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2012年11月15日

第二十八回 雀雀ほしんじょ

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雀(すンずめ) 雀 ほォしんじょ
  どの雀 ほォしんじょ
○ちゃん雀(すンずめ) ほォしんじょ
  羽(はァね)無(ね)ンで 呉(けェ)らいね
羽コ呉(け)らはで 飛んで来い
  川あって 行(いィ)がれね
橋架(か)ァけで 飛んで来い
  山あって 行がれぬ
山くずして 飛んで来い


前回、「すずめ」が登場しました。
今回も「雀」が登場する歌で、
「子とろ遊び」・「子買い遊び」・「子貰い遊び」とも
いわれるものです。

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弘前地方で歌われたもので、
「ほォしんじょ」は「欲しい」の意味です。
「○ちゃん雀」は誰でも好きな相手の名前をつけて
呼びますよ。

この歌は、平安朝時代の古い子どもの遊びで、
比比丘女(ひふくめ「子を捕(と)ろ子捕ろ」の昔の呼び名)
に、すでにそのもとがあるそうです。

『わらべうた・日本の伝承童謡』町田嘉章・浅野健二編では
次のように解説されています。

「恵心僧都が閻羅天子故志王経の経文の意を取り、
地蔵菩薩が獄卒の率いる亡者を奪ったのを、
獄卒が取りかえさんとするのに擬えて創めたものという」と。

恵心僧都とは、平安時代に『往生要集』を著した天台宗の
僧で、浄土信仰に大きな影響を与えた人です。
あの紫式部の『源氏物語』にも少なからず影響を与えたともいわれています。
その恵心僧都が経文より発想したのが、この歌の根本に
あったのです。
当時、宗教と人々の日常とがいかに密接な関係にあったか
しのばれますね。
そして、

また、江戸時代に童謡をまとめた行智の童謡集によると、

「子をとろ子とろ、どの子がめづき、
あ引との子がめづき、さあとって見やれ」とあります。
その遊び方は、
まず一人が鬼になります。
そして、他の子どもたちは互いの帯の結び目に手をかけて
つかまり、順番に縦につながり、
一番前列の子どもが大手を広げてうしろの子どもを
かばいます。
鬼になった子が、その子の前に立って、
「子とろ、子とろ、どの子をとーろ」といって囃すと、
先頭の子が、
「ちいちゃとって、みーなさいな」といいながら、
鬼が一番後列にいる子を掴まえようとするのを、
とらせまいとして、
右に避けたり、左に避けたりして、
鬼からとられないように防ぎます。

弘前地方のものもたのしいですよ。
子どもたちが、二列に並び向かい合って歌問答。

♪ 山あって 行がれぬ
山くずして 飛んで来い


それが終わると、
指名された子どもが、
自分でブーンといって飛んで来るのです。

楽しそうな「子取り遊び」ですね。

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資料:『なつかしの わらべ歌』 川原井泰江著 いそっぷ社
posted by 事務局 at 10:54| Comment(0) | わらべうた
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