
【10/16:オンライン】障害がある子どもを性犯罪と虐待から守るために『まず大人が学ぼう会』
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2012年に開催したイベント「男だって性暴力をゼロにしたい!」にご登壇いただいた、精神科医の福井裕輝さんが、書籍を出版されました。
書籍では「参考サイト・団体案内」として当団体をご掲載いただきました。
また本文では、「障がい者を対象とした性暴力」について取り上げています。
そこで今回のメールニュースでは、福井さんにご寄稿いただきました。

【『子どもへの性暴力は防げる!』詳細はこちらです】
☆書籍の紹介
このたび書籍「子どもへの性暴力は防げる!」を刊行しました。
子どもへの性暴力対策は私が精神科医になったばかりの頃から、長年注力しているテーマです。被害を受けた子どもの診療経験を通じて、「被害者を生まないためには加害者をなくすしかない」と決意して、海外の実態や治療について研究し、2011年に性障害専門医療センター(SOMEC)を立ち上げ、加害者の治療に携わってきました。
書籍では、それらの経験をもとに、子どもに対する性的嗜好から加害の傾向、加害者に対する治療法、保育・教育現場などにおける対策、加害・被害が起きた時の周囲の対応のポイントまで解説しています。
特に加害については、親による性的虐待、保育士や教員などの立場を利用した加害、近年増加しているSNSを通じた加害、盗撮、デジタル加害など、さまざまな関係性・手法を取り上げ、子どもへの性暴力を未然に防ぐための啓発に広くお役立ていただけるように心がけました。
☆障がい児への性犯罪について
加害者の診療を積み重ねる中で、障がい児を狙ったケースにも残念ながら数多く対応してきました。
「抵抗が少ない」といった理由で加害に及び、征服欲などが重なって加害を繰り返しやすい傾向がみられます。
ただ、その危険性がまだ日本であまり認識されていないと思います。
本書でぜひ知っていただきたいと考え触れましたが、模倣犯が出る恐れがあるため具体的な事例や手口などは掲載を控え、社会の中で障がい児を守っていかなければならないというメッセージにとどめました。
ちょうど刑法の見直しも審議されている時期です。
本書も障がい児への性犯罪の危険性を多くの方に知っていただき、対策を検討する上での一助となればと願っています。
☆読者へのメッセージ
海外に比べて日本では性暴力の対策や啓発が遅れています。
ただ、個人レベルでは、犯罪防止や再犯予防に強い関心を寄せる人も少しずつ増えていると感じます。
日本全体で対策を進めていくためには、まずは広く一般の方に身近な問題として捉えていただき、活発な議論になることが必要です。その先に性暴力のない未来があると信じています。
☆プロフィール
福井裕輝(性障害専門医療センター〈SOMEC〉代表理事・精神科医・医学博士〈京都大学〉)
米国インディアナ州生まれ。1999年京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院精神科、京都医療少年院、国立精神・神経センター(国立精神・神経医療研究センター)などを経て、2010年にNPO法人性犯罪加害者の処遇制度を考える会、2011年に性障害専門医療センター(SOMEC)を設立。
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