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2024年07月30日

とある自治会の暗黒奇譚 #00 〜プロローグ〜

たいへんご無沙汰しております。シマブロ!メンバーのボンコバラです。
突然ですが、シマブロ!のブログをちょっと変わったカタチで再開しようと思います。

「島根のリアルを発信する」をコンセプトに2013年7月に立ち上がった当ブログ。

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2018年10月の最終更新から5年が経過。

メンバー全員も、いろいろあったし、
これを読んでいるあんたも、いろいろあっただろ?

たとえばおれの場合、子どもが生まれたり、過労がたたって病気にかかったり、転職もした。

そんないろいろあった5年間の中で、経験したことが一つある。

『自治会長』だ。

地域によっては「町内会」など、呼び方は異なると思うが、要は

ってやつだ。

コロナ禍真っただ中の2021年と2023年に、おれは自治会長を務める羽目になった。



身近だけど謎の多い自治会

総務省調べでは、平成25年時点で全国に約29万の自治会・町内会があるらしい。

今これを読んでいるあんたも、自治会に入っているんじゃないだろうか。

そんなあんたに聞いてみたい。

「自分が加入している自治会が、どんなことをしているか、知ってる?」

何を隠そう、この問いに答えられないまま自治会長になったのが2021年のおれだ。

身近だけど謎の多い組織・それがJICHIKAI ―自治会― 。



自治会のリアルは島根のリアル

というと語弊があるが、島根のどこかで暮らしていれば、その地域に自治会なり町内会がだいたい存在している。

しかもそれは、加入しているにもかかわらず、実はよく分からない、ブラックボックスみたいなものだ。

であれば、その謎を解き明かす=自治会のリアル、を発信することは、ある意味で島根のリアルの一端を発信することでもある。以上、設定的説明手続き。

あくまでおれが加入している自治会の話だから、全国共通でもないし、島根県内共通でない内容が多分に含まるということをご承知いただきたい。

なお、この投稿は2021年に自治会長になってから、その活動の様子をfacebookに投稿したものを加筆・修正したものになる。他のシマブロメンバーにも承諾を得た。

facebookの投稿が意外と評判がよかったので、より多くの方に見ていただき、何かの参考になれば、思ったのもシマブロ!で投稿するに至ったキッカケ、というわけだ。

ここに、謎に包まれた自治会活動の記録を残していこう。


※記事の投稿日時は、当時facebookに投稿した際の日時を適用しています。


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2021年10月27日

とある自治会の暗黒奇譚 #09 「組長会の開催」

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2021年10月07日

とある自治会の暗黒奇譚 #08 「敬老会(記念品配付)」

9月の自治会長会議で、後期高齢者(=うちの自治会の敬老会参加対象者)に配付する記念品が各自治会長に配られた。

うちの自治会だけで、その数80超。大きめの段ボール……60立方センチメートルくらいだろうか、その中にぎっしりとタオルが入っている。

これを自治会長が全部訪問してお渡しする……

なんてことはなくて、うちでは12人の役員(組長)と手分けして配った。把握リストのときと同じように、12人の組長宅に持って行って説明することにはなったが……。

自治会長で配られたこの物量のタオル、高齢の自治会長だったら自宅に持ち帰るだけでも大仕事だろうに。ちなみに、記念品がタオルだったのは令和3年度で、令和5年度には商品券になった。

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戸別訪問の意義

さて、おれは組長でもあるので、うちの組内の後期高齢者世帯を訪問して歩くわけだが、

「今年もコロナ禍で敬老会は中止になりましたが、記念品をお配りしています。今後も元気にお過ごしくださいね」

みたいな感じで、まあ一応? 労い? の言葉をかけて回った。

普段は仏頂面なおじいさんも、この時は若干照れ臭そうにして記念品を受け取ってくれる。

この「後期高齢者把握のために一軒ずつまわる」⇒「タオルを配るために一軒ずつまわる」ことを通して、

@どの家に、どんな人が住んでいるのかが知れる(特に後期高齢者の存在)

Aコロナ禍においては貴重なコミュニケーションの場(玄関先で1〜2分程度)

このような効用があることも認識できた。いずれも福祉委員(#05参照)としての活動に重なっている。まあ、これに気付いている組長なんてほぼいないだろうけど。

コロナ禍における代替として記念品を配付することになったが、結果的に戸別訪問をすることになり、その重要性を改めて認識した、というわけだ。

あんたは何か重大な勘違いをしているようだから教えてやるが、島根県のような田舎でも”人と人とのつながり”みたいなエモい人間関係はなくなってきている。

「となりにどんな人が住んでいるか、よく知らない」

というフレーズは島根県に住んでいても聞くことがある。

そんな状況で「敬老会の記念品を手渡す」という口実をもって、近所のお宅訪問をすることになったのだが、玄関先でのわずかなやりとりでも、観察すると分かることがある。

(暑いのに家を閉め切って、大丈夫か?)

