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2024年08月02日

第4次犯罪被害者等基本計画の見直しに関する要望を提出しました


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政府は、性犯罪をはじめとする、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とした「犯罪被害者等基本法」を定めています。
基本法では、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画を定めることとされています。
計画は5年単位で作成されており、現在の「第4次犯罪被害者等基本計画」は、令和8年3月までとなっています。
このため警察庁は、第4次計画の見直しに向けた要望を募集しています。

要望は誰でも提出することが可能です。
【要望提出の詳細はこちら(8/31まで)】

しあわせなみだも要望を提出しましたので、共有します。

***


☆1.障がいの有無に関わらず安全安心に相談できる体制の整備
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[課題]
「第 4 次犯罪被害者等基本計画」(以下「計画」)(63)では、障がいのある性犯罪・性暴力被害者への適切な対応や支援を行うための施策の検討を明記しています。
しかし、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターのうち、メール相談が可能なセンターは 26 か所、SNS 相談が可能なセンターは 7 か所にとどまります。
「被害者支援センター」一覧では、メール相談は 2 か所、SNS 相談は 0 か所です。
また相談は面談を前提としていますが、車椅子や白杖を利用する人が、1人でセンターを訪問する環境が整備されているかは、不明です。

[要望]
「計画」(63)をより一層強化し、性犯罪・性暴力に限らず、すべての犯罪について、障がいの有無に関わらず、アクセスできる環境の確保を要望します。
あわせて、メールや SNS での相談を実施しているセンターや、障がい当事者を相談員として採用しているセンターの事例の共有、センターのスタッフに対する研修を実施することで、他センターでの取り組みを促進していくことを、要望します。



☆2.被害者に障がいのある犯罪に関する実態調査の実施
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[課題]
「計画」(230)では、障がいのある犯罪被害者の特性に応じた被害実態の調査・分析の実施を明記しています。
しかし警察庁「令和5年の犯罪情勢」「令和5年度犯罪被害類型別等調査」や、法務省「第5回犯罪被害実態(暗数)調査」では、被害者に障がいのある犯罪の件数は、明らかにされていません。
一方で、内閣府「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを対象とした支援状況等調査」では、「障害特性を持つ方の性被害」に関する相談の増加が指摘されています。

[要望]
「計画」(230)をより一層強化し、障がいのある犯罪被害者の特性に応じた被害実態の調査・分析を実施し、施策に反映していくことを、要望します。
刑法第百七十七条「不同意性交等」第二項「心身の障害(略)があること」や、第二百四十八条「準詐欺」等の件数を公開することを、要望します。
あわせて、法務省「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ取りまとめ報告書」別紙同様、裁判及び不起訴事案に占める、被害者に障がいのある件数を、定期的に公開することを、要望します。


☆3.犯罪被害者家族以外の関係者へのサポートの充実
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[課題]
「犯罪被害者等基本法」では、「犯罪被害者等」とは、犯罪等により「害を被った者」及びその「家族」又は「遺族」と定義されています。
しかし内閣府「男女間における暴力に関する調査」で「不同意性交等をされた被害の相談先」として最も多かった回答は、「友人・知人に相談した」(29.3%)であり、「家族・親族」(10.0%)の約 3 倍です。
また若年層の性被害については、(婚姻していない)交際相手からの被害の告白による二次受傷も、懸念されています。
学校や施設等が加害の現場となった場合、多くの関係者が心身の影響を受けます。

[要望]
家族、遺族以外の犯罪被害関係者に対しても、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターや、被害者支援センターの利用を含めた、適切な支援が提供されることを、要望します。


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posted by 中野宏美 at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | しあわせなみだ:活動
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