 塩味受容に関する先端研究
3 環境に対する弊社グループの取り組み
(1) 資源有効活用へのチャレンジ
(2) 気候変動問題へのチャレンジ

次回も続き「資料3 活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点から、 優先して取り組むべき栄養課題について」からです。

第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ(資料) [2021年04月16日(Fri)]
第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ(資料)(令和3年3月26日)
≪議題≫(1)障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ これまでの議論等の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/ikusei4.html
◎資料1 これまでの議論等の整理(案) →再掲。気が付いた点のみ。
T 障害者就労を支える人材の育成・確保に係る現状の課題
→4点の課題意見あり。
・雇用と福祉の両分野横断的な基礎的な知識やスキルを身につけた上で、さらに各就労 支援機関の役割に応じた知識やスキルを身につけた専門的な人材を育成する必要があ るが、現状として実践的な研修を受ける機会が限られていること等により、こうした専 門人材が質・量ともに不足している状況が見られる。

U 課題に対して求められる人材の育成について
(基礎的な研修
)→福祉と雇用の両分野の基本的な知識等を分野横断的に 付与する基礎的な研修の確立が必要
(階層的な研修等)→上乗せした各専門人材の役割に応じた研修制度を設け、専門人材の高度化に向けて、階層的な研修制度を設け、適切なタイミングで より実践的なスキルを身につけることができる研修が必要。就労支援に携わる人材にスーパーバイズできる人。

V 人材育成の対象、研修内容及び体系について
(1)基礎的な知識・スキルの付与に係る研修の受講対象者の範囲
(基本的な考え方)
(対象となる具体的な専門人材)→障害者就業・生活支援センターの就業支援担当者が最優先。
(2)分野横断的な基礎的研修の内容 →(基本的な考え方)
(対象となる具体的な専門人材) (研修の質の担保・向上)
(3)スキル向上に向けた階層研修の体系及び内容等 →(基本的な考え方)
(研修の質の担保・向上)(研修受講に対するインセンティブ)
(4)各専門人材の育成 →(サービス管理責任者等について)(ジョブコーチについて)

W 人材育成の実施主体について→研修の質を担保する上では民間機関の認定の仕組みも重要であるが、それと同 時に認定を受けた機関においては、受講者の満足度等を把握することを通じて研修実施 に係るPDCA管理を自ら行い、研修の質の向上に努めることが重要。このため、 研修実施結果等について実施主体を評価し、それに対してインセンティブを付与すると いった仕組みを検討する必要があるといった意見もあった。

X 人材確保について→人材を確保する上では、専門家としてしかるべき水準の賃金を得られるようにすることも重要。例えば、上級ジョブコーチ等のより専門性の高い者を育成する 場合は、専門家としてしかるべき水準の賃金を得られるようにすべき。

Y その他
(研修の在り方)
→基礎的研修を入り口として、その上にある研修・資格の体系と実際の制度が 紐付けていくようにすべき。研修受講のための費用について、受講料だけではなく、会場までの交通費や研修期間 中の賃金等も含めて、助成の仕組みも検討する必要がある。
(障害種別に対応した人材の育成・確保)
(就労支援の質の向上)→各支援機関の支援のノウハウや各企業の障害者の雇 用管理上のノウハウを共有できるような仕組みが必要。属人的な支援ノウハウに留まらず、支 援対象者の特徴、支援の内容とその結果等を蓄積し、データベース化することによって、 客観的データに基づいた支援を可能とすること。これにより複雑化、多様化する就労支援への対応が可能となるだけでなく、支援者が自らの課題、強みについて 整理・理解すること、経験に頼らないエビデンスに基づく人材育成等も可能となる。
(他分野との連携)


◎資料2 専門人材の研修体系イメージ図
・対象→【障害者就業・生活支援センター】【ジョブコーチ】【就労継続支援A型・B型事業、就労移行支援事業、 就労定着支援事業】
・(研修を発展的に再整理)→「 雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修(基礎的研修)」⇒ 障害者雇用・福祉の理念や倫理、雇用・福祉間の移行、企業の理解、就労支援全体の体系・プロセスの理解、就職後の雇用管理・定着支援に関する知識とスキルの付与
・経験を積むことにより、職務スキルアップ⇒ステップ1〜3の研修。


◎参考資料1 ワーキンググループの開催について→再掲
◎参考資料2 専門人材の役割と職務の整理表→再掲
◎参考資料3 計画相談支援のしくみ↓ 再掲です。
・(利用プロセスのイメージ)参照。
◯相談支援専門員について
【相談支援専門員の要件】
→実務経験(3〜10年)、研修の修了(初任者研修・5年ごとに 「相談支援従事者 現任研修」 を受講)
◯( 参 考 ) 相 談 支 援 専 門 員 の 実 務 経 験
◯相談支援専門員の研修制度について
・改定後(令和2年4月〜)
→専門コース別研修(任意研修)※今後カリキュラム改定や一部必須化及び主任研修受講の要件化について検討
※1 現任研修受講に係る実務経験要件 @ 過去5年間に2年以上の相談支援の実務経験がある。 A 現に相談支援業務に従事している。 ただし、初任者研修修了後、初回の現任研修の受講にあたっては、必ず@の要件を満た す必要がある。

◎参考資料4 第4回 障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会における主な意見(令和3年3月12日)→8つに整理された意見。
・福祉と雇用両分野に精通することは困難な場合もあるため、どこの支援にリファーすれば良いのかといったことを的 確にアドバイスできるキーマン、スーパーバイズできる人材育成が重要。アセスメントを実効あるものにするためには、ア セスメントに携わる人材のスキル・意識の向上が重要。

