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隠岐の振興(離島振興)をもう一度考えたい [2006年09月03日(Sun)]
 9日に海士町で行われる「立ち上がる隠岐」というシンポジュームに参加します。一橋大学の関先生のお計らいで地域産業興しに燃える人の同窓会を隠岐でやることになり、せっかく全国から素晴らしい人たちが集まるのだから何かやろうということでこの企画になったようです。私は関先生と基調講演の一部を担当することになりました。
 そのため、隠岐のことを再度いろいろと勉強したり、いろんな情報を入れてもらったりしていますが、全国的に報道された産婦人科医不在(解消)などの医療の確保問題、言わずと知れた水産業などの一次産業振興と加工産業振興の問題、依然として不振を続ける観光振興の問題、隠岐汽船の経営再建問題、人口定住の問題など課題山積です。今の時期にもう一度きちんと隠岐の将来像を見据えた総合振興策を島根、鳥取両県の関係行政機関、民間経営者、住民、NPOなども交えて検討する必要があることを痛感しています。
 隠岐汽船の経営問題は、思っていたより深刻ですが、住民の方々や市町村はそれをどこまで意識しているのでしょうか。また、ここに至るまで抜本的対策を講じててこなかった経営陣の責任はどうなるのでしょうか。株主はその間何をしていたのでしょうか。また、そういう経営状況を知りながら、多額の運転資金を貸し込んできた金融機関の責任はないのでしょうか。ここに至って、島根県も再建策の策定に乗りだしてきましたが、県も代船建造などに貸付やその斡旋をしてきており、それなりの責任があるはずです。また、この問題に鳥取県は関係ないとだんまりを決め込むのでしょうか。要するに、皆が危機感を共有できずに、責任を回避しながら、ここまでずるずると来てしまった様に見えます。もちろん原油の高騰だとか公共事業の減少だとか厳しい経営環境はあったと思いますが、それらをある程度は予測しながらも、何とか乗り切っていく方策を事前、事前に講じるのが経営なのではないでしょうか。県は国に対して大胆な再建策を示して、自らの支援策を前提に国の支援を求めるようですが、モラルハザードを生じないように、これまでの経営責任、株主責任、行政責任、その他の責任を整理して、それをきちんと履行していかないと同じことが将来また起きてしまうことが懸念されます。
 これは一つの例ですが、このように隠岐の問題はあらゆる分野で危機的状況にあるといえるでしょう。ぜひともこの機会に、隠岐の問題を考える場を設けていきたいものです。そして沖の問題は、全国の離島と悩みを共有しているのだと思います。離島振興策について全国ベースでも検討を進めていくことが求められる時期ではないでしょうか。
Posted by shechan at 09:16 | 政策提言 | この記事のURL