でも決して組織が発展することを否定しているわけではありません。要は、各々が組織運営を
考える際に、何を礎とするか、あるいはどんな哲学を持っているかによると思います。
私自身、20-30代のサラリーマン時代、常に「変革すること」を目指してきました。変革、というと
大袈裟ですが、若い時特有の大きな物の言い方だったと思います。変化すること、で十分ですね。
いつも今と違う自分を求めたい、変化しないということは退化することと同じ、なぜなら周りが
変わっていくのに自分が変わらなければ、取り残されることになるから。
つまり、変わること=進化という盲目的な思いがあったわけです。あるいは、変わってみなければ、
それが進化か退化か、もしくは結局現状維持なのかわからない、とも言えます。変化を前提とする
考え方は、伸びようとする気持ちがあれば至極当然のことと思います。当時の自分は「今のままでいい」という生き方には反発を覚えていました。実際そういう場面に遭遇したこともあります。
同じことを組織にも感じていました。変化=進化を望まない組織、この場合は企業でしたが、は
存在意義がない(これもまたずいぶんと大げさなもの言いをしていたものです)なんてことを
考えていました。変化を望まない企業なんてありえない・・・かもしれません。でも
言葉にするのとそれを実現するのには大きな違いがります。かけ声だけの変化も多いのでは
ないでしょうか。
さて、今はどうかというと・・・変化しない選択肢も大切なのだと思っています。なぜなら、
変化=進化とは限らないからです。変わらない良さもあるはず。
社会の変化が激しいのだから、その変化に即した考え方を導入しないと、適応できない。
そんな話をよく聞きます。では、なぜ社会は激しく変化しないといけないのか。その変化は進化ですか、
退化ですか。そんな問いかけをしながら組織というものを考えたいと思います。変化しないことが
組織の発展につながることだってあるんじゃないかと。
したがって、個人個人によって「生き残り」とか「発展」とかいう言葉に見出す意味は違ってきますし、
同じ人間でも、年齢によって変化していくものです。少し臆病になってきたのかもしれませんが。
生き残るためには、雇用調整もやむを得ない・・・その決断の根底には、短期利益を追及するあまり、
自社の従業員が安定な生活を得るのに必要な給料を払ってこなかった反省があり、今雇用調整をしても
企業というブランドが生き残れば、かならず雇用を復活させ、内需拡大につながるよう社会責任を
果たしていく、という決意が必要です。ブランドを残すことで将来社会責任を果たすことができる、
という強いメッセージが欲しいものです。
発展することは悪いことではありません。
では、「なぜ私たちは発展しないといけないのか」「発展することで、社会にどんな好影響をもたらす
ことができるのか」を議論したうえでの選択肢だと思います。
Posted by ANDO at 10:47 | 練習用 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)