次回は、「第2回「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」資料」からです。

多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料 [2021年04月15日(Thu)]
多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料(令和3年3月24日)4/15
≪議題≫ (1)無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状等について 他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17519.html
◎参考資料1 有期労働契約の在り方について(建議)(平成23 年12 月26 日労働政策審議会) →有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応⇒1〜7への対策を。
・ポイント→有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応⇒有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合には、労働者の申出により期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みを導入すること。
・「雇止め法理」の法定化⇒「雇止め法理」の内容を制定法化し明確化を図ること。
・期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消⇒有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないこととすること。


◎参考資料2 有期労働契約研究会報告書 →有期労働契約の不合理・不適正な利用を防止するとの視点を持ちつつ、雇用の安定、公正な待遇等を確保するためのルール等について検討すべき⇒具体的には、契約締結事由の規制、更新回数や利用可能期間に係るルール、雇止めに関するルール、有期契約労働者と正社員との均衡待遇及び正社員への転換等、幅広い論点について、課題を整理したものとなっている。


◎参考資料3 多様な正社員の普及・拡大のための有識者懇談会報告書
1 多様な正社員の効果的な活用が期待できるケース

◯勤務地限定正社員の活用が期待できるケース
・ 育児や介護の事情で転勤が難しい者など→就業機会の付与と継続を可能とする。
・有期契約労働者の多い業種→改正労働契約法に基づく有期契約労働者からの無期転換の受皿として活用できる。
・安定雇用の下で技能の蓄積・承継が必要な生産現場における非正規雇用からの転換の受皿として、また、多店舗経営するサービス業における地域のニーズにあったサービスの提供や顧客の確保のために、それぞれ活用できる。
◯職務限定正社員の活用が期待できるケース
・金融、ITなどで特定の職能について高度専門的なキャリア形成が必要な職務において、プロフェッショナルとしてキャリア展開していく働き方として活用できる。
・資格が必要とされる職務、同一の企業内で他の職務と明確に区別できる職務で活用できる。
・高度な専門性を伴わない職務に限定する場合、職務の範囲に一定の幅を持たせた方が円滑な事業運営に資する。
◯勤務時間限定正社員の活用が期待できるケース
・育児や介護の事情で長時間労働が難しい者→就業機会の付与と継続を可能とする。
・労働者がキャリア・アップに必要な能力を習得する際に、自己啓発のための時間を確保できる働き方として活用できる。
・勤務時間限定の働き方の前提として、職場内の適切な業務配分、長時間労働を前提としない職場づくりの取組が必要。

2 労働者に対する限定の内容の明示
◯転勤、配置転換などの際の紛争の未然防止のため、職務や勤務地に限定がある場合には限定の内容について明示することが重要。これにより、労働者にとってキャリア形成の見通しの明確化やワーク・ライフ・バランスの実現が容易になり、企業にとっては優秀な人材を確保しやすくなる効果がある。
◯労働契約法第4条の書面による労働契約の内容の確認の対象としては、職務や勤務地の限定も含まれる。

3 事業所閉鎖や職務の廃止などへの対応
◯整理解雇 

・勤務地や職務が限定されていても、事業所閉鎖や職務廃止の際に直ちに解雇が有効となるわけではなく、整理解雇法理(4要件・4要素)を否定する裁判例はない。
・解雇の有効性は、人事権の行使や労働者の期待に応じて判断される傾向がある。
・勤務地限定や高度な専門性を伴わない職務限定などにおいては、解雇回避のための措置として配置転換が求められる傾向にある。他方、高度な専門性を伴う職務や他の職務と明確に区別される職務に限定されている場合には、配置転換に代わり、退職金の上乗せや再就職支援によって解雇回避努力を尽くしたとされる場合もみられる。
◯能力不足解雇
・多様な正社員についても、能力不足を理由に直ちに解雇することが認められるわけではなく、高度な専門性を伴わない職務限定では、改善の機会を付与するための警告に加え、教育訓練、配置転換、降格などが求められる傾向がみられる。
・能力不足解雇について、高度な専門性を伴う職務に限定されている場合には、教育訓練、配置転換、降格などが不要とされる場合もあるが、改善の機会を付与するための警告は、必要とされる傾向がみられる。

4 転換制度
<非正規雇用の労働者から多様な正社員への転換>↓

・非正規雇用の労働者の希望に応じて、雇用の安定を図りつつ勤続に応じた職業能力開発の機会や処遇が得られるよう、多様な正社員への転換制度(社内のルール)を設けることが望ましい。
・有期契約労働者の時から契約の更新ごとに職務の範囲を広げ、無期転換後も職務の範囲やレベルを上げていくことは、労働者のキャリア・アップと企業としての人材育成の双方に効果的である。

<いわゆる正社員と多様な正社員の間の転換>↓
・労働者のワーク・ライフ・バランスの実現などのため、いわゆる正社員から多様な正社員へ転換できることが望ましい。他方、キャリア形成への影響やモチベーション維持のため、いわゆる正社員への再転換ができることが望ましい。
・転換制度の活用促進や紛争の未然防止のため、転換を社内制度として明確にすることが望ましい。
・職務、勤務地などが限定されていても、その範囲や習得することができる能力についていわゆる正社員と差が小さい場合には、「キャリアトラックの変更」として、いわゆる正社員と多様な正社員の区分をするのではなく、「労働条件の変更」として取り扱うことが適切な場合もある。そのような場合には、適切な人事評価を前提に、職務の経験、能力開発、昇進・昇格のスピード・上限に差を設けない、あるいは、できるだけ小さくするといった対応が考えられる。また、転換・再転換の要件を緩やかに設定することが考えられる。
・労働契約法第3条第3項の「仕事と生活の調和への配慮」に、多様な正社員への転換制度も含まれる。