(先月回覧板持ってきたことを覚えてない……ちょっと怪しいぞ)

(おじいさん、ここ1か月でかなり弱弱しくなったな)

などなど。観察なんて失礼だと言われそうだが、社会福祉の分野では対象者とのコミュニケーションから様々な情報を得ることはスキルとされており、失礼でもなんでもない。

「よお、じいさん。ずいぶん老けたな。飯食ってるか?」

これが許されるのは毒蝮先生だけである。

回覧板も含めた戸別訪問はそこの住人の生活状況を把握する貴重な情報源であり、行き過ぎた個人情報保護社会において共助を機能させるための手段の一つだと考えている。

まさか敬老会の記念品配付をとおして、こんなことを考えるとは思わなかったが……。





もう一度、問う

前回(#06)の投稿で ”敬老会の在り方” を考え直した方がいいのでは……と思うに至ったのは、このタオルの配付を済ませたところまでがセットになっている。

コロナ禍ということで物品の配付だったが、通常通りとなった今、敬老会を再開するとして、やはり一度その意義や目的は再考したい。

前回、今回と見てきたように、敬老会を開催するための事前準備には多くの人たちが関わり、労力を割いている。投稿では触れていないが、主催元の事務局であるコミュニティセンターの職員も様々な事務処理を行っている。

そうして開催される敬老会が――たいして人数も集まらず、みんなで弁当を食べて歓談して、音楽鑑賞か健康体操して帰る――こういった内容だとすると、事前準備に割いた膨大な労力と見合っているのか?

すべてを合理性で判断するのは危険だが、それでもやっぱり、敬老会に限らず「おや?」と思われる地域の事業は意義や目的を考え直したい。
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2021年09月05日

とある自治会の暗黒奇譚 #07 「やさしい日本語」

ある日の夕方、ごみ収集箱の前を通ると、ごみ袋が一つだけ残っていた。
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2021年08月25日

とある自治会の暗黒奇譚 #06 「敬老会(対象者の把握)」

毎月1回開かれる自治会長会。

7月の自治会長会で出た宿題が

『後期高齢者の把握』

というものだった。

あんたも知ってのとおり、この国では75歳以上は後期高齢者というカテゴリーに分類されている。

では、なぜ、各自治会で後期高齢者の把握をするのか。





敬老会対象者の把握のため

毎年秋に開催される敬老会。対象は町内に住む75歳以上。

この時はコロナ禍真っただ中。集まってのお祝いはできないので、敬老会対象者に記念品を渡すことになっていた。

その対象者だが、今年75歳になる人もいれば、鬼籍に入る人もいる。となると、対象者リストは毎年更新する必要が出てくる。

秋の敬老会に向けて、夏の時期に後期高齢者の人数を把握する、というのが今回の宿題だ。





75歳以上を探すには

自治会長会では、昨年時点での75歳以上リストが配られた。

どこの組の、誰が、何年何月何日生まれか、という完全なる個人情報。これを最新版に更新せよ、という訳だ。

いや、そんなの行政から名簿か何かをもらえばいいじゃん、という声が聞こえてきそうだが、この国では2003年に個人情報保護法というshitな法律ができた所為で、そういうことができなくなった。

いや、厳密に言えばできなくはないのだが、手続きとかいろいろ面倒なので、うちの自治会では行政からの入手ルートは使っていない。

令和3年はこの作業は初めてだったので、そもそもどうやって把握するのか方法が分からなかった。

うちの自治会は世帯数約170。それを1軒ずつ回って聞いていくなんてアホの所業。効率のいいやり方が存在するはず。

しかし、令和2年はコロナ禍で記念品の配付すらしていない。なので、把握方法は引継ぎ資料にも具体的には情報がなかった。

ほかの自治会長に聞くと、

「自分のとこには詳しい人がいて、その人に聞けばほぼ把握できる」

というチート人材がいるという。

うちの自治会には、残念ながらそんなチート人材はいない。

把握方法は自分で考えるしかなかった。





手分けをしてリストを更新

唯一、手元にある情報は、自治会長会で配布された、昨年時点での75歳以上の名簿。A4裏表1枚に、1〜13組までの75歳以上の人の名前、生年月日、所属する組が書いてある。

これを1〜13組に分割して13枚のリストを自作。これを各組長に配って調べてもらうことにした。

加入世帯約170を自治会長一人で調べるなんていろいろ無理があるし、これくらいしか方法が思いつかない。

とはいえ、このやり方は初めてなので、おれ以外の12人の役員(組長)に作業内容を説明する必要がある。結局、各組長宅へリストを持参して説明。まあ、一人で170軒分調べることと比較すれば10分の1以下なのでラクはできた。

おれの組は5世帯なので即終わるが、30近くの世帯を抱える組は負担が大きい。特にはじめて役員(組長)をやる人にとっては、1軒ずつまわって聞き込みをするので大変だったと思う。

期日までにリストを提出してもらい、元のリストを更新して公民館に提出して完了。

最初にこれをやったときは「こんなこと毎年やるのか」と辟易したのを覚えている。





敬老会の意義

「こんなことをやらなきゃならんのは、敬老会があるからだ」

という Axis of Evil 的発想は各方面から怒られそうだが、そもそも敬老会とは何なのか?

