いよいよ出版 [2011年11月02日(Wed)]
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いよいよ、「緑の分権改革〜あるものを生かす地域力創造」が出版の運びとなりました。すでに、学芸出版社、アマゾンなどで予約がはじまり、おかげさまで好調な出だしと聞いています。
今日は、その出版のご挨拶をさせていただきます。 出版のご挨拶 このたび、原口一博元総務大臣(現衆議院総務委員長)、日本政策投資銀行地域振興グループ参事役で「デフレの正体」の著者として知られる藻谷浩介氏のご推薦のもと、「緑の分権改革〜あるものを生かす地域力創造」を発刊する運びとなりました。 平成21年秋に当時の原口総務大臣から「緑の分権改革」を進めるようにとの指示を受けて、総務省の本部、有識者による推進会議、それらの事務局を担う推進室の設置、さらには再生可能エネルギーに関する調査予算の補正計上などを行いました。それ以来、ポストが代わってからも、地域力を創造するための各種施策と関連づけながら、常にこの政策の意義や具体的推進方策を考え続けてきました。 その間、個人的には、内発的発展論、森里海連環、自然との共生などを主導される多くの先生方や有識者の方々との出会いがあり、徐々に自分の考えも整理されて来ました。一方、役所の方でも、毎年予算がつくようになり、その成果が徐々に世の中に発表されてきました。そのため、市町村や地域レベルでの理解も最初の頃に比べると格段に進んできたように感じます。 そのような中で、今年の3月11日の東日本大震災が起こり、私もその復旧・復興対策に忙しい日々を送ることになりましたが、改めて、自然の大いなる恵みと大変な驚異を深く認識し、人間と自然の関係をより真剣に考えるようになりました。また、原子力発電を始めとする科学と人間の関係、そして人類のサステナビリティーの鍵を握っていると思われる環境問題やエネルギー問題についてもより関心を深めることになりました。 このことは、おそらく皆さんも同様ではなかったかと思います。私はそのような今こそ「緑の分権改革」の基本理念(地域に昔からあるものを生かして、富を生み出す力や自給力を高めること)、その具体的取り組み、さらにはその推進方策などを、できるだけ多くの方々に分かりやすく伝えたいと考えました。そして、今後の被災地の復興、全国各地の地域再生、そしてわが国独特の歴史・伝統・文化や国土の成り立ちを踏まえた国のあり方、さらにもっと大きくいえば現在の文明の次に来るであろう新しい文明の方向性について、考えるきっかけにしていただきたいと思っています。 あわせて、自治大学校長、地域力創造審議官という職を通じて、全国各地の人材育成や地域づくりの事例を拝見し、時には一緒に課題の解決にあたり、時には講演などを通じてアドバイスをさせていただく中で培った人のつながりやノウハウの蓄積をできるだけ多くの方にお伝えしたいと考えるようにもなりました。 このような経緯から、誠につたなくお恥ずかしいものではありますが、勇気をふるって本書を執筆した次第であります。 ぜひ、このような私の思いをご理解いただき、本書をご笑覧いただくとともに、皆さんの地域の関係者の方々にも広くご紹介いただければ幸いです。 平成23年10月 総務省自治財政局長(前地域力創造審議官) 椎川 忍 |