5 均衡処遇
○多様な正社員といわゆる正社員との双方に不公平感を与えず、またモチベーションを維持するため多様な正社員といわゆる正社員の間の処遇の均衡を図ることが望ましい。
○多様な正社員は限定の仕方や処遇が多様であり、また、賃金や昇進は企業の人事政策に当たることから、定型的な人事労務管理の運用が定着していない中で、何をもって不合理とするのか判断が難しい。特に、多様な正社員の処遇についていかなる水準をもって均衡が図られているとするかについて一律に判断することは難しいが、企業ごとに労使で十分に話し合って納得性のある水準とすることが望ましい。
○ 労働契約法第3条第2項の「就業の実態に応じた均衡の配慮」には、多様な正社員といわゆる正社員 との間の均衡処遇も含まれる。

6 いわゆる正社員の働き方の見直し
○ 多様な正社員の働き方を選びやすくするため、所定外労働、転勤や配置転換の必要性や期間などの見直しなど、いわゆる正社員の働き方を見直すことが望ましい。



◎参考資料4 独立行政法人労働政策研究・研修機構「無期転換ルールへの対応状況等に関する調査」結 果(令和元年9月公表)

― 無期転換ルールの具体的な内容の認知度は、有期契約労働者を雇用している企業等で77.9%、 有期契約労働者で 35.5%。無期労働契約への転換を「希望する」有期契約労働者は 26.6% ―

◯「 無期転換ルールへの対応状況等に関する調査 」結果 調査結果のポイント⇒参照。


◎参考資料5 独立行政法人労働政策研究・研修機構「改正労働契約法とその特例への対応状況等に関するアンケート調査」結果(平成29 年5月公表
― 平成30年4月以降へ向け、調査対象を10人以上の企業に拡大して初めて調査 何らかの形で無期契約にしていく企業が、通算5年を超えないようにする企業を大きく上回る 不合理な相違の禁止ルールに伴い、雇用管理上、見直しを行った・検討中の割合は限定的 ―

◯「 改正労働契約法とその特例への対応状況等に関するアンケート調査 」⇒ 調査結果のポイント 参照。


◎参考資料6 ジョブ型正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員等)の雇用ルールの明確化に関する 意見(令和元年5月20 日規制改革推進会議)↓
【現状】

大丸2 就社型(メンバーシップ型)雇用8モデルが高度成長をもたらしたという 強い成功体験から、正社員であれば企業の命令により、職務、勤務地、 労働時間等の労働条件が変更されるなど、無限定な働き方を許容するの が当然という意識がいまだに強い。
大丸2 職務や勤務地等が無限定な働き方は我が国の雇用慣行に過ぎず、何らかの法規制に基づいているわけではない。実務的に契約意識の低い日本に おいて労働契約の締結も漠然としており、当事者はいつ、どのような内 容の労働契約がどのようにして締結されたのかを明確に意識していない。 環境変化によって労使それぞれの事情が変わった場合、慣行であるが故 に、個別に労働条件の確認や見直しをしようとしても拠り所がない。
大丸2 しかし、グローバル化や働き方の多様化が進むにつれて、「多様な価値観 や背景を持った国内外の優秀な人材の獲得や早期抜擢ができない」、「本 人の希望する職務・役割と与えられる仕事とのミスマッチがモチベーシ ョンを損ない、早期離職の原因となっている」等の理由から、労使双方 で見直しを求める声が出始めている。 大丸2 共働き世帯にとって配偶者の希望しない転勤は、夫婦どちらかのキャリ アの中断を引き起こし、夫婦揃っての育児ができなくなるなど家庭生活 の維持も困難となる。

【問題点】
(1) 「勤務地限定正社員」、「職務限定正社員」等は、多くの企業で導入が進んでいるが、労働契約法第4条第2項において、労働契約の内容
→“できる限り”書面による確認をすることとされているにすぎないため、勤務地等の限定が労働契約や就業規則で明示的に定められていないことが多い。雇入れにあたって義務付けられている労働条件明示(労働基準法 第15条13)だけでは、明示すべき対象として掲げられていない事項には及ば ない。また、労働者が同一企業内で長期に勤務する過程で、個別労働者へ の人事権の行使として、勤務場所や職務が次々と変更されていく状況から、 就職当初の条件だけでその後労働条件がすべて決まってしまうというのは、 いかにも形式的で実態に合わない15。我が国独自の雇用慣行のもと、使用者 が曖昧な運用をすることで労使間の合意範囲の認識に齟齬を生み、職務や勤 務地等の限定条件をめぐる紛争の原因になりかねない。

(2) 有期労働契約が更新されて通算5年を超えた労働者に対する無期転換ルールの周知(とりわけ直接雇用の者に対して)が、不十分である。また制 度を認知し、無期転換申込権を持ち、正社員化を希望しながらも、転勤や残 業を強制されるような無限定な働き方を憂慮する労働者が少なくないため に、転換の申し入れが進んでいない。

