シンポジウム〜市民が担い手となる共助社会の実現に向けて〜 実施報告[2016年03月05日(Sat)]
2016年3月5日(土)
去る、2月27日、当法人が主催する平成27年度シンポジウム「まちづくりシンポジウム〜市民が担い手となる共助社会の実現に向けて〜」が、宇都宮大学峰キャンパスの教室にて行われました。
今回のまちづくりシンポジウムでは『日本における子ども(17歳以下)の相対的貧困率は16.3%(平成25年国民生活基礎調査)これは先進20か国のうち4番目の高さ』『6人に1人の子どもが貧困に苦しんでいる』という現状に、栃木県内の取り組みや先進事例を学ぶ集いとして開催しました。
『子どもの貧困と地域社会』をテーマに、
@宇都宮まちづくり市民工房による調査報告
A栃木県子ども政策課課長、NPO法人だいじょうぶ理事長による事例報告
BNPO法人豊島WAKUWAKUネットワーク代表理事による基調講演
が行われました。 市内・市外行政関連、企業、市民活動団体等の方々130名程が参加されました。まず、シンポジウム開催に辺り『宇都宮大学教育学部陣内研究室』、『NPO法人宇都宮まちづくり市民工房』理事長である陣内 雄次氏による挨拶ののち、
市民工房による調査報告では『宇都宮まちづくり市民工房』事務局長であり、宇都宮市まちづくりセンターまちぴあセンター長である安藤正知氏による報告が行われ、法人としてのこれまでの活動について説明や今後の取り組み『子ども食堂の普及』についてもお話していただきました。
次に、栃木県子ども政策課課長 小竹欣男氏による事例報告では、『栃木県における子どもの居場所づくり』と題とした栃木県内での取組みについて説明していただきました。
説明では、『放課後の居場所、基本的生活習慣の習得、宿題等の学習支援、保護者への養育相談』等を行なう“要支援児童放課後応援事業”について、
『特定非営利活動法人青少年の自立を支える会』
『特定非営利活動法人サバイバル・ネット・ライフ』
『特定非営利活動法人キッズシェルター』
が行っている支援事業の概要について説明いただき、要支援児童放課後応援事業を行うことでの効果・期待では『基本的生活習慣が身につき、規則的な生活リズムを習得』『学習への意欲等、前向きな影響力が出てくる』『親が子どもの変化を感じて養育状況の改善につなげる』ことにより『虐待の未然防止・虐待の世代間連鎖防止につなげる』といったことについてお話し頂きました。
また、事例紹介の二つ目として、『NPO法人だいじょうぶ』による事例報告では『子どもの貧困と地域社会』と題した活動事例について説明いただきました。
「だいじょうぶ」さんでは子どもへの虐待を無くすこと(虐待の未然防止と起きている虐待の終止)を目的に活動をしており、平成22年に「母子の居場所“ひだまり”」を開設されました。 家庭支援の一環として『子どもやお母さんの話を聴く、食事やお風呂や洗濯、子守り、子育ての手伝い(ご飯づくり、お掃除、病院や健診の同行)連出し支援』等の活動をされています。親子関係の良好、地域孤立の改善が見られたそうです。
続いては、今シンポジウムの基調講演として、子ども達の支援に現場で関わりつづけている、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林知絵子氏から、
「おせっかいが繋ぐ子ども地域
〜あさやけ子ども食堂の現場から〜」
と題して、講演頂きました。もともと子どもを持つ普通の主婦であった栗林さんが、区で行っているプレイパーク(子どもたちが想像力をもって遊びを工夫し、利用する公園)に遊びにいき、悩みを持つ子ども達と出会ったことから少しずつ支援活動に関わっていったという、きっかけの部分からゆっくりとお話頂きました。
課題を抱えた子ども達や、その家庭が一見して困っているということは分からないもので、ちょっとしたきっかけで会話を交わし、少しずつコミュニケーションを深めていく中で、学習や食事、就職といった事柄についての悩みを少しずつ相談してくれるようになっていく・・・。
