阿蘇ゆるっと博第5回実行委員会 [2010年03月27日(Sat)]
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来年の新幹線開業に合わせて行われる阿蘇ゆるっと博(2011阿蘇カルデラツーリズム博覧会)の実施計画が決定された。このゆるっと博は、今まで取り組んできた集落単位の地域づくりとそれを生かした滞在型観光をバスと鉄道などの公共交通ですべて結んで、旅行客に楽しんでもらおうというもので、一過性のイベントではなく、いわば中間成果発表会のような性格のものだ。阿蘇エリア、小国エリア、南阿蘇エリア、竹田エリアでそれぞれの見どころ集落(パビリオン)が競っており、その箇所数は30か所を超える。それぞれの箇所に旅のコンシェルジェや案内人がいるのだが、これからその人たちの一層のスキルアップを図ることが重要だという認識で一致している。旅行者のニーズに合わせて、旅をつくる「旅の市場」が開設される。
これまでのプログラムのブラッシュアップをして、洗練した形で旅を提供するので、特に新しい建物をつくったりすることはないが、統一された案内サインやHP・データベース、宣伝用DVDなどが作成され、これらは博覧会終了後も活用されるので無駄にならない。多少のスペシャルイベント、催事、プロモーションの経費が一過性のコストだが、阿蘇のこのような取り組みを知ってもらうことは、決して将来に向けても無駄にはならないだろう。 ということで、経費はたったの2億円程度しかかからないが、その大部分は阿蘇地域デザイン振興センターの毎年のソフト事業費6、000万円の2年分、1億2、000万円と観光庁の広域観光圏整備事業の補助金4、000万円が充てられるから、ほとんど持ち出しといえる経費はなく、大変工夫されたイベントだと評価できるだろう。 それも、阿蘇地域デザインセンターが30億円の基金を持ち、その運用益6、000万円で毎年、毎年、地域づくりを主体とした観光集落づくりに取り組んできた成果であり、ちょっと他地域にはまねができないかもしれないと思っている。その立役者はデザインセンターの坂元事務局長ほかのスタッフ(石松さん、宮田さんら市町村からの出向者)に他ならない。 このような、地域づくりこそ観光振興を身を持って実践する地域が日本中に出てくれば、インバウンド3、000万人の目標達成も夢ではないし、本当の意味の観光で生きるという地域ももっと増えてくるに違いない。この点は、現在の観光庁長官とも意見が一致しており、定期的に勉強会も開催している。総務省は、緑の分権改革の観点からも、この小さな単位の地域資源をフル活用した観光を重視して、知恵を出し合っていきたいと考えている。 |




