皀莢(サイカチ) [2014年01月21日(Tue)]
〜 め・ぐ・り・た・ど・り・つ・く 〜 皀莢の樹 大槌川 2013/5/11 仙台・青葉区で、<こどもたちとゆく>場と時を創り続けている「ハート&アート空間 ビーアイ」の主宰・ぞうかば こと関口怜子さんより便りが届いた。 山崎耀樹さんが、大槌川の畔にある皀莢(サイカチ)の古木から頂いた実を、昨年一杯送ってきてくださった。サイカチの実は振るとカサカサと鈴やかな音 その莢(さや)一つで昔は着物一反を洗える<洗剤>として重宝していたとか。また少し火であぶったやつを日本手ぬぐいで包み、身体を洗ってもいたそうだ。(ちなみに実は、漢方薬として重宝されていたらしい) 濃褐色で、くねったその莢は硬く、その一つ一つが見事な造形を成している。 面白がってくれるだろうなと思う人に、手渡し、送らせてもらっている。 ぞうかばもその一人。その身体の深い所にある大切な物語を、この皀莢は揺り動かし、蘇らせたようだ。それを伝え聞いたこどもたちの、太古からの記憶をも・・・ 皀莢(サイカチ)の 皀は黒のこと、莢は<さや> いただいた皀莢(サイカチ)で今月、 一番大きいクラスが 見えない潜んでいる物語や記憶を描いているよ。 子どもの頃 使っていた私は 得意げに話し 岩手から京都、 そして、 今これはここに在るわけを…。 <ぞうかば> ぞうかばに出会ったのは、かれこれ16年ほど前。三重の美術館の仕事をアレンジしていた彼女からの依頼を受け、松坂のこどもたちと夏休みに3日間ほど、野染をしたり、松坂木綿のことを見直したり、紺屋さんから藍をいただいて染めたりしながら、布のこと、染めのこと、布と体の関係を、見つめ直してゆくような作業をしたのだった。その後付かず離れずのような関係が続いていたのだが、3・11以降被災地に通うようになり、片道1,000Kを越える車での長旅の、特に帰路はどうしても夜中じゅう走るかなり厳しい旅程となるので、何回も、仙台のぞうかばの拠点Be-Iで一泊させてもらうようになり、以前よりも深いご縁が出来たように感じている。 なんとも厳しい複合大災害が今も続いているが、今まで出会うことのなかった方たちとの大切な邂逅や、ぞうかばのように、もう一度出会い直しているような出来事もたくさんあって、ある種の豊かな時間を重ねている。そして、それは人だけではなく、サイカチや藍、苧(カラムシ)のような、今は忘れ去られてきているような〈モノ〉とも出会い直しているのではないかと、最近特に感じ始めている。それは単なる懐古趣味ではなく、我々が置かれているこの危機的な状況を、ごまかしなく乗り越えてゆくヒントに満ちているようにも感じている。 今まで得だと思っていたものの薄皮がはがれ、なんとも貧弱な正体が現れたり、今まで損なモノとして捨て去ってきてしまったモノが、実は限りなく大切で豊かなものだったという<気付き>を、あの被災の現場で生きる人や山川草木により与えられているように思う。 全てが明るい光によって照らし出されている世界を良きものとして、過剰な電力を生み出す装置を作り出し、さらなる消費をでっちあげてきた我らが世界が、その過程で失ったものはあまりにも大きい。 暗闇に目を凝らすことでしか見えてこないものが、確かにあるのではないだろうか。 こどもたちが描いたデッサンを見てそんなことを想った フェイスブックにこの記事の一部を載せたところ、佐々木和也さんより以下のようなコメントが入りました。 天然のサポニン。アトピー性皮膚炎とか敏感肌の皆さんは試してみる価値がありますよ。夏に大槌にお伺いした時に葉を煮出してみましたが、美しい黄色い染液でした。 大槌にお邪魔したときに案内いただいた沢に大きな木があって,いろいろと民俗話をききました。そして,葉を抽出すると非常にきれいな黄色系染料が得られたので,ひとつの地域資産としてはどうか?という話をしたところでした。研究論文では細かく裁断したサイカチを常温の水で1日抽出することでサポニンが確認されていました。 サイカチの洗浄に関する論文があったので,少し眺めてみましたが,弱酸性(これが天然染料にはいいのでしょうか?)でサポニンが主成分のようです。洗浄効率は標準洗剤の半分とのことですが,環境配慮,人体配慮を考えれば十分かと思います。最適濃度は0.35%前後のようです。1ℓで3.5gあれば十分ということになります。 煮出すとクリーミーで細かい泡が 風呂に常備 毎晩楽しみ |