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2012年08月15日

第二十二回 四季おりおり やもよやもよ(蜻蛉)

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 やもよ やもよ
 おとんに目(め)かけて
 ござらんかん


過ぎゆく夏にトンボとりの歌。
蜻蛉といえば、蜻蛉(とんぼ)つりに夢中になった子どものころが
思い出されます。
子どもたちの夏の遊びです。
でも、今ではあまり見かけません。
蜻蛉が少なくなったせいでしょうか。

「やもよ」というのは方言で、蜻蛉のことです。
「おとんに目かけて」は、「おとりにめがけて」の意味。
「おとり」とは蜻蛉をとるために仕掛けた罠でしょうか。
「ござらんかん」は「やっておいで」。
やっておいで、おとりをめがけて、
そうすると蜻蛉はつかまえられるからね。

ではどうして蜻蛉をとらえるのでしょうか
この歌は佐賀地方の唄で、
佐賀では、「蜻蛉つり」は次のようにしたそうです。
「約二米の竹竿の先に糸をつけ、
その端に生きた雌の蜻蛉をつけて囮(おとり)にし、
昼間から夕方まで、蜻蛉の飛びかう田圃や原っぱで
振り回す」

(『わらべうた 日本の伝承童謡』町田嘉章・浅野健二編より)

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このようにして蜻蛉をとらえるとき、
子どもたちが、みんなでうたう唄がこれなのです。

蜻蛉がどんどん空高く飛ぶようになって、
なかなか降りてこない時には、
降りて来いと誘う唄もありますよ。

 高上り、水呉りゅう、
 シャンコシャンコ


同じようなものには、

 とんぼとろろ
 汝(いし)の家が焼けたら
 そこいらとまれ


これは茨城地方の唄です。
千葉では、

 とんぶとんぶ
 酒屋の粕食って
 ちょいととまれ


新潟では、

 とんぼととんぼ
 おら母(チャチャ)の乳のいぼにとまれ


京都では、

  トンボやトンボ ムギワラトンボ
  シオカラトンボ もち棹もって
  お前は刺さぬ 日向は暑い
  こち来てとまれ 日陰で休め


高知では、

 とんぼとんぼおとまり
 あしたの市に塩辛買うてねぶらしょ


「蜻蛉つり」では空高く飛ぶ蜻蛉を呼ぶには、
水を飲ましたり、酒粕食わしたり、日陰で休めとか
塩辛買ってねぶらそうかなどと、一生懸命ですね。

では、唄ってみましょうか。
それには、田舎の田圃にいきましょう。
それがいいね!

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資料:『わらべうた 日本の伝承童謡』町田嘉章・浅野健二編
                        岩波文庫

posted by 事務局 at 12:11| Comment(0) | わらべうた
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