同スタッフと和歌山県出身
のスタッフの2名で、発災直後から泥かきなどのお手伝いに入っていました。
その後当NGOと協力関係にある「被災地へのまごころ便」(被災地への短期ボランティア派
遣便)が、兵庫県社会福祉協議会のコーディネートの元、平日にボランティアを送り込み、ま
た「中越・KOBE足湯隊」の先遣隊も2名入り足湯の可能性を探って来ておりました。
本レポートは、この足湯隊に参加し、那智勝浦町の市野々に入ったメンバーからのもので
す。
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私たちが昼間床下の泥出しをしたお宅のおばあちゃんが、足湯に来てくれたのですが、最
近まで水害が起きたときのことを思い出すと涙がとまらなかったけど、やっと話せるよ〜になったと言われていました。足湯をされて、ほっとできたと本当に喜んでおられました。今足湯が必要なんだと思った出来事でした。この方は、ご自身が濁流に流され、足にはテーピング、手にはアザや擦り傷などあり、旦那さんを亡くされています。一緒に何かに捕まっていて、旦那さんの手がはなれていくのを見たそうです。家は全部流されてしまったようですが、大好きな場所からはなれたくないと、水に浸かっているけど、使える家に移り住むんだそうです。和歌山は自然がいっぱいのすてきな場所ですから、こうして大好きな場所をはなれたくないという気持ち、よくわかります。
もう一つは足湯に来てくれた小学4年生の男の子の話です。この男の子は落ち着きがなく、たらいから足を出したり、タライに勝手に水をどばっていれたり、シートを濡らしたり、タオルをタライに入れたりと、やんちゃぶりを見せていました。最初は、私たちが話しかけると、「なんだこのやろ〜、」みたいな言葉を発していた男の子が、打ち解けて少し仲良くなると、笑顔も見えてきて、足湯の片付けなどを一緒に手伝ってくれるようになりした。そして、突然「ありがとうございました。」「また来てください。」と頭を下げるんです。びっくりしました。最後は「また来てね〜」と車が見えなくなるまで手をふってのお別れでした。水害が怖かったんだろうと思います。足湯を通して大学生と遊んで笑顔になる子どもたち。子どもたちの笑顔をまた見に行きたいです。
また、あるおじさんは、独身か、奥さんを亡くされたかわかりませんが、水害前は犬とおじさん一人で暮らしていたそうです。若いおね〜ちゃんが好きみたいで、足湯を担当したのが男の子だったのをすごく残念がっていました。おじさんは、いろんなことを話したくても、今まで話せなかったよ〜な感じで、足湯の後は、学生(女の子)二人に、笑顔で話しをして、にこにこご機嫌でした。
もっと多くの人に足湯でほっとしていただきたいです。
(被災地NGO恊働センターボランティアスタッフYより)