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2023年06月30日

刑法性犯罪改正のお礼で国会議員の皆さんを訪問しました


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6/16刑法性犯罪改正案が、可決成立しました。

私たちの声を反映した刑法となるためには、国会に法案が提出された後では既に時が遅く、法務省で検討されている段階から、継続的に働きかける必要があります。
このためしあわせなみだは、「障がいのある性犯罪被害者」の概念が盛り込まれるよう、2018年から6年間をかけて、125名の国会議員との面談、5回の院内集会の開催、齋藤法務大臣ならびに2名の法務大臣政務官への署名提出等を通じて、声を届けてきました。

障がいのある性犯罪被害者の実態に、与野党を問わず、多くの国会議員が「何とかしなければ」と受け止めてくださいました。
本会議や委員会での質疑、内閣への質問主意書の提出等を通じて、法改正の議論が着実に進むよう、取り組んでくださいました。

特に、今回新たに創設された、障がい特性を踏まえた事情聴取の、証拠としての採用については、2021年4月から13か所で試行実施、2022年7月から全国で試行実施、というプロセスを経たものでした。
法改正にあたっては、ロードマップを踏まえた、適切な時期の適切な事業実施の積み重ねの結果であることを、強く実感しました。

そんなわけで、国会会期末に合わせて、6年間お世話になった国会議員の皆さんに、感謝のメッセージをお届けしてきました(写真は直接お会いできた議員、五十音順)。


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★自民党井出庸生衆議院議員

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★日本維新の会漆間譲司衆議院議員

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★自民党宮路拓馬衆議院議員

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★日本共産党本村伸子衆議院議員


改正は大きな区切りとなりましたが、改正刑法の適切な運用、そして附則や附帯決議([衆議院] [参議院])に盛り込まれた、実態調査や見直しに向けた議論が進んでいくよう、引き続き、ともに声を届けていきましょう。


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2023年06月27日

「性暴力被害者が批判を受けたときの対応」コメントが掲載されました


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理事千谷のコメントが掲載されました。
【「性暴力被害者が批判を受けたときの対応」記事はこちらです】

テレビ番組企画に携わる浅川浩己さんのブログで、以下の質問に回答しています。
ぜひご覧ください。
Q:性暴力被害者がバッシングに遭ったり、責められることを言われると、どのような状況になるのでしょうか?
Q:そのような批判は気にするなという人もいると思いますが
Q:では、被害者に対しては、できるだけポジティブなことを言えばいいということでしょうか?
Q:ポジティブなことを言ったつもりでも否定的に捉えられてしまうと、周囲は被害者と関わるのは、かなり難しいのではないでしょうか?
Q:最近、SNSを使った批判が増えていますが?


しあわせなみだでは、性暴力に関する取材を積極的にお受けしています。
お気軽にお問い合わせください。
【取材依頼はこちらから】


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2023年06月23日

警察で被害者支援に携わる皆さんに講義


理事長中野が、警察庁主催研修に登壇しました。

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5/29は全国で被害者支援に携わる警察官の皆さんに。以下をお話しました。

☆1.はじめに
1)自己紹介
2)アイスブレイク

☆2.「障がいのある人」とは
(1)身体障がい
(2)知的障がい
(3)精神障がい
(4)発達障がい

☆3.なぜ障がいのある人は「自ら被害に巻き込まれる」のか
1)“悪い人”がいることを知らない
2)“支援”と“被害”を混同する
3)人を信じなければ “生命・生活の維持”ができない

☆4.障がいのある犯罪被害者の声

☆5.なぜ障がいのある人は「被害をうまく伝えられない」のか
1)性に関する“知識”や“経験”が限られる
2)“いつ”“どこで”を覚えるのが苦手
3)話を聞いてもらって“嬉しい”

☆6.障がいの有無に関わらず「犯罪被害者」として対応するために
1)私たちが持つ圧倒的な“権力”と“暴力性”
2)“事件の解決”と“被害からの回復”との矛盾を埋める
3)障がいによる“困りごと”を推測する


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6/21は全国で被害者支援に携わるカウンセラーの皆さんに、以下をお話しました。

☆1.はじめに
1)自己紹介
2)障がい児者への性暴力に関わるきっかけ
3)障がいのある人の現状

☆2.障がいがあることによる“社会からの排除”〜訴えることを諦める〜
1)生活の場[地域で暮らせない]
2)学校や職場[健常者との区別(差別)]
3)メディアの扱い[あるべき障がい者像]

☆3.障がいがあることによる“マジョリティからの扱い”〜社会を信用できない〜
1)邪魔者[疎外感]
2)みそっかす[自己肯定感が低い]
3)王子様・お姫様[強い他責性]