そんな子どもとの個の関係から、困ったことを他の信頼できる仲間たちにも相談しながら、「おせっかいの輪」が広がり、学習支援や食事支援などの活動へと広がり、支える仲間たちが増え、相談をもちかける方々も増えていったとのことでした。
取材を受けた映像や活動の様子を見せていただきながら、法人が行っている「遊びサポート」「学びサポート」「暮らしサポート」「ひとり親サポート」といった法人が行っている各種活動を紹介頂きました。
また、「幼年期・少年期といった若い段階・世代時点での支援の必要性」についても、様々なデータを下にその必要性を伝えて下さり、子ども自身に自我が芽生え、必要とするものや生活スタイルの変化が急激ではない子ども時代に、周りの大人たちがいかにその子ども達を支え、問題に悩む家族を地域で支えていくことは、大きな目でみて社会の貢献につながっていくかというお話も頂きました。
栗林さんのお話をお聞きして、「おせっかい」というものは、如何に自分以外の人に関心をもって、またその人に沿ったコミュニケーションをとっていくのかということも、大きな点であると感じました。
困っている方は、それを隠そうとすることはもちろんあるし、問題と気がつかない人は目に入りにくい。また、気がついてもどうお互いが接しあっていくのか。様々な人たちが同じ場所に住んでいる「地域」において、自分のできることから始まり、他の応援者との関係づくり、地域を支える体勢づくりなど市民レベルにおいても、様々な課題解決の糸口があるはずで、それらに自分たちがどう気がついていくのか。
この部分に、「子ども貧困」という課題に対してだけなく、様々な諸問題がある地域を支えあう包括的な市民の動きがあるのかもしれないと考えさせれました。
講演後には、シンポジウムを主催した、宇都宮まちづくり市民工房より、子どもの貧困問題を解決するための勉強会の立ち上げをアナウンスさせて頂き、参加された皆さんに声がけを行いました。多くの賛同をいただくことができ、来期からの活動についてもより具体的に進めていこうと改めて決意する機会となったように思います。
(記事作成:小倉、小松 投稿:小倉)
去る、2月27日、当法人が主催する平成27年度シンポジウム「まちづくりシンポジウム〜市民が担い手となる共助社会の実現に向けて〜」が、宇都宮大学峰キャンパスの教室にて行われました。
今回のまちづくりシンポジウムでは『日本における子ども(17歳以下)の相対的貧困率は16.3%(平成25年国民生活基礎調査)これは先進20か国のうち4番目の高さ』『6人に1人の子どもが貧困に苦しんでいる』という現状に、栃木県内の取り組みや先進事例を学ぶ集いとして開催しました。
『子どもの貧困と地域社会』をテーマに、
@宇都宮まちづくり市民工房による調査報告
A栃木県子ども政策課課長、NPO法人だいじょうぶ理事長による事例報告
BNPO法人豊島WAKUWAKUネットワーク代表理事による基調講演
が行われました。 市内・市外行政関連、企業、市民活動団体等の方々130名程が参加されました。まず、シンポジウム開催に辺り『宇都宮大学教育学部陣内研究室』、『NPO法人宇都宮まちづくり市民工房』理事長である陣内 雄次氏による挨拶ののち、
市民工房による調査報告では『宇都宮まちづくり市民工房』事務局長であり、宇都宮市まちづくりセンターまちぴあセンター長である安藤正知氏による報告が行われ、法人としてのこれまでの活動について説明や今後の取り組み『子ども食堂の普及』についてもお話していただきました。
次に、栃木県子ども政策課課長 小竹欣男氏による事例報告では、『栃木県における子どもの居場所づくり』と題とした栃木県内での取組みについて説明していただきました。
説明では、『放課後の居場所、基本的生活習慣の習得、宿題等の学習支援、保護者への養育相談』等を行なう“要支援児童放課後応援事業”について、
『特定非営利活動法人青少年の自立を支える会』
『特定非営利活動法人サバイバル・ネット・ライフ』
『特定非営利活動法人キッズシェルター』
が行っている支援事業の概要について説明いただき、要支援児童放課後応援事業を行うことでの効果・期待では『基本的生活習慣が身につき、規則的な生活リズムを習得』『学習への意欲等、前向きな影響力が出てくる』『親が子どもの変化を感じて養育状況の改善につなげる』ことにより『虐待の未然防止・虐待の世代間連鎖防止につなげる』といったことについてお話し頂きました。