この国には敬老の日という祝日があるくらいなので、高齢者を敬うということは疑問を挟む余地がないかもしれないが、思っちゃったんだからしょうがない。

インターネットで「敬老会 起源」と検索すると、諸説あるが、今の形……公民館に集まって長寿を祝う……になったのは、昭和22年の兵庫県多可郡野間谷村(現・多可町)に求めることができるようだ。

当の多可町は「敬老の日 発祥の町」ということを行政としても謳っており、専用ページがあるほど敬老会を推している。

ここの情報がほぼ原典になると思われるので、その内容を少し見てみたい。

@当時の村長が「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という思いで敬老会を1947年9月15日に初めて開催

A太平洋戦争で子どもたちを戦地に送り、精神的に疲れていた親たちに少しでも報いてあげたかった

B養老の滝の伝説をヒントにした

Bの養老の滝については、どういう話かを超おおまかに言うと「親孝行の話」で、ヒントにしたというのは「養老」という言葉から「敬老」という表現を思いついた、ということだと思われる。知らんけど。

敬老会を発想するに至ったキッカケとしてはAであり、令和の敬老会にはこれはそのまま当てはまらない。@をどう思うかは読者に委ねたい。

「老人を大切に」するというのは分かるし「年寄りの知恵」を借りることも大切なことだ。

しかし現状としては、敬老会の多くは@の「老人を大切に」という部分だけで続いているのではないだろうか。





敬老会は必要か?

高齢者の数は年々増えているが、敬老会の参加人数はそれに比例して増えていないらしい。

知り合いの高齢者の中にも「敬老会? 行かないよ」という人もいる。

コロナ禍で数年中止したことで、そのまま敬老会を廃止したところも見聞きする。

一方で、今でも盛会な敬老会もあると思う。

敬老会に限らず、地域の運動会も同じように「やめる」ところと「以前と変わりなく盛り上がっている」ところがある。

後者はおそらく、開催目的をハッキリさせていないのだと思われる。やることが目的化してしまっているパターン。

特に、昭和の時代から続く地域行事というのは、このパターンに陥っている可能性がある。

「昔からやってるんだから、やめるわけにはいかない」

見直しを提案した人に対して、長老世代がそんな発言をした、ということを耳にすることもある。

すべてが合理・非合理で判断する必要はないと思うが「何のためにやるのか」はハッキリさせておきたい。

目的を考える際にヒントになるのが歴史、特に起源だと思う。「なぜ始まったのか」は目的とほぼ同義。

特に、時代が古ければ古いほど、今の時代とズレている可能性がある。(逆に、今の時代にも通じたり、今の時代だからこそ大事な観点があったりもするが……)

今回の敬老会の起源を考えると、少なくともおれの住んでいる地域では再考の余地ありだと思う。

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先日食した、喫茶店の珈琲ゼリー(夏季限定)
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2021年08月01日

とある自治会の暗黒奇譚 #05 「充て職」

何らかの組織の長になると、他の組織の役員に自動的に就任することがある。

え? そんなことあるの? 田舎こえ〜

って声が聞こえてきそうだが、たぶん都会や田舎に関係なく、この国にはそういう謎システムが存在する。

これを『充て職』というらしい。





強制就任システム『充て職』

インターネットで『充て職』を検索すると、たとえば

「(官公庁用語)ある職に就いている人に他の職を兼任させること。または、ある職に就いている人の身分・地位をそのままに他の職に従事させること。例えば、県知事が関連団体の理事長を兼ねる、また、裁判官が法務省で法務行政に従事するなど」

Weblio辞書にはこのような説明がなされている。

ほかにも、新潟県三条市の前市長のブログには、

「行政の世界では、当たり前のように使われるのですが、ある意味、行政の世界でしか通用しない業界用語かもしれません。ちなみに、肝心の意味ですが、“自分の意思とは関わりなく就く職”といったニュアンスで用いられることが多いようです」

と解説されている。

個人的には、三条市前市長の解説がしっくりくるし、わかりやすいと思う。特に“自分の意思とは関係なく”というのがポイントだ。

本当に、ある日突然、何の前触れもなく、こういった委嘱状が自宅に届くのだから。

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おもしろいのが、この類の委嘱状には回答書や承諾書がついてない。

おれは仕事でこういった委嘱をお願いすることがあるのだが、その場合は「承諾書」も付けて送っている。委嘱をお願いする人には事前に説明をした上で、委嘱状と承諾書を送り、後日「承諾します」と書かれた承諾書を返送してもらう。証拠書類のやりとりのようなものだ。

で、自治会の役員宛てに送られてくるのは委嘱状のみ。

(え? おれの意思は??)

