• もっと見る

2023年08月22日

服装は性暴力に遭う上で関係があるのか


SHEtop.png
【SHE検定に関するお詫びとお願い】

==============

景色フェス後ろ姿.jpg
大阪で開催されたフェスに出演したDJが、観客からの性被害を告白しました。
主催者側は、被害者のサポート、ならびに加害者への法的措置も検討していることを、明らかにしました。
【主催者側の発表はこちらです】

一方で、被害者に対し、「自分から揉まれに行った」「露出の多い服装をしていれば、被害に遭うのも仕方ない」といった、被害者を責める風潮や、被害者の過去の言動を取り上げる主張も、見られました。
そこで本日のブログでは、理事千谷が大学で実施した講義「服装は性暴力に遭う上で関係があるのか」の内容から、今回の事件を考えます。


人中学生後ろ姿.jpg
☆1)服装は加害者が「問題解決能力」を判断する一要因

性犯罪の加害者が、その被害者を対象とした主な理由は「警察に届けないだろうと思った」そして「おとなしそう、抵抗されないと思った」です(※1)。
つまり加害者は、「抵抗する」「被害を
警察に訴える」といった、「問題解決能力」を見極めて、犯行に及びます。
能力を判断する一つの要因が「服装」です。例えば、制服で通学している時は、何度もちかんに遭っていた方が、卒業して制服を着用しなくなった途端、ちかんに遭わなくなった、という話は、珍しくありません。
加害者は制服から「同じ車両にいる同級生に被害を知られたくないから、騒がないだろう」「学校に遅れるから、警察には訴えないだろう」といったことを判断して、行為に及びます。
被害者は「通学」「通勤」「イベント」等、様々な目的に「最もふさわしい」と考える服装をしています。
加害者は、服装から「加害のしやすさ」を見極め、犯行に及んでいます。


物つみき家.jpg
☆2)加害者は「関係性」につけ込む

内閣府の調査では、無理やりに性交等をされたことがある人のうち、加害者が全く知らない人であったのは12.0%でした(※2)。
加害者は、関係性を利用し、被害者が逆らえないよう準備をした上で、加害に及びます。
今回の事件のような、著名人への加害の場合、加害者は被害者の顔を覚えており、当日のスケジュールやステージでの立ち位置、パフォーマンスの内容等を、把握しています。
ステージ上で被害に遭っても、演奏を中断するのは難しいことも、理解しています。
一方で被害者は、加害者のことを知りません。
たとえ相手の顔を覚えていても、それを特定し、訴えることは、非常に困難です。
被害者はパフォーマンスをするために人前に出ているのであって、被害に遭うために行動しているわけではありません。


男性悩み.jpg
☆3)「支配欲」を満たす「認知のゆがみ」

性犯罪の目的は、相手を性的に支配し、コントロールすることです。
自らの欲求のみを追求し、被害者の想いを想像することは、一切ありません。
背景には「自分は人とは違う」「経験値をあげていく」といった過剰なエリート意識や「どうせ経験してるだろう」「向こうが誘ってきた」といった、自らの行為を正当化する思考があります。
これは「認知のゆがみ」と呼ばれています。
「認知のゆがみ」は、誰もが持っています。
例えば、職場に遅刻をした時「家族にトラブルがあった」と主張したり、子どもが宿題をしていない時「ペットの世話をしていた」と言い訳することがあります。
やるべきことを「しなくていい」と思い込んだり、問題を「大したことではない」と偏った判断をすることで、「それでも自分は正しい」という認識を深めていきます。
そのため、今回の事件を場所や被害者の服装に原因があるとするのは、性犯罪を軽視しており、被害者に責任を問うことは「認知のゆがみ」です。
加害者の行動に賛同し、後押しすることです。
被害者の服装にかかわらず、許可なく他人の体を触ることはゆるされないことです。


all.jpg
しあわせなみだでは、性犯罪が起きた時、他の犯罪同様「加害者に責任がある」という、当たり前のことが当たり前になるよう、講演や情報発信などを、積極的に行ってまいります。


※1 内山絢子「性犯罪被害者の被害実態と加害者の社会的背景」『警察時報』No.11、2000年
※2 「男女間における暴力に関する調査(令和2年度調査)」複数回被害を経験している方もいるため、回答の合計は116.2%


==============

本ブログは毎週火・金更新!

【ウェブサイト】 
【facebook】
【LINE】
【Instagram】
【twitter】
【メールニュース「Tear's Letter」】

【リボンドネーションによるご寄付はこちら】
【クレジットによるご寄付はこちら】
【書籍・DVD・ゲームによるご支援はこちら】

posted by 中野宏美 at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 性暴力被害:情報
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック