地元の技術の保存、継承 [2006年04月10日(Mon)]
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着物イベントの続きです。なぜ、伊丹さんや服部さんを呼んだり、結びつけたりしたかったのかということと関係があると思います。
島根、鳥取には、このように会社組織にするまでにはいたっていないが、素晴らしい地元独特の技術を伝承、保存、継承してご苦労されている方がたくさんおられます。もちろん一部の方はそれなりに成功され、会社にしてかなり手広く商売をなさったり、伝統工芸士に認定されたりしておられます。それはそれで立派なことですし、もっと行政も応援してあげたらよいと思うのですが。ここで取り上げたいのは、まだそこまではいかない、あるいは伝統工芸の範疇からはもれるが、間違いなく地元の古くからの工芸技術であるというものを一人で細々と受けついで苦労されている方々です。こういうものはいわば民芸にも近いもので、地元では古くから大切に伝承されてきたものではあるが、資本力や営業力がなかったり、流通にもうまく乗っけられないため、商業化できず、そのために後継者も育てられずに、下手をすると廃れて、なくなってしまうというものです。そういうものがどんどんなくなっていけば、この地域は都会の誇れるもののないただの田舎に成り下がってしまうのです。そういうものの価値を住んでいる人たちが再確認し、大事に使い、育て、継承して守っていくと、都会とは一味違った立派な地方都市になれると考えます。 現在の行政の施策は、中小企業施策として展開されているものが多く、こういう伝統技術の保存、継承には必ずしも向きません。既に有限会社ほどに企業化され、低利融資、経営指導、販売戦略という段階に来ているものはそれらで救済できると思いますが、それ自体が既に都会型の振興策であり、このような地域の一人親方的な方々の手助けには向いていないのです。これこそ、県の単独施策の出番であり、何でも国の言っているとおりにやってしまえば、せっかくの大事なものを失っていく事になってしまうのです。ぜひとも、こういった地域独特の技術を保存、継承するための仕組みを県単位で創設できるよう考えて行きたいものです。 |