初めてこれらの委嘱状が届いたときはそう思ったが、委嘱する側はそんなもの知ったこっちゃないらしい。先述した前市長さんがいうように「自分の意思とは関係なく」いろいろな団体の役員に充てがわれる。





充て職の実際のケース

令和3年度、令和5年度と自治会長になったとき、いくつかの『充て職』がついてきた。令和5年度はこんな感じ。

  連合自治会 副会長

  地区社会福祉協議会 福祉委員 ※役員(組長)全員

  消防後援会 理事(副理事長)

  衛生組合協議会 理事

  日本赤十字社 協賛委員

あと4つあれば打線が組めるぞ。

充て職を経験したことのない人によっては、このラインナップを見ただけで、とてつもない拒絶感を抱くかもしれない。

おれの場合、これらの充て職で「忙しい」と感じたことは一度もない。

文字通り『充て』られた役『職』なので、1年間をとおして常に会議があるわけでもないし、何か行事に動員されることもなかった。あるとすれば、年度末の役員会や総会への出席くらいだ。

先に列挙した中で、地区社会福祉協議会の福祉委員は通知文の中に役割がしっかり明記してある。「社協福祉委員等の委嘱について(お願い)」という通知文には、福祉委員の役割は次のように記載されていた。

【福祉委員の主な活動】
(1)社協会費、共同募金、赤十字活動資金等地域福祉を支える経費の取りまとめに関するご協力
(2)お住いの自治会内における地域の見守り活動を通じて把握された、ひきこもりや生活困窮状態にある人の生活課題、福祉問題などを必要に応じて民生委員・児童委員等の関係機関へつなぐ

驚くべきことに、令和3年度に委嘱された際はこの通知文がなく、委嘱状しかなかったので「福祉委員って何なんだよ」状態で一年を過ごした。

↑の活動内容を読むと「そんなことまでするのか」と思われるかもしれないが、どれだけやるかはその人次第。おれの場合、あまり意識していなかったが、実際に(2)を経験したこともある。これは別の投稿で書きたいと思う。

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充て職のおもしろさ

充て職が多いと、それはそれで負担(面倒)はあるかもしれないが、身近にある当たり前に疑問を持ち、その疑問を解消するチャンスでもある。

先に挙げた団体について「全部詳しく知っている」という人はほとんどいないだろう。

たとえば「衛生組合協議会」というのは、市内の自治会によって構成される団体で、各自治会はこの組合に組合費を払い、それを財源に、ごみ収集箱を購入する自治会に助成金を出したり、毎年更新している「環境衛生カレンダー(PDFで開きます)」をつくったりしている。市民一斉清掃の主催は行政ではなく、この組合が主催者。市民の99.999%は行政主催だと誤認している。実は自分たちが主催者である。こういうのが分かるとおもしろい。

#03や#04で扱ったごみネタ=身近な環境活動の一翼を担っているのが衛生組合協議会で、それは市内の自治会によって構成されている、ということだ。

こういった構造を理解できたのも、この協議会に充て職として参加したからこそだ。

少なくとも、おれの場合は疑問を持ったのでいろいろ調べたし、ほかの団体でも「そもそも、なんでこうなってんの?」という疑問を持つことで、知らなかった身近なアレコレを知ることができた。

「知らなかったことが分かるようになる」ということに興奮を覚える系の人にとって、充て職はその知的欲求を満たすキッカケになると思う。

そんなんどうでもいいわ、という人はどうしたらいいかって?

