
刑法性犯罪改正案は、衆議院で可決成立、参議院で審議入りの見通しとなりました。
衆議院での可決にあたり、法務委員会に所属する与野党の議員の皆さんに、お力をいただきました(掲載は面会順)。

【公明党日下正喜衆議院議員】
日下議員は、先の臨時国会では、「障がい児・者に対する性犯罪に対処するための法整備」について、質問してくれました。
今回の面談では、法制審議会が公開した「要綱(骨子)案」について、被害者に障がいがある場合の懸念点を、共有しました。
日下議員は、対等に意思を表明にできない状態にある人々が取り残されることに、強い危機感をお持ちになり、様々な視点からアドバイスをいただくことができました。

【自民党鈴木馨祐衆議院議員】
鈴木議員は、障害者施策を担う厚生労働省への勤務経験もあります。
障がい児者への性暴力は、「障害者は厚生労働省」「刑法は法務省」「性暴力は内閣府」と、省庁を横断する課題であるため、様々な施策からこぼれ落ちてきました。
幅広い分野での経験をお持ちの鈴木議員とこの課題を共有でき、とても心強く思いました。

【立憲民主党鎌田さゆり衆議院議員】
鎌田議員は「暴力の無い社会」を目指し、活動されています。
面談では、法務省が提出した「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について、障がいのある性被害者に関する懸念を共有しました。
鎌田議員からは、刑法性犯罪について、これまで、障がいを切り口にした議論がほとんど行われていない、という指摘をいただき、障がいのある人たちにとって、侮蔑的な内容となりうる可能性を広く伝え、議論を継続していく必要性を、確認することができました。

【立憲民主党寺田学衆議院議員】
寺田議員は、性犯罪の撲滅をライフワークの1つとして取り組んでいます。
面談では、法務省が提出した「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について、障がいのある被害者が取り残される懸念を共有しました。
寺田議員からは、「心身に障がいのある人が侮蔑的扱いとなる可能性があること」、そして「対人援助職による行為を問えない可能性があること」について、丁寧に解説いただき、今後の審議の過程において、どのように「実を取るか」について、具体的な提案をいただくことができました。

【立憲民主党吉田晴美衆議院議員】
吉田議員は、お子さんが発達障害をお持ちであることから、日頃より、障がい児者への性暴力について、考える機会が多かったとのこと。
面談では、本来尊重されるべき障がい特性が、加害者につけ込まれる要因となっていることを踏まえ、「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」における、障がいのある性犯罪被害者について、懸念を共有しました。
吉田議員は、法制度の重要性を強く認識して下さり、議論に関わってくださるとのことでした。

【日本共産党本村伸子衆議院議員】
※仁比聡平参議院議員とともに面会しました
本村議員は、2022年の通常国会で、質問主意書を提出してくれていました。
面談では、まず刑法に「障がいのある性犯罪被害者」の概念を盛り込む重要性を、共有しました。
その上で、改正案が障がいのある人にとって侮蔑的になりかねないこと、改正にあたり、障がい当事者の声を聴く機会を設けていないこと、大規模な実態調査が行われていないこと等の課題を、確認しました。
改正後の継続した議論を実現するために、審議の中で、どのような取り組みができるのか、衆議院と参議院での役割分担等、具体的な対策を、検討することができました。

【立憲民主党米山隆一衆議院議員】
米山議員は、医師免許を持つ弁護士として、重度障がい者の医療事故裁判等を担当。
障がいがあることによる、司法上の不利益と、闘ってこられました。
面談では、「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」において、「心身に障がいのあること」が、全く類型の異なる「不同意性交」の概念に盛り込まれたことにより、機能しない可能性を共有しました。
委員会での質疑等を通じて、運用における課題を明らかにする必要性を、お話くださいました。

【公明党大口善徳衆議院議員】
大口議員は、2017年の刑法性犯罪改正時にも、大変お世話になりました。
弁護士として、刑法性犯罪を議論する法務委員会に所属しています。
面談では、刑法性犯罪改正案について、障がい当事者への実態調査やヒアリングが行われていないこと、障がいのある人にとって侮蔑的な内容となる可能性があること、罪に問えない可能性があること等の懸念を共有しました。
大口議員は一つひとつに耳を傾けてくれました。

【公明党平林晃衆議院議員】
面談では、刑法性犯罪改正案が、障がい当事者への調査やヒアリングを経ずに作成されていることについて、危機感を共有しました。
平林議員からは、声を聴かずに施策が作られることは、現場にとって不利益であること、障がいのある人を身近に感じ、取り組んでいく必要性について、力強いメッセージをいただくことができました。
今後の流れにつきましても、丁寧にご説明いただき、具体的なイメージを持つことができました。

【自民党石橋林太郎衆議院議員】
面談では、障がいのある人について、障がい特性を踏まえた罪の創設の必要性を、共有しました。
また、対人援助職による、職業的地位に乗じた性犯罪について、援助職の社会的地位や、待遇の改善が求められる点についても、議論を深めることができました。
また、現在施行実施の段階にある代表者聴取が、障がいのある犯罪被害者に欠かせない事業であることについても、話し合いを重ねることができました。
障がいのある人が取り残されない改正となるよう、参議院にも声を届けてまいります。
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