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県境を越えた観光振興 [2006年03月29日(Wed)]
 鳥取、島根の県境地域と言っても、関東の方にはまったくイメージが湧かないと思いますが、いわゆる山陰地方の中で、もっとも平野部が広く、また人口集積が大きく連たんしている地域です。城崎あたりから益田あたりまで汽車で旅行してみるとその実感が湧きます。もちろん山陽側とは比べるべくもありませんが、海と山が迫った地域を走り続けてくると、なにかほっとするものを感じる地域です。そうであるがゆえに、太古の昔から文化が栄え、大陸との関係が重要であった時期には、むしろわが国の玄関的な存在であったとさえ言えます。従って、出雲大社や荒神谷遺跡をはじめ数々の歴史、文化遺産の宝庫であり、日本人の心のふるさととさえ言えるでしょう。自然も大山、隠岐の島々、宍道湖、中海、北山連山、日本海のきれいな海など、普段の仕事の疲れを癒してくれるのに十分な魅力がある地域です。
 しかし、なんとこの地域に県境という代物があるわけです。この県境には、明治4年の廃藩置県の時は鳥取県と島根県ができましたが、9年には両県を併合して大島根県となり、さらに14年の鳥取県分県運動による鳥取県の分離独立という経過があります。山陰で一番ポテンシャルが高く、観光資源も豊富なこの地域に県境という楔が打ち込まれているわけです。それでも両県がこの地域の観光振興について完全に一体的に施策展開をできれば、問題はないわけですが、相当な努力はされているものの、やはり観光客の立場から見ればなんでという問題はいまだにたくさんあります。言ってみれば、この地域は知らず知らずのうちに観光客にとってかなり不親切なエリアになってしまっています。民間事業者の方やnpoの方たちはそのことをいち早く自覚され、その是正に取り組んでこられました。そういう中で、現在、行政レベルでも広域観光連携の機運が盛り上がってきており、共同ポータルサイトの作成や広域観光地図の作成が進んできています。
 そこで、私は10年前から、この地域に広域連合を作り、そこに一つずつでも具体的な仕事を持ち寄り、県境の壁を低くしていったらという提言をしてきました。それがこの観光問題を契機に実現することを切に祈っています。観光振興はもともと2,3年で定期異動する公務員が
どこまで具体の問題に口を挟むべきか、行政は財源面で支援をし、そのアウトプットを求めるべきで、具体のことは民間の人たちの蓄積と知恵を生かすべきではないかという気がしていました。そのこととも合わせて、広域観光振興のための広域連合の設立は現実味をおびて
来たとうれしく感じています。
Posted by shechan at 14:35 | 政策提言 | この記事のURL