自分で考えろ。
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2021年07月08日

とある自治会の暗黒奇譚 #04 Another Story 「大金鶏菊の老婆」

※#04のボツネタ(パロディ)です。興味のない方は読み飛ばしてください。



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婆「しびれを切らしたか?」

なんでもお見通しらしい。

盆「私の自治会長としての仕事に、何か不備でも?」

婆「不備はない。だが、通常の自治会活動を再開するには、今しばらく時間がかかる」

盆「なぜでしょうか?」

婆「直に分かる」

そろそろ五類に移行でもするのか……。

盆「待ちきれませんね。一体いつになったら、再開できるんですか?」

婆「変化のない現状に耐えられないか?」

盆「まあ、今までがあまりに忙しい人生でしたからね」

婆「アレをする回数も増える、と」

盆「……」

婆「アレをやるようになって、そろそろ一年か?」

盆「……はい。どうしても、やめられません」

すると、婆さんは姿勢を正し、声を張り上げた。

婆「防御! 伏せ! 立て!」

盆「……っ!?」

身体が反応する。

婆「腕! 心臓! 脚、脚!」

それは、ナイフを用いたオオキンケイギクの刈り方。

婆「逆手に持ったナイフを相手の腕の内側から入れ、そのまま筋肉を切断。相手の指を引き金から離すと同時に左の肩から手を回しストラップで首を絞める」

特定外来生物の、駆除の訓練。

婆「心臓を一突きする。胸骨の上から刺し、地面に引き倒す。大腿部を刺す。動脈を狙え。邪魔な腕をどかし、脇から肺に向けてナイフを突き入れろ」

盆「ぐ……うぅ……っ!」

ぴきぴきと、全身の血管が沸き立つ。

条件反射で、身体が疼くのだ。

盆「はあっ……はあっ……」

婆「……」

じわっと、額に脂汗が浮かぶ。視界がぐらぐらと歪み、みぞおちが潰れそうなほど痛む。

婆「……それほど、恐ろしかったか」

盆「うぅ……」

海外から入ってきた外来種が、島国固有の在来種を淘汰するという悲劇。

園芸用に持ち込まれた、北米が原産地のオオキンケイギクは、その強靭な繁殖力で、次々と在来種を根絶やしにした。

国の当局は特定外来生物に指定し、その駆除を国民に呼びかけた。

行政の広報紙なとで周知が図られたが、関心を示す国民は少なく、派手な見た目に惹かれて、法律で禁止している栽培に手をそめる者もいるほどだ。

盆「おれは……見ている……。鮮やかな黄色の花びら……花が枯れ落ちた後の蕾の中の大量の種子。空き地一面に広がる黄色の絨毯……。ヤツラは草刈り機で地上部だけを刈っても意味がない。多年草だから根から取らないと次の年も生えてくる。種の数も尋常じゃない。昨年まで生えてなかった空き地が翌年ヤツらで覆われることもある。そして……」

婆「だが、お前は、とある空き地のオオキンケイギクを一人で駆除している。迅速かつ的確な行動を称賛され、勲章まで授与されているではないか」

そのとき、おれの中で溜まっていた衝動が爆発した。

盆「仕方がなかったんだ!!

駆除しないと在来種が減っていくってのにそんなことも知らないで市民一斉清掃のときに綺麗な花だからってオオキンケイギクだけ残しやがったあのクソの地主野郎があろうことか水やりしててだからおれは侵入して背後から――!!!」

婆「腕、喉、心臓、脚、脚、肺……マニュアル通りにナイフを突き立てたわけだ(オオキンケイギクに)」

盆「うおおおっ!!」

婆「ぬっ……!?」

踏み込むと同時に、狙いをつけていた。

左足。

押し車がないと歩けないお婆さん。その身体的欠陥を狙い、腰にばねを利かせ、強烈な回し蹴りを放った。

婆「ぐぅっ・・・!」

盆「はあっ・・・はあっ・・・!」

全身が熱い。

特に、振り上げた右足が。

荒れた呼吸が引いていくにつれて、状況が見えてきた。

婆「……いいぞ、若いの」

吹っ飛んだ押し車を拾いおこし、もたれかかる婆さん。

よろよろしながら体勢を整えていく。

婆「私とて人間だ。そうやって不意に弱点を突かれれば、対処の仕様がない」

盆「はあっ……はあっ……。す、すみません……つい……考える間もなく……」

婆「そう、なにも考えるな。考えていては外来種は駆除できない。そう教えたのは我々だ。私はむしろ、お前のいまの行動によって、お前への指導が間違っていなかったと確信した」

盆「……」

婆「お前は、自治力養成試験に合格できなかった。だから、その埋め合わせとして一年間の草刈りボランティアに強制参加する羽目になった」

盆「わ、わかってます。おれの貧弱な意志を叩きなおすために……」

婆「だが、人間の意志というものは、そのような極限状態に置かれては、お前に限らず、みな等しく弱い。残念ながらお前は、後遺症を負ってしまった」

盆「は、はい……毎日夢に見てしまいます……。あのときの光景や、ときには匂いや感触すら……だから、おれは……っく……あ、うぅ……」

婆「アレをやりたいのならば、ここでやってもかまわんぞ」

盆「す、すみません……」

おれはたどたどしい手つきで背負籠から鉄アレイとシェイカーを取り出した。

盆「はっ……ふっ……」

婆さんは、おれをじっと見ている。震える手で鉄アレイを繰り返し持ち上げ、上腕二頭筋をパンプアップさせ、プロテインを一気に飲み干して恍惚の表情を浮かべるおれを。

盆「だ、だいぶ、落ち着いてきました」

……どうやら、まだ大丈夫なようだ。

婆「その粉は、外国産のかなり高価な栄養補助剤のようだな?」

盆「調べたんですか?」

おれが持っている粉を、没収されたことはない。

婆「運動後すみやかに摂取することで、アミノ酸の吸収効果が高まり、効率のよい筋肥大が期待される。依存性は低いが、使用を続ければ幻覚や妄想を引き起こす。常習者の躁鬱症状も多く見られているようだ」