【改革の方向性】
(1)国は、「
勤務地限定正社員」、「職務限定正社員」等を導入する企業に対し、 勤務地(転勤の有無を含む。)、職務、勤務時間等の労働条件について予測 可能性を高められるよう、個々の労働者と事業者との間の書面(電子書面を 含む)による確認を義務付け、現行の労働条件明示に関する規定について必 要な法令の見直しを行うべきである。 また、多様な正社員が、使用者と合意した労働条件によって安心して働ける 様、「勤務地限定正社員」、「職務限定正社員」の雇用形態の周知と積極的な導 入を促し、また、労働条件を確認する手段として、以下の検討を行うべきで ある。
@ 労働契約の内容を書面で確認できるよう、労働契約法第4条18第2項を 改正し、「勤務地限定正社員」、「職務限定正社員」等については、労働 契約の締結時や変更の際に、限定の内容について、労使当事者間の書 面による確認を義務化する。
A 労働条件に勤務地変更(転勤)の有無、転勤の場合の条件が明示されるよう、労働契約の締結に際して、労働者に書面で明示しなければな らないとする労働条件の記載事項(労働基準法第 15 条、労働基準法施 行規則第5条1項)に、「勤務地変更(転勤)の有無」、「転勤の場合の条件」を追加するとともに、労働条件の変更の際も労働者に書面で明示。
B 勤務地の変更(転勤)を行うことが予定される場合は、就業規則にその旨が示されるよう、就業規則の記載事項(労働基準法第 89 条)に、 労働者の勤務地の変更(転勤)を行うことを予定する場合には、当該事項を、 また、労働者の勤務する地域を限定して使用する場合には、その限定に関 する事項を、追加する。
(2)無期転換ルールが周知されるよう、無期転換申込権を保有する労働者に対し、 有期労働契約が更新されて5年を超える労働者を直接雇用する企業が無期転 換ルールを通知することの義務化を含め、労働者に対する制度周知の在り方 を検討し、必要な措置を講ずるべきである。あわせて、無期転換ルールがど の程度適用されたかを労働者や企業等へ調査するなどして、当該制度の導入 効果を検証すべきである。

◆多様化する労働契約のルールに関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_558547_00002.html

次回は新たに「第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ(資料)」からです。

多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料 [2021年04月14日(Wed)]
多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料(令和3年3月24日)
≪議題≫ (1)無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状等について 他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17519.html
◎資 料 7 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する裁判例
【無期転換ルールに関する裁判例】↓
◯ 博報堂事件(福岡地判令和 2 年 3 月 17 日労判 1226 号 23 頁)
→Y は、形骸化したというべき契約更新を繰り返してきたものであり、X の契約更新への 期待は相当高く、その期待は合理的な理由に裏付けられたものといえ、Y は、平成 25 年 以降、最長 5 年ルールの適用を徹底しているが、一定の例外が設けられており、X の契約 更新に対する高い期待が大きく減殺される状況にあったとはいえず、X が契約更新に期待 を抱くような発言等が改めてされていないとしても、X の期待やその合理性は揺るがない として、X の契約更新への期待は労契法 19 条 2 号で保護されるとされた。
◯ 地方独立行政法人山口県立病院機構事件(山口地判令和2年2月19日労判1225号91頁) →就業規則が改正され、雇用期間上限が 5 年とされるとともに、契約書には就業規則の更 新上限条項の範囲内で更新される場合があることが明記されているが、それ以前の段階 で、X には既に契約更新の合理的期待が生じており、上記改正をもってその期待が消滅したとはいえず、また、上記改正の具体的説明がされたのは契約書取り交わし後であり、X が雇用期間上限を認識していたとはいえず、X の期待が消滅したとはいえないとされた。
◯公益財団法人グリーントラストうつのみや事件(宇都宮地判令和 2 年 6 月 10 日ジャーナル101号1頁)→無期労働契約の締結申込権が発生するまでは、使用者には労働契約を更新しない自由が認められているから、無期労働契約の締結申込権の発生を回避するため更新を拒絶したとしてもそれ自体は格別不合理ではないが、本件労働契約は労契法 19 条 2 号に該当し、X の雇用継続に対する期待は合理的な理由に基づくものとして一定の範囲で法的に保護 されたものであるから、特段の事情もなく、かかる X の合理的期待を否定することは、客 観的にみて合理性を欠き、社会通念上も相当とは認められないとされた。
◯福原学園(九州女子短期大学)事件(最判平成28年12月1日集民254号21頁)→本件規程には、契約期間の更新限度が 3 年であり、その満了時に労働契約を期間の定め のないものとすることができるのは、これを希望する契約職員の勤務成績を考慮して Y が 必要であると認めた場合である旨が明確に定められ、X もこれを十分に認識した上で本件 労働契約を締結したことなどから、無期労働契約となるか否かは、X の勤務成績を考慮し て行うY の判断に委ねられており、本件労働契約が 3 年の更新限度期間の満了時に当然 に無期労働契約となることを内容とするものであったといえないとされた。
◯井関松山製造所事件(高松高判令和1年7月8日労判1208号25頁)→本件手当等の不支給を定めた無期転換就業規則は、X らが無期転換する前に定められて いることを考慮しても、当該定めについて合理的なものであることを要するところ(労契 法 7 条参照)、同規則は、本件手当等の支給に関する限り、同規則制定前の有期契約労働 者の労働条件と同一であることなどから、同規則の制定のみをもって、Y が支払義務を負 わないと解するべき根拠は認め難いとされた。

