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理事長ブログ [2019年03月30日(Sat)]

理事長ブログ


子ども食堂を行っていると様々な声が届く。

地域に気になる子どもが居る、ボランティアをしたいがどうしたら良い?現状のシステムや運営では具合が悪いところを改善する提案などなど。

こうした声や前向きな提案は可能な限り、受けるようにしている。

 

講演や説明会で話をすると必ず言われるのは

本当に支援が必要な子どもに子ども食堂の活動が届いているのか?」と言う声。

もちろんこの気持ちは分かるし、もっともな疑問だと思う。

そしてこの疑問には二つの側面があるので二つの答えを伝えなければならない。

 

まず一つ目の答え。

質問者が考える「本当に支援が必要な子ども」と言うのはどんな状態、環境に置かれた子どもの事をイメージしているのか?

大抵は「貧困で食べる事にも困る環境にいる子どもかそれに類似した環境にいる子ども」をイメージしている場合が多い。

そうした「食べるものにも困っている子ども」は見た目で分かれば、食事を提供している側も確認が出来る。

けれども「相対的貧困」のように、「今日食べる物に困っている訳ではないが、一食分浮かせられたら助かる」状況の子ども達は見た感じで分かる事は少ない。

親御さんも自分の事は我慢しても、子どもに貧乏を悟らせたくないので見た目から貧困をイメージさせるような格好を子どもにはさせていない。

見た目で分かる場合はよっぽどな状況だからだ。

 

つまり普通に食べている普通の子どもに見えても「相対的貧困」状況の子ども達はいる。

もちろん、地域性があるので割合は変わるかもしれないが、見て分からないだけで間違いなくいる。

かといって子ども達に「キミは食べるのにも困っているかい?」なんて非常識な事は口が裂けても言わない訳だから、誤解を招く言い方かも知れないが「無駄を承知」で子ども食堂を開催する。

 

つまり端的に言えば「(本当に支援が必要な子ども達に)効果が確認できないから食事提供をしない」

ではなく「(本当に支援が必要な子ども達に)効果が確認できるまで食事提供を続ける」のが正しいと思っている。

実際のところ、そこで行っている子ども食堂に支援が必要な子ども達がいるかどうかは直ぐには分からない。

「いないかも」知れないからやる意味がない。

ではなく

「いるかも」知れないからやる意味がある。

 

そんな訳で、子ども食堂を続けていけば答えは出る。

それも子ども達や地域の方々からメッセージや情報として伝わってくる。

 

 

そして二つ目の答え。

「本当に支援が必要な子ども」の定義にもなるが、「本当に支援が必要」の「支援」って何の支援?

と言う事。

子ども食堂は

  1. 「食べる物に困っていれば食事の支援」

  2. 「一人で食べる孤食に困っていればミンナで食べる事」

  3. 登校出来なくなってしまった子には学校以外で友達と出会える場」

  4. 「地域の様々な年齢の人たちと交流できる経験」

  5. 「勉強を親や先生以外から教えてもらえる場所」

  6. 「家庭や学校では経験できない様々な体験を出来る場所」

  7. 「純粋に楽しく食事ができる場所」

などなど様々な一面を持っている。

ざっと簡単に言ってもこれくらい支援の形や役割がある訳で@だけが支援の形ではない。

AやBを求めている子ども達だっている。

 

一見するとFは遊んでいるように見えるかも知れないが、私は立派な支援だと思っている。

「子どもの頃の楽しい思い出に意味なんかない」「必要じゃない」と言う人ならFは無意味だ。

だけど私は子どもの頃に楽しい思い出をいっぱい持って欲しいし、大人になった時に「子どもの頃の楽しい思い出は絶対に必要」と思う人なら「純粋に楽しいだけ」の子ども食堂でも良いと思えるはずだ。

楽しい記憶は大人になる前にきっと必要な子どもの経験だからだ。

それを支援するのはすごく当たり前の事だと思う。

 

そして最後に

子ども食堂は自発的に子ども達が集まってくる。

子ども食堂に子ども達が集まらないとならない義務なんてないし、罰則もない。

子ども達は子ども食堂に来たいから来るのだ。

子ども食堂の活動の意味や効果を人に評価されることはとても大事なことだと思う。

でも、その評価は偉い人や行政や先生や地域の大人達だけでなく、悩んだら子ども達にも聞いてみたらいい。

「この子ども食堂って意味があると思う?」

 

「意味がある」「必要」って答える子どもが一人でもいたら、その子ども食堂は意味のある活動をしていると僕は思う。

だってその子ども達の為に子ども食堂をしているのだから。


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Posted by 八木 at 22:46
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