☆4.障がいがあることによる“経験の偏り”〜犯罪に巻き込まれる〜
1)交友関係[悪意のある人がいない]
2)情報収集[選べるほどの情報がない]
3)市場における存在[市場で選ばれない]

☆5.障がいのある犯罪被害者の声

☆6.私たちの持つ圧倒的な「権力」と「暴力性」
1)“暴力”の構造
2)犯罪被害者に対する“権力”
3)障がいのある人に対する“権力”

☆7.障がいのある人の声を届ける
1)“マジョリティの代表”という自覚
2)“共通言語”を増やす
3)使えるものは“しっかり活用する”
(1)障がい特性と脆弱性の理解
(2)コミュニケーションへの配慮
(3)障がいのある人を支える法制度


しあわせなみだでは、被害者支援に携わる皆さんへの研修を、積極的にお受けしています。
お気軽にお問い合わせください。
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2023年06月20日

「刑法性犯罪改正案」可決成立!


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6/16、刑法性犯罪改正案が可決成立しました。

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しあわせなみだは、2018年以降、125名の国会議員との面談、5回の院内集会の開催、12,553筆の賛同を集めたオンライン署名の、齋藤法務大臣への提出等を通じて、刑法に「障がいのある性犯罪被害者」の概念が盛り込まれるよう、働きかけてきました。
そこで本日のブログでは、改正刑法を解説します。


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☆1)改正刑法における「障がいのある人」

以下の項目に反映されました。
【刑法】
☆第百七十六条(不同意わいせつ)の構成要件の1つに「心身の障害があること」が盛り込まれました。
☆第百七十七条(不同意性交)の構成要件の1つに「心身の障害があること」が盛り込まれました。
【刑事訴訟法】
☆第三百二十一条の三では、心身の状態その他の特性に応じ、不当な影響を与えることなく、十分な供述ができるよう、必要な措置を講じ、その記録媒体を証拠とできるようになりました。


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☆2)改正の意義

これまでの刑法には「障がい」という文言は存在しませんでした。
被害者に障がいがある場合、障がいの状態が第百七十八条の「心神喪失」に該当すると判断された場合、「準強制わいせつ」や「準強制性交等」で対応していました。
改正により「心身の障害があること」という文言が入ったことは、“障がいのある性犯罪被害者が存在する"ことを認めたものであり、極めて画期的です。統計や、被害実態が明らかになることも
期待されます。


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☆3)残された課題

まず、改正にあたり、障がいのある人々に対するヒアリングや、定量的・継続的調査が実施されませんでした。
当事者の声を聴くことなく法整備が進められたプロセスは、非常に問題です。
次に、施設職員や病院の職員、特別支援学校の教員といった、障がいを支援する立場に乗じた性犯罪については、「不利益を憂慮」し、かつ「不同意の状態にあること」という条件がつきました。
「障がい」といった脆弱性に対し、本来、職業的に支援する立場にある者が、その地位に乗じて性的接触を求める行為については、より厳正な処罰が検討されるべきです。


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刑法性犯罪改正案の可決成立に合わせ、しあわせなみだも参加する「刑法改正市民プロジェクト」が、記者会見を開催しました。
会見の様子は、複数のメディアで取り上げられました。
全文が閲覧できる記事(会員限定ではない記事)を、紹介します。

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【NHK】
『「同意のない性行為」とは 性犯罪の刑法改正 ポイントを解説』
【TBS NEWS DIG】
『法案成立評価も「課題が残る」性犯罪の刑法改正受け被害者支援団体らが会見 今後は性犯罪の時効撤廃など求める』
【共同通信】
『「声届いた」改正刑法に感慨 性被害の当事者ら、啓発も要望』
【時事通信】
『「求めてきた改正、感無量」性被害当事者ら歓迎―改正刑法成立』
【日本経済新聞】
性犯罪規定見直しの改正刑法成立 処罰要件明確化
【弁護士ドットコム】
『「感無量」「声が届いた」性犯罪規定を見直す改正刑法が成立、当事者らから喜びの声』


障がいのある人を取り残さない社会を実現するために、引き続き声を届けていきましょう。


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2023年06月16日

本日刑法性犯罪改正案が採決される予定です


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本日6月16日10時から、参議院本会議で、刑法性犯罪改正案が採決される予定です。
「性犯罪被害者としての障がい児者」の概念が盛り込まれるよう、議論を見守りましょう。
【中継はこちら(時間になりましたら「本会議」をクリック】