本に載ってる通りの知識。

盆「……まったく、最近は深く考え込んでしまったり、回覧板から資料を抜いて回したり……キャラが安定しないんですよね……クク……」

婆「お前が自治会に莫大な貢献をすると誓う限り、私はお前の不正(職務中の筋トレ)に目をつむろう」

ありがたいぜ。

おれがおかしな真似をしたら、すぐにしょっぴくってわけだ。

そうやって、首に縄をかけているつもりらしい。

盆「それでは……失礼します……なんだか疲れました」

草刈りは途中だったが、おれはその場を後にした。

(おわり)
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とある自治会の暗黒奇譚 #04 Side Story

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特定外来生物『オオキンケイギク』をご存だろうか。

詳細な説明は▼コチラに譲るとして……
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-syo-01.html

自宅の裏庭に群生しつつあるオオキンケイギクを根絶やしにせんと格闘していた、ある日の夕方。

「きれいな花ですね〜」

通りすがりの、手押し車で歩くお婆さんに声をかけられた。

きっと労いの言葉だと思い、優しいな〜と思いつつも、

(あれ? オオキンケイギクをご存じでない?)

という可能性が頭をよぎった。

そして、おれの中に溜まっていた衝動が爆発した。

盆「これはですねオオキンケイギクといって特定外来生物なんですよ繁殖力が強くてほかの植物や生態系に影響を及ぼすから駆除しないといけないんです多年草なので地上部を刈り取っても翌年生えてきますから根こそぎ駆除しないといけません江津市のかわらばんにも毎年出ていますよ読んでないんですか後学のために教えて差し上げますが栽培しちゃいけないし運搬も販売も野外に放つことも禁止でこれらの項目に違反した場合最高で個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金法人の場合1億円以下の罰金が科せられますからねだからおれはこうやって― ― ― ― !!」

婆(すごい喋るな)

お婆さんは「そうなんですか〜」とさして興味のなさそうな返事をして去っていった。





広報の罠

オオキンケイギクについては毎年、まちの広報紙に掲載されている(p.19参照)

広報で陥りやすいのは、

  ・広報紙に載せた
  ・チラシを全戸配付した
  ・SNSで流した

という実施レベルでとどまって(満足して)しまって、検証できない(しない)こと。

オオキンケイギクを例にすると、行政の広報紙には毎年掲載されているが、このおばあさんのようにオオキンケイギクを知らない市民はいる。

勘違いされたら困るので一応言っておくが、おれは別に行政の広報を批判するつもりはない。このブログの主旨からすれば、自治会活動も似てるのではないかと思う。

加入している各世帯に、自治会活動の目的や様子が伝わっているか?
集めた自治会費が何に使われているのか、理解されているか?

ということだ。

「自治会が何やってるか分からない」

と言われてしまう要因の一つが広報だと思う。

広報の難しいところは、たとえどんなに分かりやすい広報媒体を作っても、「読まない人は読まない」という問題がある。これはなかなか難しい。

最近だとLINEを使って情報共有しているところもあるようだが、やはり読まない人は読まない。究極は、日常的・直接的なコミュニケーションなのかな〜と思う今日この頃。

たとえばうちの場合、2か月に一度まわってくる『資源ごみ回収日の立ち合い』でペアの組長さんと約30分話をする機会がある(#03参照)。

昔や現在のことをいろいろ話してもらえるので、地域のことをいろいろと知るにはよい機会だ。

となると、分かりやすい紙媒体やSNSに注力するだけでなく、地域のサロンや寄合の場で情報が拡散していくようなやり方が良い気がするし、そういった場が地域の中にたくさんあることが今は重要かもな〜という気がする。

しかし、この時はコロナ禍真っ最中。会議や寄り合いが減って、直接コミュニケーションがとりにくい中で、自治会の広報手段は回覧板がほぼ唯一の方法という状況だった。

情報源として回覧板や広報紙しかないと思われるこのお婆さんにオオキンケイギクを認識してもらうにはどうすれば良かったのか?

広報、情報共有の難しさを痛感した。
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とある自治会の暗黒奇譚 #04 「回覧板」

お待たせしました。
お待たせしすぎたかもしれません。
自治会といえばコレ。





回覧板

まずは回覧板に関する全体的な構造から。

何度も言うが、これはうちの自治会の話なので、他所は違うかもしれない、ということを予めご承知おきいただきたい。

さて、回覧板の回し方だが、うちの自治会では次のような流れになっている。

  @月1回、自治会長会が開かれる(夜7時から)。
  Aその時、回覧資料と全戸配付資料が配られる。
  Bこれらの資料を配付担当の役員(組長)に配る。

おれの場合、@Aで受け取った資料を、その日の夜に北・南・団地の3地区に仕分けし、翌朝か翌日夜に配付担当の役員3人の自宅に届けていた。自転車でまわって30分。説明が必要な資料もあるので、だいたいこれくらいの時間がかかる。

ここで『配付担当の役員(組長)』について説明しないといけない。

うちの自治会は北、南、団地の3地区があるのは先ほど言ったとおり。それぞれ5・5・3の計13組から構成されている。北地区は1〜5組、南地区は6〜10組、団地は11〜13組、という具合だ。

この3地区に1名ずつ『配付担当の役員(組長)』がいる。

たとえば、あんたが北地区の1組の組長で、配付担当の役員だとする。北地区は組数が5なので、あんたはあんたの組を除く2〜5組の組長へ回覧板と配付資料を渡す。

配付担当の役員から回覧板と配付資料を受け取った組長は、自分の組内で回覧板を回し、配付資料を配る。

お分かりいただけただろうか?

