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2020年11月16日

ドキュメンタリー映画 「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」上映会に行ってきました(2020/10/24)

“いつでも来てね!番町学園祭・11周年”の一環として番町市民活動センターで上映されました。題名からしてショッキングだと思いましたし、内容もかなり衝撃的でした。「Fkushima50」を観た時も自分が何も知らなかったことを恥じましたが今回も、それは同じでした。そして震災がまだ、続いている現実に途方に暮れる思いがしました。
障害を持った方の死亡率の2%とは一般の住民の方の2倍以上になるそうです。せつないでは済まされない数字だと思います。震災後の聞き取り調査の際、要援護者名簿からは障害者はもれており、さらに手帳を持っていない発達障害、高次脳機能障害の方々は調査からもれていたそうです。優先すべきは個人の情報ではなく個人の命であるとおっしゃっていた方の言葉が胸に刺さりました。
目に不自由なご夫妻は迷惑がかかるから避難所には行かなかったそうです。避難所、体育館を歩いてたらきっと、誰かの足を踏んでしまうから。
避難所でおとなしく静かにしていることができないから自宅にいたという知的障害を持つ子のお母さん。ただでさえ、みんなが地震のことで神経をやられているのによけいにぴりぴりしてしまうから。
汚染区域でも転校は発達障害の我が子にとって環境が変わるリスクが大きいと判断し、引っ越さない一家。
障害者は自分の家へ帰りなさいと言われて避難所から出た車いすの女性。支援物資を取りに行けないから自宅に運んでほしいとお願いしても行政に断られたそうです。
津波を目前にして「もう、あきらめましょう」と言った筋ジスの方はその最期をどんなふうに迎えたのかと思うと涙が出ました。
全国自立生活支援センターなど、指示を待たずに動いてくれる団体がありありがたかったというのを聞くと、自助、公助、共助の大切さがうかがえます。
被爆の問題はどこか遠い世界のように思っていましたがとても怖いことなんだなと身近に感じました。めまい、頭痛、貧血など、の症状が出てきているけど、福島を離れたくないという気持ち。
まだ、整理がつかず、この映画を観たことによって自分はどうしたらいいのかがわからないでいるのが正直なところです。“みんなが困っている時でも自分が困っていることを言っていいご近所との間柄を作る”、“自分の存在を知ってもらうために防災訓練に出ること”を後押しする、などは地域生活支援ネットワークの仕事だし、災害時の対応を計画相談に盛り込むことは相談支援部会でも進めていくべきことだと思います。今の自分の立場でできることを考えたいと思います。
(地域生活支援ネットワークまいむ・まいむ 相談調整コーディネーター 木村純子)

逃げ遅れる人々写真1.JPG
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番町市民活動センター広報紙「ばんたび」より
posted by 静岡市障害者協会 at 09:10| Comment(0) | TrackBack(0) | まいむ・まいむ関連事業