せたがやチャイルドラインでは、3年前の2012年から、子どもたちがいじめなどの悩みを抱えやすい夏休み明けの一週間のフリーダイヤルキャンペーンを実施してきました。
2015年も、9月1日(火)から6日(日)の一週間、世田谷の子どもたちにむけてフリーダイヤルキャンペーンを実施します。
昨年8月に、世田谷ボランティア協会発行のボランティア情報誌「セボネ」に特集記事が掲載されました。キャンペーンにこめた“せたがやチャイルドラインの思い”を伝えるために特集記事を再掲します。
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世田谷ボランティア協会発行 ボランティア情報誌「セボネ2014年8月号」掲載特集記事
地域の子どもを真ん中に~せたがやチャイルドライン フリーダイヤルキャンペーン~
1998年に活動を始めたせたがやチャイルドラインは、現在、せたがや直通ダイヤルと全国共通のフリーダイヤルに電話をかけてくる子どもたちの気持ちを聴いています。
しかし、始まりはあくまでも「地域」でした。「いじめ」に苦しむ世田谷の子どもたちのために何ができるだろうと思案した大人たちが、「地域の子どもの悩みを地域の大人が受けとめよう」とチャイルドラインを立ち上げました。その原点に返り、一昨年と昨年に引き続き、今年も世田谷の子どもたちのためにキャンペーンをおこないます。
◆18才までの子ども専用電話 チャイルドラインは、18歳までの子ども専用電話です。日本では17年前に世田谷が日本で初めて試行し、常設化してからは14年になります。チャイルドラインは、大人の価値観をおしつけず、命令、指示、説教をすることなく、子どもの気持ちに寄り添い、子どもとともに考えます。電話をかけてくる子どもに主導権があり、子どもが自分自身で決定できるように、耳を傾けます。
◆「話を聴いてもらいたい」と思ってもらえる大人になりたい 普段のせたがやチャイルドラインは、火曜日〜土曜日16時〜21時まで(全国のチャイルドラインは毎日16時〜21時)電話を受けており、多くのボランティアが活動を担っています。
せたがやチャイルドラインを常設化したときから「支え手」として、電話を受ける「受け手」をサポートする活動をしている田野浩美さんにお話をうかがいました。
「私はPTAの活動をしていたとき『大人が一生懸命何かするのを子どもにみせるのが一番いいことなのではないか』と思い、「世田谷こどもいのちのネットワーク」で活動することにしました。その後、「いじめよとまれ!」のシンポジウムを経て、せたがやチャイルドラインが発足することになったので、研修を受けて「支え手」になりました」
「この活動をしてきて思うのは、子どもを取り巻く社会環境が変わっても、子どもたちの本質は変わらないんだということ。携帯電話が普及してからは電話をかけやすくなっているようですが、話してくれる内容に変化はありません。常設化したころは小学生と思われる子どもからの電話が多かったのですが、最近は中学生くらいからの電話も増えています。最初は少し距離を置いた内容から始まり、子どもが電話の「受け手」の反応を探っていることもあります。年齢が上がると、距離感をはかって本題に入るまでに時間を要する子もいます。探りを入れて話している感じでも、「受け手」がちゃんと聴く姿勢を見せると、きちんと話をしてくれることが多いです。心、気持ちが伝わるのですね。私たちはどんな子どもからも『話を聴いてもらいたい』と思ってもらえる大人になりたいと考えています」と田野さんは言います。
◆子どもが持っている力を信じる 「なんでもいいからかけておいで」と呼びかけているので、チャイルドラインにかかってくる電話の内容は実にさまざま。人間関係の悩み、雑談、いじめに関するもの、身体のこと、心のこと、性に関すること、将来について、進路問題、恋愛のこと、など多岐に渡ります。そのひとつひとつを真摯に受けとめ、耳を傾けるのがチャイルドラインです。親や先生、顔見知りの人と顔を合わせて話すのではなく、電話で顔を見ないで声だけをたよりに話す環境だからこそ打ち明けられる、質問できる空間をつくっています。
「暗い話ばかりではなく、腹立たしいことがあったと興奮して話したり、楽しい話もあります。さまざまな子どもの感情を受けとめて、「受け手」は会話のテンポや声のトーン、雰囲気を変えます。「受け手」が子どもの話をじっくり聴いていると、子ども自身が『ああ、あのときこうすればよかったのかなぁ、こうしたら防げたね』などと問題点や改善点に気づき自ら答えを見つけることがあります。子どもの力のすごさです。電話でのやりとりの間に確実に成長していくのです。「受け手」はいつも子どもの力に感心させられています」と田野さんは話します。
◆キャンペーンにむけて せたがやチャイルドラインでは、子どもがいじめなどに関連する悩みや不安を感じやすい、夏休み明けにキャンペーンを実施します。一昨年は「いじめ」をテーマに71件の電話を受け、2013年は内容を限定せずに実施して、135件の電話を受けました。2014年は9月1日から7日の1週間、専用フリーダイヤルで電話を受けます。世田谷区内の小・中学校・高校153校へ7万7千枚のチラシを配布し、子どもたちへ周知する予定です。
※注…2015年は9月1日(火)から6日(日)までの1週間、キャンペーンを実施します。

2013年に実施したときに子どもに配布した呼びかけチラシ
◆子どもたちの声 チャイルドラインでは、子どもとの約束で電話の内容は秘密にしています。以下の子どもの声は、実際の電話をもとに再構成してつくったものです。
私たち3人組の仲良しだったのに、最近、2人だけで話していて、私がひとりになってるの。休み時間に2人でしゃべっていると、私が入るの悪いかな、と思って…。でも、私は前みたいに3人でおしゃべりしたいのに。(中学生・女子)
この頃困っているのは、クラスの男子がうるさくて先生が注意しても言うこと聞かない。授業中なのに話しかけてくるし、無視すると悪口言ってくるし…ゆううつだな。(小学生・女子)
運動部なんだけど、スタメンからはずされちゃって、ショック!