細かく書いたせいで、何か大変な仕事のような印象を持ったかもしれないが、要は

自治会長 ⇒ 配付担当役員 ⇒ ほかの役員 ⇒ 各世帯

と回覧板や資料を回していくということだ。家系図とか、トーナメント表みたいなものを思い浮かべていただければ構造をイメージしやすいかもしれない。まあ、あんな感じだ。





自治会(町内会)未加入世帯に回覧板はまわってくるか?

このように『回覧板の仕組み』は自治会が担うようになっている。市報を発行する行政からすると、自治会は「住民への広報するための仕組み」とみることもできる。

これが広報システムとして優れているかというと微妙なところで、自宅に届いた回覧板や資料を“世帯主だけが見て次の家に回す”ということがある。そうなると「住民すべてに周知できた」かどうかは怪しい。だって、父ちゃんはみて、母ちゃんはみてないんだから。

もちろん、自治会に入っていない家(世帯)には、市広報紙は、自治会からは配られない。これは、自治会に未加入だから配っては「いけない」のではなく、配って「いない」だけ。

配ってもいいのだが、 うちの自治会ではそうなっている。自治会の規約で「未加入世帯には配らない」ともなっていない。暗黙のルールでそうしている。これはこれで問題だと思うが……。

うちのまちでは、行政と自治会の間で「市報を配る業務」の契約を結んでいる。業務委託なので、行政から自治会に委託料が支払われている。金額はヒミツォンディー。

行政からもらう委託料は配付世帯数に比例する。なので、未加入世帯にも配れば、それだけ多く委託料を受け取ることができる。

この契約は「自治会未加入世帯に市報を配ってはいけない」とはなっていない。行政からすれば、自治会に入っているかどうかにかかわらず、全世帯に配ってほしいのだ。でも、契約では「全世帯に配れ」ともなっていない。実に曖昧だ。

自治会によっては未加入世帯にも市報を配ったり、回覧板を回したりしているところがあるかもしれない。これに関しては自治会の匙加減一つというわけだ。

うちは未加入世帯には配っていないので、未加入世帯は行政からの大切なお知らせ、重要な情報を“自分で取りにいかなければならない”ということになる。

  公共施設に市報を取りに行く。
  社内で回覧される市報を読む。
  ホームページで市報を確認する。

果たして、どれだけの未加入世帯の人が、こんな行動を取るだろうか。

未加入だから自己責任では?という意見があるかもしれないが、市報や回覧板は先ほど書いたように自治会側のルール次第。

なあ、あんたはこれをどう思う?
posted by 島根 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 盆子原

2021年06月17日

とある自治会の暗黒奇譚 #03 「フリーライダー」

家庭ごみは通常、家の近くのごみ収集所とかごみステーションと呼ばれる場所に出し、収集車が回収してくれる。地域によっては、戸別回収しているところもあるらしい。あんたもいずれかの方法で家庭ごみを出しているはずだ。

このまちでは、あちこちに鉄製のごみ収集箱が設置されている。

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これを各自治会で管理することになっていて、役員(組長)が管理にあたっている。

管理といっても、強風や経年劣化で収集箱の蓋が壊れたときに業者に修理を依頼して、会計担当に支払いを指示する、といった感じだ。

あとは任意で収集箱近くの草抜きや周辺のごみ拾い。

"みんな"で使うものだから、このように自治会が管理しているというわけだ。





自治会に入っていなくても、ごみ収集所は使えるか?

さて、資源ごみ回収の当番の日、ペアで作業するベテラン組長と、自治会への加入状況の話になった。

盆「実は4月に組長になってすぐ、うちの組で2世帯が退会したんですよ」

ベ「そが〜かな。やれんなぁ。ごみ収集箱が壊れた時は自治会費で修理するのに。自治会に入っとると入っとらんとで不公平よなぁ」

当然だが、日本国民すべてが自治会・町内会に入っているわけではない。このまちは田舎だが、そんな田舎でも住民全員が加入しているわけではないし、加入率は年々下がっている。

ごみ収集所の諸々の管理コストは自治会(費)で負担しているから、自治会に入ってない人がごみ収集所を使うのは「タダ乗り」みたいなもので不公平だ、という訳だ。

一理あると思う。

聞くところによると、「自治会に入ってなければ、ごみ収集箱は使わせない」というルールを運用している自治会もらしい。

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気になったので「それは行政がルールとして設定しているのか」ということを後日行政の担当課に聞いてみた。回答としては、