また、事例紹介の二つ目として、『NPO法人だいじょうぶ』による事例報告では『子どもの貧困と地域社会』と題した活動事例について説明いただきました。
「だいじょうぶ」さんでは子どもへの虐待を無くすこと(虐待の未然防止と起きている虐待の終止)を目的に活動をしており、平成22年に「母子の居場所“ひだまり”」を開設されました。 家庭支援の一環として『子どもやお母さんの話を聴く、食事やお風呂や洗濯、子守り、子育ての手伝い(ご飯づくり、お掃除、病院や健診の同行)連出し支援』等の活動をされています。親子関係の良好、地域孤立の改善が見られたそうです。
続いては、今シンポジウムの基調講演として、子ども達の支援に現場で関わりつづけている、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林知絵子氏から、
「おせっかいが繋ぐ子ども地域
〜あさやけ子ども食堂の現場から〜」
と題して、講演頂きました。もともと子どもを持つ普通の主婦であった栗林さんが、区で行っているプレイパーク(子どもたちが想像力をもって遊びを工夫し、利用する公園)に遊びにいき、悩みを持つ子ども達と出会ったことから少しずつ支援活動に関わっていったという、きっかけの部分からゆっくりとお話頂きました。
課題を抱えた子ども達や、その家庭が一見して困っているということは分からないもので、ちょっとしたきっかけで会話を交わし、少しずつコミュニケーションを深めていく中で、学習や食事、就職といった事柄についての悩みを少しずつ相談してくれるようになっていく・・・。
そんな子どもとの個の関係から、困ったことを他の信頼できる仲間たちにも相談しながら、「おせっかいの輪」が広がり、学習支援や食事支援などの活動へと広がり、支える仲間たちが増え、相談をもちかける方々も増えていったとのことでした。
取材を受けた映像や活動の様子を見せていただきながら、法人が行っている「遊びサポート」「学びサポート」「暮らしサポート」「ひとり親サポート」といった法人が行っている各種活動を紹介頂きました。
また、「幼年期・少年期といった若い段階・世代時点での支援の必要性」についても、様々なデータを下にその必要性を伝えて下さり、子ども自身に自我が芽生え、必要とするものや生活スタイルの変化が急激ではない子ども時代に、周りの大人たちがいかにその子ども達を支え、問題に悩む家族を地域で支えていくことは、大きな目でみて社会の貢献につながっていくかというお話も頂きました。
栗林さんのお話をお聞きして、「おせっかい」というものは、如何に自分以外の人に関心をもって、またその人に沿ったコミュニケーションをとっていくのかということも、大きな点であると感じました。
困っている方は、それを隠そうとすることはもちろんあるし、問題と気がつかない人は目に入りにくい。また、気がついてもどうお互いが接しあっていくのか。様々な人たちが同じ場所に住んでいる「地域」において、自分のできることから始まり、他の応援者との関係づくり、地域を支える体勢づくりなど市民レベルにおいても、様々な課題解決の糸口があるはずで、それらに自分たちがどう気がついていくのか。
この部分に、「子ども貧困」という課題に対してだけなく、様々な諸問題がある地域を支えあう包括的な市民の動きがあるのかもしれないと考えさせれました。
講演後には、シンポジウムを主催した、宇都宮まちづくり市民工房より、子どもの貧困問題を解決するための勉強会の立ち上げをアナウンスさせて頂き、参加された皆さんに声がけを行いました。多くの賛同をいただくことができ、来期からの活動についてもより具体的に進めていこうと改めて決意する機会となったように思います。
(記事作成:小倉、小松 投稿:小倉)
Posted by ANDO at 19:22 | 市民工房 事業 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)