大々的な活動を一区切りつけられるとのことですが、避難所で生活されている方へのサポート、ニーズの取りこぼしの心配、復興に向けた町おこしへの取り組みなど、次なる課題も沢山あります。
特に今、心配しているのが床下の処理の状況です。通常は床板をはがして、泥をかきだし、しっかり乾燥させて消毒した後、除湿効果のある竹炭を入れるなどの処置をして床を貼りなおすなどの段取りが必要となります。
2000年東海豪雨水害や2008年8月末豪雨水害(岡崎・名古屋)などでは、このような知識や対処方法を知らない、疲れもあり早く寝泊りできる環境を整えたいという焦りなどから、フローリング貼りの床をはがさずにそのまま新しい畳や家具を入れてしまい、数か月後にカビや害虫の発生、クロスや床板のはがれ、歪みなどが現れたというケースが見られました。
最終的には健康を害したり、床板の修理を行うためにまた家財道具や畳の運び出しをしなければならなくなったため、床下の処理は水害対応の上でも重要な課題だと考えられます。まずは住民の方に、処理の必要性を理解してもらうことと、素人ではなかなか剥がせないフローリング床の場合は、信頼できる業者や専門家を仲介して状況を確認して頂くという対処も求められます。これは竹田市に限らず、ほかの地域でも同様に懸念される課題だと思います。チラシや個別訪問時の声かけ等での周知・対応がすでにすんでいる状況であればよいのですが、現地とも確認の上、対応策を検討していければと思います。
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■7月24日(火)〜26日(木)の活動状況
○24日(火)
・活動件数:15
・完了:12
・継続:3
・ボランティア活動数:175
○25日(水)
・活動件数:13
・完了:7
・継続:6
・ボランティア活動数:240
○26日(木)
・活動件数:12
・完了:10
・継続:2
・ボランティア活動数:149
(7月27日・河内さんレポートより)
竹田市内は山に囲まれた非常に美しく歴史のある街ですが、今回の水害では、市街地をはじめ合併地域など、非常に広範囲な地域が被災しています。ただ、地盤がもともと良いせいか、あれだけの雨が降った割には土砂災害が少ないというのが印象的です。中越だったら土砂崩れなどにより、集落の孤立が多発しただろうと思います。
私が活動を行っている災害ボランティアセンターには、ボランティアが休日500人/日、平日は150人〜200人/日入っていることもあり、復旧作業自体は比較的順調に進んでいます。
また、ボランティアセンターにも県内外社協からの応援スタッフが入っており、計30〜50名程度の方々(地元民生委員の方を含む)が活動をしており、こちらに関してもほとんど混乱は見られない状況です。
このようなことから災害ボラセンも明日28日には閉鎖する方向で現在進んでいます。ただ、ニーズの掘り起し漏れが心配されるということから、一旦、これまで上がっていたニーズを全て地図に落とし込み、被害が大きい地域にも関わらずニーズが上がって来ていないお宅がないかどうかをスタッフが回り、改めてニーズ調査を行いました。
声が上がって来ていないお宅のほとんどは被害が軽微か無いか、もしくは地域内の共助で対応しているところがほとんどでしたが、一方で被害が大きいお宅などでは、まずは地域の共助で対応したものの、その後の後片付けなどに追われて被災者の方の疲れが気になるケースなども幾つか見受けられました。
28日以降は、社協の通常業務の中で支援活動を継続していくと言うことですが、家具の移動などといったニーズはまだまだこれからも出てくるのではないかと思いますし、被災者のケアなどの問題などもこれからもっと出てくるかと思われます。また、今までの復旧から復興や地域づくりと言ったフェーズへとどのように活動を切り替えていくかも難しいところになってくるかと思います。
週末には、先週に引き続き神戸足湯隊の皆さんが、避難所に入り、地元の大分大学や専門学校の学生と共に活動をすることになっています。
災害が頻発する昨今、今回のような災害はとかく人々の記憶から忘れられがちになってしまう傾向がありますが、こういった足湯活動などを通じて、少しでも被災地域に寄り添って、支援活動を継続していくことが非常に大切になってきますし、そこからの声を通じて新たな支援活動を模索する必要性もあると思います。
ただ、避難所自体は現在7家族程度しか入られていないということなので、徐々に被害の大きかった地域の公民館などに活動の場所を移して行くことも必要かもしれません。
竹田市は、市の高齢化率が全国2位の40%という非常に高齢化率の高い地域です。
しかし、これまで様々な地域おこしなどを行ってきた地域とのことですし、歴史、伝統、文化など非常に地域資源が豊かな地域でもあります。また、ボラセンでスタッフとして活動されている竹田社協の職員の皆さんも、地域に対する強い思いを持たれています。出来れば、この災害をきっかけに復興や地域おこしなどの取り組みが進むことを願ってやみません。
中越としては、距離の関係上、なかなか頻繁に支援活動に訪れることはできませんが、中越の経験を何か役立てることは出来るのではないかと思います。
ボラセンの主要メンバーに中越を見て頂き、竹田の復興に役立てて頂くなど、私たちに出来る支援をこれからも考えていきたいと思っています。
地域を廻らせていただいている中では、「ボランティアに助けてもらって本当に助かった。いろいろなところから支援を受けたのだからこれからも頑張っていきたい」といった、感謝の声も多く聞かれました。また、災害ボランティアセンターにも福島県からの社協の応援スタッフをはじめ、県内外の社協の応援職員の方もいらしていました。
こういった様々なつながりが竹田の復興へそして起きてほしくはありませんが、次なる災害の備えにつながっていくのだと思います。