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日本の適正人口は5,500万人 No.121[2016年04月12日(Tue)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.121
−生態系文明の始まり−
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世界で45億人、日本で5,500万人が適正

地球1個につき45億人

イースター島と同じように、地球も一つの閉ざされた島のようなものです。その限りある地球のなかで、自然の恵みを受けながら人々が持続的に暮らしていくためには、いったいどれくらいの人口が望ましいのでしょうか。

現在、私たちは物質的に豊かな生活を送っていますが、この生活を成り立たせるのに必要な土地(食料をつくりだす農地やCO2を吸収する森林など)を計算する「エコロジカル・フットプリント」という考えがあります。
「人間が生態系を踏みつけた足跡」という比喩からこう呼ばれています。

これによると、2007年に一人の人間が必要とした土地は164m×164mでした。
これは、人類全体では地球1.5個※分の土地を利用していることを意味します。
逆に計算すると、地球1個分の生態系でまかなえる人口は45億人程度ということになります。
これは1980年ごろの世界人口とほぼ同じです。

日本は5,500万人が一つの目安

日本の人口はどれくらいが適正なのでしょうか。
現状は、特に東京を中心とした大都市において人口が集中しており、食料やエネルギーの供給、廃棄物の処理や防災といったあらゆる面で危機的な状況にあると言えます。

2006年時点の計算によると、日本のエコロジカル・フットプリントは、1人あたり202m×202mの土地面積に相当し、世界平均の約1.5倍、世界中の人々が日本人と同じ生活をしたとすると地球が2.3個も必要となります。

逆に世界中の人々が同じレベルの生活をして地球一個分の生態系サービスでおさめるには、日本の人口は約5,500万人と計算でき、一つの目安になります。

人口政策を考えるうえでの参考になるのは、江戸時代です。当時は食料や燃料の供給も、廃棄物の処理も、ほぼすべて地域内でまかっており、さらに鎖国をしていたため海外からの輸入も制限されていました。
つまり、地域や国内の資源のみで人口を支えていたのです。

埼玉県三芳町と所沢市にまたがる三富新田では、江戸時代、川越藩主の柳沢吉保が進めた新田開発により、屋敷林、雑木林、農地が計画的に区割りされていました。
なお、ここだけでなく、土地面積にみあった適正な人口で、自然とともに暮らし、生態系サービスの回復を待って利用する、循環型の暮らしが営まれていました。

また、自分を中心に三里(約12Km)以内で栽培された野菜を食べていれば、健康で長寿でいられる「三里四方の野菜を食べよ」という言葉があったように、人々は地産池消を基本とした生活を送っていました。

このような暮らしをしていた時代の日本の人口は5,500万人を下回る、3,000万人程度でした。

人口減に前向きに

厚生労働省の「将来推計人口」によると、2060年の日本の人口は8,674万人と試算されていますが、エコロジカル・フットプリントから考えた適正人口に比べるとまだ多すぎると言え、5,500万人という目安に向かって政策を進める必要があります。

人口減少の問題として一般的に考えられているのは、生産人口が減り、経済は停滞、税収が減り、これまで受けられたサービスが受けられなくなる、あるいはさまざまな我慢を強いられる、不便で惨めな社会になることではないでしょうか。

実際、電気・水道や鉄道・道路といった公共施設は、人口の規模にかかわらず必要なものであり、人口が少なければ、一人当たりの負担は大きくなります。
しかも、これまで人口増加を見込み、借金をしながら広がり続けた市街地やそれに伴う施設を維持管理することすらできなくなります。
また現在、食料もエネルギーも他国の生態系サービスを消費し、商品を購入することで成り立っていますが、世界的に増え続ける人口を支えるため、食料や水、地下資源は足りなくなる一方で、ますます値上がりしていくでしょう。
その時買うお金は残っているのでしょうか。

しかし、これまでのサービスや持っていたものが、そもそも不要なまち・しくみへ変えられたら、不便でも惨めでもありません。
例えば、車を持っていたほうが、持っていないより豊かに思いますが、公共交通が発達し、職場が近いなど、そもそも車を必要としないまちなら、不便は感じません。
今は、人口と税収が少なくても、いかに不便さを感じないまちへ変えていけるか、という分野に知恵を絞る必要があります。

※生きている地球レポート2010年版(WWF)
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