【多様な正社員の雇用ルール等に関する裁判例】↓
≪職務限定合意に関する裁判例≫↓

◯ヤマトセキュリティ事件(大阪地決平成 9年6月10日労判720号55頁)→採用条件、採用後の勤務形態の違い、求人広告の内容と採用面接時における Y 側の言動、警備業務に携わっている他の女子職員の採用状況を総合勘案すれば、社長秘書業務を 含む事務系業務の社員として採用する旨の合意がなされたものというべきとされた。
◯タタコンサルタンシーサービシズジャパン事件(東京地判平成 24 年 2 月 27 日ジャーナル 3 号 9 頁) →雇用契約書及び採用通知書に「IT コンサルタント」と記載されているが、他職種の業 務に従事させることができないという意味であることを窺わせる記載はないし、「IT コン サルタント」は国家資格のような明確な意味を有する概念ではなく、むしろ、社内では従 業員が IT コンサルタントと呼称されるのはごく一般的なことであったとして、職種限定 契約は認められないとされた。
◯KSA インターナショナル事件(京都地判平成30年2月28日労判1177号19頁)→職種限定合意がない場合でも、労働契約書や労働条件通知書において当面従事すべき 業務を記載することは通常行われることであるから、上記の記載をもって直ちに職種を 限定する趣旨であると認めることはできないとされた。
◯岡山市立総合医療センター事件(広島高岡山支決平成 31 年 1 月 10 日判時 2412 号 49 頁) →X において技能・技術・資格を維持するために外科医師としての臨床に従事することは 必要不可欠であり、意に反して外科医師としての臨床に従事しないという労務形態は想 定できず、Y も X の外科医師としての極めて専門的で高度の技能・技術・資格を踏まえて 雇用したといえ、黙示の職種限定合意が認定できるとされた。
◯学校法人日通学園事件(千葉地判令和2年3月25日ジュリスト1549号4頁)→大学の教育職員として採用時に求められる経歴や業績、事務職員等との採用手続の相違、大学の教育職員の業務内容の専門性、特殊性、事務職員等との労働条件の相違、Y に おける大学の教育職員から事務職員への職種の変更の実績等を総合すれば、職種を教育 職員に限定して雇用契約が締結されているものと認められるとされた。

≪勤務時間限定合意に関する裁判例≫↓
◯日本コロムビア事件(東京地判昭和 50 年 5 月 7 日労判 228 号 52 頁)→求人申込票の記載は雇用当初における予定の職種、勤務場所を示すにとどまるもので あって、将来とも職種、勤務場所を上記記載のとおり限定する趣旨のものとみることは 困難であるとされた。
◯新日本通信事件(大阪地判平成 9 年 3 月 24 日労判 715 号 42 頁)→X が Y に応募するに当たって転勤ができない旨の条件を付し、Y がこの条件を承認したものと認められるから、勤務地を限定する旨の合意が存在するとされた。
◯日本レストラン事件(大阪高判平成 17 年 1 月 25 日労判 890 号 27 頁) XY 間では、採用時点において、黙示にせよ勤務地を関西地区に限定する旨の合意が成 立しており、その後、マネージャーA 職に至る各昇格の際にも上記合意が変更されるに は至らなかったものと認定することができるとされた。
◯社会福祉法人奉優会事件(東京地判平成28年3月9日労経速2281号25頁)→労働条件通知書の「就業の場所」に係る記載は、採用時の労働条件の明示事項(労基法 15 条1項)を記載したものであり、採用直後の勤務場所を記載したものにすぎないとされた。

≪勤務時間限定に関する裁判例≫↓
◯マンナ運輸事件(神戸地判平成 16 年 2 月 27 日労判 874 号 40 頁)→X は、正社員登用時、旧労基法の規制及びこれを受けた就業規則の規定に従って深夜勤 務に従事させられることはないとの前提で、Y との間で労働契約を締結したと認められるから、X と Y との間の労働契約の内容として、X を深夜勤務に従事させないとの勤務時間 限定の合意が成立していたとされた。

≪その他労働条件に関する裁判例≫↓
◯東京海上日動火災保険事件(東京地判平成 19 年 3 月 26 日判時 1965 号 3 頁) 廃止する職種に就いている労働者をやむなく他職種に配転する必要がある場合には、 職種限定合意がある場合でも、採用経緯と当該職種の内容、使用者における職種変更の必 要性の有無及びその程度、変更後の業務内容の相当性、他職種への配転による労働者の不 利益の有無及び程度、それを補うだけの代替措置又は労働条件の改善の有無等を考慮し、 他職種への配転を命ずるについて正当な理由があるとの特段の事情が認められる場合に は、当該他職種への配転は有効であるとされた。
◯西日本鉄道事件(福岡高判平成 27 年 1 月 15 日労判 1115 号 23 頁)→職種は労働者の重大な関心事であり、また、職種変更が通常、給与等、他の契約条件の 変更をも伴うものであることに照らすと、労働者の職種変更に係る同意は、労働者の任意 (自由意思)によるものであることを要するとされた。

≪労働条件明示に関する裁判例≫↓
◯京都市交通局事件(京都地判昭和 24 年 10 月 20 日労裁集 7 号 56 頁) 労基法 15 条は、使用者が個々の労働者との間に労働契約を締結するに当たってしなければならない義務を定めたものであって、就業規則を変更する場合には適用のないとさ れた。


◎資 料 8 検討会のスケジュール(案)
第1回(3月 24 日) (1)無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状等について (2)その他
第2回 ・ヒアリング等
第3回以降 ・実態調査について  ・各論点について議論
秋以降目処 ・報告書取りまとめ

◎資 料 9 ヒアリングの進め方について(案)
1 ヒアリング対象者 (1)企業の人事担当者(2社程度) (2)労働組合(2団体程度)
2 主なヒアリング項目 (1)団体の概要 (2)各論点に関する事項 (3)制度面で改善を求める事項
3 留意事項 (1)ヒアリングは対象者からの説明及び質疑を予定。 (2)非公開で行うことが適当ではないか。

