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2014年03月15日

第14回 平安時代末期『梁塵秘抄』 その3

いつの世も流行というものはあるものです。
『梁塵秘抄』にも当時の流行がよくわかる歌謡が残されています。

♪此の頃京(みやこ)に流行るもの 
肩當(かたあて)腰當(こしあて)鳥帽子止(えぼうしとゞめ)、
襟の立つかた、錆鳥帽子、布打(ぬのうち)の下の袴(はかま)、
四幅(よの)の指貫(さしぬき)。

♪此の頃京(みやこ)にはやるもの、
わうたいかみかみゑせかつら、
しほゆき近江女(あふみめ)女冠者、
長刀(なぎなた)持たぬ尼ぞなき。

(新訂『梁塵秘抄』佐佐木信綱校訂 岩波文庫より)


当時、流行ったのは、肩あて、今でいう肩パッドのようなものでしょうか? 腰当ては刀を腰につけるときに刃を下にして安定させるもの。ピン止め鳥帽子。烏帽子は男性が好んでかぶった帽子です。襟をしゃんと立てて着ること。しわ加工した錆鳥帽子。分厚い重ねをした下袴や丈の短い指貫袴。
女性たちは、眉墨で眉を書き、つけ毛、いわゆるウイッグで髪を飾る。髪の毛を気遣うのは今も昔も変わらないのでしょう。
また、「しほゆき」とは、海に行く恰好をした近江の遊女でしょうか。あるいは、しな(姿態)のよい近江の遊女かもしれません。もしくは、製塩のことでしょうか。
ここは意味解釈が不明で、意見のわかれるところだそうです。
そして、男装した女性と長刀を使う尼さんたち。
この歌は、何とも風俗画を見るようだと、『日本歌謡史』の高野辰之氏の指摘です。

当時も服装や化粧にいろいろ流行り廃りがあり、とても気を使った様子がわかります。
現代の私たちも、後世の人からどの様にみられるのでしょうか。そのことを考えるのも、また楽しいものです。

DSC_4326.JPG

資料:
新訂増補『日本歌謡史』高野辰之著(五月書房)
新訂『梁塵秘抄』佐佐木信綱校訂(岩波文庫)
posted by 事務局 at 00:00| Comment(0) | 日本歌謡物語
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