これに先立ち開催された、参議院法務委員会で、与野党の各議員が「被害者に障がいのある性犯罪」について質問してくれました(掲載は質問順)。

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☆6月13日
【動画はこちら(「6/13」「法務委員会」「各議員名」をクリック】

*参考人招致*

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【加田裕之参議院議員】
▼障がいのある被害者が抱える困難
▼加害者が被害者の障害を知っていることについて
▼障害のある被害者が心神喪失に含まれることについて
▼フランス刑法における被害者に障がいのある場合

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【清水貴之参議院議員】
▼精神科医等から患者への性加害
▼海外では治療する立場に乗じた性犯罪が創設されていることについて

*質疑*

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【牧山ひろえ参議院議員】
▼障がいにより行為がわいせつであると誤信している、わいせつであると認識できない状態について
▼福祉職、教育職、医療職による行為

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【清水貴之参議院議員】
▼医療職による薬物処方に乗じた性犯罪
▼陽性転移に乗じた性犯罪
▼諸外国では医療職等による行為について同意の有無を問わず罪に問えることについて


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☆6月15日
【動画はこちら(「6/15」「法務委員会」「各議員名」をクリック】

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【和田政宗参議院議員】
▼諸外国における、障がいに乗じた性犯罪の重刑化や公訴時効について
▼刑法改正案における被害者に障がいがある場合について
▼障がい特性を踏まえた不同意の意志の表明について
▼障がいを支援する立場に乗じた性犯罪の創設について

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【古庄玄知参議院議員】
▼障がいのある人が被害者である場合の配慮

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【牧山ひろえ参議院議員】
▼対人援助職であることに乗じた性犯罪について
▼障がいのある人にとって監護者同等の立場にある者による性犯罪について
▼障がい特性に基づく意志表明への配慮について
▼被害者に障がいがある場合の公訴時効について

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【佐々木さやか参議院議員】
▼障がい特性によるわいせつ行為の誤信について
▼障がい特性による不利益の認識について
▼障がいのある人へのヒアリングや調査について

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【清水貴之参議院議員】
▼陽性転移につけ込む医療職による行為について
▼医療職であることに乗じた性犯罪について


障がいのある人が取り残されない刑法性犯罪改正となるよう、声を届けてまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。


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2023年06月13日

「女性版骨太の方針」における性暴力の取り組みを解説!


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6/5「女性版骨太の方針 2023(女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023)」が公開されました。
女性活躍・男女共同参画の取り組みを加速するために、政府が決定し、各府省の概算要求に反映します。
そこで、この方針における、性暴力の取り組みと背景、そして実際に予算化されるまでの流れを解説します。


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☆1)方針における性暴力の取り組み

性暴力の取り組みは、「V 女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現」の「(2)性犯罪・性暴力対策の強化」の中で、次の12項目を挙げています。

@刑事法の改正に係る対応及び刑事手続の適切な運用
現在参議院で審議されている、刑法性犯罪改正案について、適切に運営することを明記しています。

A性犯罪者に対する再犯防止施策の更なる充実
刑務所等で実施されている、加害者更生プログラムの充実及び、GPS等による位置情報把握を含めた処遇の検討を、盛り込んでいます。

Bわいせつ行為を行った教員等の厳正な処分と再発防止と予防
「わいせつ教員防止法」や「児童福祉法」に基づき、わいせつ行為を行った教員や保育士の情報管理、子どもに関わる職業に対する日本版DBS(働く際に性犯罪歴等についての証明を求める)の検討、患者に対し、性暴力等を行った医師に対する行政処分のあり方の見直し等を含めています。

C被害申告・相談をしやすい環境の整備
被害届の受理の徹底、捜査における二次加害の防止、証拠の採取や保管体制の整備、警察における相談窓口の周知や支援の充実、つながりやすい性暴力被害者ワンストップ支援センターに向けた取組等を挙げています。

D切れ目のない手厚い被害者支援の確立
被害者支援の充実、相談員のスキルアップを担保するための処遇改善、医療的支援の拡充と人材育成を掲げています。

E生命(いのち)の安全教育の全国展開の推進
子どもたちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせない教育について、全国展開の加速化を記載しています。

F学校等で相談を受ける体制の強化
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置促進、教育委員会等に、性被害を含む相談対応に関する周知を図るとしています。

GAV出演被害の防止及び被害者の救済
AV被害防止法の周知、被害実態の把握、支援の拡充に取り組む、とのことです。

Hインターネット上の性的な暴力等の根絶に向けた取組
児童ポルノ画像等の削除依頼、性被害につながる不適切な書き込みの注意喚起、自画撮り被害(性的動画等の送信強要)防止に向けた啓発、アスリートへの盗撮被害の対策等を提言しています。