◎資 料 1 0 検討会で議論していただく論点(案)
1 無期転換ルール関係 →(1)無期転換を希望する労働者の転換申込機会の確保 (2)無期転換前の雇止め (3)通算契約期間及びクーリング期間 (4)無期転換後の労働条件 (5)有期雇用特別措置法の活用状況 (6)その他

次回も続き「参考資料1有期労働契約の在り方について(建議)(平成23 年12 月26 日労働政策審議会) 」からです。

多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料 [2021年04月13日(Tue)]
多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料(令和3年3月24日)
≪議題≫ (1)無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状等について 他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17519.html
◎資 料 6 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状
≪雇用を取り巻く環境≫↓
◯雇用を取り巻く環境 ー足下の雇用情勢ー→厳しさがみられる。

◯雇用を取り巻く環境 ー労働力人口の推移ー→特に女性はいわゆるM字カーブといわれる、20代後半から30代にかけての労働力人口比率の 落ち込みが大幅に解消されており、人口減少下の労働力人口増加に寄与している。
◯雇用を取り巻く環境 ー就業者数の推移ー→非正規の職員が4割近くを占めている。

≪有期契約労働者に関する現状≫↓
◯有期契約労働者に関する現状 −非正規雇用労働者と有期契約労働者の数−→有期契約労働者 1,429万人(雇用者(全産業)⇒25.4%)。役員を除く雇用者(全産業):5,629万人【2020年】
◯有期契約労働者に関する現状 −有期契約の労働者数及び割合の推移−→2021.1(24.9%)
◯有期契約労働者に関する現状 −雇用契約期間別有期契約労働者の割合の推移−
◯有期契約労働者に関する現状 −勤続年数別有期契約労働者の割合の推移−
◯有期契約労働者に関する現状 −産業別有期契約労働者・無期契約労働者割合−
◯有期契約労働者に関する現状 −有期契約労働者の属性−
◯有期契約労働者に関する現状 −有期労働契約で雇用している理由−→「定年退職者の再雇用のため49.8」「経験や知識、技能のある人を活用するため30.0%」「労働者自身が(正社員・正職員とは異なる動き方を) 希望したため27.2%」
◯有期契約労働者に関する現状 −有期労働契約で働く理由−→「仕事や働き方、賃金・労働条件等が希望に合致したから42.3%」「正社員を定年退職した後に再雇用されたから20.5%」「正社員や無期雇用としての働き口が見つからなかったから16.7%」
◯有期契約労働者に関する現状 −今後の働き方の希望−→65歳〜87.9%
◯有期契約労働者に関する現状 −勤務先や仕事に対する満足度−→所定労働時間・日数の限定42.2%。その他あり。


≪無期転換ルール等に関する現状≫↓
◯労働契約法の概要→
◯無期転換ルールの概要

◯「雇止め法理」の概要→就業形態の多様化・個別労働関係紛争の増加等に対応し、個別の労働者及び使用者の労働関係が良好なものとなる ようにルールを整えるもの 《労働契約に関する基本的な民事ルールを定める》
・有期労働契約の継続・終了→同一の使用者との間で有期労働契約が更新 され通算5年を超えたときは、労働者の申込 みにより、無期労働契約に転換できる (平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約 が通算の対象)
◯無期転換ルール等に関する現状 −実態調査の概要−→有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労 働契約(無期労働契約)に転換できるルール。無期転換申込権発生前の雇止めも、「雇止め法理」に照らして司法で有効性が判断される。
◯無期転換ルール等に関する現状 −企業の対応の状況−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換ルールの認知度−→企業の認知度(企業・2018年11月時点)、労働者の認知度(個人・2018年11月時点)、参照。
◯無期転換ルール等に関する現状 −企業の対応の状況−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換申込権の状態に係る認識−
◯無期転換ルール等に関する現状 −企業の対応の状況−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換の実績−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換までの期間の見通し−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換希望の状況−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換ルールの有効性に対する見解−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換後の心境の変化−
◯無期転換ルール等に関する現状 −無期転換ルールに対応する上での課題−
◯無期転換ルール等に関する現状 −労働局における相談、助言・指導、あっせん−↓
・令和元年度(14,114)→相談 (13,110)、助言・指導(525) あっせん(479)
◯労契法による無期転換前に雇止めが行われるケース等の具体例→@〜Iまで。
◯専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の概要→有期の業務に就く高度専門的知識を有する有期雇用労働者等について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生ま での期間に関する特例を設けるもの。【施行日:平成27年4月1日】主な内容参照。
◯無期転換ルールに関する現状 −無期転換ルールの特例の利用状況−
◯無期転換ルールに関する現状 −無期転換ルールの周知啓発等−→@〜B参照。

≪多様な正社員の雇用ルール等に関する現状≫
◯多様な正社員に関する現状 −多様な正社員の活用状況−
◯多様な正社員に関する現状 −企業が多様な正社員を導入する理由−→労働力の(量的な)確保に対する危機感が高まっているから54.5%
◯多様な正社員に関する現状 −導入する上での課題等−
◯多様な正社員に関する現状 −企業における転換制度の整備状況−
◯多様な正社員に関する現状 −事業所閉鎖等に直面した際の対応−
◯「多様な正社員」に係るこれまでの検討の経緯

