まだサラリーマンだった頃なら、興味の対象にすらならなかったかも
しれません。
一般的には、「まちづくり」=道路を作る、橋をかける、学校や病院、
図書館などの公共施設を充実させる、上下水道を整備する・・・
などハードな意味合いが濃いと言えます。
では、宇都宮まちづくり市民工房が使う「まちづくり」とは何か。
定款では「目的」として以下を掲げています。
この法人は、宇都宮市の市民活動活性化に関する事業、
および行政、営利団体、市民活動団体がそれぞれの特性を
活かして協働するための事業を行い、「市民の手による、
市民のためのまちづくりの実現」に寄与することを目的とする。
また、リーフレットには活動の目的として
わたしたち市民工房は、「市民の手による、市民のための
まちづくり」の実現を目指す市民立のシンクタンクとして
調査研究・政策提言を、またドゥタンクとしてまちづくり活動の
実践を担っていきます。
と記載しています。
「市民工房は何をしている団体ですか」と問われれば、
「市民の手による、市民のためのまちづくりの実現」を
目指しています、と答えるわけですが、その段階で
具体的な活動内容を思い浮かべる人はほとんどいらっしゃいません。
「というと、たとえばどんなことを?」と次の質問が来ることになります。
「まちづくり」自体がかなりわかりにくく、さらに「市民の手による・・」
となると皆さんの頭の上に?マークがいくつも現れることになって
しまいます。
市民工房が述べる「市民の手による、市民のためのまちづくりの実現」
は「市民自治の実現」とも言えます。
では、「市民自治の実現」とは何か。
それは、
市民自らが政策提言をし、
市民自らが政策実現をする
こととと考えます。
政策といっても自治体が策定する総合計画のような大掛かりな
ものとは異なり、もう少し身近な、あるいはより分野別、個別テーマごとの
施策が中心になります。
それは、今暮らしている社会に顕在化あるいは潜在化する課題を
「自らのこと」として認識し、その解決法を考え、提案し、さらに
その実現に向けて行動することを意味します。とは言え、すぐに活動へ、
とつながる人は少ないと思います。まずは、顕在する課題への対応を
自ら考えるところからスタートする、その中身を企画書としてまとめて、
いろんな方々に読んでもらう。
そこから、共感する仲間が集まってくるかもしれません。
たとえば、
○○施設・公園などを有効活用して、地域住民の居場所とする
**商店街の空き店舗活用施策を提案し、さらに地域活性化へとつなげる
新しい分譲住宅団地の住民が、より住みやすい団地を目指してまずは
勉強会から始める。
などなど。
こうした企画書作成プログラムを定期的、継続的に実施していくことで、
「まちづくり」を自分自身の言葉で語る人が一人でも増えてくれることを
願っています。まちづくりは人づくり、とよく言われますから。
ただ、「なかなかリーダーがいなくて」というボヤきには難しい面が
あります。それはどんなリーダーを求めているかによるからです。
今まで組織がやってきたことをそのまま踏襲した活動を担ってくれる
人をリーダーと呼び、求めているのであれば、後継者が見つからない
のも致し方ないかも、と感じます。
大きな目的は共有するとして、そこに至る道つまり実現する方法は
多様なはずであり、そこに自由裁量がなければ人は集まって来ないのでは。
次の時代を担うリーダーには、自ら考える権利と義務がついてくるはずです。
そのために、裾野をどれだけ広げることができるか、「まちづくり」とは何か、
その議論に喜んで参加してくれる人を一人でも増やしていくことが、
市民工房の使命だと思います。
Posted by ANDO at 16:50 | 日々のあれこれ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)