“明けましておめでとうございます”

今年は、寅年。
諺(ことわざ)に、
「虎は一日に千里を走る」、とあります。
1日に千里を走るほどの
エネルギーにあふれる虎。
わたしたちも、日々元気で
充実した心に満たされて生きていけたら、
すばらしいですね。
今年の「四季おりおり」のテーマは、
“よりよく生きる心”の探求です。
古今東西のさまざまな伝説や物語、
歴史書などに登場する人物を通して、
その生き方を学びたいと思っています。
おおげさですが、
それは、“生きる作法”を見つける試みにしたいのです。
68億の命と心
地球総人口は、西暦0年に、約2億人でした。
現在は、推計約68億人(米国勢調査局と国連データ)
といわれています。
自分と同じ68億の命と心があるなんて
考えたことがありますか・・・・・
近くの駅にはってあるポスター、
国の境目が、
生死の境目で
あってはならない。
あなたが何気なく暮らす今日も
世界には十分な医療が受けられずに
失われていく命があります。
国、人種、民族、宗教、そんな境目が
生死の境目であってはならない。
略
「特定非営利活動法人国境なき医師団日本」の
活動支援を呼びかけるポスターです。
ふだんは病院の勤務医ですが、
災害が起こるたびに
すぐさま現地におもむき医療活動にあたる
若い女医さんを知っています。
その姿を見ると、
いつもその行動に頭が下がる思いです。
この小さな力が、もっともっと増えるといいですね。
また、「WFP国連世界食糧計画」の支援活動ポスター。
消さないで、
子どもたちの希望。
とあり、
世界経済の悪化や食糧危機の影響によって、
給食が食べられない国の子どもたちのことが、
写真とコピーで訴えられています。
給食さえ食べられない子どもたちは、
おなかが空いて勉強どころではないでしょう。
いま地球規模のさまざまな問題が山積です。
大気汚染の弊害、
地球温暖化の影響。
海面上昇による国土消滅の危機。
テロや紛争、災害、飢餓。
世界経済の行き詰まりと、
社会格差の拡大。
この現状を打開するために、
わたしたちはどうすればよいのでしょう。
価値観を変える
年末のTV番組で、
現状を打開するためには、
「自然をきっちり見つめよう」
「新しい価値観を持とう」
「意識を変えよう」という意見が相次ぎました。
これからの社会は、
「お金中心」から、
「命と心」を大切にする時代に
変わっていかなければならないのではないでしょうか。
お金は大切なものですが、
あまりにもお金中心主義の世の中になって、
社会格差を生んでしまいましたね。
もともと「経済」の正しい意味は、
経世済民(けいせいさいみん)といい、
「世を治め、民を救うこと」のはずでした。
こういうときにこそ、
わたしたちの生き方・考え方を
もう一度、原点にかえって
問い直す機会を持つことは
良いことではないでしょうか。
人類には、多くの精神的な遺産があります。
『古事記』もその一つです。
8世紀初頭に日本の神話・伝承を編纂したもので、
その基本的な考え方は、序文の言葉、
稽古照今(けいこしょうこん)です。
“いにしえをかむがみ、いまにてらす”
古代の根源的なことにたちかえり、
物事をよく考え、よく知り、
省みて初心に戻り、
今を正していくことです。
「おけいこ」
とよく使われますが、
それは、この稽古はここからきています。
もう一度、心をゼロにもどして、
歴史の中に刻まれたさまざまな人の想いを
訪ねてみましょう。
「よりよく生きる」ための新しい発想が
生まれるかもしれません。
今年の「四季おりおり」の試みを
楽しんでいただけたらと思います。
1月15日が第1回となります。
本年も引き続き
どうぞよろしくお願い申し上げます。
資料:
『古事記』校注者・西宮一民 新潮日本古典集成 新潮社
『世界の人口』HP
『猫のことわざ・古事成語』HP
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