◯「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会概要・報告書のポイント
・趣旨・経緯
→「いわゆる正社員」と「非正規雇用の労働者」の働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企業による優 秀な人材の確保や定着の実現のため、職務、勤務地又は労働時間を限定した「多様な正社員」を労使双方にとって望ましい形で普及さ せることが求められている。⇒「日本再興戦略」(平成25年6月閣議決定)・ 「規制改革実施計画」(平成25年6月閣議決定)等を踏まえ、「多様な正社員の普及・拡大の ための有識者懇談会」(座長:今野浩一郎学習院大学教授)において、「多様な正社員」の雇用管理をめぐる課題について検討。労使等の 関係者が参照することができる「雇用管理上の留意事項」や就業規則の規定例を整理するととともに、政策提言をとりまとめ、公表。 (平成26年7月30日)
・懇談会報告書のポイント→政策提言⇒8つの項目に沿って、多様な正社員の円滑な活用のために使用者が留意すべき事項と促進するための方策について提言。
・政策提言 を踏まえた対応→平成26年11月28日に定められた行動計画策定指針において、子育てをしやすくすることを目的として職務や勤務地等を 限定する制度を導入した場合、限定の内容を労働者に明示することが重要であり、また、職務や勤務地等の限定がない 労働者との転換ができることが望ましい旨を記載。
・「雇用管理上の留意事項」の周知→「多様な正社員に係る『雇用管理上の留意事項』等について」(平成26年7月30日付け基発0730第1号通達)を発出。 パンフレットやモデル就業規則等により周知。
・モデル就業規則等の周知→「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説」等により周知。

◯現行制度の概要@ 就業規則→常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなら ない。 (労働基準法第89条)
◯現行制度の概要A 労働条件の明示
→使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、 賃金、労働時間等の主要な労働条件について明示しなければならない。(労働基準法第15条第1項)。 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするもの とされている(注)。(労働契約法第4条第1項)
◯「多様な正社員」の規定例(就業規則)
◯(参考)限定正社員の労働条件通知書の例
◯多様な正社員に関する現状 −就業規則における規定、書面による本人明示−
◯「多様で安心できる働き方」の導入促進→短時間正社員制度をはじめとする「多様な正社員」制度の普及・促進を図るため、制度導入支援セミナーの開催により、制度導 入に当たっての雇用管理上の留意点や制度を導入している企業の事例紹介を行うとともに、支援員による「多様な正社員」制 度導入支援を実施する。また、専用サイト(多様な人材活用で輝く企業応援サイト)において、「多様な正社員」制度を導入して いる企業の取組事例等を掲載することにより、「多様な正社員」制度の導入に向けた企業の取組を支援する。
◯キャリアアップ助成金について 令和3年度予算案:739億円(2年度予算額1,231億円)→有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者(以下「有期雇用労働者等」)といったいわゆる非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップを促進するた め、 正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して包括的に助成

次回も続き「資 料 7 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する裁判例」からです。

多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料 [2021年04月12日(Mon)]
多様化する労働契約のルールに関する検討会 第1回資料(令和3年3月24日)
≪議題≫ (1)無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状等について 他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17519.html
◎資 料 1 開催要綱・参集者
1.趣旨・目的
→ 労働契約法の一部を改正する法律(平成 24 年法律第 56 号)附則第3項において、同法施行後8年を経過した場合において、改正労働契約法第 18 条の規定に基づく無期転換ルールについて、「その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」とされている。 また、勤務地限定正社員や職務限定正社員等の「多様な正社員」は、無期転換ルールによって無期雇用となった社員の重要な受け皿の1つとして期待される、規制改革実施計画(令和元年6月閣議決定)において、令和2年度中に多様な正社員の雇用ルールの明確化について検討を開始することとされている。 このため、無期転換ルールの見直しと多様な正社員の雇用ルールの明確化等に ついて検討を行うことを目的として、「多様化する労働契約のルールに関する検 討会」を開催する。
2.検討事項 →無期転換ルールの見直しと多様な正社員の雇用ルールの明確化等の検討

◯「多様化する労働契約のルールに関する検討会」参集者→7名


◎資 料 2 検討会の公開の取扱いについて(案)
・検討会は原則公開。 ただし、以下の@〜Cに該当する場合であって、座長が非公開が妥当であると判断した場合には、非公開とする。

@ 個人に関する情報を保護する必要がある。 A 特定の個人等にかかわる専門的事項を審議するため、公開すると 外部からの圧力や干渉等の影響を受けること等により、率直な意見 の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるとともに、委員の 適切な選考が困難となるおそれがある。 B 公開することにより、市場に影響を及ぼすなど、国民の誤解や憶 測を招き、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある。 C 公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を 及ぼすおそれがある。 ※ 上記@〜Cは、厚生労働省が定める「審議会等会合の公開に関する 指針」における審議会等会合の公開に関する考え方に準拠するもの


◎資 料 3 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する閣議決定等
【無期転換ルール関連】

・労働契約法の一部を改正する法律(平成 24 年法律第 56 号)附則 (検討)
・有期労働契約の在り方について(建議)平成 23 年 12 月 26 日労働政策審議会
2 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応→3年を経過した場合において、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとすることが適当
・規制改革実施計画(令和2年7月閣議決定)【令和2年度措置】
【多様な正社員(ジョブ型正社員)の雇用ルール関連】
・規制改革実施計画(令和元年6月閣議決定)
・経済財政運営と改革の基本方針 2020(令和2年7月閣議決定)


