巡り紡ぐ 6年目の3・11に
この6年で、この国の有り様が本質的に変わっていったように感じております。今なお続く複合大災害。今まで私たちが目指してきた世界の姿を根本から見つめなおす事を、特にこれから産まれくる命たちから要請されているように、深く感じております。
ポコ(寺元健二) ペコ(澤畑明見) ヒゲ(澤畑勉)の三人が3月6日から10日まで、岩手を巡りました。8日から開催されている『おおつちおばちゃんくらぶ』のデコ鮭・Shake Hand展の応援が主目的ですが、私ども風の布・パピヨンがこの6年でご縁をいただいた方たちを訪ね歩く、密度の濃い旅だったようです。
フェイスブックを通してポコとペコが発信してきてくれたメッセージ(写真・文章)を、ブログ・風の布・パピヨンにまとめました。
次世代、それも6世代7世代ほど先を視つめどのような世界を手渡してゆくのか、鳥が描く鳥瞰図と共に、虫のように出会う人たちと造る虫瞰図、その両方が必要なのではと感じました。大槌のおばちゃんくらぶのシェイクハンド展に合わせて三陸に来ています。久しぶりの東北旅になるので、ご縁のある処を出来るだけ訪ねたいと欲張った計画をしています。
今朝はひげさん、ペコちゃんと東京駅で待ち合わせて、「やまびこ」で新花巻へ。レンタカーを借りて花巻市内にある、ふれあいポケット「わたぼうし」でランチ。いつ来てもほっこりできる処です。恵理子ママも多忙な合間に会いに来てくれました。写真は店長とわたぼうしにて ポコ
花巻にある障がいのある方々の親の会で作ったお店「わたぼうし」は、東北に向かうと必ず寄りたくなるお店のひとつです。
わたぼうしの親の会のメンバーの牛崎さんがお忙しい中駆けつけて来て下さっていましたのに久々の出逢いに感激してしまいご一緒に写真を撮れなくとても残念でした。
牛崎さんまたお逢いできるのを愉しみにしてしまいます❣ ペコ
「わたぼうし」でランチのあと同じ花巻市内にある「るんびにい美術館」で開催中の企画展 命は創造をやめない を見学に行きました。ここには私が1年間お世話になったハックの家の作品も展示してあります。
まだ続きます… るんびにい美術館を後にして向かったのは花巻の東和地区にある小原さん宅。震災後「風の布・パピヨン」として被災地を訪れることを決めた時に小原さんは「支援に行く人を支援します」と云って、私たちに寝場所と食事を提供してくださった方です。まだ沿岸方面は道路も寸断されもちろん車のなかで寝る以外寝場所もない時に私たちの拠点として何度も何度もお世話になったお宅です。久しぶりにお邪魔しました。ポコ
ほんとうに久々にお伺いできてとても嬉しかったです。
当時はとてもありがたく大変お世話になりました。
同性である私が言うのもおかしいですが、惚れてしまうほどカッコ良く素敵な方です。 ペコ
1日目の最後に… 小原さん宅を後にして向かったのは花巻から遠野に入って直ぐの宮守にある佐々木さん宅。「風の布・パピヨン」で旅をしている時に宿泊できる所が何処にも見つからなかった時に花巻支援学校の先生をしていた佐々木健さんの実家というご縁だけで私たちを快く寝泊まりさせてくださり食事まで提供いただいたご縁で今も繋がっている佐々木さん宅でした。
そして遠野のめがね橋を経由して今夜の宿泊先の釜石の「マリン」へ。
山崎さんが待っていてくれました。
三陸旅2日目 釜石の山崎さんの処を後にして大船渡保育園に。この保育園も震災のあと地域の拠点となり、私たちも野染めやあみあみ会、桂塩鯛師匠の落語会等々何度もお邪魔した処です。ペコちゃん、ひげさんは久しぶりの再会。短い時間でしたが話が尽きませんでした。大船渡保育園の大銀杏の木は健在です。銀杏の向こうに見える海に防潮堤が建設され始めています。ポコ
大船渡保育園には本当にいつも温かく迎えてくださりかえって恐縮してしまいます。
大船渡保育園は、震災当時は皆さんの避難所として開放され、その時々に応じて様々な活動をされていたところです。
