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[2011年12月14日(Wed)]



田野畑村・ハックの家から見た冬の海  12月9日朝



私の仕事は染物屋。京都でこの稼業を初めてかれこれ40年を超えました。
布との長い付き合いの中で学ばせてもらったことは限りありません。動物の中で布を纏うのは人間だけです。多くの生きものの命を食して生きながらえるヒトという動物はまた、限りなくたくさんの動植物の命を頂き布を作り、何十年もその身を飾り、守ります。例えば、一反の着物地の為に2,000匹ものお蚕さんの命を頂いています。もう40年も染物で食べている私は、数限りない他の生きものの命を奪いながら生活してきたことになります。布だけではありません。私は草木染はたまに柿渋を使うくらいで、おもにドイツあたりの化学染料を用いていますが、自然染料を使う場合、例えばムラサキという色素を得るために、小さな貝紫を大量に使ったり、サボテンに寄生するコチニールというアブラムシ科の虫をを潰して得る色もあります。木の皮をはいだり、若葉を摘み、色を得ることもあります。



久留米で織られた綿布にローケツ染め 縫い・竹田安嵯代
かすみがうら市・四万騎農園ギャラリーにて 12月3日〜6日


私の手元に布が来るまでのことを想います。まず最初に綿、蚕、羊などの命があります。それを育てている人がいます。そこから糸を紡ぐ人、織る人、晒す人、それぞれをつなぎ運ぶ人、そして染める人。染めた布のデザインを考える人、それを裁ち、縫う人。そして纏う人。古くなった布は、つぎがあてられ、裂き織りにされたり、小物に作り直され、終いには雑巾になる物もあります。
この「終」という字。なぜ糸へんに冬なのでしょうか。冬という言葉自体に、最後の季節、終わりという意味が含まれています。糸が終わるとは、織り終えたという意味です。人のために役割を終えた布は土に還ります。
そこからまた芽が出てくる春がやってくるのです。



裂き織り ハックの家



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