◎資 料 4 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関するこれまでの提言等
(無期転換ルールは2013年4月1日の改正労働契約法により施行され、目的は有期労働契約者が安定した雇用を確保すること。「有期労働契約者の生活レベルを改善のため・少子高齢化による労働人口不足への対応」など社会構造が抱える問題の解決策としても期待。「同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期雇用契約労働者からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルール」です。)
1.無期転換ルール関連
(1)規制改革推進に関する第5次答申(令和元年6月6日 規制改革推進会議) 抄
→ 無期転換ルールによって、安定した雇用へのルートが制度化されたにも関わらず、その周知が必ずしも十分でなく、制度を認知し正社員化を希望しながらも、転勤や残業を強制されるような無限 定な働き方を憂慮するあまり、その活用が進んでいないとの指摘がある。
(2)有期労働契約研究会 報告書(平成 22 年9月 10 日) 抄
第2 締結事由の規制、更新回数や利用可能期間に係るルール、雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化
3 更新回数や利用可能期間に係るルール →更新や雇止めの実態を見ると、7割の事業所が雇止めを行ったことがなく、結果として勤続年数 が 10 年を超えるような有期契約労働者も存在する。

2.多様な正社員の雇用ルール関連
(1)規制改革推進に関する第5次答申(令和元年6月6日 規制改革推進会議) 抄→我が国においては、個々の労働者 と使用者間の文書による労働条件の確認と合意は、労使間の個別紛争の未然防止の観点からも欠かせない。

(2)ジョブ型正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員等)の雇用ルールの明確化に関する意見 (令和元年5月 20 日 規制改革推進会議) (抄)→個々の労働者と事 業者との間の書面(電子書面を含む)による確認を義務付け、現行の労働条件明示に関する規定に ついて必要な法令の見直しを行うべき

(3)「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会 報告書(平成 26 年7月 30 日) 抄 ↓
2 労働者に対する限定の内容の明示 →(1)限定の内容の明示の必要性 (2)限定の内容の明示の促進策

(4)今後の労働契約法制の在り方に関する研究会報告書(平成 17 年9月 15 日) 抄
第2 労働関係の成立 →3 労働条件の明示
第3 労働関係の展開→ 3 配置転換(転居を伴う配置転換があり得る 場合にはこれに関する事項を就業規則の必要記載事項とすること。)

(5)労働基準法研究会報告(労働契約等法制関係)(平成5年5月 10 日) 抄
第3 労働契約の締結
1 労働契約の内容の明確化→ (1)労働条件の明示の原則 (3)労働条件明示についての法制(就業規則において一律の定めをすることが困難な事項につ いては、現行でも労働契約に委ねる旨の定めをすることが可能であると解されている。)
第4 労働契約の内容 2 配転、出向に関する問題点と対策の方向→ (2)配置転換(労働条件等についてあらかじめ明確にする)
第6 就業規則等 1 就業規則に関する問題点と対策の方向→(1)就業規則の作成義務@〜D参照のこと。


◎資料 5 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現在の法制度等
◯労働契約法(平成 19 年法律第 128 号) 抄

第一章 総則→(目的) 第一条、(定義) 第二条、(労働契約の原則) 第三条、(労働契約の内容の理解の促進) 第四条、(労働者の安全への配慮) 第五条、
第二章 労働契約の成立及び変更→(労働契約の成立) 第六条・第七条、(労働契約の内容の変更) 第八条、(就業規則による労働契約の内容の変更) 第九条・第十条、(就業規則の変更に係る手続) 第十一条、(就業規則違反の労働契約) 第十二条、(法令及び労働協約と就業規則との関係) 第十三条
第三章 労働契約の継続及び終了→(出向)第十四条、(懲戒)第十五条、(解雇)第十六条、
第四章 期間の定めのある労働契約→(契約期間中の解雇等)第十七条、(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換) 第十八条、(有期労働契約の更新等) 第十九条、(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止) 第二十条

附 則 抄 (検討) 3 政府は、附則第一項ただし書に規定する規定の施行後八年を経過した場合 において、新労働契約法第十八条の規定について、その施行の状況を勘案しつ つ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を 講ずるものとする。

◯労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令(平成 24 年厚生労働省令第 148 号) 抄 →労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第二項の規定に基づき、 労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令を次のように定める。 ↓
(法第十八条第二項の厚生労働省令で定める基準) 第一条
◯労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号) 抄→ 第二章労働契約 (契約期間等)第十四条、
(労働条件の明示) 第十五条。 第九章 就業規則 (作成及び届出の義務) 第八十九条、(作成の手続) 第九十条、(法令及び労働協約との関係) 第九十二条、(法令等の周知義務) 第百六条、第百二十条(三十万円以下の罰金)

◯労働基準法施行規則(昭和 22 年厚生省令第 23 号) 抄→第五条、
◯有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成 15 年厚生労働省告 示第 357 号) 抄→(雇止めの予告) 第一条(三十日前までに)、(雇止めの理由の明示) 第二条、(契約期間についての配慮) 第三条、
◯労働契約法の施行について(平成 30 年 12 月 28 日) 抄
4 労働契約の内容の理解の促進(法第 4 条関係) →(1) 趣旨、(2) 労働者の理解の促進(法第 4 条第 1 項関係)ア〜オまで。(3) 書面確認(法第 4 条第 2 項関係) ア〜オまで。
第 5 期間の定めのある労働契約(法第 4 章関係) 4 有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(法第 18 条関係) →(1) 趣旨 (2) 内容ア〜ケまで。
5 有期労働契約の更新等(法第 19 条(平成 25 年 4 月 1 日前は法第 18 条。以下同じ。)関係) →(1) 趣旨 (2) 内容ア〜オまで。

次回も続き「資 料 6 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する現状」からです。

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