自然をふやすくふう -ミティゲーション- No.45[2016年01月27日(Wed)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.45
ミティゲーションは、環境への悪影響を避けたり自然をふやすためのひとつの方法です。自然の開発をはじめから認めた上での消極的な対策にとどめるのではなく、残された質の高い自然をこれ以上壊すことをやめ、さらには、過去に壊した自然を積極的に回復するための手段とする発想が、これからの時代に求められています。
ミティゲーションって何?
開発事業にかかわる環境アセスメントのニュースなどで、「ミティゲーション」という言葉がきかれるようになってきました。
ミティゲーションとは、一般に、自然への悪影響を「避ける/やわらげる」という意味ですが、米国などでは古くから法律に位置づけられ、自然を確実に守りふやしていく手続きのひとつになっています。
◆ミティゲーションって何?
自然の開発を行う計画などがもちあがったとき、最近よく「ミティゲーション(mitigation)」という言葉を耳にします。
ミティゲーションとは、簡単にいえば、自然への悪影響をさけたり、やわらげたりすることです。
例えば、ゴミ処分場をつくるために湿地の埋め立てを予定していたとします。
しかし、そこが渡り鳥の利用する大切な場所であるという理由から、埋立てを中止した場所がそうです。
あるいは、道路を建設する事業で、計画では道路が森をつらぬくことになっていたところ、森を壊さないようなルートに変更したという場合、ミティゲーションを行ったといいます。
◆ミティゲーションの種類
こうしたミティゲーションの考え方は、欧米では古くからありました。
米国では1969年、環境に関する国の基本法である「国家環境政策(NEPA)」ができ、この法律に位置づけられた環境アセスメント制度に関連して、ミティゲーションの種類が定義されています。
米国では現在、次の3つに大別することが多くなっています。
◆回避→最小化→代償
ミティゲーションの検討にあたっては、優先順序があります。
その順序とは、@回避→A最小化→B代償の順です。
まず回避が優先され、代償は回避や最小化が困難な場合の、あるいは最小化しても残る環境への悪影響を埋め合わせる最後の手段です。
こうした順位づけは、環境アセスメントと大いに関係があります。
米国の環境アセスメント制度のなかでは、計画された開発事業などが環境へ大きな影響を与えると予測された場合、その影響を評価し、環境への影響をさける代替案の検討が義務づけられています。
その代替案においては、上に示した優先順位でミティゲーションを検討することになっています。
- ミティゲーションって何?
- 回避が最優先
- 「代償」ミティゲーション
- ドイツのミティゲーション
- 都市の再開発にこそ「ミティゲーション」を
ミティゲーションは、環境への悪影響を避けたり自然をふやすためのひとつの方法です。自然の開発をはじめから認めた上での消極的な対策にとどめるのではなく、残された質の高い自然をこれ以上壊すことをやめ、さらには、過去に壊した自然を積極的に回復するための手段とする発想が、これからの時代に求められています。
ミティゲーションって何?
開発事業にかかわる環境アセスメントのニュースなどで、「ミティゲーション」という言葉がきかれるようになってきました。
ミティゲーションとは、一般に、自然への悪影響を「避ける/やわらげる」という意味ですが、米国などでは古くから法律に位置づけられ、自然を確実に守りふやしていく手続きのひとつになっています。
◆ミティゲーションって何?
自然の開発を行う計画などがもちあがったとき、最近よく「ミティゲーション(mitigation)」という言葉を耳にします。
ミティゲーションとは、簡単にいえば、自然への悪影響をさけたり、やわらげたりすることです。
例えば、ゴミ処分場をつくるために湿地の埋め立てを予定していたとします。
しかし、そこが渡り鳥の利用する大切な場所であるという理由から、埋立てを中止した場所がそうです。
あるいは、道路を建設する事業で、計画では道路が森をつらぬくことになっていたところ、森を壊さないようなルートに変更したという場合、ミティゲーションを行ったといいます。
◆ミティゲーションの種類
こうしたミティゲーションの考え方は、欧米では古くからありました。
米国では1969年、環境に関する国の基本法である「国家環境政策(NEPA)」ができ、この法律に位置づけられた環境アセスメント制度に関連して、ミティゲーションの種類が定義されています。
米国では現在、次の3つに大別することが多くなっています。
- 1. 「回避」開発を中止したり、別のところで行うことで自然への悪影響をさける
- 2. 「最小化」開発面積を小さくしたりして、自然への悪影響をできる限り小さくする
- 3. 「代償」開発によって失われる自然の代わりに、別の場所で自然を守ったり、新たに自然を回復したりすることで悪影響の埋め合わせをする
◆回避→最小化→代償
ミティゲーションの検討にあたっては、優先順序があります。
その順序とは、@回避→A最小化→B代償の順です。
まず回避が優先され、代償は回避や最小化が困難な場合の、あるいは最小化しても残る環境への悪影響を埋め合わせる最後の手段です。
こうした順位づけは、環境アセスメントと大いに関係があります。
米国の環境アセスメント制度のなかでは、計画された開発事業などが環境へ大きな影響を与えると予測された場合、その影響を評価し、環境への影響をさける代替案の検討が義務づけられています。
その代替案においては、上に示した優先順位でミティゲーションを検討することになっています。