I「痴漢撲滅に向けたパッケージ」に基づく施策の着実な実行
「痴漢は重大な性犯罪」という認識のもとで、痴漢防止、支援の拡充、社会の意識変革等の施策を展開予定です。

J社会全体への啓発
「若年層の性暴力被害予防月間」や「女性に対する暴力をなくす運動」等を通じた啓発、及び相談先の周知徹底を促しています。

K性犯罪・性暴力被害者や支援者等に対する誹謗中傷の防止
性暴力被害者等への誹謗中傷を許さない、社会規範の形成や厳正な対処を求めています。


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☆2)方針の背景
政府は2020年6月、性犯罪・性暴力対策の取組を強化するための「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を打ち出し、様々な施策を実行してきました。しかし、依然として、性暴力の状況は深刻です。そこで、2023年度〜2025年度の3年間を「更なる集中強化期間」と位置づけ、「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」を定めました。この方針が「骨太の方針」、そして予算に反映されることで、より実行力のある取り組みが、実現できます。


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☆3)予算化による施策の実行
「骨太の方針」を踏まえ、経済財政諮問会議が「予算の全体像」を
策定します。これを元に、各省庁が概算要求を行い、「予算編成の
基本方針」が閣議決定されます。政府予算案が国会で審議され、
成立後、それぞれの施策が実施されます。
予算がなければ、事業は実施できません。「骨太の方針」に、
性暴力関連の項目が盛り込まれることは、私たち市民の「声」を、
施策という「カタチ」にする上で、大変重要です。
【予算成立までの流れはこちらです】


机上の空論ではない、実態を踏まえた事業が着実に実施されるよう、
予算成立を見守っていきましょう。


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2023年06月09日

与野党の議員の皆さんが、衆議院での刑法性犯罪改正案可決を後押ししてくれました


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刑法性犯罪改正案は、衆議院で可決成立、参議院で審議入りの見通しとなりました。
衆議院での可決にあたり、法務委員会に所属する与野党の議員の皆さんに、お力をいただきました(掲載は面会順)。


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【公明党日下正喜衆議院議員】
日下議員は、先の臨時国会では、「障がい児・者に対する性犯罪に対処するための法整備」について、質問してくれました。
今回の面談では、法制審議会が公開した「要綱(骨子)案」について、被害者に障がいがある場合の懸念点を、共有しました。
日下議員は、対等に意思を表明にできない状態にある人々が取り残されることに、強い危機感をお持ちになり、様々な視点からアドバイスをいただくことができました。


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【自民党鈴木馨祐衆議院議員】
鈴木議員は、障害者施策を担う厚生労働省への勤務経験もあります。
障がい児者への性暴力は、「障害者は厚生労働省」「刑法は法務省」「性暴力は内閣府」と、省庁を横断する課題であるため、様々な施策からこぼれ落ちてきました。
幅広い分野での経験をお持ちの鈴木議員とこの課題を共有でき、とても心強く思いました。


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【立憲民主党鎌田さゆり衆議院議員】
鎌田議員は「暴力の無い社会」を目指し、活動されています。
面談では、法務省が提出した「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について、障がいのある性被害者に関する懸念を共有しました。
鎌田議員からは、刑法性犯罪について、これまで、障がいを切り口にした議論がほとんど行われていない、という指摘をいただき、障がいのある人たちにとって、侮蔑的な内容となりうる可能性を広く伝え、議論を継続していく必要性を、確認することができました。


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【立憲民主党寺田学衆議院議員】
寺田議員は、性犯罪の撲滅をライフワークの1つとして取り組んでいます。
面談では、法務省が提出した「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について、障がいのある被害者が取り残される懸念を共有しました。
寺田議員からは、「心身に障がいのある人が侮蔑的扱いとなる可能性があること」、そして「対人援助職による行為を問えない可能性があること」について、丁寧に解説いただき、今後の審議の過程において、どのように「実を取るか」について、具体的な提案をいただくことができました。


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【立憲民主党吉田晴美衆議院議員】
吉田議員は、お子さんが発達障害をお持ちであることから、日頃より、障がい児者への性暴力について、考える機会が多かったとのこと。
面談では、本来尊重されるべき障がい特性が、加害者につけ込まれる要因となっていることを踏まえ、「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」における、障がいのある性犯罪被害者について、懸念を共有しました。
吉田議員は、法制度の重要性を強く認識して下さり、議論に関わってくださるとのことでした。


