日中関係改善の見通し―首脳会談実現の可能性
[2014年08月27日(Wed)]
日中関係改善?
7月末に福田康夫・元総理と習近平・中国国家主席が北京で極秘会談したとの報道以来、にわかに日中関係改善を期待させる動きが続いている。
8月9日には、ASEAN関連外相会議(於:ミャンマー・ネピドー)に際し、2012年9月以来2年ぶりとなる日中外相会談が行われ、日本の岸田文雄外相と中国の王毅外相が両国関係改善に向けて意見交換した(朝日新聞2014年8月10日)。
さらに8月18日には、李源潮・中国国家副主席が日本からの超党派若手政治家訪中団と会見し、「歴史を鑑とし、未来へ向かう精神で両国関係を発展させたい」と述べている(新華網日本語版2014年8月19日)。
首脳会談の可能性
こうした昨今の動きが本格的な日中関係改善につながるかどうか。中国側が日本との関係改善に本気で動き出すかどうか。その試金石は、やはり11月のAPEC首脳会議(於:中国・北京)開催時における日中首脳会談の実現とその内容であろう。
この日中首脳会談実現の可能性について、筆者は、せいぜい50%程度と今のところ見ている。
鍵となるのは、習主席が本当に安部総理との会談について、デメリットを上回るメリットを感じるかどうかだ。
中国歩み寄りの背景
習主席の態度に変化の兆しが見えてきた背景として、日本の対中国投資の大幅減少を指摘できる。2014年上半期、日本の対中国直接投資は、前年同期比48.8%減の24億ドルにとどまった。
日本の対中国投資減少は、中国の人件費上昇が主な原因と見られるが、昨今の日中関係の悪化により企業が投資を手控えている面もあろう。中国にとって日本は、いまでも主たる投資提供者である。その日本からの投資が、これだけ大幅に減少すれば、中国経済にとって痛手であろう。特に、日本企業の進出に期待している中国の地方経済にとっては、死活問題ともなりうる。
このため中国は、日本の対中国投資大幅減少が明らかになってきた今年夏前頃から、経済交流面に限っては、日本に対する態度を少し変化させてきていた。たとえば、米倉・前経団連会長が5月に訪中した際、李源潮国家副主席が面談に応じ、投資をためらう日本企業の不安を払拭しようとした事は、こうした中国側の変化を象徴する動きと見て取れる。
しかし、今のところ日本の対中国投資に回復の兆しは見えない。習主席が、日中関係改善の意欲を見せ始めたのは、こうした日本企業の委縮姿勢に変化を起こしたいからだと筆者は考える。
習主席の損得計算
ただし、中国の指導者にとって、日本に対する融和姿勢は政治上の命取りになりうる。習主席としても、腐敗の取締りや既得権益の打破により、国内で政敵の恨みを買いやすい状況にある状況下、尖閣諸島問題や歴史認識問題などで対立が深まっている安部総理に対して、安易な歩み寄りをすることは、政治的な危険を伴う。
11月までには、まだまだ時間がある。いずれにせよ安部総理はAPEC出席のため北京を訪れるのだから、習主席は直前まで日中首脳会談の開催について態度を明らかにすることなく是非を検討することが可能だ。
その間、習主席としては、安部総理など日本側の出方に注目しながら、中国国内からの反発の可能性も考慮に入れて、日中首脳会談の損得について思案を続けることになるだろう。
7月末に福田康夫・元総理と習近平・中国国家主席が北京で極秘会談したとの報道以来、にわかに日中関係改善を期待させる動きが続いている。
8月9日には、ASEAN関連外相会議(於:ミャンマー・ネピドー)に際し、2012年9月以来2年ぶりとなる日中外相会談が行われ、日本の岸田文雄外相と中国の王毅外相が両国関係改善に向けて意見交換した(朝日新聞2014年8月10日)。
さらに8月18日には、李源潮・中国国家副主席が日本からの超党派若手政治家訪中団と会見し、「歴史を鑑とし、未来へ向かう精神で両国関係を発展させたい」と述べている(新華網日本語版2014年8月19日)。
首脳会談の可能性
こうした昨今の動きが本格的な日中関係改善につながるかどうか。中国側が日本との関係改善に本気で動き出すかどうか。その試金石は、やはり11月のAPEC首脳会議(於:中国・北京)開催時における日中首脳会談の実現とその内容であろう。
この日中首脳会談実現の可能性について、筆者は、せいぜい50%程度と今のところ見ている。
鍵となるのは、習主席が本当に安部総理との会談について、デメリットを上回るメリットを感じるかどうかだ。
中国歩み寄りの背景
習主席の態度に変化の兆しが見えてきた背景として、日本の対中国投資の大幅減少を指摘できる。2014年上半期、日本の対中国直接投資は、前年同期比48.8%減の24億ドルにとどまった。
日本の対中国投資減少は、中国の人件費上昇が主な原因と見られるが、昨今の日中関係の悪化により企業が投資を手控えている面もあろう。中国にとって日本は、いまでも主たる投資提供者である。その日本からの投資が、これだけ大幅に減少すれば、中国経済にとって痛手であろう。特に、日本企業の進出に期待している中国の地方経済にとっては、死活問題ともなりうる。
このため中国は、日本の対中国投資大幅減少が明らかになってきた今年夏前頃から、経済交流面に限っては、日本に対する態度を少し変化させてきていた。たとえば、米倉・前経団連会長が5月に訪中した際、李源潮国家副主席が面談に応じ、投資をためらう日本企業の不安を払拭しようとした事は、こうした中国側の変化を象徴する動きと見て取れる。
しかし、今のところ日本の対中国投資に回復の兆しは見えない。習主席が、日中関係改善の意欲を見せ始めたのは、こうした日本企業の委縮姿勢に変化を起こしたいからだと筆者は考える。
習主席の損得計算
ただし、中国の指導者にとって、日本に対する融和姿勢は政治上の命取りになりうる。習主席としても、腐敗の取締りや既得権益の打破により、国内で政敵の恨みを買いやすい状況にある状況下、尖閣諸島問題や歴史認識問題などで対立が深まっている安部総理に対して、安易な歩み寄りをすることは、政治的な危険を伴う。
11月までには、まだまだ時間がある。いずれにせよ安部総理はAPEC出席のため北京を訪れるのだから、習主席は直前まで日中首脳会談の開催について態度を明らかにすることなく是非を検討することが可能だ。
その間、習主席としては、安部総理など日本側の出方に注目しながら、中国国内からの反発の可能性も考慮に入れて、日中首脳会談の損得について思案を続けることになるだろう。



