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2021年03月09日

障害のある性暴力被害者へのICTを活用した相談支援


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【「障がいを知りうる立場に乗じた性犯罪」創設を求めるオンライン署名実施中!】

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3月6日に開催された、日本社会福祉学会関東部会研究大会で、東洋大学岩田千亜紀さんが、しあわせなみだが調査に協力した「障害のある性暴力被害者へのICTを活用したソーシャルワーク支援の検討」の報告を行いました。
【抄録集はこちらです(岩田さんの論文はp.3-4です)】

そこで今回は岩田さんに、調査について、ご寄稿をいただきました。

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読者の皆様は、「健常者よりも障害者では、性暴力被害の割合が高い」ということは既にご存じかと思います。
2020年6月に政府が示した「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」でも、「障害者が被害を受けることが多い一方で、被害が潜在化しやすい」との記載がありました。
そして、「障害者や外国人などの多様な相談者への対応を推進する」ために、メール相談やオンライン面談などのICT活用の推進が盛り込まれました。

そこで、障害のある性暴力被害者に対するICTの活用の実態と課題を明らかにするために、昨年の8月〜9月に支援者へのインタビュー調査などを実施しました。
その結果、障害のある性暴力被害者への相談支援では、ICTを活用することは非常に有益であるということが分かりました。
障害がある場合には、相談しても理解してもらえなかった経験や、言葉でうまく伝えられないことがあります。
そのため、コミュニケーションに苦手感を持つ障害者にとっては、SNSなどの文字情報を活用できるICTによる相談は、情報を伝えることにより大きな効果をもたらします。
つまり、ICTの活用は、相談支援への物理的アクセシビリティを高めることができます。

しかし、いくつか課題もあります。
たとえば、障害のある性暴力被害者では、支援に繋がりにくいことや、助けを求める力が弱いこと、性暴力被害を被害と認識できないなどの問題を抱えている場合があります。
そのため、障害のある性暴力被害者が相談支援に繋がるために、ICTによる分かりやすい映像などを活用して、性暴力や被害に遭ったら援助を求めても良いといった啓発活動を行うことが必要です。
また、性暴力被害の影響は、中長期の様々な生活に影響を及ぼします。
そのため、相談を受けた後、速やかに医療や福祉等、必要な社会資源に繋げるなど、被害相談の「出口」に向けた支援を行うことも必要です。

障害のある性暴力被害者の問題は、障害者をめぐる人々の意識などともかかわっています。
障害のある性暴力被害者の問題を社会の問題として認識し、共に解決を目指す社会となることを念願しています。


☆著者プロフィール
岩田千亜紀(いわたち・ちあき)
東洋大学社会学部社会福祉学科助教。日本女子大学文学部社会福祉学科卒業後、インドJawaharlal Nehru University修士課程修了、日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科修了(社会福祉学博士)。
専門は、障害者福祉、子ども家庭福祉、ソーシャルワーク、プログラム評価。発達障害をもつ母親の子育て支援や、障害者の性被害に関する調査、学習支援プログラムの評価調査等に取り組んでいる。
主な論文に「障害者へのDVなどの暴力についての国際的な動向と課題:文献レビュー」『東洋大学 社会学部紀要』55(1) 43-55(2018年)など。

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