「自治会に入ってる・入ってないにかかわらず、回収日にごみは出してよい」

ということだった。

これには反論したい人もいるだろう。

少なくとも、うちのまちでは、

 ・自治会の加入未加入に関わらず、ごみ収集箱の
  利用について行政は制限していない

 ・自治会によっては未加入者にごみ収集箱を
  使わせない対応をとっているところもある

ということだ。

ちなみにうちの自治会は未加入者に制限をしていない。おれの知る範囲では。

後日、このことを役員会で共有したところ「未加入者は使っちゃダメなんじゃないの?」という反応が数名見られたので、認識を訂正してもらった。

少なくとも自治会規約で「未加入者に使わせない」ということを明文化はしていないから、「使わせない!」というアクション自体がおかしいし、トラブルの元になるのでやめてもらいたい。





担えないから辞める!?

ベテラン組長との会話に時を戻そう(ぺ)

「なんでかの〜」と話していると、同じ組のおばあさんが通りかかって話に加わった。おばあさん曰く、

 ・退会した2世帯が住む集合住宅は、企業の社宅。

 ・その社宅が新築されたときに、おばあさんが組長で
  社宅に住む人には自治会に入るように会社にお願いした。

 ・社宅に住む人は夜勤があったり朝が早く(6時出勤)、
  資源ごみ当番とか、交通安全週間の立哨に参加できない。

とのこと。

つまり「朝の時間帯の役員(組長)の仕事に参加しづらい」ということらしい。

おばあさんの話もふまえ、退会した理由を想像すると、

 ・組長をやりたくない(朝早くて、できないものがあるから)
 ・自治会費を払いたくない

このあたりかなと。

「朝6時に誰かが資源ごみ回収スペースを開設している事象」(#02参照)でも記述したとおり、組長の仕事は時間帯が平日の朝のものがあり、仕事によっては参加できないものが確かにある。

役員をやりたくない、という理由もあるし「仕事が朝早いので役員を引き受けても担えないから無理、それならいっそ自治会辞める」みたいな理由も、ないとは言い切れない。

脱退した2世帯はレアケースかもしれないが、自治会を担う大切な2世帯でもあり、こういった理由で抜けられる前に、自治会全体の仕事を見直すべきだったかもしれない。





自治会が訴えられて、裁判で負ける時代

最後に、ちょっとした時事ネタを紹介したい。

自治会入らないとゴミ捨てられない?(NHK長野WEB特集)

まさにこれは、自治会長になって最初に直面した疑問だった。

この疑問に対する答えは上述したとおりだ。少なくとも、このまちではね。

これに関しては裁判になっている事例もあり、全国各地で問題になっている。

自分なりにいろいろ調べた結果、「自治会とごみ処理問題」については、こんな感じでまとめられると思う。


@大前提として、市町村には、家庭ごみ(一般廃棄物)を処理することが法律で義務付けられている。法律というのは廃棄物処理法で、第六条の二に示されている。

A廃棄物処理法も含め、日本の法律の中に「ごみ収集所」に関する規定はない。

B市町村は@の義務があるが、戸別回収は非効率だから、自治会と協力してごみ収集所を設置している。

Cごみ収集所の管理は自治会が担っている。うちのように鉄製の収集箱を設置する際にかかる費用は自治会が負担している。 


@〜Bは間違いないと思う。Cは市町村や自治会によっていろんな実態があるだろう。

この中で問題があるとするならBかな。

このまちでは、ほぼすべてのごみ収集所に収集箱が設置されていて、その設置費用は自治会が負担している。これを市町村が負担すればお金の面で不公平ということはなくなるはずだ。自治会に入ってないから使わせない、みたいなことはなくなると思う。

@とBをあわせて考えれば、そもそも収集箱の設置費用を自治会に負担させている時点でちょっと違うんじゃない?と思わなくもない(思う)。

収集箱の新設や更新にはお金がかかり、それを行政が負担すれば財政を圧迫しかねない……みたいなことをいう市町村がいるかもしれないが、住民にとってごみ出しは水道や道路と同じような、生活に不可欠なインフラと同じものだから、金が足りないというなら徴税すればいい。市町村民税なら市町村で税率を決められるし。知らんけど。

実際、うちの自治会の過去の決算資料をみると、収集箱1つ更新するのにかかる費用はせいぜい10万円ちょっと。毎年壊れるわけでもなく、経年劣化による更新でも10年に一度だろう。

全体の設置数と更新頻度を予測して、それにかかる費用を納税者数で割れば負担額はたいした金額にはならない。

お金のかからない、ごみ収集所周辺の日常的な管理は、自治会による共助活動として、できる人で分担してやれば済む話。これはすでにBで実現している。

AやBを法律で対応するとなると国会レベルになるので、市町村レベルの条例で対応すればいい。

こんなことで住民同士が裁判で争うなんて、あまりにも不毛すぎる。

あんたもそう思うだろ?
posted by 島根 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 盆子原