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SELP事務局NEWS

日本セルプセンター事務局の最新ニュースをテーマ別にお届けします。日々動いている活動内容を、リアルタイムでご紹介していきます。


障害者アートの活用法 [2010年10月15日(Fri)]
9月30日(木)にSELP訪問ルポの取材で奈良県の青葉仁会に行ってきました。取材のメインは「真心絶品」でも大好評のレトルトカレーを製造している施設「デリカテッセンイーハトーブ」ですが、法人のシンボルであるレストラン「ハーブクラブ」とか、利用者たちが家族と共に自然の中で過ごせるゲストハウスとか、青葉仁独特のユニークな施設や取り組みについてもじっくりお話を伺ってきました。ハーブクラブは予想以上にオシャレな空間で、ぜひ皆さんも一度遊びに行かれるといいと思いますよ。ちょうど今は奈良ブームだし。遷都くんのキャラクターグッズも、町には溢れておりますよ。



ところで今回は、青葉仁会の別施設で見つけた障害者アートについてです。青葉仁では、アート活動についても積極的な取り組みを進めています。アート作品を活用して作ったグッズを、「ハーブクラブ」の敷地内のショップで販売しているのですね。青葉仁特製和紙のハガキにアートをプリントしたポストカードなども、なんとも味わいある製品に仕上がっていましたし、絵を袋にあしらった特製割箸なども面白い製品だと思いました。



大分県の暁雲福祉会、静岡県の草笛の会や富岳会でもそうでしたが、アート活動に力を入れている施設(とくに知的障害者施設)は全国でも数多いと思います。とくに重度障害者たちの日中活動を充実させるためにアート活動は、重要なテーマの一つになっているとのこと。本当にたくさんの素敵な作品が描かれているようです。



残念なのは、そうした素晴らしいアートを「作業品目」の一つとして捉え、高い工賃実現のための手法として捉えている施設がまだあまり見られないことでしょう。東京コロニーでは20年前からアートビリティ(旧称:障害者アートバンク)という、障害者アートのメディアへの有償貸し出し事業を実践しておりますし、最近ではエイブルアートジャパンも同様の活動を本格的にスタートさせました。世界身体障害者芸術協会では、会員作家への生活援助を40年も昔から世界的な規模で進めています。セルプの中でも、「新しい事業」の一つとして障害者アートを捉えるような動きが生まれないかと、個人的には期待しています。



「デリカテッセンイーハトーブ」の担当者にそんな話をしたら、さっそくアートビリティに応募してみたいという連絡が入りました。日本セルプセンターの会員施設同士のこうした交流がスタートするのはとても望ましいことですね。将来的にはそんな仲間たちが情報を共有する場として、アート部会なんてのが生まれるといいんですが…。