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【日本共産党本村伸子衆議院議員】
※仁比聡平参議院議員とともに面会しました
本村議員は、2022年の通常国会で、質問主意書を提出してくれていました。
面談では、まず刑法に「障がいのある性犯罪被害者」の概念を盛り込む重要性を、共有しました。
その上で、改正案が障がいのある人にとって侮蔑的になりかねないこと、改正にあたり、障がい当事者の声を聴く機会を設けていないこと、大規模な実態調査が行われていないこと等の課題を、確認しました。
改正後の継続した議論を実現するために、審議の中で、どのような取り組みができるのか、衆議院と参議院での役割分担等、具体的な対策を、検討することができました。


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【立憲民主党米山隆一衆議院議員】
米山議員は、医師免許を持つ弁護士として、重度障がい者の医療事故裁判等を担当。
障がいがあることによる、司法上の不利益と、闘ってこられました。
面談では、「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」において、「心身に障がいのあること」が、全く類型の異なる「不同意性交」の概念に盛り込まれたことにより、機能しない可能性を共有しました。
委員会での質疑等を通じて、運用における課題を明らかにする必要性を、お話くださいました。


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【公明党大口善徳衆議院議員】
大口議員は、2017年の刑法性犯罪改正時にも、大変お世話になりました。
弁護士として、刑法性犯罪を議論する法務委員会に所属しています。
面談では、刑法性犯罪改正案について、障がい当事者への実態調査やヒアリングが行われていないこと、障がいのある人にとって侮蔑的な内容となる可能性があること、罪に問えない可能性があること等の懸念を共有しました。
大口議員は一つひとつに耳を傾けてくれました。


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【公明党平林晃衆議院議員】
面談では、刑法性犯罪改正案が、障がい当事者への調査やヒアリングを経ずに作成されていることについて、危機感を共有しました。
平林議員からは、声を聴かずに施策が作られることは、現場にとって不利益であること、障がいのある人を身近に感じ、取り組んでいく必要性について、力強いメッセージをいただくことができました。
今後の流れにつきましても、丁寧にご説明いただき、具体的なイメージを持つことができました。


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【自民党石橋林太郎衆議院議員】
面談では、障がいのある人について、障がい特性を踏まえた罪の創設の必要性を、共有しました。
また、対人援助職による、職業的地位に乗じた性犯罪について、援助職の社会的地位や、待遇の改善が求められる点についても、議論を深めることができました。
また、現在施行実施の段階にある代表者聴取が、障がいのある犯罪被害者に欠かせない事業であることについても、話し合いを重ねることができました。


障がいのある人が取り残されない改正となるよう、参議院にも声を届けてまいります。
応援よろしくお願いします!


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2023年06月06日

大学生に性暴力をテーマに講義を実施

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理事千谷が、上智大学総合グローバル学部の学生に講義を行いました。
性暴力被害当事者の声をもとに、服を展示するイベント『What Were You Wearing〜その時何を着てたの?〜』の開催に携わる学生に向けた授業です。

「服装は性暴力に遭う上で関係があるのか」をテーマに、以下をお話しました。

☆はじめに

☆性暴力とは
・性犯罪者に聞いた「なぜその被害者をねらったか」
・性加害の8割が”顔見知り”
・性暴力加害者は性欲の化け物なのか
・認知のゆがみ

☆知り合いが被害に遭ったら
・警察
・産婦人科
・ワンストップセンター
・友達としてできること

しあわせなみだでは、学生を対象とした講義を、積極的にお受けしています。
お気軽にお問い合わせください。
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2023年06月02日

神奈川県警で「障がい児者に対する性犯罪」をテーマに講義

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※写真は神奈川県警展望ロビーから撮影したものです

理事長中野が、神奈川県警察本部主催「性犯罪捜査専科」で、性犯罪捜査に携わる警察官を対象に、講義を行いました。

「障がい児者に対する性犯罪」をテーマに、以下をお話しました。


☆1.はじめに

☆2.「障がいのある人」とは
1)身体障がい
2)知的障がい
3)精神障がい
4)発達障がい

☆3.障がいのある人が性犯罪に巻き込まれる「背景」
1)断れない
(1)思考における脆弱性
(2)人間関係における脆弱性
(3)情報における脆弱性
2)人を信じなければ“生命・生活の維持”ができない
3)障がいのある性犯罪被害者の声

☆4.事情聴取に関わる「特性」
1)性に関する“知識”や“経験”が限られる
2)“いつ”“どこで”を覚えるのが苦手
3)“好き”の意味が違う

☆5.障がいの有無に関わらず性犯罪を立証する
1)音声によるコミュニケーションが苦手な方のために
2)言語によるコミュニケーションが苦手な方のために
3)障がいによる脆弱性を理解するために


しあわせなみだでは、官公庁での講義を積極的にお受けしています。
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