今まではいつも自信があったんだけど、やばい!(高校生・男子)
お父さんほしいんだけど、どうしたらいいですか? お母さんと2人暮らしだから、友だちがお父さんと出かけるのを見て、いいなあ、と思って。お父さんほしいなあ…(小学生・男子)
◆広がる参加のかたち 現在、せたがやチャイルドラインは世田谷ボランティア協会の事業のひとつで、多くのボランティアのご支援とご協力で成り立っています。
広報ボランティアとして活動している方は「私は、子どもが親に気持ちを伝える間もなく子どもということで抑えつけられている現場をたくさん見てきました。見るたびに、何か自分にできることはないかと考えて、子どもたちの力になりたいと思い、10年ほど前からチャイルドラインの活動を応援しています。広報部隊として、子どもにチャイルドラインの電話番号が記されたカードを配布したり、寄付やボランティア募集の啓発活動をしています」
「以前はボランティアの大半が主婦層でしたが、最近では高校生も興味を持って活動に参加してくれたり、男性も増えて、学生からシニア世代の方と幅広い年齢層が活動に参加しています。「受け手」や「支え手」になるには、研修が必要で、お金と時間をかけたボランティア活動です。ボランティアのみなさんがより活動しやすくなるために、広報活動をもっと頑張らなくてはと思っています」と話します。
チャイルドラインはいろいろな形で参加できます。
@子どもたちからの電話を受ける「受け手」ボランティアになる
A厳しい状況にある子どもの声を聴くこともある「受け手」に寄り添い、ケアする「支え手」に なる
B運営に関するさまざまな活動(資金調達や講座、研修)を担う運営委員になる
C手づくりの小物やバザー用の品 物を提供する
D区内のお祭りやイベントで手づくり品の販売(売り子)をする
E手づくり品やバザー品を買う
Fチラシの印刷やカードの発送作業を手伝う
Gチャイルドラインの活動を身近な人に伝える
H「せたがやチャイルドライン応援団」になる(応援費1口3,000円、特別応援費1口1万円)
これらで得た応援費や寄付金は、ポスターやカードの作成、「受け手」「支え手」のスキルアップ研修費、電話代など、活動の充実のために使用されます。
子どもの成長にとって、困ったときに気軽に話ができる大人がいること、社会から取り残されていないと感じられることは大事なのではないでしょうか。「この街の子ども」をみんなの手で見守っていきませんか。
(取材 鈴木朋子)
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※この記事は、世田谷ボランティア協会発行のボランティア情報誌「セボネ2014年8月号」に掲載されたものです。
子どものために、大人がいまできること ~ご支援のお願い~ 子どもたちが電話をかけやすいように「せたがや専用フリーダイヤル」を増設します。
子どもからの電話にこたえるのは、「受け手」「支え手」と呼ばれるボランティアですが、フリーダイヤルの増設には費用が必要です。子どもたちの電話料金などをまかなうために、フリーダイヤルキャンペーンへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
◆寄付振込先
郵便振替 00120‐9‐740880
「社会福祉法人世田谷ボランティア協会」をささえる会
1口1,000円から、何口でも歓迎です。
◆寄付受付期間
2015年8月1日~9月30日
※この口座への寄付は所得税の寄付金控除の対象にはなりませんので、寄付金控除をご希望の方 は事前に世田谷ボランティア協会までご連絡ください。
問合せ先:せたがやチャイルドライン事務局
世田谷区下馬2−20−14

03-5712-5101 childline@otagaisama.or.jp