赤いカーディガンの方は、もう着なくなったセーターなどをほどいて何十足もの靴下カバーを編んで寒さをしのぐのに皆さんに配られていたとお聞きしました。お陰様で素敵な方々との出逢いは未熟な私にとりましてとても学びです。 ペコ
大船渡から陸前高田へ 絵本「ハナミズキのみち」の作者である淺沼ミキ子さん、陸前高田の保育園で「野染め」をした時にお世話になった佐々木亜紀さんお二人にお会いするため昼休みの時間にセットしてもらい「りくカフェ」でランチ。ここで暮らしている人にしか見えない話や子どもの話。それぞれに問題を抱えながら乗り越えていくしかない。あきらめたらアカン… 短い時間の中であらためてお二人から元気をいただきました。 おおきに………
ps りくカフェに向かう途中で夢工房「めぐみ」に寄ってみたらなんと徳山恵美子さんにお会いできました。通院中で東京にいることが多いようですが、たまたまその時間にお店に立ち寄られたとのこと。この偶然に感謝…
陸前高田から大槌おばちゃんくらぶへ 8日から始まる大槌での第1回シェイクハンド展の準備のお手伝いができればと会場に来てみれば、今までにない斬新な展示が刻々と進んでいました。今回も500体近くの加飾鮭が全国から集合して、会場のスペースを考えると京都でしていたような壁面利用だけの展示方法では展示しきれない。そこで考えられたのが空中展示。確かに少し見づらいのですがパネル等を持ち込んで展示スペースを確保できないのであればこの方法しかなかったように想います。いろいろ考えられての決断だったのでしょう。おばちゃんくらぶの皆様 おつかれさまでした。そして珍しい赤飯やとん汁 ごちそうさまでした。明日のオープンを楽しみに… 今夜は三陸駒舎に泊めてもらいます。 ポコ
お陰様で、ポコちゃんに連れてきてもらえてひげも私も「おおつちおばちゃんくらぶのShake HandのOPNING」に駆けつけることができました。
本当に川原畑さんをはじめおおつちおばちゃんくらぶの皆さんの頑張りに頭が下がります。 ペコ
昨夜は三陸駒舎に泊めていただきました。昨年の5月の野染め旅で泊めていただいて以来10ヶ月ぶりです。夜半から降り始めた雪で朝はうっすら雪化粧でした。美味しい食事と楽しい時間をありがとうございました。側を流れる川のあちこちに昨年の台風被害の爪跡が残っています。
おおつちおばちゃんくらぶのシェイクハンド展のオープニングに参加したあとは宮古市田老の大棒レオ子さんの家を訪ねました。震災後「ゆいとり」という手づくり工房を立ち上げられて仮設住宅に住む被災者の人たちと手づくりの作品を作り続けておられます。昨年秋にようやく新居が完成し、今はその一部屋が皆さんが集う工房になっています。図々しくも私たちは夕食をごちそうになりその日の宿とさせていただきました。写真は工房での作業の様子と豪華な夕食の様子です。
新花巻駅にもどりました 「ゆいとり」の大棒さん宅で泊めていただいたあと私が1年間働かせていただいた「ハックの家」に。半年ぶりにスタッフや利用者の皆さんと再会できました。相変わらずハックの家では豊かな時間が流れていました。その日はバングラデシュからハックの家に2週間の研修に来ていたカメィさんの最終日。カメィさんが特別に作ってくれたバングラデシュのカレーをごちそうになり、今回の三陸旅の最後の夜を過ごしました。今朝はハックの家の皆さんに見送られ、大槌のシェイクハンド展に再度お邪魔し、釜石で友人の溝渕さんをピックアップして新花巻駅に戻りました。これから私は宇都宮へ、ひげさん、ペコちゃんは東京に帰ります。
久しぶりの東北三陸旅。南は陸前高田から北は野田村まで、出来るだけご縁のある人たちとお会いできればと想いつつ、果たせなかった心残りは消えませんが、また次の機会があればと考えています。ただ震災後6年が経過したなかで復興という名の巨大防潮堤工事やかさ上げ工事、高速道路建設工事等、莫大な予算を使って施工されている工事は誰のための工事なのか?私には疑問ばかりが残っています。