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沈黙の警告! 消えたカエルの声 No.18[2015年12月31日(Thu)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.18
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  • 世界中でカエルが減っている

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  • なぜいなくなった?

  • 大切なエコトーン

  • カエルがすめる自然をもう一度

  • カエルを探しに行こう


まだまだ寒い日が続きますが、野生の生き物たちは春がやってきたことをちゃんと知っています。
湿地や水田などの水溜まりを探せば、もう、ヒキガエルやアカガエルが卵を産んでいるはずです。
世界各地の人々は、昔から天気の変化や雨期や乾期が近いことをカエルから知り、暮らしに役立ててきました。
カエルが登場する歌や物語もたくさん有ります。
ひょうきんな表情のせいでしょうか、カエルは多くの人々に親しまれてきた生き物です。
しかし、今、地球規模でカエルが絶滅したり激減しています。
その理由が、環境破壊にあることは間違いないのですが、原因が特定できない例がたくさんあります。
カエルたちは「鉱山のカナリア」のように、環境破壊に警告を発しているようです。


大切なエコトーン

カエルは水と陸を行き来する

両生類であるカエルの一番の特徴は水の中で育ち、成長すると陸に上がって暮らすことです。
もちろん親になっても水と陸を行き来します。
つまり、カエルの種類や数が多いと、水辺と森や草地などが一体になった、豊かな自然生態系が残っていると判断できます。
逆にカエルの絶滅や減少は、周辺の自然生態系まで含めた、広範な自然破壊を証明していると考えることができます。

カエルが減るとタカも減る

ニホンアカガエルの卵塊の数が1haあたり100個以下になると、両生類全体の種類数も急速に減少することを、長谷川氏(前出)が調べています。
いなくなるのはカエルだけではありません。
カエルを主食にしているヤマカガシとシマヘビも激減します。
ヘビが嫌いな人は喜ぶかも知れませんが、『食う・食われる』という食物連鎖でつながっている野生の生き物たちには、次々と影響が及ぶことを忘れてはいけません。
谷津田と周辺の森にすみ、その地域の自然生態系の最上位に位置しているサシバというタカは、ヘビやカエルを捕食するため、農地整備や水田の耕作放棄の悪影響をまともに受けてしまいます。
カエルがすめない環境では、イモリやトンボ、サギやイタチも減ってしまいます。

大切なエコトーン

エコトーン。初めて目にされる方も多いかもしれません。
日本語では「環境推移帯」といい、森林から草原に変わる林縁部や、水草が生える水際などの環境を指します。
エコトーンは森と草地、水中と陸上というように異なった環境の接点にあるため、生き物の種類が多様なことが知られています。
水辺のエコトーンは、魚類の産卵場所や稚魚が育つ場所でもあります。
水の濁りの原因になる植物プランクトンは稚魚の餌にもなります。
カイツブリやカルガモ、バンなどの水鳥もエコトーンに巣を作ります。
きれいな水があり、周囲に緑の森があっても、水際が切り立ったコンクリートでエコトーンがなければ、生き物の数が少なくなり、自然生態系の質は格段に低下してしまいます。
水陸両方にすみカエルは、水辺のエコトーンを代表する生き物と言ってよいでしょう。
タグ:カエル
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