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2020年06月19日

政府が「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を公開しました



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政府は、令和2年度から令和4年度までの3年間を、「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」と定め、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を取りまとめ、サイトを公開しました。

方針の中には、障がい児者への性暴力も、盛り込まれました。

☆1)障がい児者への司法面接
「司法面接」(「事実確認面接」「協同面接」)とは、誘導や虚偽の可能性をできる限り排除し、事実を聞き取る面接の手法です。
現在日本では、主に子どもへの虐待事件等で、実施されています。
一方海外では、障がい児者や認知症の方等、社会的に弱い立場に置かれた犯罪被害者に対しても、実施されています。
法務省によると、被害者に障がいのある性犯罪事件が不起訴となった(裁判に至らない)理由として「客観的証拠等と整合しない」「虚偽供述の動機・記憶変容の疑い」「供述に看過し難い変遷あり」等が挙げられています。
これらは、障がいによる「社会への適応機能」や「知的機能」への影響が、考慮されていない可能性があります。
障がい特性を踏まえた事情聴取の実現が、望まれます。

☆2)障がいのある被害者からの相談への対応
現在犯罪被害に関する相談の多くは、対面もしくは電話です。
このため、外出が困難な方や、聞こえにくい方の相談は、限られます。
今回の方針においては、「SNS」「メール」「オンライン面談」「手話」等、多様なコミュニケーション方法が提案されています。
犯罪被害者の中には「目の見えにくい人」「言語以外で自らの意思を伝える人」等がいることを前提にした、相談形態の拡大が望まれます。

☆3)障害の特性や程度等を踏まえた教育
現在義務教育の中で、性暴力の加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないための学びの機会は、限られています。
このため、多くの人は、こうした知識を、先輩や友人等の「人」、もしくは雑誌やインターネット等の「ツール」から習得しています。
しかし、障がいのある子どもの場合、「人」のつながりが独特であったり、利用できる「ツール」に限りがあります。
特別支援学校や特別支援学級での、教育や啓発の内容の充実が、望まれます。

☆4)障がい児者への性暴力の実態把握
性暴力に関する調査は、少しずつ増えてきています。
しかしその中で、障がいのある方の被害の割合は、明らかにされていないものが大半です。
例えば、内閣府が3年に1度実施している『男女間における暴力に関する調査』の「無理やりに性交等をされた経験」や、毎年公開されている「児童虐待相談」における、障がい児者の被害の割合は、不明です。
実態が客観的に把握されて初めて、適切な施策を検討できます。
既存の調査に障がいの項目を追加すること、ならびに障がい児者を対象とした性暴力の実態調査の実施が、望まれます。


方針に基づく施策が実現し、刑法性犯罪を含めた法制度の整備が進んでいくよう、ともに声を届けてきましょう。


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posted by 中野宏美 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | しあわせなみだ:活動
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